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エピローグ
揺らめくフレッシュグリーン
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理花が、あたふたと逃げていく佐伯の後ろ姿に向かって、大きな声で叫んだ。
「佐伯さん、まだ謝ってないわよ」
完全無視で足を速める佐伯を見て、薫子が大きな声で笑った。
「理花やるわね。天然記念物何て言ってごめん。撤回する。理花は守ってあげなくちゃいけない人じゃなくて、ここぞってときに力を発揮できるスーパー記念物だね。」
「え~っ。なんで記念物は外れないの?ひどくない?」
「あっ、元に戻った」
薫子が笑いながら近づき、理花の耳元で囁いた。
「あんまり強い面ばかり見せると、大智君が引いちゃうといけないでしょ。さっきの理花もかっこよかったけれど、普段のままでも理花は、十分かわいくてイケてるから頑張って」
「薫子‥‥‥ありがとう」
薫子が離れたのを見計らって、慎吾が理花に近づきお礼を言った。
理花が慎吾によく我慢したと褒めると、今日は兄との約束を守って、大人しくしているつもりだったと慎吾が照れたように笑う。
「僕が癇癪を起して誰かと喧嘩をしたら、撮影が中止になるかもしれないし、理花さんの演技が見れなくなるのは嫌だから我慢しました。それに、この間サンルームで話した時に、理花さんが僕の気持ちを分かってくれたから、佐伯さんに振り回されないで済みました」
「うん、偉い、偉い」
理花は慎吾の片方の手を取って、幼児をあやすように、ぽんぽんと優しく上から叩いた。
こんなに純粋な子を傷つけるなんて本当に許せないと今更ながら思う。本当なら薫子が言うように、もっと酷い言葉で詰って、佐伯の心に爪を立ててやりたかった。
だけど、きっとそれは慎吾の目の前でやってはいけないのだと、理花は本能的に感じていた。
慎吾は今、社会に向き合おうとしている最中だから、きっと兄の大智や周囲の人たちの一挙手一投足を手本にするに違いない。
常識のない佐伯のような人に対し、どんなに怒りを覚えても、自制心をもって対処するのが慎吾のためなのだ。
そう納得した時に、視界を影が横切り、慎吾の隣に大智が立った。
「理花ちゃん。俺たちのために、佐伯に怒ってくれてありがとう。理花ちゃんのおかげですっきりした。本当にありがとう」
「大智くんだって、本当ならもっとめちゃくちゃに言ってやりたかったでしょ。でも慎吾くんのために、堪えたんだよね?」
慎吾が大智の顔を窺うように見あげ、大智が安心させるように笑いかける。言葉もなく信頼と愛情が交わされるのを見て、理花は自分の推測に自信を持った。
「大智君がみんなより大人なのは、きっと日ごろから慎吾君のために何ができるかを考えて、自分がお手本になるように行動してきたからだと思う。慎吾君は大智君に倣って、さっき自分の力できちんと相手の男を説得したんだよね。あんな風に暴力をふるうような大きな男相手に、怖がらずに説明できるなんて本当にすごいと思う」
理花に褒められて、嬉しそうに笑う慎吾の目は、佐伯の言葉に傷ついた様子もなく、生き生きと輝いていた。
守ってもらう立場から、兄と自分への中傷を自力で跳ね返せたことが、慎吾に自信を与えたのかもしれない。理花は自分のことのように誇らしくて、涙が込み上げた。
「理花さん。あの……どうして……僕はまた、何か失敗をしましたか?どうして泣いて……」
うぇ~んと泣いて慎吾に縋りつこうとした理花の腕が引っ張られて、身体が途中でロックしたように動かなくなった。
涙一杯の目で振り返ると、困ったような顔で理花を見つめる大智が、理花を引き留めている。
「理花ちゃん。あのね、接触しすぎると慎吾も俺も誤解するから。その……」
「僕は構いません。さきほど薫子さんが、兄さんの恋人になりたかったと言われましたが、良いアイディアだと思います。兄さんは薫子さんと恋人になって、僕が理花さんの恋人になると、人数的に割り切れると思います」
慎吾の数学的な論理に、えっ!?と三人が固まった。
特に大智の顔をじっと見つめた慎吾が、おかしいですねと首を傾げた。
「映画では、ライバルが現れると、自分の気持ちに気が付いた男が、女性を取り返そうとして、がむしゃらに頑張るシーンがあったのですが、僕の兄さんには通用しないようです」
「慎吾、あのな~……」
額に手を当て首を振った大智が、大きなため息をつく。手の陰からちらりと理花を覗き見た大智が、にこりとも笑わないので、理花は不安になった。
「ちょっと二人で話がしたいんだけど、いいかな?」
芝生の奥に設えたベンチの方へと大智が歩き出すが、成り行きが見えなさ過ぎて、理花はいつも通りパニックに陥 りそうになった。
薫子にSOSの視線を投げると、薫子は顎をしゃくって、ついて行けと大智の方向を指すので、理花はぎくしゃくしながら後を追った。
「決して慎吾にけしかけられたから言うわけじゃないけれど、このところずっと考えていたんだ」
ベンチで座ってもじもじする理花に、大智が静かに語りかけた。
ごくりと飲んだ唾の音が、妙に大きく響いて恥ずかしくなり、喉を押さえながら咳が出そうになったフリをする。
一体何を言われるのだろう?ひょっとして佐伯の前でも、大智の彼女になりたいと言ったことに対して、期待を持たせないように釘を刺されるのだろうか?
理花の中で、緊張とマイナスの考えがないまぜになり、自然と眉根が真ん中によって、情けない顔になる。
「理花ちゃん。そんなに嫌そうな顔をしないでくれ。告白する勇気がなくなるだろ」
「こ、告白?」
聞き違いだろうか?みんなからの人望も厚い憧れの大智が、本当に自分に?‥‥‥理花は、高まる緊張に息苦しさを感じながら、大智の言葉を待った。
「ありのままの慎吾を受け止めてくれてありがとう。理花ちゃんのことは、ドジだけどかわいくて、ついつい目が行ってしまう存在だった。でも、司が言った通り、佐伯さんと慎吾が上手くいかなかった過去があるから、彼女を作るのにためらいがあったんだ」
ああ、やっぱりと理花は思った。
「慎吾君が悪いんじゃないと分かって良かったね」
「ああ。守ってやっているつもりが、守られていたなんて、兄として失格だけどね」
苦笑いする大智がかわいく思えて、理花の緊張がするりと解け、自然に口元に笑みが浮かんだ。大智が優しく見つめながら、言葉を継いだ。
「さっき、佐伯さんに堂々と立ち向かう理花ちゃんを見て、俺も自分の殻を破ろうと思った。理花ちゃん、俺と付き合って欲しい。俺が間違っていたら、今回みたいに正しい方向に引っ張っていって欲しいんだ。慎吾のことも含めて、俺を分かってくれるのは理花ちゃん以外にいないと思う。付き合ってくれるかい」
理花はただ頷いた。何か言いたくても、感動で一杯になって、どの言葉でも言い表せないと思った。
膝の上に置いた手に涙がぽたりと落ちたと思ったら、その上から大智の大きな手がかぶさった。
「ありがとう。理花ちゃん。受け止めてくれて嬉しいよ」
「私も‥‥‥大智君の彼女になれて嬉しい」
と、その時、お~いと司や真人が手を振りながら叫んでいるのが聞えた。グランドの間の小道を駆け、大智と理花の元へとあっという間にやって来る。
「ごめん、遅くなって。買い出しに付き添っていたんだ。もうすぐみんなも来るぞ‥‥‥って、あれ?何で薫子ちゃんたちと離れて二人っきりでいるんだ?」
顔を赤くする理花を見て、真人が状況を察したようで、司を連れていこうとする。
何だよと抵抗する司に、後ろからやってきた慎吾と薫子がが冷たく言った。
「監督がこれでは、良い映画は作れそうにありませんね。僕が代わりましょうか?」
「慎吾くん、その方がいいわ。ここに馬が放牧してあれば、司を放り込むんだけど」
「何だよそれ、馬がどうして関係するんだよ。そんなとこに放り込まれたら、馬に蹴られて‥‥‥!えっ?そうなの?お前らいつの間に?」
大騒ぎをする司を、真人と慎吾と薫子の三人が取り押さえ、バーベキューコーナーへと引きずっていく。
大智と理花はその様子を見て、お腹が痛くなるほど笑った。
その日のキャンプファイヤーの撮影には数々の失敗があった。
幽霊役の理花は、大智からは見えないはずなのに、間にいる薫子がいないように二人の視線があってしまうのだ。
青ざめていなければいけないはずの幽霊も、真っ赤に染まってしまい、司がヤケクソになってカット!と大声を上げる度に、事情を知ったクラスメートたちが大いに沸いた。
大盛り上がりしたキャンプファイヤーの撮影は、雰囲気的にはばっちりで、その後も撮り続けたフィルムと併せて素晴らしい作品に仕上がり、文化祭では大成功を収めた。
完
「佐伯さん、まだ謝ってないわよ」
完全無視で足を速める佐伯を見て、薫子が大きな声で笑った。
「理花やるわね。天然記念物何て言ってごめん。撤回する。理花は守ってあげなくちゃいけない人じゃなくて、ここぞってときに力を発揮できるスーパー記念物だね。」
「え~っ。なんで記念物は外れないの?ひどくない?」
「あっ、元に戻った」
薫子が笑いながら近づき、理花の耳元で囁いた。
「あんまり強い面ばかり見せると、大智君が引いちゃうといけないでしょ。さっきの理花もかっこよかったけれど、普段のままでも理花は、十分かわいくてイケてるから頑張って」
「薫子‥‥‥ありがとう」
薫子が離れたのを見計らって、慎吾が理花に近づきお礼を言った。
理花が慎吾によく我慢したと褒めると、今日は兄との約束を守って、大人しくしているつもりだったと慎吾が照れたように笑う。
「僕が癇癪を起して誰かと喧嘩をしたら、撮影が中止になるかもしれないし、理花さんの演技が見れなくなるのは嫌だから我慢しました。それに、この間サンルームで話した時に、理花さんが僕の気持ちを分かってくれたから、佐伯さんに振り回されないで済みました」
「うん、偉い、偉い」
理花は慎吾の片方の手を取って、幼児をあやすように、ぽんぽんと優しく上から叩いた。
こんなに純粋な子を傷つけるなんて本当に許せないと今更ながら思う。本当なら薫子が言うように、もっと酷い言葉で詰って、佐伯の心に爪を立ててやりたかった。
だけど、きっとそれは慎吾の目の前でやってはいけないのだと、理花は本能的に感じていた。
慎吾は今、社会に向き合おうとしている最中だから、きっと兄の大智や周囲の人たちの一挙手一投足を手本にするに違いない。
常識のない佐伯のような人に対し、どんなに怒りを覚えても、自制心をもって対処するのが慎吾のためなのだ。
そう納得した時に、視界を影が横切り、慎吾の隣に大智が立った。
「理花ちゃん。俺たちのために、佐伯に怒ってくれてありがとう。理花ちゃんのおかげですっきりした。本当にありがとう」
「大智くんだって、本当ならもっとめちゃくちゃに言ってやりたかったでしょ。でも慎吾くんのために、堪えたんだよね?」
慎吾が大智の顔を窺うように見あげ、大智が安心させるように笑いかける。言葉もなく信頼と愛情が交わされるのを見て、理花は自分の推測に自信を持った。
「大智君がみんなより大人なのは、きっと日ごろから慎吾君のために何ができるかを考えて、自分がお手本になるように行動してきたからだと思う。慎吾君は大智君に倣って、さっき自分の力できちんと相手の男を説得したんだよね。あんな風に暴力をふるうような大きな男相手に、怖がらずに説明できるなんて本当にすごいと思う」
理花に褒められて、嬉しそうに笑う慎吾の目は、佐伯の言葉に傷ついた様子もなく、生き生きと輝いていた。
守ってもらう立場から、兄と自分への中傷を自力で跳ね返せたことが、慎吾に自信を与えたのかもしれない。理花は自分のことのように誇らしくて、涙が込み上げた。
「理花さん。あの……どうして……僕はまた、何か失敗をしましたか?どうして泣いて……」
うぇ~んと泣いて慎吾に縋りつこうとした理花の腕が引っ張られて、身体が途中でロックしたように動かなくなった。
涙一杯の目で振り返ると、困ったような顔で理花を見つめる大智が、理花を引き留めている。
「理花ちゃん。あのね、接触しすぎると慎吾も俺も誤解するから。その……」
「僕は構いません。さきほど薫子さんが、兄さんの恋人になりたかったと言われましたが、良いアイディアだと思います。兄さんは薫子さんと恋人になって、僕が理花さんの恋人になると、人数的に割り切れると思います」
慎吾の数学的な論理に、えっ!?と三人が固まった。
特に大智の顔をじっと見つめた慎吾が、おかしいですねと首を傾げた。
「映画では、ライバルが現れると、自分の気持ちに気が付いた男が、女性を取り返そうとして、がむしゃらに頑張るシーンがあったのですが、僕の兄さんには通用しないようです」
「慎吾、あのな~……」
額に手を当て首を振った大智が、大きなため息をつく。手の陰からちらりと理花を覗き見た大智が、にこりとも笑わないので、理花は不安になった。
「ちょっと二人で話がしたいんだけど、いいかな?」
芝生の奥に設えたベンチの方へと大智が歩き出すが、成り行きが見えなさ過ぎて、理花はいつも通りパニックに陥 りそうになった。
薫子にSOSの視線を投げると、薫子は顎をしゃくって、ついて行けと大智の方向を指すので、理花はぎくしゃくしながら後を追った。
「決して慎吾にけしかけられたから言うわけじゃないけれど、このところずっと考えていたんだ」
ベンチで座ってもじもじする理花に、大智が静かに語りかけた。
ごくりと飲んだ唾の音が、妙に大きく響いて恥ずかしくなり、喉を押さえながら咳が出そうになったフリをする。
一体何を言われるのだろう?ひょっとして佐伯の前でも、大智の彼女になりたいと言ったことに対して、期待を持たせないように釘を刺されるのだろうか?
理花の中で、緊張とマイナスの考えがないまぜになり、自然と眉根が真ん中によって、情けない顔になる。
「理花ちゃん。そんなに嫌そうな顔をしないでくれ。告白する勇気がなくなるだろ」
「こ、告白?」
聞き違いだろうか?みんなからの人望も厚い憧れの大智が、本当に自分に?‥‥‥理花は、高まる緊張に息苦しさを感じながら、大智の言葉を待った。
「ありのままの慎吾を受け止めてくれてありがとう。理花ちゃんのことは、ドジだけどかわいくて、ついつい目が行ってしまう存在だった。でも、司が言った通り、佐伯さんと慎吾が上手くいかなかった過去があるから、彼女を作るのにためらいがあったんだ」
ああ、やっぱりと理花は思った。
「慎吾君が悪いんじゃないと分かって良かったね」
「ああ。守ってやっているつもりが、守られていたなんて、兄として失格だけどね」
苦笑いする大智がかわいく思えて、理花の緊張がするりと解け、自然に口元に笑みが浮かんだ。大智が優しく見つめながら、言葉を継いだ。
「さっき、佐伯さんに堂々と立ち向かう理花ちゃんを見て、俺も自分の殻を破ろうと思った。理花ちゃん、俺と付き合って欲しい。俺が間違っていたら、今回みたいに正しい方向に引っ張っていって欲しいんだ。慎吾のことも含めて、俺を分かってくれるのは理花ちゃん以外にいないと思う。付き合ってくれるかい」
理花はただ頷いた。何か言いたくても、感動で一杯になって、どの言葉でも言い表せないと思った。
膝の上に置いた手に涙がぽたりと落ちたと思ったら、その上から大智の大きな手がかぶさった。
「ありがとう。理花ちゃん。受け止めてくれて嬉しいよ」
「私も‥‥‥大智君の彼女になれて嬉しい」
と、その時、お~いと司や真人が手を振りながら叫んでいるのが聞えた。グランドの間の小道を駆け、大智と理花の元へとあっという間にやって来る。
「ごめん、遅くなって。買い出しに付き添っていたんだ。もうすぐみんなも来るぞ‥‥‥って、あれ?何で薫子ちゃんたちと離れて二人っきりでいるんだ?」
顔を赤くする理花を見て、真人が状況を察したようで、司を連れていこうとする。
何だよと抵抗する司に、後ろからやってきた慎吾と薫子がが冷たく言った。
「監督がこれでは、良い映画は作れそうにありませんね。僕が代わりましょうか?」
「慎吾くん、その方がいいわ。ここに馬が放牧してあれば、司を放り込むんだけど」
「何だよそれ、馬がどうして関係するんだよ。そんなとこに放り込まれたら、馬に蹴られて‥‥‥!えっ?そうなの?お前らいつの間に?」
大騒ぎをする司を、真人と慎吾と薫子の三人が取り押さえ、バーベキューコーナーへと引きずっていく。
大智と理花はその様子を見て、お腹が痛くなるほど笑った。
その日のキャンプファイヤーの撮影には数々の失敗があった。
幽霊役の理花は、大智からは見えないはずなのに、間にいる薫子がいないように二人の視線があってしまうのだ。
青ざめていなければいけないはずの幽霊も、真っ赤に染まってしまい、司がヤケクソになってカット!と大声を上げる度に、事情を知ったクラスメートたちが大いに沸いた。
大盛り上がりしたキャンプファイヤーの撮影は、雰囲気的にはばっちりで、その後も撮り続けたフィルムと併せて素晴らしい作品に仕上がり、文化祭では大成功を収めた。
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