上 下
35 / 41

27話 幽霊の正体は犬でした

しおりを挟む
遡ること数分前



「…失礼します、、」

誰もいないのは分かってるけど癖で言ってしまった

保健室の中も当たり前だが暗かったので、ライトの明かりで進んでいく
数歩歩いてたら机が見えてきて、
机の上には目当ての鍵が置いてあった

「あった…!、、これで帰れる」

鍵を持ち部屋を出ようとしたそのとき

「ぐぉぉぉー、、、ぐぉ、、、ぐぉぉぉー」


「んん??これってまさか…ゆ、幽霊??」

僕は音がした方向を向いた
けど、そこには幽霊らしきものはいない

「き、気のせい?」

「ぐぉー、ぐぉぉぉ…」

「気のせいじゃない…!どうしよう、、、」

「んごっ、、ぐぉぉぉ、、、」

「『んごっ』?なんかあれに似てるような…確かめてみよう、、」


僕は音がした方向に進み始めた

着いた先はベットだった
カーテンが閉めてあって中は見えない

「ぐぉぉぉー、、ぐぉぉぉ、、ぐぉ…」  

また聞こえてきた 

「絶対あれだよね…!もう開けよう!」

そして僕は勢いよくカーテンを開けた

シュッッ!

「やっぱり寝てる人がいる…いびきだ、、、!」

ライトで確認してみたら、ベットの上に男の人がいて寝ていた


「まさか、これが保健室の幽霊の正体??てか、何でこんなところで寝てるんだろう??起こしていいかな??」

僕は近づいて体を揺さぶりながら起こした

「すみませーん、ちょっといいですかー??すいませーん……」







「はぁ、、帰ろうかな…」

全く起きないので諦めようとしたとき、

グイッ

「え?」

僕は寝ている男の人に引っ張られてベッドに入ってしまった
しかも、後ろから抱きしめられている


「んぅ…シロ、、」


(まさか僕勘違いされてる??)


「…いい匂い、、」

首に顔を埋められて匂いを嗅がれた

(えー!!もう、早く起きて…)

僕は耐えきれなくなって、無理やり起こす事にした

「ウォーター!!」

水魔法の水を勢いをつけて、顔にかけてしまった
後で怒られるかもしれないけど、仕方が無い


「ん…?あれ、誰??」

「えっと、ミリナスって言うんですけど…まず、離してもらっていいですか、、?」

「あ、本当だ…ごめん、」

僕達はベッドから降り、保健室の明かりをつけて説明を含め話し合うことにした

顔を確認すると、少し長めの金髪に紫眼だった
もちろんイケメンですね

「僕は2年ねハスメル・ルーキッド、、一応生徒会会計…」

「え、生徒会!?ごめんなさい…水なんかかけてしまって、、、」

(相手が生徒会なら絶対やらなかった!!)

「あれは、僕が悪いから大丈夫…」

「いえ、他に方法があったかもしれないのに雑な事をしてしまった僕が悪いです!」

「本当に気にしなくて大丈夫…」

「でも、」

「それよりもっと君の事を教えて…」

「…はい、さっきも若干言いましたが、サフィリス・ミリナスです。ここには保健委員の仕事の関係できました」

「サフィリス…、、いい名前」

「ありがとうございます、、!あと、気になったことがあるんですけど…」

「なに…?」

「どうして、会計さんはここにいたんですか?」

「名前で呼んで…」

「あ、ルーキッドさん?」

「違う…ハスメル…」

「ハスメルさん、、」

「ん、そう。理由は簡単…」






ハスメルさんによると、生徒会の仕事で学園に残ってて、終わったから帰ろうとしたらしいんだけど、眠たかったから寮まで帰るのが面倒くさくなって保健室に来たんだって

ちなみに今日が初めてじゃなく、今まで何回もしてたようで…



だからハスメルさんのいびきを聞いた人が勘違いして幽霊と思ったんだろう…


あ、シロはハスメルさんの家で飼っている猫らしい



(本当に良かったぁ…) 


「ハスメルさんは、なるべく寮に戻った方がいいですよ?ハスメルさんのことを幽霊だって思ってる人もいますから…」

「頑張る…それより来て、、」

「はい??」

僕はハスメルさんに言われた通りに、近くにやってきた

「座って…」

指定したのはひざの上
ハスメルさんの…

「遠慮します!!」

「お願い…」

「嫌です!」

「嫌なの…???」

…なんか垂れ下がってる犬の耳が見えたような気がする
しかも悲しそうな顔してるし…
そうなったら断れないよ、、!

「い、嫌じゃないです…」

「良かった…じゃあ座って、、」

「失礼します…」

「ん…」

僕はちゃんとひざの上に座った

「じっとしてて…」

「え、」

本日二回目です
また、後ろから抱きしめられました

「ちょっ、ハスメルさん!!」

「あと少し…ね??」

「もう、終わりです!」

「嫌だ…いい匂いだから離れたくない…」


いや、だから僕が持たないんですって!!
しおりを挟む
感想 27

あなたにおすすめの小説

強制悪役令息と4人の聖騎士ー乙女ハーレムエンドー

チョコミント
BL
落ちこぼれ魔法使いと4人の聖騎士とのハーレム物語が始まる。 生まれてから病院から出た事がない少年は生涯を終えた。 生まれ変わったら人並みの幸せを夢見て… そして生前友人にもらってやっていた乙女ゲームの悪役双子の兄に転生していた。 死亡フラグはハーレムエンドだけだし悪い事をしなきゃ大丈夫だと思っていた。 まさか無意識に悪事を誘発してしまう強制悪役の呪いにかかっているなんて… それになんでヒロインの個性である共魔術が使えるんですか? 魔力階級が全てを決める魔法の世界で4人の攻略キャラクターである最上級魔法使いの聖戦士達にポンコツ魔法使いが愛されています。 「俺なんてほっといてヒロインに構ってあげてください」 執着溺愛騎士達からは逃げられない。 性描写ページには※があります。

転生当て馬召喚士が攻め度MAXの白銀騎士に抗えません

雪平
BL
不幸体質大学生の青年が転生したのは魔術師ファンタジーBLゲームの世界だった。 当て馬として生まれたからには攻略キャラの恋の後押しをする事にした。 しかし、この世界…何処か可笑しい。 受け主人公が攻めに、攻め攻略キャラが受けになっていた世界だった。 童顔だった主人公は立派な攻めに育っていた。 受け達に愛されている主人公は何故か当て馬に執着している。 傍観者で良かったのに、攻めポジも危ぶまれていく。 究極の鉄壁一途な白銀騎士×転生当て馬召喚士 ゲームを忠実にするためには、絶対に受けとしてときめいてはいけない。 「君といられるなら、俺は邪魔する奴を排除する」 「俺はただの当て馬でいい!」 ※脇CP、リバキャラはいません、メインCPのみです。

美醜逆転世界でフツメンの俺が愛されすぎている件について

いつき
BL
いつも通り大学への道を歩いていた青原一樹は、トラックに轢かれたと思うと突然見知らぬ森の中で目が覚める。 ゴブリンに襲われ、命の危機に襲われた一樹を救ったのは自己肯定感が低すぎるイケメン騎士で⁉︎ 美醜感覚が真逆な異世界で、一樹は無自覚に数多のイケメンたちをたらし込んでいく!

少女漫画の当て馬に転生したら聖騎士がヤンデレ化しました

猫むぎ
BL
外の世界に憧れを抱いていた少年は、少女漫画の世界に転生しました。 当て馬キャラに転生したけど、モブとして普通に暮らしていたが突然悪役である魔騎士の刺青が腕に浮かび上がった。 それでも特に刺青があるだけでモブなのは変わらなかった。 漫画では優男であった聖騎士が魔騎士に豹変するまでは… 出会う筈がなかった二人が出会い、聖騎士はヤンデレと化す。 メインヒーローの筈の聖騎士に執着されています。 最上級魔導士ヤンデレ溺愛聖騎士×当て馬悪役だけどモブだと信じて疑わない最下層魔導士

異世界転生先でアホのふりしてたら執着された俺の話

深山恐竜
BL
俺はよくあるBL魔法学園ゲームの世界に異世界転生したらしい。よりにもよって、役どころは作中最悪の悪役令息だ。何重にも張られた没落エンドフラグをへし折る日々……なんてまっぴらごめんなので、前世のスキル(引きこもり)を最大限活用して平和を勝ち取る! ……はずだったのだが、どういうわけか俺の従者が「坊ちゃんの足すべすべ~」なんて言い出して!?

なぜか知りませんが婚約者様はどうやら俺にデレデレのようです

ぷりん
BL
 俺、シノ・アイゼンベルクは貧乏貴族の一人息子である。そんな彼の所に一通の手紙が届く。そこには、『我、ノアール・スベリアはシノ・アイゼンベルクに婚約を申し込む。もし拒否するのであればスベリア家を敵に回すと思え』と書かれたものが届く。婚約を拒否する訳にはいかず、ノアールの婚約者となったが、、、  聞いていた噂と彼は違いすぎる?!噂ではノアール・スベリアは氷のように冷たい雰囲気をもち、誰にも興味を示さず笑顔を見せない男。しかし、めちゃくちゃイケメンで夜会では貴族のご令嬢をメロメロにしているという噂である。しかし、ノアールはシノにデレデレのようで、、?!  デレデレイケメン宰相×自己肯定感皆無不憫所長 作者はメンタル弱々人間です<(_ _)> 面白いと思われた方はお気に入り登録して頂けると大変作者の励みになります。感想貰えると泣いて喜びます。また、番外編で何か書いて欲しいストーリーなどあれば感想によろしくお願いします!

悪役転生したはずが主人公に溺愛されています

zzz
BL
死んだ。そう気づいて目を開けると、全く知らない世界にいた。 いや、全くと言ったら嘘になる。 俺はこの世界を知っていた。 なぜならここは、俺も開発に携わったゲームの世界だったからだ。 そして俺は主人公である勇者に転生……ではなく、勇者に嫌がらせをし、最終的に殺される悪役に転生していた! 死ぬのはごめんだがケツを狙われるのもごめんなんだけど!!?

異世界転移したら獣人騎士団長に拾われました。

どらいもなか
BL
八戸 那桜(はちのへ なお)はどこにでもいる一般的な大学生だった。試験期間が終わり、友達と食事をして酒を飲んだ。酒はあまり強くないが、楽しくなってついつい飲み過ぎてしまう。友達が心配するも「大丈夫だから」と、フラフラしながら自分の足で自宅へ向かった。しかし、自宅アパートへ着くまえに倒れそのまま意識を手離した。 目を覚ますとそこは人間が滅び、獣人が住む世界だった。 (綺麗な白い虎が喋ってるし、服着てるし、二足歩行だし!) がんばり屋さんで鈍感な主人公が、騎士団長に大切にされる物語。 獣人×人間の話です。 ハッピーエンド目指します。 背後注意の回には * 付けます。 タイトルちょこっと変えました(2022/2/14)。

処理中です...