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しおりを挟むやめないで、このままずっと続けてほしい。
けれど、もっと激しくしてほしい。
下腹部が熱くて、ミサは泣きたくなるふうな不思議な気持ちになる。
物足りないような、満たされているような、この感覚はなんなのだろうか。
いつの間にか、メルウィンがミサの両手の拘束を解いているのに気が付いた。いつ解放されたのか、わからなかった。
彼は、ミサの肌を優しくゆっくり手で撫でる。
そこで、ミサの限界が訪れた。体が指の先まで熱くて、もうこれ以上は耐えられそうにない。
「メル、さん……っ」
「んー?」
ミサの変化に気付いていないわけもないのに、彼はなにも知らないふりをして返事をする。
――いや、楽しんでいるのだ……と、ミサは魔術師の瞳を見て確信した。
こんな状態でなければ、ミサは己の願望の言葉を飲み込んだだろう。何故なら、楽しんでいる相手をさらに楽しませるのは、負けたようで悔しいからだ。
しかし、今はもうそんなことを言っている余裕はない。
もっとしてほしくて――もっと強い刺激で翻弄してほしくて、たまらなかった。
ミサがまだ知らない未知の感覚を、もっともっと教えてほしい。
そんな思いで、頭がいっぱいだった。
「メルさん、もっと……」
かすれたミサの声を聞いて、メルウィンが双眸を細める。
「もっと――なんだい?」
声調は優しいが、これはきっと彼の望む言葉をミサがくちにするまで譲らないのだろうなと、なんとなく察した。
羞恥心を抑え込んで、ミサは続ける。
「もっと……してください……」
「なにを?」
ミサは言葉につまる。
そこまで言わせるのかと、相手を恨みたい心持ちになった。
しかし、行為の先を望むミサの希求が薄れることはない。
己の恥じらいなどどうでもよくなるほどに、もっと強く、もっと激しく――もっと乱暴にしてもらいたかった。
そんな願望が自分の中に芽生えることが不思議だったが、一度芽生えてしまった欲望を打ち消すことは難しい。
ミサはおずおずと相手に訴えた。
「もっと……もっと、おっぱい弄ってください……」
「気持ちよくなりたいの?」
訊かれて、ミサの頭の中に疑問符が浮かぶ。
もっとしてほしいと望むことは、気持ちよくなりたいこととイコールするのだろうか。
ミサの疑問を察したらしいメルウィンが、続ける。
「おっぱい弄られて、エッチな声が出ちゃってたでしょ?」
彼にもいやらしい声だと思われていたことに恥じらいを覚えたが、ミサは躊躇ののちに頷いた。
「あの声は、気持ちよかったっていう証拠なんだよ」
「きもち……よかった……?」
「そう。だから、もっとしてほしいってことは、君がもっと気持ちよくなりたいと思ってるってことだね」
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