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壁がある

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(思ったよりきつい、でも気持ちいい、…ん?なんだこれ)

ジークフリードの進む先に、があった。

(は?まさか?!いや、しかしこんなところにある壁言ったら、!何故かは知らんが、ありがとう!)

「ローラ、少し痛いけど、我慢して。」

蕩けるように微笑みながらローラにそう告げると、自身を一気に突き入れた。

「え?ひゃんっ!」

ローラはジークフリードに思わずしがみつく。ジークフリードは動かず、ローラを抱きしめる。と、よっぽど痛かったのか、涙をこぼしている。

(うーん、これは…前の旦那はたしかルーカスだったか?…ってことかぁ、なんかそれはそれで男として気の毒だなぁ…いや、まてよ、でも確か再婚して子供出来たって聞いたような…………ま、いいか、もうローラ俺のもんだし!)

一方ローラは、

(これが、お母様が言ってた痛み!あぁ、よかった、私の体ホントに普通だったんだぁ)

もちろん結婚前に診てもらって、異常がないのはわかっていたのだが、母親から言われていた‘最初は痛い‘がなかったのだ。あれ?と、気のせいかな?と。だが、やれどもやれども痛みはこない。もしかして自分の体がおかしいんじゃないかと思っていたのだ。
一年が過ぎたころ、ルーカスにお願いして、もう一度診てもらった。やはり異常はなし。なので男性に聞いても、その痛みは分からないだろうと、助手として付いてきていた女性にこっそり聞いてみたのだ。自分は最初の時、痛みがなかったのだけれど、と。

「まぁ、うらやましい。私はあまりの痛みに旦那を殴ってしまったわ。」

と、個人差があるので大丈夫ですよ、よかったですね、と言われてしまったのだ。
旦那を殴ってしまうほどの痛みって…とは思ったが、やはり気になる。なので、だいたい見切りを付けられる二年を目処に、実家に帰ってきたのだった。

(あぁ、私に足りなかったのはだったのね…)

離縁してよかった、ジークフリードと結婚してホントよかった、と感涙していたのだった。
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