11 / 41
お風呂上がりのメドとEND
しおりを挟む※ちょっとだけ性的表現があります。
苦手な方はどうかご遠慮ください。
「フーナさま、さっきから誰と話してるの?」
たった今、女神のメルウちゃんと、話題に上がっていたメドが、お風呂上がりの姿でやって来たっ!
『この絵の黒いドラゴン、エンシェントドラゴンとはいったいどういう関係なのっ?』
そんなメドを見ながら、ちょっと不安になった。
でもこれは聞かなければならない事だ。
「あ、あのねメド、ちょっと聞きたい事があるんだけど……」
エントランスホールに来たメドに、恐る恐る声を掛ける。
なんだけど、
『ゴクリッ』
そんなメドを見て、私は自然と喉を鳴らしてしまう。
だってそれはそうだろう。
今のメドはヤバい。
何がヤバいっかって?
お風呂上がりのメドは、その白く長いきれいな髪をしっとり濡らして、頬も上気しやや赤みがさしている。
尚且つ、薄手の白いノースリーブがそのきれいな細い手足が見え、それとメドの華奢でストレートな体のラインもバッチリ見える。
し、しかも――――
『ぶふぅっ! ちょ、直視できないっ!! は、鼻から血がぁっ――』
萌え袖で鼻と口を塞ぎ、なんとか血液の逆流を防ぐ。
それでもチラチラと覗き魔のように袖の隙間からチラ見してしまう。
『ア、アンダーシャツか、スポブラみたいなの着てないのっ!』
メドは薄手のシャツの割に、そのささやかな山とその頂上が、うっすらと浮かんでいる事を気にしている様子が全くない。
ろりえろっぽいっ!
『は、早く、お持ち帰りしたいっ! 早く今夜の抱き枕にっ!』
「フンっフンっ」と今度は思わず鼻を鳴らしてしまう。
「で、フーナさま。話ってなに?」
メドは私にと視姦されているとも知らずに、コテンと首を傾げながら、不思議そうに声を掛けてくる。
「あ、あのね、あの階段の上に飾ってある、大きな絵はどうしたのっ?」
気を取り直して確認の為聞いてみる。
視線はメドの頂上を、ガン見したままだけど。
「あれはこの大陸のドラゴン。本物のエンシェントドラゴン」
「ええっ! やっぱりそうだったのっ! どんな関係なのっ!!」
「この大きな家貰った」
「はぁっ!? なんで?」
この屋敷って元はエンシェントドラゴンの持ち物?
「アイツ、昔からワタシに付きまとう。ツガイになりたいみたい」
「えっ!?」
ツガイって―――― 夫婦って事だよねっ!?
「そして、あ、名前は『エンド』がこの家勝手にくれた。だから貰っただけ」
「…………」
『END』って、なんかヤバい名前じゃない?
「アイツ嫌い。この前もワタシに無理矢理入ってきた」
「メ、メドに、む、無理矢理入ってきたっ?」
も、もしかして、それって―――― もう、
『あわわっ!』
もうメドは無理矢理に大人の階段をダッシュしたって言うのっ?
私のメドがぁ!
ENDが私より先にっ!?
「ん? 間違った。ワタシの家に無理矢理入ってきた」
「………………はぁ」
(ねえ、ねえ、フーナお姉さん)
紛らわしいし、ものすごく焦った。
メドの貞操が私の知らないところで喪失していると。
「そ、それで、なんでメドの家に無理矢理押し入るの? も、目的は、やっぱりメドの純潔っなの!?」
(ねえってば、フーナお姉さんっ!)
「純潔? よくわからないけど多分そう。この前も無理矢理に――」
「無理矢理に!?」 ゴ、ゴクリッ
(ねえっ! フーナお姉さん! エンドの居場所聞いてなのっ?)
「無理やりに、勝負仕掛けてきた。ツガイになれと」
「……………………」
また、このパターンなんだ。
「それでワタシは、その勝負――――」
『ねえっ、ねえってばっ! フーナお姉さんっ!』
カチンッ
「――――んもうっ! さっきからメルウちゃんうるさいっ! 今はそれどこじゃないでしょっ!」
そう怒鳴ってしまう。
構ってちゃんのメルウちゃんが、幾度も脳内に話し掛けてくるから。
今はメドと大事な話をしてるのだ。
メドが幼女か幼性女かが決まる、そんな大事な話の最中なのだ。
だからたまには空気読もうよっ!
『もうっ酷いよっ! フーナお姉さん! わたち帰るっ!』
「ん、それどこじゃない? …………わかった。ワタシもう寝る」
「え、ちょっと待って、二人とも?――――」
急に立ち去るメドを引き留めようと、手を伸ばすが遅かった。
「あれ?……………」
し~~~~ん
そして二人ともいなくなった。
このだだっ広いホールには、私が独りポツンと残された。
メドを引き留めようと差し出した私の手は、無駄に長い袖がプラプラと揺れているだけだった。
「う~っ!」
なんで、こんな事に?
「メルウちゃんには、後で謝まるとして、それよりも…………」
急いでメドが消えていった扉の先に向かった。
話の途中だったし、なんか知らないけど怒っているみたいだったし、
それとお腹も減ったから。
0
お気に入りに追加
84
あなたにおすすめの小説
拝啓神様。転生場所間違えたでしょ。転生したら木にめり込んで…てか半身が木になってるんですけど!?あでも意外とスペック高くて何とかなりそうです
熊ごろう
ファンタジー
俺はどうやら事故で死んで、神様の計らいで異世界へと転生したらしい。
そこまではわりと良くある?お話だと思う。
ただ俺が皆と違ったのは……森の中、木にめり込んだ状態で転生していたことだろうか。
しかも必死こいて引っこ抜いて見ればめり込んでいた部分が木の体となっていた。次、神様に出会うことがあったならば髪の毛むしってやろうと思う。
ずっとその場に居るわけにもいかず、森の中をあてもなく彷徨う俺であったが、やがて空腹と渇き、それにたまった疲労で意識を失ってしまい……と、そこでこの木の体が思わぬ力を発揮する。なんと地面から水分や養分を取れる上に生命力すら吸い取る事が出来たのだ。
生命力を吸った体は凄まじい力を発揮した。木を殴れば幹をえぐり取り、走れば凄まじい速度な上に疲れもほとんどない。
これはチートきたのでは!?と浮かれそうになる俺であったが……そこはぐっと押さえ気を引き締める。何せ比較対象が無いからね。
比較対象もそうだけど、とりあえず生活していくためには人里に出なければならないだろう。そう考えた俺はひとまず森を抜け出そうと再び歩を進めるが……。
P.S
最近、右半身にリンゴがなるようになりました。
やったね(´・ω・`)
火、木曜と土日更新でいきたいと思います。
神に同情された転生者物語
チャチャ
ファンタジー
ブラック企業に勤めていた安田悠翔(やすだ はると)は、電車を待っていると後から背中を押されて電車に轢かれて死んでしまう。
すると、神様と名乗った青年にこれまでの人生を同情された異世界に転生してのんびりと過ごしてと言われる。
悠翔は、チート能力をもらって異世界を旅する。
異世界転生~チート魔法でスローライフ
リョンコ
ファンタジー
【あらすじ⠀】都会で産まれ育ち、学生時代を過ごし 社会人になって早20年。
43歳になった主人公。趣味はアニメや漫画、スポーツ等 多岐に渡る。
その中でも最近嵌ってるのは「ソロキャンプ」
大型連休を利用して、
穴場スポットへやってきた!
テントを建て、BBQコンロに
テーブル等用意して……。
近くの川まで散歩しに来たら、
何やら動物か?の気配が……
木の影からこっそり覗くとそこには……
キラキラと光注ぐように発光した
「え!オオカミ!」
3メートルはありそうな巨大なオオカミが!!
急いでテントまで戻ってくると
「え!ここどこだ??」
都会の生活に疲れた主人公が、
異世界へ転生して 冒険者になって
魔物を倒したり、現代知識で商売したり…… 。
恋愛は多分ありません。
基本スローライフを目指してます(笑)
※挿絵有りますが、自作です。
無断転載はしてません。
イラストは、あくまで私のイメージです
※当初恋愛無しで進めようと書いていましたが
少し趣向を変えて、
若干ですが恋愛有りになります。
※カクヨム、なろうでも公開しています
転生したら脳筋魔法使い男爵の子供だった。見渡す限り荒野の領地でスローライフを目指します。
克全
ファンタジー
「第3回次世代ファンタジーカップ」参加作。面白いと感じましたらお気に入り登録と感想をくださると作者の励みになります!
辺境も辺境、水一滴手に入れるのも大変なマクネイア男爵家生まれた待望の男子には、誰にも言えない秘密があった。それは前世の記憶がある事だった。姉四人に続いてようやく生まれた嫡男フェルディナンドは、この世界の常識だった『魔法の才能は遺伝しない』を覆す存在だった。だが、五〇年戦争で大活躍したマクネイア男爵インマヌエルは、敵対していた旧教徒から怨敵扱いされ、味方だった新教徒達からも畏れられ、炎竜が砂漠にしてしまったと言う伝説がある地に押し込められたいた。そんな父親達を救うべく、前世の知識と魔法を駆使するのだった。
攫われた転生王子は下町でスローライフを満喫中!?
伽羅
ファンタジー
転生したのに、どうやら捨てられたらしい。しかも気がついたら籠に入れられ川に流されている。
このままじゃ死んじゃう!っと思ったら運良く拾われて下町でスローライフを満喫中。
自分が王子と知らないまま、色々ともの作りをしながら新しい人生を楽しく生きている…。
そんな主人公や王宮を取り巻く不穏な空気とは…。
このまま下町でスローライフを送れるのか?
システムバグで輪廻の輪から外れましたが、便利グッズ詰め合わせ付きで他の星に転生しました。
大国 鹿児
ファンタジー
輪廻転生のシステムのバグで輪廻の輪から外れちゃった!
でも神様から便利なチートグッズ(笑)の詰め合わせをもらって、
他の星に転生しました!特に使命も無いなら自由気ままに生きてみよう!
主人公はチート無双するのか!? それともハーレムか!?
はたまた、壮大なファンタジーが始まるのか!?
いえ、実は単なる趣味全開の主人公です。
色々な秘密がだんだん明らかになりますので、ゆっくりとお楽しみください。
*** 作品について ***
この作品は、真面目なチート物ではありません。
コメディーやギャグ要素やネタの多い作品となっております
重厚な世界観や派手な戦闘描写、ざまあ展開などをお求めの方は、
この作品をスルーして下さい。
*カクヨム様,小説家になろう様でも、別PNで先行して投稿しております。
転生したら神だった。どうすんの?
埼玉ポテチ
ファンタジー
転生した先は何と神様、しかも他の神にお前は神じゃ無いと天界から追放されてしまった。僕はこれからどうすれば良いの?
人間界に落とされた神が天界に戻るのかはたまた、地上でスローライフを送るのか?ちょっと変わった異世界ファンタジーです。
大工スキルを授かった貧乏貴族の養子の四男だけど、どうやら大工スキルは伝説の全能スキルだったようです
飼猫タマ
ファンタジー
田舎貴族の四男のヨナン・グラスホッパーは、貧乏貴族の養子。義理の兄弟達は、全員戦闘系のレアスキル持ちなのに、ヨナンだけ貴族では有り得ない生産スキルの大工スキル。まあ、養子だから仕方が無いんだけど。
だがしかし、タダの生産スキルだと思ってた大工スキルは、じつは超絶物凄いスキルだったのだ。その物凄スキルで、生産しまくって超絶金持ちに。そして、婚約者も出来て幸せ絶頂の時に嵌められて、人生ドン底に。だが、ヨナンは、有り得ない逆転の一手を持っていたのだ。しかも、その有り得ない一手を、本人が全く覚えてなかったのはお約束。
勿論、ヨナンを嵌めた奴らは、全員、ザマー百裂拳で100倍返し!
そんなお話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる