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13.人生で一番の日
しおりを挟む混乱でしばらく無言で佇むリアナ。
それは外で見ていた三人にも影響を及ぼしていた。
「お、おいおい嘘だろ……」
「あれはリアナの力じゃない。まさかあの剣が……」
若干顔を青ざめて見守る二人。
だがただ一人、何も驚くことなくその一部始終を見ている人物がいた。
「ふっ、やはり私の眼に狂いはなかったようね」
胸を張り自信満々なカスパール。
ガイルとシオンもこれには言葉も出なかった。
それでも、やっぱり一番驚いていたのは武器を使ったリアナ本人だった。
カスパールの言う通りこの男の子の才能は、計り知れないと。
「り、リアナさん? 大丈夫ですか?」
「え、ああ……うん! 大丈夫よ!」
ぼーっとしていたみたいだけど、大丈夫だろうか。
「あ、あの……それで、どうでしたか。俺のクリエイト能力は」
一番気になるところはそこだ。
俺はこのパーティーに入るに値するか。
いや、実力的にはまだまだだろうけど。
本当のところを知りたい。
ドキドキしながら返答を待っていると、リアナさんは頭上に大きなマルを作った。
「もちろん、合格だよ! すごい能力だね! 今まで使った剣の中で一番使いやすかったよ!」
「ほ、ホントですか!?」
「うんっ! カスパールの言う通り、キミはすごい才能を持っているよ」
「あ……ありがとうございます!」
嬉しかった。
お世辞だろうが、なんだろうがどうでもいい。
ただただ、嬉しかった。
こんなにも褒められたのは生まれて初めてだったからだ。
しかも冒険者の中でも頂点に立つ人にこんな嬉しいことを言われる日がくるなんてな……
「というわけで。これからも宜しくね、レインくん!」
「こちらこそ……宜しくお願いします! あと俺の名前はアレンです!」
そこんとこよろしく。(二回目)
でも本当に嬉しい。
嬉しすぎて、言葉が震えてしまうくらいだ。
(夢じゃないよな……)
そう思いながら、俺は皆と会話を弾ませる。
そしてその後。
俺はメンバー一人一人と握手を交わすと、正式にパーティーメンバーとして迎え入れられることになった。
今日は、一生で忘れられない日になるだろうな……
少なくとも、人生が変わった瞬間だということは間違いない。
これからどうなるかは分からないけど、今は……
(この嬉しさを噛みしめよう……)
そして目指すは、このパーティーに相応しいクリエイターになること。
まだまだ先の長い道のりになるだろうけど、とにかくがむしゃらに頑張ろう。
いつかみんなと肩を並べて、歩けるようになるために。
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次回で短編版は最終回になります!!
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