【R18】脚本家を目指す悠也くん（童貞攻め）と友達の秋人くん（襲い受け）の話

６

　淡々と返した秋人は、これまた淡々と悠也に覆いかぶさって、キスをしてきた。
　ちゅっと音をたてて唇を離すと、至近距離のまま囁く。

「……ほら、舌入れてきてよ。受け身なだけの男は、ちょっとカッコ悪いよ」
「し、舌って……」
「こうするんだよ」

　今度は、熱い舌がぬるりと侵入してきた。初めての感触に、悠也は固まることしか出来ない。
　彼の舌が、誘うように悠也の口内を這う。

　背筋のあたりからぞくぞくとする感覚は、悔しいことに、悠也が快感を得ている証明だった。
　呼気混じりの友人の声が、悠也の耳をくすぐる。

「ん……っ、ふ……」

　普段なら決して聞くことはない、艶めかしい声音だ。
　相手の声や息遣いに重なって、粘膜の擦れ合う音も届く。

　情報過多である。中学生の時分に一週間で彼女にフラれた身には、過剰であった。

　そのはずなのに、気が付けば、悠也の両腕は秋人の体を抱き締めていた。
　しっかりと筋肉がつきながらも、しなやかな肉体である。

　そして、まるで誘い出されるふうにして、悠也も舌を差し出した。
　彼の舌が、悠也の舌に絡む。
　異様な高揚感を覚えた。

　先に誘ってきたのは秋人で、積極的にリードしているのも秋人なのに、彼は声を漏らしながら肩や腰をびくびくと震わせて、悠也よりも余程追いつめられているように見えた。

　唇を離せば、唾液が糸を引く。その光景が、驚くほど卑猥に見えた。
　目許を赤らめた秋人が、息を乱している。
　それは、初めて見る友人の表情だった。

　どうしてか、その顔をもっと見たいと思った。それは好奇心なのかもしれなかったし、なにか他の欲求なのかもしれなかったが、今の悠也にはわからない。

　悠也は、相手の服に手を入れて、彼の肌を撫でた。

「ぁッ……」
「……どこがいいのか、教えてくれ。俺、わからんから……」
「ん……ここだよ……」

　悠也の手を掴んだ秋人が、それを自身の胸に導く。

「男でも、ここ弄られたら気持ちよくなるんだ。不思議だけど」

　それを聞き、悠也は友人の胸の突起を指先で優しく弄った。秋人の肩が微かに反応する。

「ンッ……そう、うまいじゃないか……。そうやって、優しく先っぽ弄って……」
「先端が、いいのか……？」

　相手に導かれるまま、悠也は両手の指の腹を使って、それぞれの胸の先を愛撫した。

「あっ、ァ……そう、気持ちいい……ッ」

　秋人は弱々しく眉尻を下げて、腰を揺らし始める。彼が腰を揺らすたびに悠也の下腹部も擦れ、そこが嫌でも熱を帯びていった。