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出会い編
第4話 3人で飲み会 想い出と実験台
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★萩原さん視点
秋津先生と別れた後
「先輩!なんで、秋津先生誘ってるんですか!」
秋津先生と別れた後、姿が見えなくなったのを確認したら
いきなり茜ちゃんが、腕を掴んできた。ちょっと痛いんだけど
「なんでって、そりゃ~秋津先生も今回の事に関わってるからですよ~」
「2人だけで反省会じゃなかったんですか!?」
2人でって言った覚え無いんだけど、何か勘違いしているのかな?
「私、2人でって言いましたっけ?」
「い、いえ…… もともと秋津先生を誘うつもりだったんですか?」
「そうですよ~今日の事が無くても、近いうちに3人でって思っていました。」
「なんでですか?」
「それはですね~、秋津先生と仲良くなって損じゃないからですよ~」
「そうなんですか?」
「そうですよ~茜ちゃんは、秋津先生の事嫌いですか?」
「ん~嫌いって事は無いです。ただ、他の先生に比べて、いい印象はないです」
「ん~なんでですか~?」
「秋津先生と、あまり話したことないし……」
あ~なるほど、昼休みとかになると屋上ボッチしてるし
プライベートな会話は、あまりしてないか~
「あ~そうですね~秋津先生は、基本的にボッチ好きですからね~」
「そうなんですか?」
「そうですよ~、お友達少ないと思いますよ~」
「ずいぶんはっきり言いますね…… 何か理由が?」
「秋津先生は、感音性難聴なんですよ~ なので、基本周囲の雑談とかに、自分から混ざってきませんし、こっちから絡まないと話に参加してこないんですよ~」
「そうなんですか?聞き返されたことないですけど」
「それは、唇の動きで読んでるからじゃないですかね? それに完全に難聴ってわけでもありませんしね~」
「そうなんですか?」
「そうですよ~ 本人曰く、普通の人の半分程度の音量で聞こえてるらしいと言っていました。」
「そうなんですか……」
「そ・れ・に!先も言いましたが、秋津先生と仲良くなっていて損じゃないですよ、多分今日の事を踏まえて、茜ちゃんの力になってくれると思いますよ」
「なんですかそれ?」
「んっふっふ、今夜のお楽しみです。さて、お仕事しましょう!」
茜ちゃんが、まだ何か聞きたそうな表情をしてたけど
これ以上おしゃべりしてると問題になりそうなので、
お仕事に戻ることに
◇◇◇◇◇◇
★秋津直人視点
終業後
「じゃあ、自分上がります~お疲れさまでした~」
「おう、お疲れ~」「おつかれさま~」
医局で、当直や、まだ残っている先生方にたいして挨拶して退室
病院の外に出て、スマホをいじってイヤホンから音楽を鳴らす。
そして、萩原さんと、いつも飲む駅前の居酒屋へ
駅前に向かうと、
世間はゴールデンウィーク中だからか、駅前も人がそんなに多くないな
いつもこんな状況ならいいんだけどなぁ
そんな事考えながら、目的地へ到着
スマホを片手に、萩原さんにLINEで、
『例の場所に着いた』
と送信すると、
すぐに、
『突き当り右に進みな、一番奥の場所だ、そこが今日の取引場所だ』
と返ってきた。
『何の取引だよ』
と、突っ込みを返信しつつ、店内へ
店内に入ると、大学生くらいの可愛い店員のお姉さんが寄ってきて
「いらっしゃませ~何名様ですか?」
と、尋ねてきたので
「あ~、もうつれが来てるっぽいんで大丈夫です」
と伝えると
「はい、かしこまりました~」
と言って、奥に引っ込んでいった。
ん~若いっていいねぇ~
正直、自分も早く結婚して可愛い嫁ちゃんと子供とゆっくり過ごしたいなぁ
と思っている。そう思いはじめて早12年、いまだ予定無……
へこんでないで、さっさと行くか…
メッセージ通り突き当りを右に行進んでると
「あ~やっときましたね~待ちくたびれましたよ~」
今日は、お座敷か
って、机の上に置いてあるジョッキが、ほぼ空なんだけど……
早くない?自分、就業10分後位に出てきたんだけど
いつもはそんなに早いペースじゃないよなぁとか思い
そんな萩原さんに対して、萩原さんの横でチョコンと座って
ウーロン茶?の入ったグラスを持っている茜君から
「あ、お疲れ様です。」
ん~茜君の私服初めて見たが、ラフそうな恰好が似合ってるな~可愛い!
正直、性格はともかく、見た目は、ドストライクってのもあるせいか、
ちょっと見てたら
「なんですか?じろじろと……きもいですよ……」
きもいって…面と向かって言われると、
さすがにショックですわぁ……
そんなことを思っていると
横から萩原さんが
「こらこら、茜ちゃん、きもいとか言わないの、これから一番世話になると思う人だよ~」
そんな事言われ、なんでそんなこと言われるのかがさっぱり…
とりあえず、萩原さんの前に座り、横にカバンを置いて
メニューを見てみる、まぁ見ても最初に注文する物は決まってるんだけど
「んっふっふ~さぁ、なっちゃんも注文してください、いつものオレンジジュースと馬刺しで良いですか~?」
「それで」
「わっかりました~すいませ~ん」
すると萩原さんが通路に顔を出し、右手をあげてアピールして
近くにいる店員さんをよび、注文をしている。自分のビールのおかわりも忘れてない
ちなみに、“なっちゃん”というのは、萩原さんが、自分に対してプライベートで呼ぶあだ名だ、秋津さんだの、直人さんだのは呼びにくいって事ではじまった
最初の頃、どこかのジュースみたい&女性っぽいので、変えてほしいと伝えたら、
“あきちゃん”の方がいいですか~?と言われ、他に選択肢がないらしく、諦めた
ってか、出来上がるの早いな……
まだ、10分そこらのはずなんだが、
やっぱりいつもより早いな
萩原さんの方を見ながら、
「萩原さん何かあったの?」
と尋ねても、
「んっふっふっふ~」
とご機嫌な笑いしか変えてこない
茜君の方を見ても、フルフルと首を振ってる
何だろう?と思ってると
「いやね~今日村上さんの一件で、私が新人だったころを思い出したんですよ~」
「あぁなるほど、そういう事か」
「んっふっふっふ、さすがは、なっちゃんですね~言いたいことわってくれました~?」
「あぁ、まぁね」
自分と萩原さんのやり取りに対して
頭上に、???が浮いてる茜君が横に居る
茜君の方を見ながら6年前の今頃の話をした。
◇◇◇◇◇◇
6年前の出来事
ちょうど、自分と萩原さんが、入社し、救命に配属され1か月位の頃
自分は、現在のセンター長である斎藤さんが当時、教育者としてついていた。
萩原さんは、現在の師長が、当時教育者についていた。
関取をしてるのかなと思えるほど、
体格のいい患者さんの採血が、萩原さんの初めての現場採血だった。
太ってる人の採血は、血管の感触がつかみにくく、正直何処に血管があるのかわからないなんてこともある。一般的な人ではなく、
採血が難しい相手が、初めてとか、ついてないなと、萩原さんに同情したのを覚えてる。
「萩原さん、出来そうですか?」
「ん~……自信ないです……」
この時すでに3回目の失敗
当時も、相手の方が、凄く温厚な方で、失敗しても構わないよ~って感じだった。
そんな萩原さんの初採血を見てると、斎藤先生が、
「秋津、お前出来るか?」
と、振って来て
まぁ実際に患者さんの腕に触れてみないと解らないので
とりあえず
「やりますよ」
と答え、採血を替わった。
確かに、患者さんの腕を触れると、一般の人と比べると分かりにくいだけで
すんなりと1発で成功することが出来た。
その日の夕方、
救命にきた、2人だけの同期ということもあり、
今日と同じように、このお店で、反省会という名の飲み会をし
「私、採血苦手なんですよね~」
と言われ、当時の自分はなんでそんなことを言ったか覚えていないが、
「自分で練習するか?自分流のコツ位なら教えられるが」
と言ってしまったのは、覚えている。
そして、凄く嬉しそうな
いい笑顔で
「いいんですか~!?さすが頼りになる同期です~」
と言われ、その後1か月くらい練習台になり、
何度刺されたか……
◇◇◇◇◇◇
そんな思い出を茜君に話した。
「懐かしいですね~、なっちゃんが教えてくれた、コツのおかげで、だいぶ上達したんですよ~」
今日2回失敗してたのに?と内心思ってしまった。
「へぇ~、そんな事が会ったんですか」
多分この想い出話は、振りだよな……
絶対に、茜君の練習台になってあげましょう!
ってやつだよな……
「まぁ、あの時はね……自分は、何回刺されたんだろうね」
「100回は、さしてますよね~、って事で!今回は茜ちゃんの実験台になってあげてください~」
ほら、やっぱり来た……
それに、練習台じゃなく、実験台って表現が嫌なんだが……
萩原さんの発言に対して
「え?いいんですか?」
ちょっとうれしそうに答える茜君
実践に勝る訓練なしって言うけども……
そこは、うれしそうに答える所じゃないと思うんだ
「いいですよ~なっちゃんなら喜んで引き受けてくれます」
「それは、ないわ!喜んでとかないわ!まず、自分が人柱になるべきだろ」
そう答えると、
萩原さんがこっちをみて、
自分の目の前で手招きする。
何だろうと思ったら、次は耳をさしてる。
耳を貸せって事か?とりあえず、自分の左耳を向けると
ごにょごにょごにょと……
何言ってるのかわららねぇ~
「難聴だから、小声で言われてもわからんっての……」
「あ~そうだった~」
すると萩原さんが、カバンからスマホを取り出し何かをやり始めた
あ=LINEで伝えるつもりか……
しばらくすると、送信したのかこっちを見た
自分のスマホから着信音が。見てみると
『茜ちゃんと距離を縮めるチャンスですよ!』
いや、確かにそうだけど、
もうちょっと、口が悪くない人の方が……
というか、本人目の前にこのやり取りって……
茜君の方を見ると、あまり気にしていないのか、
すでに来ている、サラダを食べていた。
「まぁ……喜んで引き受ける気はないけど、練習には付き合うよ……」
「私も、付き合いますよ~」
「ん、ありがとうございます。」
やっぱりうれしそうに答えるな…
しかたない、また両腕が、痣だらけになるのか……
今度は萩原さんも居るし、100回も刺されないだろうと思った。
秋津先生と別れた後
「先輩!なんで、秋津先生誘ってるんですか!」
秋津先生と別れた後、姿が見えなくなったのを確認したら
いきなり茜ちゃんが、腕を掴んできた。ちょっと痛いんだけど
「なんでって、そりゃ~秋津先生も今回の事に関わってるからですよ~」
「2人だけで反省会じゃなかったんですか!?」
2人でって言った覚え無いんだけど、何か勘違いしているのかな?
「私、2人でって言いましたっけ?」
「い、いえ…… もともと秋津先生を誘うつもりだったんですか?」
「そうですよ~今日の事が無くても、近いうちに3人でって思っていました。」
「なんでですか?」
「それはですね~、秋津先生と仲良くなって損じゃないからですよ~」
「そうなんですか?」
「そうですよ~茜ちゃんは、秋津先生の事嫌いですか?」
「ん~嫌いって事は無いです。ただ、他の先生に比べて、いい印象はないです」
「ん~なんでですか~?」
「秋津先生と、あまり話したことないし……」
あ~なるほど、昼休みとかになると屋上ボッチしてるし
プライベートな会話は、あまりしてないか~
「あ~そうですね~秋津先生は、基本的にボッチ好きですからね~」
「そうなんですか?」
「そうですよ~、お友達少ないと思いますよ~」
「ずいぶんはっきり言いますね…… 何か理由が?」
「秋津先生は、感音性難聴なんですよ~ なので、基本周囲の雑談とかに、自分から混ざってきませんし、こっちから絡まないと話に参加してこないんですよ~」
「そうなんですか?聞き返されたことないですけど」
「それは、唇の動きで読んでるからじゃないですかね? それに完全に難聴ってわけでもありませんしね~」
「そうなんですか?」
「そうですよ~ 本人曰く、普通の人の半分程度の音量で聞こえてるらしいと言っていました。」
「そうなんですか……」
「そ・れ・に!先も言いましたが、秋津先生と仲良くなっていて損じゃないですよ、多分今日の事を踏まえて、茜ちゃんの力になってくれると思いますよ」
「なんですかそれ?」
「んっふっふ、今夜のお楽しみです。さて、お仕事しましょう!」
茜ちゃんが、まだ何か聞きたそうな表情をしてたけど
これ以上おしゃべりしてると問題になりそうなので、
お仕事に戻ることに
◇◇◇◇◇◇
★秋津直人視点
終業後
「じゃあ、自分上がります~お疲れさまでした~」
「おう、お疲れ~」「おつかれさま~」
医局で、当直や、まだ残っている先生方にたいして挨拶して退室
病院の外に出て、スマホをいじってイヤホンから音楽を鳴らす。
そして、萩原さんと、いつも飲む駅前の居酒屋へ
駅前に向かうと、
世間はゴールデンウィーク中だからか、駅前も人がそんなに多くないな
いつもこんな状況ならいいんだけどなぁ
そんな事考えながら、目的地へ到着
スマホを片手に、萩原さんにLINEで、
『例の場所に着いた』
と送信すると、
すぐに、
『突き当り右に進みな、一番奥の場所だ、そこが今日の取引場所だ』
と返ってきた。
『何の取引だよ』
と、突っ込みを返信しつつ、店内へ
店内に入ると、大学生くらいの可愛い店員のお姉さんが寄ってきて
「いらっしゃませ~何名様ですか?」
と、尋ねてきたので
「あ~、もうつれが来てるっぽいんで大丈夫です」
と伝えると
「はい、かしこまりました~」
と言って、奥に引っ込んでいった。
ん~若いっていいねぇ~
正直、自分も早く結婚して可愛い嫁ちゃんと子供とゆっくり過ごしたいなぁ
と思っている。そう思いはじめて早12年、いまだ予定無……
へこんでないで、さっさと行くか…
メッセージ通り突き当りを右に行進んでると
「あ~やっときましたね~待ちくたびれましたよ~」
今日は、お座敷か
って、机の上に置いてあるジョッキが、ほぼ空なんだけど……
早くない?自分、就業10分後位に出てきたんだけど
いつもはそんなに早いペースじゃないよなぁとか思い
そんな萩原さんに対して、萩原さんの横でチョコンと座って
ウーロン茶?の入ったグラスを持っている茜君から
「あ、お疲れ様です。」
ん~茜君の私服初めて見たが、ラフそうな恰好が似合ってるな~可愛い!
正直、性格はともかく、見た目は、ドストライクってのもあるせいか、
ちょっと見てたら
「なんですか?じろじろと……きもいですよ……」
きもいって…面と向かって言われると、
さすがにショックですわぁ……
そんなことを思っていると
横から萩原さんが
「こらこら、茜ちゃん、きもいとか言わないの、これから一番世話になると思う人だよ~」
そんな事言われ、なんでそんなこと言われるのかがさっぱり…
とりあえず、萩原さんの前に座り、横にカバンを置いて
メニューを見てみる、まぁ見ても最初に注文する物は決まってるんだけど
「んっふっふ~さぁ、なっちゃんも注文してください、いつものオレンジジュースと馬刺しで良いですか~?」
「それで」
「わっかりました~すいませ~ん」
すると萩原さんが通路に顔を出し、右手をあげてアピールして
近くにいる店員さんをよび、注文をしている。自分のビールのおかわりも忘れてない
ちなみに、“なっちゃん”というのは、萩原さんが、自分に対してプライベートで呼ぶあだ名だ、秋津さんだの、直人さんだのは呼びにくいって事ではじまった
最初の頃、どこかのジュースみたい&女性っぽいので、変えてほしいと伝えたら、
“あきちゃん”の方がいいですか~?と言われ、他に選択肢がないらしく、諦めた
ってか、出来上がるの早いな……
まだ、10分そこらのはずなんだが、
やっぱりいつもより早いな
萩原さんの方を見ながら、
「萩原さん何かあったの?」
と尋ねても、
「んっふっふっふ~」
とご機嫌な笑いしか変えてこない
茜君の方を見ても、フルフルと首を振ってる
何だろう?と思ってると
「いやね~今日村上さんの一件で、私が新人だったころを思い出したんですよ~」
「あぁなるほど、そういう事か」
「んっふっふっふ、さすがは、なっちゃんですね~言いたいことわってくれました~?」
「あぁ、まぁね」
自分と萩原さんのやり取りに対して
頭上に、???が浮いてる茜君が横に居る
茜君の方を見ながら6年前の今頃の話をした。
◇◇◇◇◇◇
6年前の出来事
ちょうど、自分と萩原さんが、入社し、救命に配属され1か月位の頃
自分は、現在のセンター長である斎藤さんが当時、教育者としてついていた。
萩原さんは、現在の師長が、当時教育者についていた。
関取をしてるのかなと思えるほど、
体格のいい患者さんの採血が、萩原さんの初めての現場採血だった。
太ってる人の採血は、血管の感触がつかみにくく、正直何処に血管があるのかわからないなんてこともある。一般的な人ではなく、
採血が難しい相手が、初めてとか、ついてないなと、萩原さんに同情したのを覚えてる。
「萩原さん、出来そうですか?」
「ん~……自信ないです……」
この時すでに3回目の失敗
当時も、相手の方が、凄く温厚な方で、失敗しても構わないよ~って感じだった。
そんな萩原さんの初採血を見てると、斎藤先生が、
「秋津、お前出来るか?」
と、振って来て
まぁ実際に患者さんの腕に触れてみないと解らないので
とりあえず
「やりますよ」
と答え、採血を替わった。
確かに、患者さんの腕を触れると、一般の人と比べると分かりにくいだけで
すんなりと1発で成功することが出来た。
その日の夕方、
救命にきた、2人だけの同期ということもあり、
今日と同じように、このお店で、反省会という名の飲み会をし
「私、採血苦手なんですよね~」
と言われ、当時の自分はなんでそんなことを言ったか覚えていないが、
「自分で練習するか?自分流のコツ位なら教えられるが」
と言ってしまったのは、覚えている。
そして、凄く嬉しそうな
いい笑顔で
「いいんですか~!?さすが頼りになる同期です~」
と言われ、その後1か月くらい練習台になり、
何度刺されたか……
◇◇◇◇◇◇
そんな思い出を茜君に話した。
「懐かしいですね~、なっちゃんが教えてくれた、コツのおかげで、だいぶ上達したんですよ~」
今日2回失敗してたのに?と内心思ってしまった。
「へぇ~、そんな事が会ったんですか」
多分この想い出話は、振りだよな……
絶対に、茜君の練習台になってあげましょう!
ってやつだよな……
「まぁ、あの時はね……自分は、何回刺されたんだろうね」
「100回は、さしてますよね~、って事で!今回は茜ちゃんの実験台になってあげてください~」
ほら、やっぱり来た……
それに、練習台じゃなく、実験台って表現が嫌なんだが……
萩原さんの発言に対して
「え?いいんですか?」
ちょっとうれしそうに答える茜君
実践に勝る訓練なしって言うけども……
そこは、うれしそうに答える所じゃないと思うんだ
「いいですよ~なっちゃんなら喜んで引き受けてくれます」
「それは、ないわ!喜んでとかないわ!まず、自分が人柱になるべきだろ」
そう答えると、
萩原さんがこっちをみて、
自分の目の前で手招きする。
何だろうと思ったら、次は耳をさしてる。
耳を貸せって事か?とりあえず、自分の左耳を向けると
ごにょごにょごにょと……
何言ってるのかわららねぇ~
「難聴だから、小声で言われてもわからんっての……」
「あ~そうだった~」
すると萩原さんが、カバンからスマホを取り出し何かをやり始めた
あ=LINEで伝えるつもりか……
しばらくすると、送信したのかこっちを見た
自分のスマホから着信音が。見てみると
『茜ちゃんと距離を縮めるチャンスですよ!』
いや、確かにそうだけど、
もうちょっと、口が悪くない人の方が……
というか、本人目の前にこのやり取りって……
茜君の方を見ると、あまり気にしていないのか、
すでに来ている、サラダを食べていた。
「まぁ……喜んで引き受ける気はないけど、練習には付き合うよ……」
「私も、付き合いますよ~」
「ん、ありがとうございます。」
やっぱりうれしそうに答えるな…
しかたない、また両腕が、痣だらけになるのか……
今度は萩原さんも居るし、100回も刺されないだろうと思った。
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