17 / 18
16
しおりを挟む
一瞬だった。
体格差は10倍以上あり、見た目は氷の様なゴツゴツとした岩肌にしか見えない怪獣体の体を軽く蹴り飛ばした。
怪獣体は数メートル程飛ばされたがすぐに起き上がり攻撃された方向を向き直したところをテディが近づき頭部へ飛び上がり両腕を脳天に振り下ろし殴打すると、怪獣体はそのままお辞儀をするように下に崩れ地響きと共に倒れた。
それは10秒くらいの出来事だった。
テディは配信映像越しに見られていることを考慮して生意気な笑みを浮かべながら手を振った。
いつもは短時間での戦闘配信を嫌う凛凛がビショップ君の仇を討ってくれたと解説し短時間での戦闘は記録的快挙として興奮気味に解説をしていたが顔は苦虫を噛んでいるような表情だった。
今ものすごく頭をフル回転して時間を稼ぐような言葉を絞り出しながら不本意な言葉を綴っているのが良くわかった。
「……テディ…早すぎだよ…」
ぼそりと溜息と共に呟く様に声が出た。
「約束が先だからな」
「わぁ!!!」
急に後ろから声が聞こえビックリしながら声が出た。
この声は解説中の凛凛にもしっかり聞こえていた為思いっきり睨まれた。
『では、今回新人を助ける為いつもよりも力を発揮した我らの英雄!テオドア・オールデン様より滅多に受けられないインタビューを試みようと思います!』
視聴率と配信時間の確保の為なのが伝わり僕と目があう凛凛!
滅茶苦茶”どうにか責任取れ”と言わんばかりに僕を睨んでいる。
白羽の矢がグサグサ当たりまくっている感じがものすごくわかります!
「テディ!少しだけで良いから、”おとなしく”インタビュー受けて欲しい…さっきの約束はちゃんと守るから!」
すぐ後ろに居るテディにだけ聞こえるように”約束”という言葉でお願いをしてみる。
どんな約束なのかも決まっていないのに守る宣言しても良いのだろうかと内心不安に駆られるが凛凛からの圧力と放送事故になると僕の始末書の数が数倍に増える。
さらに上乗せされる上司からのお叱りが怖い!
なので背に腹は代えられないし、いざとなったら凛凛に貸しを作るという強行手段を取れば良い!!!
「……………はぁ…」
僕のすぐ後ろからテディの溜息が聞こえた。
それが聞こえた瞬間始末書の山が脳裏を過った。
やっぱりこいつに期待するのは(ダメか!)と思ったが、
「……わかった………」
空耳の様な一言が聞こえた。
空耳の様なその声は確かにテディの声で僕は勢い良くテディの方に振り向いた。
「ま!!!!」
一瞬声が出たがすぐに自分で自分の口を塞ぎテディの方に振り向き見た。
相変わらず不愛想で不貞腐れたような顔で僕を見ているが、凛凛の解説に声が入らない様に
「まじで?まじだな!聞いたからな!おとなしく!まともなインタビューに答えないと約束は無効だからな!」
と伝えたらテディの顔がもっと不愛想で不貞腐れたような顔になった。
そんな顔しても無駄だ!
わかったと言ったんだからな!
体格差は10倍以上あり、見た目は氷の様なゴツゴツとした岩肌にしか見えない怪獣体の体を軽く蹴り飛ばした。
怪獣体は数メートル程飛ばされたがすぐに起き上がり攻撃された方向を向き直したところをテディが近づき頭部へ飛び上がり両腕を脳天に振り下ろし殴打すると、怪獣体はそのままお辞儀をするように下に崩れ地響きと共に倒れた。
それは10秒くらいの出来事だった。
テディは配信映像越しに見られていることを考慮して生意気な笑みを浮かべながら手を振った。
いつもは短時間での戦闘配信を嫌う凛凛がビショップ君の仇を討ってくれたと解説し短時間での戦闘は記録的快挙として興奮気味に解説をしていたが顔は苦虫を噛んでいるような表情だった。
今ものすごく頭をフル回転して時間を稼ぐような言葉を絞り出しながら不本意な言葉を綴っているのが良くわかった。
「……テディ…早すぎだよ…」
ぼそりと溜息と共に呟く様に声が出た。
「約束が先だからな」
「わぁ!!!」
急に後ろから声が聞こえビックリしながら声が出た。
この声は解説中の凛凛にもしっかり聞こえていた為思いっきり睨まれた。
『では、今回新人を助ける為いつもよりも力を発揮した我らの英雄!テオドア・オールデン様より滅多に受けられないインタビューを試みようと思います!』
視聴率と配信時間の確保の為なのが伝わり僕と目があう凛凛!
滅茶苦茶”どうにか責任取れ”と言わんばかりに僕を睨んでいる。
白羽の矢がグサグサ当たりまくっている感じがものすごくわかります!
「テディ!少しだけで良いから、”おとなしく”インタビュー受けて欲しい…さっきの約束はちゃんと守るから!」
すぐ後ろに居るテディにだけ聞こえるように”約束”という言葉でお願いをしてみる。
どんな約束なのかも決まっていないのに守る宣言しても良いのだろうかと内心不安に駆られるが凛凛からの圧力と放送事故になると僕の始末書の数が数倍に増える。
さらに上乗せされる上司からのお叱りが怖い!
なので背に腹は代えられないし、いざとなったら凛凛に貸しを作るという強行手段を取れば良い!!!
「……………はぁ…」
僕のすぐ後ろからテディの溜息が聞こえた。
それが聞こえた瞬間始末書の山が脳裏を過った。
やっぱりこいつに期待するのは(ダメか!)と思ったが、
「……わかった………」
空耳の様な一言が聞こえた。
空耳の様なその声は確かにテディの声で僕は勢い良くテディの方に振り向いた。
「ま!!!!」
一瞬声が出たがすぐに自分で自分の口を塞ぎテディの方に振り向き見た。
相変わらず不愛想で不貞腐れたような顔で僕を見ているが、凛凛の解説に声が入らない様に
「まじで?まじだな!聞いたからな!おとなしく!まともなインタビューに答えないと約束は無効だからな!」
と伝えたらテディの顔がもっと不愛想で不貞腐れたような顔になった。
そんな顔しても無駄だ!
わかったと言ったんだからな!
1
お気に入りに追加
54
あなたにおすすめの小説
きっと、君は知らない
mahiro
BL
前世、というのだろうか。
俺は前、日本という国で暮らしていて、あの日は中学時代にお世話になった先輩の結婚式に参列していた。
大人になった先輩と綺麗な女性の幸せそうな姿に胸を痛めながら見つめていると二人の間に産まれたという女の子がひとりで車道に向かい歩いている姿が目に入った。
皆が主役の二人に夢中で子供の存在に気付いておらず、俺は慌ててその子供のもとへと向かった。
あと少しで追い付くというタイミングで大型の車がこちらに向かってくるのが見え、慌ててその子供の手を掴み、彼らのいる方へと突き飛ばした。
次の瞬間、俺は驚く先輩の目と合ったような気がするが、俺の意識はそこで途絶えてしまった。
次に目が覚めたのは見知らぬ世界で、聞いたことのない言葉が行き交っていた。
それから暫く様子を見ていたが、どうやら俺は異世界に転生したらしく………?
守護獣騎士団物語 犬と羽付き馬
葉薊【ハアザミ】
BL
一夜にして養父と仲間を喪い天涯孤独となったアブニールは、その後十年間たったひとり何でも屋として生き延びてきた。
そんなある日、依頼を断った相手から命を狙われ気絶したところを守護獣騎士団団長のフラムに助けられる。
フラム曰く、長年の戦闘によって体内に有害物質が蓄積しているというアブニールは長期間のケアのため騎士団の宿舎に留まることになる。
気障な騎士団長×天涯孤独の何でも屋のお話です。
【完結】内緒事のある友人との離れ方
琉海
BL
卒業を機にもう二度と会わないんだろうなと思ってる世話焼き外見チャラ男と離れられてビックリした美人系の話。
教師になる夢を叶えるため上京した。
そんな大学で出来た友人にはどうやら人には言えない秘密があるらしい。
***
秘密がもう一人にバレる事はありません。
冬の兎は晴の日に虎と跳ねる。【センチネルバース】
古森きり
BL
魑魅魍魎、怪物、半獣が闊歩する魔都、中央無都。
怪物討伐専門株式会社[花ノ宮]事務所の事務員に就職した夜凪冬兎は“ミュート”のはずだった。
とある夜、帰寮した時に怪物に襲われる。
助けてくれたのは、怪物討伐専門株式会社[花ノ宮]事務所最強のセンチネル、華城晴虎だった。
レイタントとして保護された冬兎は、ガイドを持たない晴虎に寄り添ううち「彼のガイドになりたい」と願うようになっていく――。
BLoveに読み直しナッシング掲載。
小説家になろう、カクヨム、アルファポリスに掲載。
烏木の使いと守護騎士の誓いを破るなんてとんでもない
時雨
BL
いつもの通勤中に猫を助ける為に車道に飛び出し車に轢かれて死んでしまったオレは、気が付けば見知らぬ異世界の道の真ん中に大の字で寝ていた。
通りがかりの騎士風のコスプレをしたお兄さんに偶然助けてもらうが、言葉は全く通じない様子。
黒い髪も瞳もこの世界では珍しいらしいが、なんとか目立たず安心して暮らせる場所を探しつつ、助けてくれた騎士へ恩返しもしたい。
騎士が失踪した大切な女性を捜している道中と知り、手伝いたい……けど、この”恩返し”という名の”人捜し”結構ハードモードじゃない?
◇ブロマンス寄りのふんわりBLです。メインCPは騎士×転移主人公です。
◇異世界転移・騎士・西洋風ファンタジーと好きな物を詰め込んでいます。
物語なんかじゃない
mahiro
BL
あの日、俺は知った。
俺は彼等に良いように使われ、用が済んだら捨てられる存在であると。
それから数百年後。
俺は転生し、ひとり旅に出ていた。
あてもなくただ、村を点々とする毎日であったのだが、とある人物に遭遇しその日々が変わることとなり………?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる