【R18】さよならシルバー

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083 9月12日 二回目 3/3

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(私、体柔らかくて良かった)
 七緖くんが肩にかけた自分の足を見ながらそんな妙な事を考えていた。

 七緖くんがグズグズになっている入り口、私の足のつけ根に性器を当てる。片手で自分の太い幹の部分を持っていた。少し前後に動かして私の体液を先に擦りつけている。軽く動かしている最中も私の赤く熟れた芽を丸い先端がかすめていくから、喉を反って体をビクビクと震わせる。

「あっ」
 思わず声を漏らすと、七緖くんが嬉しそうに喉を鳴らした。
「凄い……ものすごく入り口が柔らかぁになってる」
「柔らかい?」
 柔らかいとはどういう意味だろう。私は分からず首を傾げると、七緖くんが瞳をスッと細めた。

「うん。これやったらもしかして痛ぁないかも、よ?」
 最後、語尾を上げたのは七緖くんの太くて熱い性器を私の中に沈めたからだった。ゆっくりとゆっくりと沈めてくる。

「かっ、はっ……あっ」
 ズブズブとまるで音を立てる様な気がする。

 初めての時は痛くて痛くて先が潜り込んだだけで悲鳴を飲み込んだというのに、今日はそんな事はない。痛みは全くない。ふやけきった入り口が簡単に七緖くんを迎え入れる。

「あっ、凄い僕のんをどんどん飲み込む。はぁ……」
 七緖くんが接合部分をじっと見つめながら悦に入った溜め息を漏らす。
 
 異物が入って内臓を押し上げられる感じはするけれども、私の体が七緖くんを飲み込んでいくと表現する方が合っていた。

「んっんん」
 ゆっくりと根元まで埋まったのが分かったら私はフルリと体を震わせた。その振動に七緖くんがゴツンと私に頭突きをする。少しだけ鈍い音がして私は目の前に星が散った。

「アカン!」
「痛っ!」
 私と七緖くんは同時に呻く。それぞれ別の理由で。

 頭突きをされてクラクラするのが収まってから私は七緖くんの胸をポカッと一つ叩いた。

「ひどい。痛かったよ」
「か、かんにんや。はぁ~」
 七緖くんも涙目になりながら小さな溜め息をついた。

 そこから七緖くんは一向に動こうとしない。私の両肩を掴んだまま何度も深呼吸する。
 内臓が押し上げられた感覚のまま私はじっと七緖くんの様子を見つめる。七緖くんは動いていないのに、玉の汗がおでこに噴き出している。

「どうしたの?」
 私が下から顔を覗き込んで尋ねると、ようやく落ち着いたのかもうひとつ深い溜め息をついて七緖くんが笑った。

「巽さんの中が動いてグニャグニャって僕のを絶妙な感じで締めつけるから。びっくりしてイきそうになってもうた」
「し、締めつけ」
 そんな事をした覚えはないのに。

 むしろ七緖くんの大きさに体内がまだまだ慣れなくて、そのかたちに合わせようと中が動いていると言った方が正しいのに。

「とにかくもう余裕なくて。ホンマかんにんやけど動いてもええ? 痛いとこない? 痛いって言われても、どうしようもないんやけど」
 七緖くんが私のおでこにそれをつけて、浅い息を繰りかえした。瞳はギラギラと光っている。

「うん。大丈夫。痛くないって……思うから。ゆっくり動い」
 動いて──と伝えようとしたのに、七緖くんは私の腰を両手で掴むと腰を思いっきり引いてズンと奥まで一つ突いた。

 以前だったらきっと痛いだけの動きが不思議と今日は痛くない。痛くないどころか──ずるずると内壁を動く七緖くんの性器に私は体が震えた。

「ああっ!」
 背中を反って七緖くんの腕を握りしめる。拒否をしない事が分かった七緖くんは、同じ様な動きを三度繰りかえして、細かく腰を動かし始めた。

「えっ、嘘……何?」
 私は突然始まった律動に驚く。

 小刻みに腰だけを器用に動かして七緖くんが動く。腰を押さえられて私は体をねじる事すら許されない。

(ああっ。何これ。前は痛いだけで傷を擦られている様な感じだったのに。今日は違うって……どうして?)

 自分の体が嘘みたいに、七緖くんを迎え入れそして歓喜しているのが分かる。だって、内壁を掻き出す動きに私は嬌声を上げる。

「んんっ。あっそこはっ!」
 奥歯を噛みしめて必死に声をこらえようとするのに、胸を突き出す様に仰け反ると七緖くんがその先端に音を立てて吸いつくのだ。

 そんな事をされるとお腹の奥がぎゅっと伸縮する様な感覚に陥る。小さな喘ぎ声を上げるしかない私に。七緖くんが小さく呟いた。

「ここ、何やザラって……! ああっ」
 そう言って呟くと、入り口の浅い部分に角度をつけて擦り始める。

「あっ、何かそこは駄目っ! ヒッ」
 ゾワゾワと鳥肌が立ったので、私は仰け反り短い悲鳴を上げた。

 その悲鳴を合図に、七緖くんが腰を押さえていた片手を外し、親指で接合部分の上にある私の芽を擦った。

(そこは触れたら駄目なのに!)

「アーッ! アアッ」
 私が大きく目を見開いて涙をこぼす。目の前に火花が散って体の穴という穴から汗が噴きでる。ふわっと少し体が浮いた。

(息が止まりそうっ! でも体震えて、気持ちがいい)
 この感覚が達するって事なのだろうか。

 自分の心臓の音だけを聞いた時、七緖くんも汗を私に降らせた。

「一緒にっ……」
 短く答えると、七緖くんは息を詰めてブルブルと体を震わせた。私の中に入り込んだ彼自身の容量が一瞬増して弾ける。それ以上私の奥へ入り込む事は出来ないと思うけど、腰を何度か押して長い射精感を味わっていた。

 そして──

「んっ! ううっ。はぁ……」
 獣みたいに呻いた後、激しく息をしながらドサリと私の上に覆い被さった。

 私達は抱きしめ合い、心臓の音を聞く。その音が小さく落ち着くまでずっとだ。

 ようやく落ち着いた頃私はカスカスになった声で呟いた。
「……気持ちよかったね」
 この心臓が止まりそうな気持ちよさが快感なのだろう。呆然としていると七緖くんが私の頬にキスをした。

「僕も……気持ちよかった。気持ちよすぎて癖になりそうで怖いわぁ」
 そう言って私をぎゅっと抱きしめてくれた。

 汗ばんだ体がゆっくりとエアコンの風で冷えていく。

「うん……私も。でも、それは七緖くんが凄く好きだからだよね?」
 そう呟いた私の顔を見て七緖くんは目を丸めた。

「違うの?」
 不安になって聞き返すと、七緖くんはゆっくりと首を左右に振って微笑む。

「巽さんの言う通りや。僕も好きやで」
 そう言って私達は抱き合い、少しだけ眠りについた。




 あれから少し眠りについて、ケーキを食べた私と七緖くん。

 七緖くんはチョコレートケーキを食べていた。途中で七緖くんがふざけて何度もキスをしてきたから、私の食べていたクリームと混ざって益々甘いケーキになった。

「ねぇ。たまには二人きりでも良いよね?」
 私が七緖くんに尋ねる。

(七緖くんは手を繋いだら、キスをしたら、その先ばっかり考えてしまうって言ったけど。私も同じかもしれない)

 でもそれは好きだから。もっと知りたいと思うから。だけど、七緖くんの怖いという気持ちも分かる。

(だって、そればかりっていうのも困る。気持ちが大切だからそればかりになったら逆に不安になるし)

 思いが通じ合ってから、が一番難しいのかもしれない。そんな事を考える。

「大切にしたいから、少しずつやね?」
 七緖くんも同じ事を思っているのかそう呟いていた。その優しく微笑む顔を見て私は安心して笑った。

(同じならきっと一緒に乗り越えていける)

「うん。でも今度は私にも七緖くんの事を触らせてね。七緖くんの真似をしてみるからって……知らんけど」
 私はポツリと呟く。

 自分から七緖くんに触れたいなんて少しはしたないかな? 恥ずかしくなってごまかす様に「知らんけど」と付け足した。

 七緖くんはケーキを食べていた手を止めて困った様に呟いた。

「嫌やわぁ~何や巽さん才能ありそうやし。あっという間に凄い事覚えそうで油断ならんなぁ」
 私と七緖くんは笑い合った。
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