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しおりを挟む指などとは、到底くらべものにならない大きさだった。そんなものが、本当に入るというのか。
乃亜の不安を感じ取ったのだろう。ヴィクトールが手の甲で、乃亜の頬を撫でた。
「乱暴にはせん。……辛くなれば、言え」
未だにかけられた魔術の影響が残っているのだろう。彼の呼吸は荒く、ひたいにも汗がにじんでいる。
むしろ、つらいのは彼のほうであるはずだ。にもかかわらず、ヴィクトールはここまで乃亜に乱暴を働く真似をしなかった。自身を抑制し続けていた。
そんな相手に応えたいと考えることは、決しておかしなことではないだろう。
乃亜は、おそるおそる頷いた。
それに、もとはといえば、魔術によって発生した彼の熱情を発散させるためにおこなっている行為である。こんなところで不安や恐怖に負けている場合ではなかった。
覚悟を決めて、乃亜は己の体からチカラを抜こうと試みる。
と、ヴィクトールの唇が、乃亜に優しくキスを落とした。
触れるだけの、乃亜を安心させるための口付けである。
ただ重なるだけの体温に、乃亜の緊張が少しずつ溶かされていった。どうしようもなく安堵してしまうのが、不思議だった。
このひとにすべてを預けても大丈夫だと――いや、むしろ、彼から与えられるものが痛みであったとしても、きっと自分は耐えられる。
そんな気持ちにさせてくれるキスだった。
唇を離し、しばしヴィクトールと視線を絡ませる。
そうして、彼が慎重に腰を進めた。
「あっ、ぁ……」
驚くほどの熱の塊が、少しずつ入ってきた。
本当に己のナカに、相手の昂りが入ってきている。その事実に、信じられない気持ちになった。
ヴィクトールが苦しげに息を吐いて、眉根を寄せる。初めて男性を受け入れる乃亜の内部は、ひょっとすると彼にはきついのかもしれなかった。
ヴィクトールのこめかみを汗が伝い、それが雫となって、乃亜の乳房に落ちる。
不意に、深い息を吐いた彼が、腕を伸ばして乃亜の胸に触れた。
そうして指先で、依然として赤く尖ったままの乳首を弄る。
「ふぁっ、ぁん……ッ。ヴィクトールさん、そこは……」
尖りを攻められると、怒張を受け入れている内壁が蠢き、己のナカが彼の熱に絡みついていくのがわかった。
乃亜は顔が熱くなる。そうすると、ヴィクトールの昂りのカタチが――わかってしまうのだった。
じきに、彼の挿入がややスムーズになる。やはり、乃亜の秘部はいささか窮屈だったらしい。
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