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しおりを挟む秘部に触れた触手が、粘液の糸を引いて僅かに離れる。その液体は、おそらく乃亜の愛液だ。
それほどまでに、乃亜のそこは潤ってしまっている。屋外で、イケナイところを濡らしている。
胸の尖りを弄る触手は、依然として動きを止めない。故に、乃亜の肉体は昂っていく一方だった。
陰部が、ひくひくと震えているのが自分でもわかる。
乃亜は、ヴィクトールに奥まで満たされたときの衝撃を思い起こした。
あの、乃亜を体の内側から壊してしまいそうなほどの、圧倒的な快感。
息すら出来なくなるほどの、法悦。
乃亜の肢体は今、それを期待している。求めている。
最奥まで、貫いてほしいと。めちゃくちゃに揺さぶって、なにもわからなくしてほしいと。
目の前に存在しているのが彼でないことはわかっている。
わかっているのだが――。
不意に、触手の本体から新たな触手が現れた。その造形を見て、乃亜は身を強張らせる。
新たな触手には、小さな突起が無数についていた。ただでさえ薄気味の悪い触手が、それによってさらに毒々しい見目になる。
そんなものを、いったいどうするつもりなのか。乃亜は恐怖を覚える。なにをされるのかわからない状況は、それだけで不安を増幅させた。
突起のついた触手は秘部に接近したかと思うと陰核に密着し、そこを愛撫で刺激し始める。
触手が動くたびに細かな突起が敏感なそこを容赦なくこすって、乃亜を追いつめた。
強烈な愉楽に、乃亜は腰をびくびくと痙攣させて仰け反る。
悲鳴に近い嬌声が、口内の触手によってくぐもった。
乃亜の愛液と触手自身を濡らす粘液が滑りをよくし、小さな摩擦をも大きな刺激にしている。
突起が陰核をこするたびに、目の前で火花が弾ける気分がした。体が過敏になっている状態でそんなことをされては、どうにかなってしまう。
このままでは――本当に、異形のもの達に絶頂へと追い込まれる。こんな快楽、とても乃亜には耐えられなかった。
絶頂を求める肉体と、それを許したくはない乃亜の心が、拮抗する。
だが、触手は当然、乃亜の気持ちなど考慮しない。
乳房を犯していた触手達が、両の乳首を軽く引いて刺激した。
それが、引き金となってしまった。
雷光が、乃亜の頭の中で弾ける。
乃亜からすべての思考を奪って、暴力的な法悦のみを与えた。
衝撃に瞠目した乃亜は、声も出せない。
全身が電気を流されたようにガクガクと痙攣して、意思の支配から離れた。
大きすぎる快楽のせいか、瞳から涙が零れていったのがわかる。しかし、わかるのはそればかりで、ぼやけた視界はなかなか焦点を定めてはくれなかった。
自分の肉体なのに、自分がどこを見ているのかわからない。体が言うことを聞いてくれない。なにも――考えられない。
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