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第二章【能力者狩り編】
ひんやり
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■■■■
七月中旬、某日の学校にて。
「なぁ恭、行きたくねぇか?」
またきた。大吉お得意の誘い方。勿体ぶってないで、早く言って欲しいものだ。
「何処にだよ?」
「夏と言ったら『肝試し』でしょー!」
「いいっ!?」
実は俺は、お化けや幽霊といった類が苦手で、お化け屋敷でさえ断固として入らない。
「恭ぉ、まさかビビってんのか?」
「ば、馬鹿言うなよ! 誰がビビってるて」
俺は“ビビリだと思われたくない”、というちっぽけな思いだけで反論してしまった。これが間違いの全てだった。
「じゃー決まりな。今日の夜決行で! なはははっ」
「お、おう……楽しみだぜ、あはは」
いつもは期待膨らむ情報を持ってくる大吉だったが、この日ばかりは憂鬱な気持ちで一日を過ごし、授業を終え一旦帰宅する。
■■■■
深いため息と共に家の玄関を開く。
「ただいまー」
──、あれ? サタコが走ってこない。出掛けているのか? まぁ、騒がしくなくていいけど、ちょっとだけ寂しいな。
夕方といえどもまだまだ日は高く、気温も三十度オーバー。
学校から帰ってくるだけで喉が乾く。
俺は真っ先に冷蔵庫のオレンジジュースを取りにキッチンへと向かった。
──え!?
キッチンに来た俺は違和感に気づいた。いや、違和感なんて生易しいものでは無い。本来冷蔵庫に入っているべき物(ジュース、ゼリー、西瓜、コンニャク……etc)
その全てが外に放り出されていたのだ。これは明らかなる異常事態だ。
ま、まさか……
俺の頭にある不安が過ぎる。これまで幾度となく凶運に見舞われて来たが、あるお決まりイベントがまだ起きていない。そう『泥棒』だ。そして俺の頭は最悪にまで考えが及ぶ。
──ま、まさかサタコも!?──
「クソッ!」
声を上げ思わず冷蔵庫の扉を叩いた。するとその反動で冷蔵庫の扉が開いていく。
その反動で──、開くか……?
キィィっと金属の擦れる様な音と共に扉が開いていく……ゆっくり、ゆっくりと。
「おかえり恭」
「ぎゃああぁぁぁぁ!! 出たァァァ!!」
開いた冷蔵庫の中にはサタコがギュウギュウになって詰め込まれていた! それを見た俺は思わず恐怖で絶叫する!
「“おかえり”じゃねぇぇえ!! なんで冷蔵庫から出てくるんだよ!? おかしいだろぉぉぉ!!」
「ここが一番涼しいのだ。仕方あるまい」
「仕方ない!?」
冷蔵庫の中の間仕切りは、丁寧に外され立て掛けてあった。しかし、いくら間仕切りを外したとはいえ、一人暮らし用の冷蔵庫。よく入れたなと俺は感心した。
「ったく、冷蔵庫はそういう道具じゃねぇんだよ! 大体ジュースとか温くなるだろ。もうやっちゃダメだからな!」
※良いこの皆さんは絶対に真似をしてはいけません。内側から開けられなくなる危険があります。
お説教虚しく「ちっ」と舌打ちをするサタコさん。
コイツ初犯じゃねぇな……てか俺が居ない間に間違いなく再犯するだろ、これ。
ここで責め立てたい所だが、今回は一回目だし見逃してやる事にする。
今日の本命はここでサタコを叱ることではない。
小さい悪事を理由に大義名分を見失ってはいけないのだ。
「ところでサタコさん?」
「ん、なんだ?」
「今日の深夜二時頃、暇ですかね?」
サタコは悪魔だ。きっと『お化け』やら『幽霊』等といったものに対しては滅法強いだろう。俺の最強のボディーガードとして絶対に必要な手駒だ。と言うか──、
一人で行きたくねぇぇぇ!! 絶対に嫌だ!! 無理無理無理無理!! お願いだから着いてきてくれぇぇ!
俺は最高の作り笑いをし、サタコの警戒心を解きにかかった。が──、
「二時? 無理だな」
「な、何でだよ!?」
「眠いからだ」
俺はその言葉を聞いた瞬間から動き出した。
お風呂を沸かした。
部屋を片付けた。
サタコ専用の布団を敷いた。
その間僅かに五分!
さっさとサタコをお風呂に行かせ、髪をドライヤーで乾かしてあげて、普段やらないマッサージのサービスまで付けた!!
「さささっ! どうぞサタコ様! 寝る準備が整っております! どうぞどうぞ!」
夕方六時を回ったばかりだが、サタコを布団に押し込んだ。
「恭。流石に眠れん。何か話をしてくれ」
また子供みたいな事をと、思ったが流石に六時じゃ眠れねぇか。
「そうだな──、じゃあ俺の生い立ちでも話してやろう。俺は山形県という所で産まれて……」
「Zzzzz……Zzzz……」
そんなに興味ありませんでしたか!??
ともあれ、サタコは寝かしつけた。あとは夜中の一時半頃に起こし、集合場所に二時に着くように出発するだけだ。
■■■■
──ピピピ……ピピピ……──
目覚ましの音で目が覚める。時間は午前一時半。草木も眠る丑三つ時まで、後三十分。
正直行きたくないが、ここで行かなかった大学生活が終わるまで“弱虫”のレッテルが貼られる事だろう。
俺は最強ボディガードサタコをゆすり起こす。
「んん……」と声を上げ起きるサタコさん。ヨタヨタと洗面台に来て『洗顔料』を歯ブラシに塗りたくり口に突っ込む。「おえぇぇ」っと吐いたところでようやく目を覚ました。
「よし、行くぞ!」
「ふああぁ」
■■■■
「お、きたきた! 待ってたぜ恭!」
集合場所には大吉が先に来ていた。そしてその傍にはもう一人。
「凶さん、今日は宜しくお願いします」
どんな人にも敬語を忘れないシルシルだ。神社の娘ってだけで心強いのは何故だろう。
「シルシルにはもしものために来てもらったんだぜ? 頼もしいだろ?」
「もしもってなんだよ!?」
「表向きはな……」
大吉が急に声のトーンを落とし、肘で俺の脇腹辺りを、ツンツンしながら話しかけてくる。
「ど、どういう事だよ?」
「そりゃーお前、肝試しの醍醐味と言ったら何だよ? 小学生でも解る問題だぜ?」
「大吉……お前……天才かよ」
「いいって事よ! 日頃の感謝の印だぜ」
なんだか急に楽しみになってきたぜ! そうか、そう考えたら怖ければ怖い程効果てきめんだよな! 待ってろ肝試し!!
そんな俺のワクワク感は歩いて一分で終る事になる。
「ここが、今日攻略する事になる通称『死の洋館』だぜ。なかなか雰囲気あるだろ?」
──『死の洋館』このA区において、心霊スポットとして有名な建物である。
古い民家が立ち並ぶ通りに、一際古く、場違いな風体で佇んでいる。
外壁には植物の弦が巻き付き、張り巡らされ、『いかにも』な雰囲気がある。
窓の一部は割れており、その窓からは誰かが覗いているのではないかと思う程に、リアルな視線を感じずにはいられない。
極めつけは、入口にある人形だ。
長らく雨ざらしにされたであろうボロボロの『フランス人形』達。
髪はボサボサで泥だらけ、服は破れ中には顔の欠けた者まで居る。
その数がまた怖い。ざっと二十体はある──
俺の見た感じだとこんな光景だ。とても恐ろしい。
ふと、そんな異様な洋館の前に座る一人のフランス人形と目が合った。
何故か目が離せない。
離してはいけないと、脳が言っている。
そして、そのフランス人形の手がゆっくりと──、上がる。
「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁ!! おおおお、おい! おい! だだだ大吉!! みみ見たか!?」
「なんだよ恭ぉ、まだ始まってねーぞ?ビビりすぎだぜ」
「お、おお……おま……っこれ……ほ、本当に行くの、か……?」
動揺せずにはいられない! 俺は見てしまったのだから! ここは本当にヤバイ! ヤバイぞ!! サタコ、そうだ!悪魔サタコが守ってくれる! 頼んだぞ、サタ……
──え?
隣で俺以上に震えるサタコさん。カタカタという擬音語では足りない程に体が揺れている。歯と歯がぶつかる音がここまで聞こえ、目線は俺の見ていたフランス人形を見つめたまま動かない。
無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理だぁぁぁぁぉぁ!!!
恐怖と絶望に支配されたまま、俺とサタコの肝試しが今始まろうとしていた。
七月中旬、某日の学校にて。
「なぁ恭、行きたくねぇか?」
またきた。大吉お得意の誘い方。勿体ぶってないで、早く言って欲しいものだ。
「何処にだよ?」
「夏と言ったら『肝試し』でしょー!」
「いいっ!?」
実は俺は、お化けや幽霊といった類が苦手で、お化け屋敷でさえ断固として入らない。
「恭ぉ、まさかビビってんのか?」
「ば、馬鹿言うなよ! 誰がビビってるて」
俺は“ビビリだと思われたくない”、というちっぽけな思いだけで反論してしまった。これが間違いの全てだった。
「じゃー決まりな。今日の夜決行で! なはははっ」
「お、おう……楽しみだぜ、あはは」
いつもは期待膨らむ情報を持ってくる大吉だったが、この日ばかりは憂鬱な気持ちで一日を過ごし、授業を終え一旦帰宅する。
■■■■
深いため息と共に家の玄関を開く。
「ただいまー」
──、あれ? サタコが走ってこない。出掛けているのか? まぁ、騒がしくなくていいけど、ちょっとだけ寂しいな。
夕方といえどもまだまだ日は高く、気温も三十度オーバー。
学校から帰ってくるだけで喉が乾く。
俺は真っ先に冷蔵庫のオレンジジュースを取りにキッチンへと向かった。
──え!?
キッチンに来た俺は違和感に気づいた。いや、違和感なんて生易しいものでは無い。本来冷蔵庫に入っているべき物(ジュース、ゼリー、西瓜、コンニャク……etc)
その全てが外に放り出されていたのだ。これは明らかなる異常事態だ。
ま、まさか……
俺の頭にある不安が過ぎる。これまで幾度となく凶運に見舞われて来たが、あるお決まりイベントがまだ起きていない。そう『泥棒』だ。そして俺の頭は最悪にまで考えが及ぶ。
──ま、まさかサタコも!?──
「クソッ!」
声を上げ思わず冷蔵庫の扉を叩いた。するとその反動で冷蔵庫の扉が開いていく。
その反動で──、開くか……?
キィィっと金属の擦れる様な音と共に扉が開いていく……ゆっくり、ゆっくりと。
「おかえり恭」
「ぎゃああぁぁぁぁ!! 出たァァァ!!」
開いた冷蔵庫の中にはサタコがギュウギュウになって詰め込まれていた! それを見た俺は思わず恐怖で絶叫する!
「“おかえり”じゃねぇぇえ!! なんで冷蔵庫から出てくるんだよ!? おかしいだろぉぉぉ!!」
「ここが一番涼しいのだ。仕方あるまい」
「仕方ない!?」
冷蔵庫の中の間仕切りは、丁寧に外され立て掛けてあった。しかし、いくら間仕切りを外したとはいえ、一人暮らし用の冷蔵庫。よく入れたなと俺は感心した。
「ったく、冷蔵庫はそういう道具じゃねぇんだよ! 大体ジュースとか温くなるだろ。もうやっちゃダメだからな!」
※良いこの皆さんは絶対に真似をしてはいけません。内側から開けられなくなる危険があります。
お説教虚しく「ちっ」と舌打ちをするサタコさん。
コイツ初犯じゃねぇな……てか俺が居ない間に間違いなく再犯するだろ、これ。
ここで責め立てたい所だが、今回は一回目だし見逃してやる事にする。
今日の本命はここでサタコを叱ることではない。
小さい悪事を理由に大義名分を見失ってはいけないのだ。
「ところでサタコさん?」
「ん、なんだ?」
「今日の深夜二時頃、暇ですかね?」
サタコは悪魔だ。きっと『お化け』やら『幽霊』等といったものに対しては滅法強いだろう。俺の最強のボディーガードとして絶対に必要な手駒だ。と言うか──、
一人で行きたくねぇぇぇ!! 絶対に嫌だ!! 無理無理無理無理!! お願いだから着いてきてくれぇぇ!
俺は最高の作り笑いをし、サタコの警戒心を解きにかかった。が──、
「二時? 無理だな」
「な、何でだよ!?」
「眠いからだ」
俺はその言葉を聞いた瞬間から動き出した。
お風呂を沸かした。
部屋を片付けた。
サタコ専用の布団を敷いた。
その間僅かに五分!
さっさとサタコをお風呂に行かせ、髪をドライヤーで乾かしてあげて、普段やらないマッサージのサービスまで付けた!!
「さささっ! どうぞサタコ様! 寝る準備が整っております! どうぞどうぞ!」
夕方六時を回ったばかりだが、サタコを布団に押し込んだ。
「恭。流石に眠れん。何か話をしてくれ」
また子供みたいな事をと、思ったが流石に六時じゃ眠れねぇか。
「そうだな──、じゃあ俺の生い立ちでも話してやろう。俺は山形県という所で産まれて……」
「Zzzzz……Zzzz……」
そんなに興味ありませんでしたか!??
ともあれ、サタコは寝かしつけた。あとは夜中の一時半頃に起こし、集合場所に二時に着くように出発するだけだ。
■■■■
──ピピピ……ピピピ……──
目覚ましの音で目が覚める。時間は午前一時半。草木も眠る丑三つ時まで、後三十分。
正直行きたくないが、ここで行かなかった大学生活が終わるまで“弱虫”のレッテルが貼られる事だろう。
俺は最強ボディガードサタコをゆすり起こす。
「んん……」と声を上げ起きるサタコさん。ヨタヨタと洗面台に来て『洗顔料』を歯ブラシに塗りたくり口に突っ込む。「おえぇぇ」っと吐いたところでようやく目を覚ました。
「よし、行くぞ!」
「ふああぁ」
■■■■
「お、きたきた! 待ってたぜ恭!」
集合場所には大吉が先に来ていた。そしてその傍にはもう一人。
「凶さん、今日は宜しくお願いします」
どんな人にも敬語を忘れないシルシルだ。神社の娘ってだけで心強いのは何故だろう。
「シルシルにはもしものために来てもらったんだぜ? 頼もしいだろ?」
「もしもってなんだよ!?」
「表向きはな……」
大吉が急に声のトーンを落とし、肘で俺の脇腹辺りを、ツンツンしながら話しかけてくる。
「ど、どういう事だよ?」
「そりゃーお前、肝試しの醍醐味と言ったら何だよ? 小学生でも解る問題だぜ?」
「大吉……お前……天才かよ」
「いいって事よ! 日頃の感謝の印だぜ」
なんだか急に楽しみになってきたぜ! そうか、そう考えたら怖ければ怖い程効果てきめんだよな! 待ってろ肝試し!!
そんな俺のワクワク感は歩いて一分で終る事になる。
「ここが、今日攻略する事になる通称『死の洋館』だぜ。なかなか雰囲気あるだろ?」
──『死の洋館』このA区において、心霊スポットとして有名な建物である。
古い民家が立ち並ぶ通りに、一際古く、場違いな風体で佇んでいる。
外壁には植物の弦が巻き付き、張り巡らされ、『いかにも』な雰囲気がある。
窓の一部は割れており、その窓からは誰かが覗いているのではないかと思う程に、リアルな視線を感じずにはいられない。
極めつけは、入口にある人形だ。
長らく雨ざらしにされたであろうボロボロの『フランス人形』達。
髪はボサボサで泥だらけ、服は破れ中には顔の欠けた者まで居る。
その数がまた怖い。ざっと二十体はある──
俺の見た感じだとこんな光景だ。とても恐ろしい。
ふと、そんな異様な洋館の前に座る一人のフランス人形と目が合った。
何故か目が離せない。
離してはいけないと、脳が言っている。
そして、そのフランス人形の手がゆっくりと──、上がる。
「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁ!! おおおお、おい! おい! だだだ大吉!! みみ見たか!?」
「なんだよ恭ぉ、まだ始まってねーぞ?ビビりすぎだぜ」
「お、おお……おま……っこれ……ほ、本当に行くの、か……?」
動揺せずにはいられない! 俺は見てしまったのだから! ここは本当にヤバイ! ヤバイぞ!! サタコ、そうだ!悪魔サタコが守ってくれる! 頼んだぞ、サタ……
──え?
隣で俺以上に震えるサタコさん。カタカタという擬音語では足りない程に体が揺れている。歯と歯がぶつかる音がここまで聞こえ、目線は俺の見ていたフランス人形を見つめたまま動かない。
無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理だぁぁぁぁぉぁ!!!
恐怖と絶望に支配されたまま、俺とサタコの肝試しが今始まろうとしていた。
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