7 / 10
ジュリア
しおりを挟む
ジュリアは部屋でいつものようにお茶をしていた。そこへ、
「お嬢様!大変です!」
「どうしたの?」
「ルーカス様が離縁なさったそうです!」
「何ですって!?すぐにお父様に連絡を!」
「はいっ!」
ルーカスはジュリアの想い人だ。社交界でデビューしてすぐに、この小柄ながら存在感がハンパない胸のおかげで視線はまず胸に(たぶん)向かう。誰もかれも上からいやらしい視線を投げてくる(ような気がする)。自分の背が低いせいで、大柄な男性には恐怖を感じる程だ。
ある夜会で逃げるように出たテラスで、大柄の男性に詰め寄られたときに助けてくれたのがルーカスだった。いやらしい目で見ることもなく、ちゃんとジュリアの目を見て話してくれる。その日から、夜会で会えば、一曲踊った。踊りながら、自分には婚約者がいること、まだその相手がデビュー前なのでエスコートしていないことを教えてくれた。紳士的な態度に、ジュリアは好意を抱いていたが、婚約者の存在を知って、
(こんなにステキな方だもの、当たり前ね…)
と自分が思った以上に落ち込んだ。その時にホントに自覚したのかもしれない、ルーカスのことが好きだ、と。
ジュリアは両親と弟に、自分の思いを告げた。今まで男性が苦手だ、怖いと縁談を断ってきた娘に実は想い人がいたことに、少々驚いたようだったが、快く先方に掛け合ってくれることになった。
ルーカスもローラも、別に社交界での評判は(実はローラが気に病むほど)悪くない。離縁したと言っても、どちらに非があるわけでもなかった為、話はすぐに通った。
ジュリアは無事、ルーカスの元へと嫁ぐことになった。
「お嬢様!大変です!」
「どうしたの?」
「ルーカス様が離縁なさったそうです!」
「何ですって!?すぐにお父様に連絡を!」
「はいっ!」
ルーカスはジュリアの想い人だ。社交界でデビューしてすぐに、この小柄ながら存在感がハンパない胸のおかげで視線はまず胸に(たぶん)向かう。誰もかれも上からいやらしい視線を投げてくる(ような気がする)。自分の背が低いせいで、大柄な男性には恐怖を感じる程だ。
ある夜会で逃げるように出たテラスで、大柄の男性に詰め寄られたときに助けてくれたのがルーカスだった。いやらしい目で見ることもなく、ちゃんとジュリアの目を見て話してくれる。その日から、夜会で会えば、一曲踊った。踊りながら、自分には婚約者がいること、まだその相手がデビュー前なのでエスコートしていないことを教えてくれた。紳士的な態度に、ジュリアは好意を抱いていたが、婚約者の存在を知って、
(こんなにステキな方だもの、当たり前ね…)
と自分が思った以上に落ち込んだ。その時にホントに自覚したのかもしれない、ルーカスのことが好きだ、と。
ジュリアは両親と弟に、自分の思いを告げた。今まで男性が苦手だ、怖いと縁談を断ってきた娘に実は想い人がいたことに、少々驚いたようだったが、快く先方に掛け合ってくれることになった。
ルーカスもローラも、別に社交界での評判は(実はローラが気に病むほど)悪くない。離縁したと言っても、どちらに非があるわけでもなかった為、話はすぐに通った。
ジュリアは無事、ルーカスの元へと嫁ぐことになった。
0
お気に入りに追加
43
あなたにおすすめの小説
禁断の関係かもしれないが、それが?
しゃーりん
恋愛
王太子カインロットにはラフィティという婚約者がいる。
公爵令嬢であるラフィティは可愛くて人気もあるのだが少し頭が悪く、カインロットはこのままラフィティと結婚していいものか、悩んでいた。
そんな時、ラフィティが自分の代わりに王太子妃の仕事をしてくれる人として連れて来たのが伯爵令嬢マリージュ。
カインロットはマリージュが自分の異母妹かもしれない令嬢だということを思い出す。
しかも初恋の女の子でもあり、マリージュを手に入れたいと思ったカインロットは自分の欲望のためにラフィティの頼みを受け入れる。
兄妹かもしれないが子供を生ませなければ問題ないだろう?というお話です。
王家の面子のために私を振り回さないで下さい。
しゃーりん
恋愛
公爵令嬢ユリアナは王太子ルカリオに婚約破棄を言い渡されたが、王家によってその出来事はなかったことになり、結婚することになった。
愛する人と別れて王太子の婚約者にさせられたのに本人からは避けされ、それでも結婚させられる。
自分はどこまで王家に振り回されるのだろう。
国王にもルカリオにも呆れ果てたユリアナは、夫となるルカリオを蹴落として、自分が王太女になるために仕掛けた。
実は、ルカリオは王家の血筋ではなくユリアナの公爵家に正統性があるからである。
ユリアナとの結婚を理解していないルカリオを見限り、愛する人との結婚を企んだお話です。
【完結】冷酷眼鏡とウワサされる副騎士団長様が、一直線に溺愛してきますっ!
楠結衣
恋愛
触ると人の心の声が聞こえてしまう聖女リリアンは、冷酷と噂の副騎士団長のアルバート様に触ってしまう。
(リリアン嬢、かわいい……。耳も小さくて、かわいい。リリアン嬢の耳、舐めたら甘そうだな……いや寧ろ齧りたい……)
遠くで見かけるだけだったアルバート様の思わぬ声にリリアンは激しく動揺してしまう。きっと聞き間違えだったと結論付けた筈が、聖女の試験で必須な魔物についてアルバート様から勉強を教わることに──!
(かわいい、好きです、愛してます)
(誰にも見せたくない。執務室から出さなくてもいいですよね?)
二人きりの勉強会。アルバート様に触らないように気をつけているのに、リリアンのうっかりで毎回触れられてしまう。甘すぎる声にリリアンのドキドキが止まらない!
ところが、ある日、リリアンはアルバート様の声にうっかり反応してしまう。
(まさか。もしかして、心の声が聞こえている?)
リリアンの秘密を知ったアルバート様はどうなる?
二人の恋の結末はどうなっちゃうの?!
心の声が聞こえる聖女リリアンと変態あまあまな声がダダ漏れなアルバート様の、甘すぎるハッピーエンドラブストーリー。
✳︎表紙イラストは、さらさらしるな。様の作品です。
✳︎小説家になろうにも投稿しています♪
ただの政略結婚だと思っていたのにわんこ系騎士から溺愛――いや、可及的速やかに挿れて頂きたいのだが!!
藤原ライラ
恋愛
生粋の文官家系の生まれのフランツィスカは、王命で武官家系のレオンハルトと結婚させられることになる。生まれも育ちも違う彼と分かり合うことなどそもそも諦めていたフランツィスカだったが、次第に彼の率直さに惹かれていく。
けれど、初夜で彼が泣き出してしまい――。
ツンデレ才女×わんこ騎士の、政略結婚からはじまる恋のお話。
☆ムーンライトノベルズにも掲載しています☆
極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる