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しおりを挟む「ふふ、初々しいのに敏感で……可愛いねぇ」
「からかわないでくださ――ンぁっ!」
突起が彼の唇に押し潰されて、転がされる。
愛撫とは比較にならないくらいの直接的で強烈な感覚に、ミサの四肢がひとりでにビクビクと痙攣した。
「ひァッ、あっ、ぁあア……! やめ、やめてくださ……ッ」
メルウィンが上目遣いでミサを一瞥すると、今度は尖りをきつく吸い上げる。
ミサは頭の中で、小さな火花がいくつも弾けた錯覚に襲われた。
「ンああァっ!」
ベッドの上で跳ねる己の体がまるで自分のものではないようで、恐ろしくなる。
それなのに、メルウィンはミサの胸を嬲ることをやめてはくれない。
音をたてて先端を吸われるのに合わせて、手足が勝手に反応する。
彼に両手を拘束され、その上、未知の感覚にチカラを奪われては、抵抗など出来るはずもなかった。
されるがままの状況に、相手が男性なのだという事実を嫌でも思い知らされる。
「ぁン、あっ……おっぱい、吸っちゃだめです……っ」
息も絶え絶えに、なんとかミサは言葉を吐き出した。
すると、ミサの言うことを聞いてくれたのか、メルウィンが突起から唇を離す。
そしてまた舌を出して、彼は舌先で優しく乳頭を愛撫した。
ミサの胸は、彼の唾液に濡れて卑猥な光沢を帯びている。
粘液にまみれた真っ赤な尖りが、メルウィンの舌先につつかれて淫らに揺れた。
彼の舌は、触れるか触れないかの距離と力加減で、ミサの胸を優しく――過剰なほど優しく舐める。
先程までの強烈な刺激とは打って変わって、それは焦らすほどであった。
駄目だと言ったのはミサのほうなのに、少しずつ物足りなくなってくる。
もっとしてほしいと、求めてしまう。先程のように、強い刺激で翻弄してほしいと。
腰がひとりでに揺れて、下腹部が熱を帯び始める。
己の肉体が、明確になにかを欲しているのがわかった。
ミサの知らないなにかを、他ならぬミサの体が求めている。
「どうしたんだい? ミサちゃん」
メルウィンに問われるが、本当のことなど言えるはずもなかった。
ゆるゆると首を横に振って返したけれども、相手はすべてを見透かしているふうな眼差しで、声もなく笑う。
「おや、こっちも触ってほしそうだね」
言うと、メルウィンはもう一方の胸の尖りにも舌を伸ばした。
「んっ……」
だが、こちらも焦らすほどの優しさで愛撫をしてくる。
「ァッ、ん……はぁ……ッ」
自分のくちから、今まで聞いたこともない己の声が漏れた。
全身を巡る感覚に、思考力が奪われていく。ただただ、与えられる感覚に敏感になっていく。
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