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第12蝶 異世界最強魔法少女(幼女)との邂逅編

下心満載な怒髪天幼女

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「ん、フーナさま。お土産買い過ぎ。お店の人驚いてた」

「そうかな? でもみんないっぱい食べるでしょ? お屋敷でお留守番しているアドもエンドたちも。だから大丈夫だよっ!」  
 
 今の時刻はちょうどお昼の時。
 私とメドは久し振りに来たノトリを満喫している。

 お昼はこの街で有名&定番の、キュートードを使った数々の料理を食べ歩いている。
 串焼きやスープを片手に、持ち帰りできるものは購入していった。

 このキュートードと言う魔物は、煮ても焼いても生でも絶品だ。
 全ての部位を美味しくいただける、万能を通り越してもはや至高の食材。


「ん、でも殆どのお店が売れ切れになってた」
「うっ? 確かにそうだね…… ちょっと買い過ぎたかな?」

 私とメドが寄ったお店の殆どが暖簾を下げたり、店を片付け始めていた。


「ん、それもそうだけど。ちょっと前にシクロ湿原に強力な魔物出て流通が止まった」

「あ、わたしも聞いた事あるっ! 突然現れて消えたりする凄い魔物がいて、それのせいでキュートードを捕獲できなくってこの街が危なかったってっ!」

 ポフと手を叩き、メドの話から思い出す。
 因みにポンと手を鳴らせないのは、長すぎる萌え袖のせい。


「ん、今はもう大丈夫。退治されたらしいから」
「おおっ! それは良かったっ! もしかして冒険者だったのかな?」
「ん、そう聞いてる」
「でもこの近くに冒険者っていないよね? 誰か依頼で来たのかな? え~と」
 
 メドに聞きながら、自分でも頭の中で考えてみる。  

『ん~、私たち以外にこの国の高ランクだと、神速の冷笑と剛腕の嘲笑の双子姉妹と、問答無用の断罪シスター。人形使いのハーレム巫女に、災害の魔法使い幼女。って、それは私か? あ、それと元Aランクの鉄壁の開墾幼女もこの大陸にいたっけ? 後は貴族の息子で――――』

 指折り数えながら、有名で強い冒険者を思い出す。
 異名呼び名のは、本名よりもその特徴が知れ渡っているからだ。


「ん、確か退治したのはCとDとFランクの3人の冒険者って聞いた」
「え? マジでっ!? そのランクで?」

 一人悩んでいる私にメドが教えてくれる。

「ん、しかもその中の二人は冒険者になりたてのCランクとFランクの魔法使い。もう一人はベテランの魔法使い」

「へ~、魔法使いだけのパーティーで倒したんだ―――― ん? Fランクでなりたてはわかるけど、Cランクはランクアップしたばかり?」

 メドの話に違和感を感じ聞き返す。

 もしかして説明を間違えたのかな?
 冒険者になりたてのCランクじゃなくて、Cランクになりたてかなって?

「ん、そう聞いた。その日にCランクって」
「え? そんな事あるの?」

 メドの横顔を覗き込む。

「ん、少なくともワタシは知らない。情報もまだ少ない」
「う~、きっとそれ間違っているよ? わたしも冒険者歴長いけど知らないもん」

 確実にない、とは言えないけど、少なくとも20年近く聞いた事がない。 
 特例のルールが私が知らないだけで出来たなら別だけど。


「ん、でも確かな情報もある」
「なに?」
「その中のリーダーらしい人物はメスで――――」
「メスじゃなくて女性ね?」
「ん、女性で、蝶の格好をしている。羽根生えた衣装を着てる」
「へ~、なかなか奇抜な格好だね? わたしも人のこと言えないけど……」

 立ち止まり、自分の服装を見てみる。
 ダボダボなローブと長すぎる三角帽。
 
 うん、私も同類だね。


「ん、それと女性だけのパーティーを組んでいて、みんな幼い少女みたい」
「え? 少女っ!? しかも幼い?」
「そう。6歳から16歳くらいの美少女を集めて、はべらせてるって聞いた」
「美少女もいるのっ!」

 もろ私の範囲内だよっ!

「あと、幼い子供を集めて孤児院にかこってる」
「え?」
「それで無理やり働かせて、お金も稼いでいるって聞いた」
「…………むむ?」
「他には、スラムからも女の子をさらってきたみたい」
「う~」

 何それ?

 うらやま…… じゃなくて許せないよっ!
 幼女を孤児院って場所に軟禁しながら、無理に働かせるなんてさっ!

 一体幼女を何だと思ってるのっ!? 
 眺めて触って堪能するものでしょうっ!

 プニプニの頬っぺや、ツルツルのお腹やお尻やちっぱいを覗くのが嗜みでしょう?
 たまにタッチしたり、スリスリしたりするのは間違った振りして回避だよっ!

 なのに家畜のように働かせて搾り取るなんて、絶対に間違っている。
 そんな人間は世の中全ての幼女の敵だ。
 
 いいや、それだけじゃない――――


「うが――――――っ!!」

「んっ! どうしたの? フーナさま」

 いきなり両手を挙げて、空に咆哮した私の行動に驚くメド。
 
「わたし決めたっ!」
「ん? なにを?」
「その蝶はわたしが駆除するっ!」
「んっ!?」
「だって、その蝶を退治しないと不幸な子供が増えていくもんっ!」
「ん」
「もしかしたらメドたちの敵になるかもしれないもんっ!」
「………………」
「だからその蝶は今日からわたしの敵だっ!」
「……………ん」

 そう。

 悪の根源を駆逐しないと、この先幼女たちに未来はない。  
 嫉妬だとか羨望の念とか、そんな邪な考えさえ頭に浮かばない。

 それほどに私は怒っているのだ。

『うふふ、ちょっとだけメドが私に見蕩れてる。これで好感度アップ間違いないねっ! この流れで今夜はもしかしたら一緒にお風呂入れるかもっ!』

 隣を歩く、白くて華奢な体をチラ見しながら、今夜はご馳走だと期待した。

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