17 / 30
第17話 打ち明ける
しおりを挟む
エミリアはへたり込んだまま動けなかった。
眠れなかった……
外は空が白み、鳥達が起き出し、馬達も起き、朝日が昇る。
人々も動き始めて、開け放たれた窓の外からの音が多く、大きくなってきた。
宿の朝食開始を知らせるハンドベルの音で、エミリアはハッと我に返る。
(もうこんな時間? どうしよう……何も考えられなかったわ)
エミリアに空腹感は無いが一応食堂に行き、ほとんど手をつけずに部屋に戻った。
マックス達は食堂には姿を現さなかった。
出発予定時間はもっと後なので、ゆっくり起きて朝食もギリギリに食べるのだろう。
約束の時間に、エミリア達は出発した。
今日の昼には帝都ヴァレンに到着する。
(ヴァレンに着いたら、マックス様とはお別れになってしまう……。次の機会があるのかすら分からないのに……)
エミリアは、マックスへもともと伝えたかった事、深夜に聞いてしまった事を、いつ言おうか悶々としていた。
だが、馬車にはベルントも同乗しているし、二人きりになるタイミングは無い。
彼女の、口数も少なく心ここにあらずな様子を、同乗の三人も気にしていた。
一昨日は『実家からの放逐』と『乗合馬車への盗賊の襲撃』があり、昨日は『マックス達への襲撃』があった上での『ベルントとその父親がマックスの命を狙っていると判明』という、様々なとんでもない体験が重なった。
更に、エミリアは『時計店で暴漢から殺されて巻き戻った』という壮絶な体験も加わっている。
彼女は途中で具合が悪くなってしまい、馬車を止めてもらって外へ出て嘔吐した。
身体的疲労と心の疲労困憊で、馬車に酔ってしまったのだ。
「オェッ! ゴホゴホッ! うぇ」
(ンニャオ? ミャーオ)
ルノワはエミリアの腕の中で心配そうにしている。
(ルノワ……心配してくれているの? ありがとう)
「大丈夫かい?」
マックスがエミリアの側にしゃがみ、優しく肩に手をおいて声をかける。
そして、「どうぞ」と水を差し出した。
「ありがとうございます……。馬の足を止めて申し訳ありません」
「エミリア嬢が気にする事は無いよ。時間に追われる旅でも無いしね」
マックスはそう言うと、彼女を心配そうに窺っているセイン達に向かって「エミリア嬢はもう少し休ませた方がいいと思うから、三人で見張りに立ってくれ」と伝えた。
街道沿いの茂みにいたエミリアの手を引いて、丁度いい岩に誘って二人で座る。
「出会った時からそうだったと思うけど、何か悩んでいるようだね? 気になっていたんだ。私でよければ話を聞くよ?」
思いがけずマックスと二人になり、しかも彼の方からきっかけが作られた。
エミリアは(せっかく訪れた機会、逃してはいけない)と意を決し、水をグイッと飲んだ。
ちらりと周囲を確認するが、ベルント達はトムソンも含め三人、離れた場所に立ち哨戒にあたっている。
(私達の話し声は聞こえなさそう。どう伝えるか考えている場合じゃないわ、正直に話そう!)
マックスは、エミリアを静かに待っている。
「あの、今まで隠すような形になって申し訳ございません。私はリンデネート王国の子爵、レロヘス家のエミリア・レロヘスと申します」
「レロヘス……」
「はい。現当主・リンクスはグランツ・オロロージオの息子で、母と結婚してレロヘス家に入ったので、私はグランツの孫にあたります」
「その時計の?」
「お気づきでしたよね……。そうです、お爺様の手ほどきを受けて作りました」
そして、エミリアは放逐されるに至る経緯も話す。
ここまではマックスも納得したようだ。
(さあ! ここからよ)
「マックス様には、とても信じ難い事とは存じますが、私は未来から戻って来たのです」
「戻って来た? ……それはどう言う? 言葉の綾か?」
マックスの顔に戸惑いの色が浮かんでいる。
(戸惑われるのも当然よね。頭がおかしくなったと思われても仕方のない事だもの)
「ご説明申し上げる前に、お手をお借りしてもよろしいでしょうか?」
「手を? いいが……」
エミリアは、今や胴体が彼女の手の平に納まるまで小さく、尻尾も一本になってしまったルノワを自分の左手で包むように持つ。
そして、自分の右手をマックスの手にかぶせるようにし、ルノワの方に導いてゆく。
「ど、どうしたのです」
女性に手を触れられているマックスは、少し動揺している。
エミリアは構わずに手を動かし、ゆっくりと優しくルノワを撫でる。
(ルノワ~。大人しくしていてね~)
(ミャ~)
「空を撫でてなにを――えっ!?」
マックスの手がビクッと反応した。
「こ、これは……動物か? 見えない……が、毛の感触がある?」
(よかった。感触が伝わったわ)
「はい。猫――黒ネコです。名前はルノワと言います」
エミリアは、マックスの手を誘導してゆっくりとルノワを撫でながら話す。
ルノワも嫌がること無くゴロゴロと喉を鳴らしている。
「な、名前まであるのか?」
エミリアは彼の手をそっと離す。
すると、マックスがいくらルノワを撫でていた箇所に手を寄せても、何の感触も無くなった。
「無い? 居なくなったのかい?」
「いいえ?」
エミリアがもう一度彼の手を導くと、感触がある。
「これは……どういう事だ?」
エミリアは密かに思っていた事があった。
ルノワが夢だけではなく現実でも見えるようになった頃、エミリアがルノワを撫でた後だけ、母のマリアンに触れると彼女はくしゃみが止まらなくなった。
マリアンは生まれながらに猫に生理的嫌悪があるらしく、猫がいるとくしゃみが止まらなくなるのだった。
エミリアがルノワに触れない限り、ルノワがマリアンの周りをうろついても何ら影響が無いにもかかわらず、触れると発症する。
そのおかげでエミリアは、ただでさえ彼女を嫌っていたマリアンから余計に嫌悪されたのだが……
この事をエミリアはずっと不思議に思っていて、知識を蓄えるにつれて、自分がルノワに触れている間は極多少ながら実体として感知できるのでは? という仮説を導き出したのだ。
(やっと私の仮説を裏付ける事ができたし、マックス様に伝わって良かった!)
「エ、エミリア嬢……」
「はい?」
エミリアがマックスに顔を向けると、風に揺れる銀髪の奥の彼の顔が赤く染まっていた。
「どうなさいました? お顔が赤うございます――まさか! 猫が苦手でいらっしゃいましたか?」
彼はバイオレットの瞳をエミリアから逸らして、戸惑い気味に呟く。
「い、いや、違うんだ。その……近いなと思って」
「近い? ルノワがですか?」
「き、君の顔が……だよ」
「え?」
エミリアはすぐに理解した。
マックスの手を誘導する事に夢中で、彼と自分の顔が、頬が触れ合うんじゃないかというほどに近かったのだ。
エミリアは一気に恥ずかしくなり、「キャッ」と飛び退き、自分も真っ赤になってひたすら謝る。
エミリアの動きに、哨戒に当たっていたトムソンが反応したが、マックスが彼を手で制止した。
「こちらこそ済まなかった。余計な事を言ってしまって……。座って話を続けてくれないか?」
エミリアが気を取り直して座り直し、本題に入る。
腕の時計を示しながら、エミリアが命の危機に陥った時だけ、時計の着用とルノワの指示を条件に彼女が過去に戻るという事。
それはエミリアにだけ起こるという事。
一度目と二度目は、状況を変える事ができずに同じ運命を辿ってしまったが、三回目に抜け出す事ができた事。
その時――前回は、同じようにマックスに助けてもらい、その上ライオット時計店を紹介してもらい働き口を得られた事。
エミリアは事実を淡々と列挙していく。
(ライオット時計店という店名は、頂いたメモに書かれていること。次の言葉にマックス様は反応なさるかしら)
「マックス様のおかげで、ウォルツさんと工房長のゼニスさんに面談いただき、働ける事になったのです」
「何故ウォルツの名を!?」
マックスは驚いた。が、エミリアは話を続ける。
「ここからです。私がライオット時計店で働き始めて間もなく、マックス様は……おそらく時計店を訪ねる際に襲撃に遭い、セイン様とトムソンさんと共にお命を落とされたのです」
「――どうしてそんな事に?」
「……あなた様がマクシミリアン王太子殿下だからです」
今度はマックスが驚いて飛び退いた。
眠れなかった……
外は空が白み、鳥達が起き出し、馬達も起き、朝日が昇る。
人々も動き始めて、開け放たれた窓の外からの音が多く、大きくなってきた。
宿の朝食開始を知らせるハンドベルの音で、エミリアはハッと我に返る。
(もうこんな時間? どうしよう……何も考えられなかったわ)
エミリアに空腹感は無いが一応食堂に行き、ほとんど手をつけずに部屋に戻った。
マックス達は食堂には姿を現さなかった。
出発予定時間はもっと後なので、ゆっくり起きて朝食もギリギリに食べるのだろう。
約束の時間に、エミリア達は出発した。
今日の昼には帝都ヴァレンに到着する。
(ヴァレンに着いたら、マックス様とはお別れになってしまう……。次の機会があるのかすら分からないのに……)
エミリアは、マックスへもともと伝えたかった事、深夜に聞いてしまった事を、いつ言おうか悶々としていた。
だが、馬車にはベルントも同乗しているし、二人きりになるタイミングは無い。
彼女の、口数も少なく心ここにあらずな様子を、同乗の三人も気にしていた。
一昨日は『実家からの放逐』と『乗合馬車への盗賊の襲撃』があり、昨日は『マックス達への襲撃』があった上での『ベルントとその父親がマックスの命を狙っていると判明』という、様々なとんでもない体験が重なった。
更に、エミリアは『時計店で暴漢から殺されて巻き戻った』という壮絶な体験も加わっている。
彼女は途中で具合が悪くなってしまい、馬車を止めてもらって外へ出て嘔吐した。
身体的疲労と心の疲労困憊で、馬車に酔ってしまったのだ。
「オェッ! ゴホゴホッ! うぇ」
(ンニャオ? ミャーオ)
ルノワはエミリアの腕の中で心配そうにしている。
(ルノワ……心配してくれているの? ありがとう)
「大丈夫かい?」
マックスがエミリアの側にしゃがみ、優しく肩に手をおいて声をかける。
そして、「どうぞ」と水を差し出した。
「ありがとうございます……。馬の足を止めて申し訳ありません」
「エミリア嬢が気にする事は無いよ。時間に追われる旅でも無いしね」
マックスはそう言うと、彼女を心配そうに窺っているセイン達に向かって「エミリア嬢はもう少し休ませた方がいいと思うから、三人で見張りに立ってくれ」と伝えた。
街道沿いの茂みにいたエミリアの手を引いて、丁度いい岩に誘って二人で座る。
「出会った時からそうだったと思うけど、何か悩んでいるようだね? 気になっていたんだ。私でよければ話を聞くよ?」
思いがけずマックスと二人になり、しかも彼の方からきっかけが作られた。
エミリアは(せっかく訪れた機会、逃してはいけない)と意を決し、水をグイッと飲んだ。
ちらりと周囲を確認するが、ベルント達はトムソンも含め三人、離れた場所に立ち哨戒にあたっている。
(私達の話し声は聞こえなさそう。どう伝えるか考えている場合じゃないわ、正直に話そう!)
マックスは、エミリアを静かに待っている。
「あの、今まで隠すような形になって申し訳ございません。私はリンデネート王国の子爵、レロヘス家のエミリア・レロヘスと申します」
「レロヘス……」
「はい。現当主・リンクスはグランツ・オロロージオの息子で、母と結婚してレロヘス家に入ったので、私はグランツの孫にあたります」
「その時計の?」
「お気づきでしたよね……。そうです、お爺様の手ほどきを受けて作りました」
そして、エミリアは放逐されるに至る経緯も話す。
ここまではマックスも納得したようだ。
(さあ! ここからよ)
「マックス様には、とても信じ難い事とは存じますが、私は未来から戻って来たのです」
「戻って来た? ……それはどう言う? 言葉の綾か?」
マックスの顔に戸惑いの色が浮かんでいる。
(戸惑われるのも当然よね。頭がおかしくなったと思われても仕方のない事だもの)
「ご説明申し上げる前に、お手をお借りしてもよろしいでしょうか?」
「手を? いいが……」
エミリアは、今や胴体が彼女の手の平に納まるまで小さく、尻尾も一本になってしまったルノワを自分の左手で包むように持つ。
そして、自分の右手をマックスの手にかぶせるようにし、ルノワの方に導いてゆく。
「ど、どうしたのです」
女性に手を触れられているマックスは、少し動揺している。
エミリアは構わずに手を動かし、ゆっくりと優しくルノワを撫でる。
(ルノワ~。大人しくしていてね~)
(ミャ~)
「空を撫でてなにを――えっ!?」
マックスの手がビクッと反応した。
「こ、これは……動物か? 見えない……が、毛の感触がある?」
(よかった。感触が伝わったわ)
「はい。猫――黒ネコです。名前はルノワと言います」
エミリアは、マックスの手を誘導してゆっくりとルノワを撫でながら話す。
ルノワも嫌がること無くゴロゴロと喉を鳴らしている。
「な、名前まであるのか?」
エミリアは彼の手をそっと離す。
すると、マックスがいくらルノワを撫でていた箇所に手を寄せても、何の感触も無くなった。
「無い? 居なくなったのかい?」
「いいえ?」
エミリアがもう一度彼の手を導くと、感触がある。
「これは……どういう事だ?」
エミリアは密かに思っていた事があった。
ルノワが夢だけではなく現実でも見えるようになった頃、エミリアがルノワを撫でた後だけ、母のマリアンに触れると彼女はくしゃみが止まらなくなった。
マリアンは生まれながらに猫に生理的嫌悪があるらしく、猫がいるとくしゃみが止まらなくなるのだった。
エミリアがルノワに触れない限り、ルノワがマリアンの周りをうろついても何ら影響が無いにもかかわらず、触れると発症する。
そのおかげでエミリアは、ただでさえ彼女を嫌っていたマリアンから余計に嫌悪されたのだが……
この事をエミリアはずっと不思議に思っていて、知識を蓄えるにつれて、自分がルノワに触れている間は極多少ながら実体として感知できるのでは? という仮説を導き出したのだ。
(やっと私の仮説を裏付ける事ができたし、マックス様に伝わって良かった!)
「エ、エミリア嬢……」
「はい?」
エミリアがマックスに顔を向けると、風に揺れる銀髪の奥の彼の顔が赤く染まっていた。
「どうなさいました? お顔が赤うございます――まさか! 猫が苦手でいらっしゃいましたか?」
彼はバイオレットの瞳をエミリアから逸らして、戸惑い気味に呟く。
「い、いや、違うんだ。その……近いなと思って」
「近い? ルノワがですか?」
「き、君の顔が……だよ」
「え?」
エミリアはすぐに理解した。
マックスの手を誘導する事に夢中で、彼と自分の顔が、頬が触れ合うんじゃないかというほどに近かったのだ。
エミリアは一気に恥ずかしくなり、「キャッ」と飛び退き、自分も真っ赤になってひたすら謝る。
エミリアの動きに、哨戒に当たっていたトムソンが反応したが、マックスが彼を手で制止した。
「こちらこそ済まなかった。余計な事を言ってしまって……。座って話を続けてくれないか?」
エミリアが気を取り直して座り直し、本題に入る。
腕の時計を示しながら、エミリアが命の危機に陥った時だけ、時計の着用とルノワの指示を条件に彼女が過去に戻るという事。
それはエミリアにだけ起こるという事。
一度目と二度目は、状況を変える事ができずに同じ運命を辿ってしまったが、三回目に抜け出す事ができた事。
その時――前回は、同じようにマックスに助けてもらい、その上ライオット時計店を紹介してもらい働き口を得られた事。
エミリアは事実を淡々と列挙していく。
(ライオット時計店という店名は、頂いたメモに書かれていること。次の言葉にマックス様は反応なさるかしら)
「マックス様のおかげで、ウォルツさんと工房長のゼニスさんに面談いただき、働ける事になったのです」
「何故ウォルツの名を!?」
マックスは驚いた。が、エミリアは話を続ける。
「ここからです。私がライオット時計店で働き始めて間もなく、マックス様は……おそらく時計店を訪ねる際に襲撃に遭い、セイン様とトムソンさんと共にお命を落とされたのです」
「――どうしてそんな事に?」
「……あなた様がマクシミリアン王太子殿下だからです」
今度はマックスが驚いて飛び退いた。
0
お気に入りに追加
88
あなたにおすすめの小説
【拝啓、天国のお祖母様へ 】この度、貴女のかつて愛した人の孫息子様と恋に落ちました事をご報告致します。
秘密 (秘翠ミツキ)
恋愛
望まない結婚を回避する為に、美青年、文武両道、王太子の側近、公爵家嫡男の将来有望過ぎるレンブラントと偽の婚約をする事になった侯爵令嬢のティアナ。
だが偽りの婚約者であるティアナを何故か彼は、本物の婚約者として扱ってくれる。そんな彼に少しずつティアナは惹かれていき、互いの距離は縮まっていくが、ある日レンブラントを慕っているという幼馴染の令嬢が現れる。更には遠征に出ていたティアナの幼馴染も帰還して、関係は捩れていく。
◆◆◆
そんな中、不思議な力を持つ聖女だと名乗る少女が現れる。聖女は王太子に擦り寄り、王太子の婚約者である令嬢を押し退け彼女が婚約者の座に収まってしまう。この事でこれまで水面下で行われていた、王太子と第二王子の世継ぎ争いが浮き彫りとなり、ティアナやレンブラントは巻き込まれてしまう。
◆◆◆
偽婚約者、略奪、裏切り、婚約破棄、花薬という不老不死とさえ言われる万能薬の存在。聖女と魔女、お世継ぎ争い……。
「アンタだって、同類の癖に」
ティアナは翻弄されながらも、運命に抗い立ち向かう。
婚約破棄された検品令嬢ですが、冷酷辺境伯の子を身籠りました。 でも本当はお優しい方で毎日幸せです
青空あかな
恋愛
旧題:「荷物検査など誰でもできる」と婚約破棄された検品令嬢ですが、極悪非道な辺境伯の子を身籠りました。でも本当はお優しい方で毎日心が癒されています
チェック男爵家長女のキュリティは、貴重な闇魔法の解呪師として王宮で荷物検査の仕事をしていた。
しかし、ある日突然婚約破棄されてしまう。
婚約者である伯爵家嫡男から、キュリティの義妹が好きになったと言われたのだ。
さらには、婚約者の権力によって検査係の仕事まで義妹に奪われる。
失意の中、キュリティは辺境へ向かうと、極悪非道と噂される辺境伯が魔法実験を行っていた。
目立たず通り過ぎようとしたが、魔法事故が起きて辺境伯の子を身ごもってしまう。
二人は形式上の夫婦となるが、辺境伯は存外優しい人でキュリティは温かい日々に心を癒されていく。
一方、義妹は仕事でミスばかり。
闇魔法を解呪することはおろか見破ることさえできない。
挙句の果てには、闇魔法に呪われた荷物を王宮内に入れてしまう――。
※おかげさまでHOTランキング1位になりました! ありがとうございます!
※ノベマ!様で短編版を掲載中でございます。
家出した伯爵令嬢【完結済】
弓立歩
恋愛
薬学に長けた家に生まれた伯爵令嬢のカノン。病弱だった第2王子との7年の婚約の結果は何と婚約破棄だった!これまでの尽力に対して、実家も含めあまりにもつらい仕打ちにとうとうカノンは家を出る決意をする。
番外編において暴力的なシーン等もありますので一応R15が付いています
6/21完結。今後の更新は予定しておりません。また、本編は60000字と少しで柔らかい表現で出来ております
死を願われた薄幸ハリボテ令嬢は逆行して溺愛される
葵 遥菜
恋愛
「死んでくれればいいのに」
十七歳になる年。リリアーヌ・ジェセニアは大好きだった婚約者クラウス・ベリサリオ公爵令息にそう言われて見捨てられた。そうしてたぶん一度目の人生を終えた。
だから、二度目のチャンスを与えられたと気づいた時、リリアーヌが真っ先に考えたのはクラウスのことだった。
今度こそ必ず、彼のことは好きにならない。
そして必ず病気に打ち勝つ方法を見つけ、愛し愛される存在を見つけて幸せに寿命をまっとうするのだ。二度と『死んでくれればいいのに』なんて言われない人生を歩むために。
突如として始まったやり直しの人生は、何もかもが順調だった。しかし、予定よりも早く死に向かう兆候が現れ始めてーー。
リリアーヌは死の運命から逃れることができるのか? そして愛し愛される人と結ばれることはできるのか?
そもそも、一体なぜ彼女は時を遡り、人生をやり直すことができたのだろうかーー?
わけあって薄幸のハリボテ令嬢となったリリアーヌが、逆行して幸せになるまでの物語です。
【完結】「財産目当てに子爵令嬢と白い結婚をした侯爵、散々虐めていた相手が子爵令嬢に化けた魔女だと分かり破滅する〜」
まほりろ
恋愛
【完結済み】
若き侯爵ビリーは子爵家の財産に目をつけた。侯爵は子爵家に圧力をかけ、子爵令嬢のエミリーを強引に娶(めと)った。
侯爵家に嫁いだエミリーは、侯爵家の使用人から冷たい目で見られ、酷い仕打ちを受ける。
侯爵家には居候の少女ローザがいて、当主のビリーと居候のローザは愛し合っていた。
使用人達にお金の力で二人の愛を引き裂いた悪女だと思われたエミリーは、使用人から酷い虐めを受ける。
侯爵も侯爵の母親も居候のローザも、エミリーに嫌がれせをして楽しんでいた。
侯爵家の人間は知らなかった、腐ったスープを食べさせ、バケツの水をかけ、ドレスを切り裂き、散々嫌がらせをした少女がエミリーに化けて侯爵家に嫁いできた世界最強の魔女だと言うことを……。
魔女が正体を明かすとき侯爵家は地獄と化す。
全26話、約25,000文字、完結済み。
「Copyright(C)2021-九十九沢まほろ」
他サイトにもアップしてます。
表紙素材はあぐりりんこ様よりお借りしております。
第15回恋愛小説大賞にエントリーしてます。よろしくお願いします。
僕は君を思うと吐き気がする
月山 歩
恋愛
貧乏侯爵家だった私は、お金持ちの夫が亡くなると、次はその弟をあてがわれた。私は、母の生活の支援もしてもらいたいから、拒否できない。今度こそ、新しい夫に愛されてみたいけど、彼は、私を思うと吐き気がするそうです。再び白い結婚が始まった。
十三回目の人生でようやく自分が悪役令嬢ポジと気づいたので、もう殿下の邪魔はしませんから構わないで下さい!
翠玉 結
恋愛
公爵令嬢である私、エリーザは挙式前夜の式典で命を落とした。
「貴様とは、婚約破棄する」と残酷な事を突きつける婚約者、王太子殿下クラウド様の手によって。
そしてそれが一度ではなく、何度も繰り返していることに気が付いたのは〖十三回目〗の人生。
死んだ理由…それは、毎回悪役令嬢というポジションで立ち振る舞い、殿下の恋路を邪魔していたいたからだった。
どう頑張ろうと、殿下からの愛を受け取ることなく死ぬ。
その結末をが分かっているならもう二度と同じ過ちは繰り返さない!
そして死なない!!
そう思って殿下と関わらないようにしていたのに、
何故か前の記憶とは違って、まさかのご執心で溺愛ルートまっしぐらで?!
「殿下!私、死にたくありません!」
✼••┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈••✼
※他サイトより転載した作品です。
私を幽閉した王子がこちらを気にしているのはなぜですか?
水谷繭
恋愛
婚約者である王太子リュシアンから日々疎まれながら過ごしてきたジスレーヌ。ある日のお茶会で、リュシアンが何者かに毒を盛られ倒れてしまう。
日ごろからジスレーヌをよく思っていなかった令嬢たちは、揃ってジスレーヌが毒を入れるところを見たと証言。令嬢たちの嘘を信じたリュシアンは、ジスレーヌを「裁きの家」というお屋敷に幽閉するよう指示する。
そこは二十年前に魔女と呼ばれた女が幽閉されて死んだ、いわくつきの屋敷だった。何とか幽閉期間を耐えようと怯えながら過ごすジスレーヌ。
一方、ジスレーヌを閉じ込めた張本人の王子はジスレーヌを気にしているようで……。
◇小説家になろうにも掲載中です!
◆表紙はGilry Drop様からお借りした画像を加工して使用しています
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる