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明かされた真実
魔女見習いは王女の復讐の依頼を受けた
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一階から三階まで階段を上り、廊下左右に伸びた廊下を左に曲がってつきあたりの部屋がハインツ王子の部屋だった。
アルバート王子がノックをすると中から侍従が顔を出し、ハインツ王子は治療中で会えない旨を告げる。するとアルバート王子は、残念がるよりもむしろホッとした様子で、エリザ王女からの預かりものだと言って菓子の詰まったカゴを侍従に渡した。
葉陰から覗くマリルの前で、扉の隙間が細くなっていき、アルバート王子の姿が完全に消えた。
心細い。あんな秘密めいて冷淡な王子でも、いないよりはいた方がましと思ってしまう。マリルは両手を胸にあてて、平静を保とうとした。
ハインツ王子の部屋はさすが王妃の息子だけあって、部屋の広さはもちろん、調度品もすばらしいものだった。
マリルは魔法学校の長期休暇に、かわいがってもらったミランダに誘われて、彼女の実家に遊びにいったことがある。平民出のマリルは、見たこともない美しい内装に感嘆して、宮殿みたいと歓声を上げたが、本物の宮殿はもっと贅をこらしたものだと知った。
待機室を通り過ぎ、ハインツ王子の居室に入ったところで、薄く開いたドアの向こうからガルレア王妃の声が聞えた。
「大魔導師ともあろう方が、間違ったグラスに魔術を施すという大失態を犯すとは何事です。あれを飲ませて王女を私の言いなりにする予定が、みっともない姿をさらすのがハインツになるとは! おかげでハインツはあの生意気なエリザ王女を振り向かせるどころか、王族みんなの笑い者です。いったいどうしてくれようか」
「そうおっしゃられても、私は確かにエリザ王女のグラスに服従の魔物を転移させました。水晶を使ってグラスの中を透視したので、間違いはありません。それがなぜハインツ王子のグラスに移ったのか、こちらが聞きたいぐらいです」
「あの部屋に、お前の天敵の大魔導師サンサが潜んでいたのではないか?」
ガルレア王妃の口からでた師匠の名前に、マリルは思わず声を上げるところだった。
何とか堪えて、圧縮魔法で小さくした記憶の書を襟ぐりの開いたドレスの胸元から取り出して開き、ルーカスが「服従の魔物」を使ってエリザ王女を王妃の操り人形にしようとしていたことが記されたかどうか確認する。記録された文章を読んでから、また元の位置に戻した。
「一応魔術師の侵入を疑ってあの場所に結界が張られていないか水晶で室内を細かく確認したのですが、実際に部屋にいるのではないので限界があり、見つけられませんでした」
マリルは入っているカゴが小刻みに揺れるのを感じた。見上げると侍従が顔色を失い、震えている。ドアの隙間から聞いたことが、よっぽどショックだったに違いない。
魔術に慣れているマリルだって、実際に黒魔術の魔物入りのドリンクを見たときには、気持ちの悪さに悲鳴をあげたくなったのだから、普通の人にしてみれば、聞くだけでも耐えられないほど気味の悪い思いをするだろう。
危ないと思ったときには、侍従はバランスを崩し、持っていたカゴごと前のめりになり、ドアに寄りかかったあげく、音を立てて閉めてしまった。
侍従がヒッと息を飲むのが聞えた。次の瞬間脱兎のごとく駆け出そうとして、脚をもつれさせる。ヨロヨロしながらも居室から待機室へ向かう侍従の背後で、ドアが乱暴に開く音がした。
「待て! 今の話を聞いていたな?」
ルーカスだ! 侍従の背後にいるルーカスの姿は見えないが、地底から湧くような低い声に、マリルの背中が粟立った。
侍従が後ろを向き、マリルの目に映ったのは、大股で距離をつめる銀髪で銀色の目をした厳しい表情の男。侍従の震えが大きくなり、マリルはカゴの中で身体を支えるために捕まった花ごと揺れた。
「お、お許しください。さきほどアルバート殿下がいらっしゃいまして、エリザ王女さまからのお見舞いの品をお預かりしましたので、お持ちしようと思ったのです。そうしたら、扉が少し開いていま……」
ルーカスの手が伸びて侍従の頭を掴む。ぎりりと力を入れたのが白くなった指で分かる。侍従は痛みに呻いた。
「いいか、今の話は忘れろ」
もっていた杖が侍従の額につけられ、怯えてブルブル震えていた侍従の顔が、穏やかになっていく。ルーカスが侍従の頭から手を離し、侍従の襟元を飾っていたジャボで拭った。
我に返った侍従が、目の前に立っているルーカスに驚きながらも、持っていたカゴをエリザ王女さまからですと渡す。
ルーカスは何事も無かったように受け取り、小さなマリルを連れて奥の寝室へと入っていった。
広い寝室の奥には天蓋付きのベッドと、入り口付近にはカウチとソファーとティーテーブルが置いてある。ルーカスはティーテーブルにカゴを置き、ベッドの方へと歩いていった。
何だかすえた匂いがすると思い、マリルがそっと葉陰から部屋を見回すと、ベッドのヘッドに沿って並べたクッションに体重を預けて半身を起こしているハインツ王子が、ピクリと身体を跳ねさせ、抱えたボールにボールに突っ伏すところだった。身体を波打たせて嘔吐いているが、胃の中はからっぽのようで、痙攣が収まらずに苦しそうだ。
王妃が顔をしかめながら、ベッド脇に垂れ下がる紐を引いた。
先ほどの侍従とは違う女中が入ってきて、王子に口をゆすがせ、ボールを受け取り去って行く。マリルはつくづく王女がフルーツワインを飲まなくてよかったと思った。
ルーカスが透過魔法でハインツ王子の中に、服従の魔物が残っていないか確認してから、王妃に全て排除し終えたことを告げる。
ハインツ王子はルーカスを恨めし気に見上げ、ベッドサイドの小テーブルに載った薬瓶を摘まんで突き出し、最悪の薬だと言い放った。
「どうして僕は、大事なときに限って失敗をするんだろう。本当に役立たずだ。あのときだって、立ち聞きしなければ、お母さまの計画を壊さずに済んだのに」
ハインツ王子はかなり気分が落ち込んでいるのか、めそめそと泣き出してしまった。
ハインツ王子が口にしたガルレア王妃の計画が何なのかを知りたくて、早く泣き止んで話してくれないかしらとマリルは願ったが、王妃の慰めにも頑なに首を振るハインツの様子では、しばらく時間がかかりそうだ。
マリルはため息をつきながら、エリザ王女とザイアン王子はどうなったのだろうと考えたとき、すぐ顔の横にある葉がマリルを手招くように動いた。
そういえばエリザ王女の肩の花とこの花を伝言魔法で結んだんだったと思い出したマリルは、茎に耳を当て、花に伝言を伝えるように念じる。すると、王女の話に相づちをうつザイアン王子の声がマリルの頭の中に響いた。
『何だって? あなたはアルバートに殺され、魔術師の二重契約のおかげで生き返ったというのか?』
『ええ。信じられないかもしれませんが、事実です。先ほどまでこの肩のブローチに入っていた魔術師見習いのマリルと私は、復讐の契約を交わしました。復讐を終えたら、私の命は尽きます』
『そんな! ……せっかく生き返ったのに、死に急ぐことはないではないか。俺は、エリザ王女のように美しく、王妃をやりこめるほど勇敢で機転の利く素晴らしいレディーを他には知らない。どうか俺と一緒にこの国を治めてくれないか?』
『彼が生きている限り、邪魔者の私たちは、また狙われます。王妃とルーカス大魔導師の命令を受けて、アルバート王子は何度でも殺しにくるでしょう。私はザイアン殿下を婚約者に選びます。その代わりに、この国の未来を捻じ曲げようとしている王妃とルーカスとアルバート王子を滅するのに力を貸してくださいませんか』
しばらく静寂が続いた後、ザイアン王子が了承する声が聞え、マリルは悲しみを覚えた。
エリザ王女を殺したアルバート王子のことは、マリルだって許せない。でも、王女に生きていて欲しい。
いっそのこと仇のアルバート王子をどこか遠くに飛ばして行方不明にしてしまえば、エリザ王女も復讐を諦めてザイアン王子と幸せになれるだろうか?
アルバート王子がノックをすると中から侍従が顔を出し、ハインツ王子は治療中で会えない旨を告げる。するとアルバート王子は、残念がるよりもむしろホッとした様子で、エリザ王女からの預かりものだと言って菓子の詰まったカゴを侍従に渡した。
葉陰から覗くマリルの前で、扉の隙間が細くなっていき、アルバート王子の姿が完全に消えた。
心細い。あんな秘密めいて冷淡な王子でも、いないよりはいた方がましと思ってしまう。マリルは両手を胸にあてて、平静を保とうとした。
ハインツ王子の部屋はさすが王妃の息子だけあって、部屋の広さはもちろん、調度品もすばらしいものだった。
マリルは魔法学校の長期休暇に、かわいがってもらったミランダに誘われて、彼女の実家に遊びにいったことがある。平民出のマリルは、見たこともない美しい内装に感嘆して、宮殿みたいと歓声を上げたが、本物の宮殿はもっと贅をこらしたものだと知った。
待機室を通り過ぎ、ハインツ王子の居室に入ったところで、薄く開いたドアの向こうからガルレア王妃の声が聞えた。
「大魔導師ともあろう方が、間違ったグラスに魔術を施すという大失態を犯すとは何事です。あれを飲ませて王女を私の言いなりにする予定が、みっともない姿をさらすのがハインツになるとは! おかげでハインツはあの生意気なエリザ王女を振り向かせるどころか、王族みんなの笑い者です。いったいどうしてくれようか」
「そうおっしゃられても、私は確かにエリザ王女のグラスに服従の魔物を転移させました。水晶を使ってグラスの中を透視したので、間違いはありません。それがなぜハインツ王子のグラスに移ったのか、こちらが聞きたいぐらいです」
「あの部屋に、お前の天敵の大魔導師サンサが潜んでいたのではないか?」
ガルレア王妃の口からでた師匠の名前に、マリルは思わず声を上げるところだった。
何とか堪えて、圧縮魔法で小さくした記憶の書を襟ぐりの開いたドレスの胸元から取り出して開き、ルーカスが「服従の魔物」を使ってエリザ王女を王妃の操り人形にしようとしていたことが記されたかどうか確認する。記録された文章を読んでから、また元の位置に戻した。
「一応魔術師の侵入を疑ってあの場所に結界が張られていないか水晶で室内を細かく確認したのですが、実際に部屋にいるのではないので限界があり、見つけられませんでした」
マリルは入っているカゴが小刻みに揺れるのを感じた。見上げると侍従が顔色を失い、震えている。ドアの隙間から聞いたことが、よっぽどショックだったに違いない。
魔術に慣れているマリルだって、実際に黒魔術の魔物入りのドリンクを見たときには、気持ちの悪さに悲鳴をあげたくなったのだから、普通の人にしてみれば、聞くだけでも耐えられないほど気味の悪い思いをするだろう。
危ないと思ったときには、侍従はバランスを崩し、持っていたカゴごと前のめりになり、ドアに寄りかかったあげく、音を立てて閉めてしまった。
侍従がヒッと息を飲むのが聞えた。次の瞬間脱兎のごとく駆け出そうとして、脚をもつれさせる。ヨロヨロしながらも居室から待機室へ向かう侍従の背後で、ドアが乱暴に開く音がした。
「待て! 今の話を聞いていたな?」
ルーカスだ! 侍従の背後にいるルーカスの姿は見えないが、地底から湧くような低い声に、マリルの背中が粟立った。
侍従が後ろを向き、マリルの目に映ったのは、大股で距離をつめる銀髪で銀色の目をした厳しい表情の男。侍従の震えが大きくなり、マリルはカゴの中で身体を支えるために捕まった花ごと揺れた。
「お、お許しください。さきほどアルバート殿下がいらっしゃいまして、エリザ王女さまからのお見舞いの品をお預かりしましたので、お持ちしようと思ったのです。そうしたら、扉が少し開いていま……」
ルーカスの手が伸びて侍従の頭を掴む。ぎりりと力を入れたのが白くなった指で分かる。侍従は痛みに呻いた。
「いいか、今の話は忘れろ」
もっていた杖が侍従の額につけられ、怯えてブルブル震えていた侍従の顔が、穏やかになっていく。ルーカスが侍従の頭から手を離し、侍従の襟元を飾っていたジャボで拭った。
我に返った侍従が、目の前に立っているルーカスに驚きながらも、持っていたカゴをエリザ王女さまからですと渡す。
ルーカスは何事も無かったように受け取り、小さなマリルを連れて奥の寝室へと入っていった。
広い寝室の奥には天蓋付きのベッドと、入り口付近にはカウチとソファーとティーテーブルが置いてある。ルーカスはティーテーブルにカゴを置き、ベッドの方へと歩いていった。
何だかすえた匂いがすると思い、マリルがそっと葉陰から部屋を見回すと、ベッドのヘッドに沿って並べたクッションに体重を預けて半身を起こしているハインツ王子が、ピクリと身体を跳ねさせ、抱えたボールにボールに突っ伏すところだった。身体を波打たせて嘔吐いているが、胃の中はからっぽのようで、痙攣が収まらずに苦しそうだ。
王妃が顔をしかめながら、ベッド脇に垂れ下がる紐を引いた。
先ほどの侍従とは違う女中が入ってきて、王子に口をゆすがせ、ボールを受け取り去って行く。マリルはつくづく王女がフルーツワインを飲まなくてよかったと思った。
ルーカスが透過魔法でハインツ王子の中に、服従の魔物が残っていないか確認してから、王妃に全て排除し終えたことを告げる。
ハインツ王子はルーカスを恨めし気に見上げ、ベッドサイドの小テーブルに載った薬瓶を摘まんで突き出し、最悪の薬だと言い放った。
「どうして僕は、大事なときに限って失敗をするんだろう。本当に役立たずだ。あのときだって、立ち聞きしなければ、お母さまの計画を壊さずに済んだのに」
ハインツ王子はかなり気分が落ち込んでいるのか、めそめそと泣き出してしまった。
ハインツ王子が口にしたガルレア王妃の計画が何なのかを知りたくて、早く泣き止んで話してくれないかしらとマリルは願ったが、王妃の慰めにも頑なに首を振るハインツの様子では、しばらく時間がかかりそうだ。
マリルはため息をつきながら、エリザ王女とザイアン王子はどうなったのだろうと考えたとき、すぐ顔の横にある葉がマリルを手招くように動いた。
そういえばエリザ王女の肩の花とこの花を伝言魔法で結んだんだったと思い出したマリルは、茎に耳を当て、花に伝言を伝えるように念じる。すると、王女の話に相づちをうつザイアン王子の声がマリルの頭の中に響いた。
『何だって? あなたはアルバートに殺され、魔術師の二重契約のおかげで生き返ったというのか?』
『ええ。信じられないかもしれませんが、事実です。先ほどまでこの肩のブローチに入っていた魔術師見習いのマリルと私は、復讐の契約を交わしました。復讐を終えたら、私の命は尽きます』
『そんな! ……せっかく生き返ったのに、死に急ぐことはないではないか。俺は、エリザ王女のように美しく、王妃をやりこめるほど勇敢で機転の利く素晴らしいレディーを他には知らない。どうか俺と一緒にこの国を治めてくれないか?』
『彼が生きている限り、邪魔者の私たちは、また狙われます。王妃とルーカス大魔導師の命令を受けて、アルバート王子は何度でも殺しにくるでしょう。私はザイアン殿下を婚約者に選びます。その代わりに、この国の未来を捻じ曲げようとしている王妃とルーカスとアルバート王子を滅するのに力を貸してくださいませんか』
しばらく静寂が続いた後、ザイアン王子が了承する声が聞え、マリルは悲しみを覚えた。
エリザ王女を殺したアルバート王子のことは、マリルだって許せない。でも、王女に生きていて欲しい。
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追記(2021/10/7)
お茶会の後を追加します。
更に追記(2022/3/9)
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