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第10章 世界へ ポートリタ編
第215話 ポートリタ初日の夜
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夜のポートリタは賑やかだった。
あちらこちらの飲食店から騒ぎ声が聞こえる。
「賑やかだね」
『冒険者の数が多いところは、そんなものですよ』
露店の方も多くの客がついている。
「まん丸おすすめは?」
『こっち~』
まん丸おすすめの露店でドラゴン串焼きを2本買い、食べ歩きしながら露店巡りをした。
ドラゴン系だけではなく、グリフォン、キマイラ、コカトリス、アーマーアント等物語にしか出てこなかった魔物の素材や、その素材を使ったアクセサリーなんかも売っていた。
「グリフォンとかも居るの?」
『西海岸沿いの森にいるな』
『コカトリスは北部の火山地帯にいますよ』
『キマイラはスタンピードで溢れたやつらだね』
ずっとドラゴン、ドラゴンって聞いていたからドラゴンばかりだと思っていたけど、結構色々な魔物がいる感じなのかな。
冒険者ギルドを見つけたので入ってみた。
掲示板を眺めていると、ドラゴン、キマイラ、コカトリス、グリフォン以外にも、Aランクパーティー推奨の中には、ヒッポグリフにマンティコア、ミノタウロス等様々な魔物の討伐依頼が数多く掲載されていた。
「なんかいっぱい居る……」
『魔物の宝庫と言われているくらいだからね~』
『一方南のレリッシュ大陸は魔族が多く生息しているんですよ』
「へぇ、そっちは人住んでいるの?」
『住んでいるな、大陸の北半分が人の住処、南半分が魔族の棲家になっているな』
「はぁ……」
ポートリタにしろ、レリッシュ大陸にしろ、ルマーン帝国とは全然違う環境なんだなと改めて思った。
自由時間に近場探索でもしてみるかな。
冒険者ギルドを後にして寮に向かっていて気づいたことがある。
守護隊の宿舎裏から、城壁の上に続く階段があった。
「あれ城壁上にあがって良いのかな?」
『問題ないはずですよ』
ちょっと行ってみよう。
近くまで来て思う。高さ100mの城壁、階段何段あるんだろうか?
階段自体はそこまで急でもないし、幅も2m位あるから怖さは特に感じられなかった。
途中何度か折り返し城壁の上にでた。
城壁の上は風が強くかったが、高所と言うこともあり、レリッシュ大陸に明かりがチラホラ見え、町が一望出来るうえに、町の北側に広がる大地が一望できた。
「うわぁ~、凄い見晴らしがいいね」
『この辺りでは一番の高所になりますからね』
町の北側を見ていて思う、城壁の麓から森のラインまでの間になにもない荒野になっていた。
「なんか、森まで何も無いね」
『リタとグレンが暴れた後ですね』
『禁呪の影響やで』
『ボーンってやって山を一つ吹き飛ばしたんだよ~』
何をやったんだろうか……。
「どういうこと?」
『リタがこの地に流れ着いた後、この辺りに住んでいたドラゴンにちょくちょく襲われていたんですよ』
『ほんで、リタがムカついて、グレンの力を借りてここら辺の森や丘をぶっ飛ばしちゃったんや』
「爆発したの?」
『爆発と言うよりは消し飛ばしたって感じでしたよね……』
『せやな……』
月明かりを頼りに見て見ても綺麗な平地のように見えるけれど?
「大地がえぐれたりしてないよね?」
『そりゃ、そのままだったら歩きにくいでしょ~だから町を作るのと同時に整地したんだよ~』
当時の状況が分らないけれど、えぐれたりしていたら歩きにくいのは確かだ。
「整地したと同時に植物が生えないようにしたの?」
『ちがうよ~、リタとグレンのせいで地面が熱を持っているんだ~』
『なので町からあの森までの間はまともな植物が生えないんです』
「なるほど……、というか、まん丸ならその辺りなんとか出来そうだと思ったけど……」
『整地する時にやろうと思ったんだけど、リタにとめられたんだ~』
「ぇ!?なんで!?」
『実際に地面を触れたら分ると思いますが、所々かなり熱いんです。その為一部の魔物はこの地に近寄らないんですよ』
「あ~魔物対策なんだ」
『そういうこと~』
町から溢れている人がいるし、町を拡張したりはしないのだろうか?
「町の拡張をしないのはもしかして、その地面のせい?」
『そうですね、それもありますが、城壁を一歩出れば魔物達の世界です。建築が出来ても守り続けることが出来ないんですよ』
「そうなんだ……」
精霊達がいるし、必要なら拡張を手助けするのもありなのかな?
「やっぱり、お前だったか」
町のことを考えていたら、背後から懐かしい声がして振り向くと、そこには懐かしい人がいた。
あちらこちらの飲食店から騒ぎ声が聞こえる。
「賑やかだね」
『冒険者の数が多いところは、そんなものですよ』
露店の方も多くの客がついている。
「まん丸おすすめは?」
『こっち~』
まん丸おすすめの露店でドラゴン串焼きを2本買い、食べ歩きしながら露店巡りをした。
ドラゴン系だけではなく、グリフォン、キマイラ、コカトリス、アーマーアント等物語にしか出てこなかった魔物の素材や、その素材を使ったアクセサリーなんかも売っていた。
「グリフォンとかも居るの?」
『西海岸沿いの森にいるな』
『コカトリスは北部の火山地帯にいますよ』
『キマイラはスタンピードで溢れたやつらだね』
ずっとドラゴン、ドラゴンって聞いていたからドラゴンばかりだと思っていたけど、結構色々な魔物がいる感じなのかな。
冒険者ギルドを見つけたので入ってみた。
掲示板を眺めていると、ドラゴン、キマイラ、コカトリス、グリフォン以外にも、Aランクパーティー推奨の中には、ヒッポグリフにマンティコア、ミノタウロス等様々な魔物の討伐依頼が数多く掲載されていた。
「なんかいっぱい居る……」
『魔物の宝庫と言われているくらいだからね~』
『一方南のレリッシュ大陸は魔族が多く生息しているんですよ』
「へぇ、そっちは人住んでいるの?」
『住んでいるな、大陸の北半分が人の住処、南半分が魔族の棲家になっているな』
「はぁ……」
ポートリタにしろ、レリッシュ大陸にしろ、ルマーン帝国とは全然違う環境なんだなと改めて思った。
自由時間に近場探索でもしてみるかな。
冒険者ギルドを後にして寮に向かっていて気づいたことがある。
守護隊の宿舎裏から、城壁の上に続く階段があった。
「あれ城壁上にあがって良いのかな?」
『問題ないはずですよ』
ちょっと行ってみよう。
近くまで来て思う。高さ100mの城壁、階段何段あるんだろうか?
階段自体はそこまで急でもないし、幅も2m位あるから怖さは特に感じられなかった。
途中何度か折り返し城壁の上にでた。
城壁の上は風が強くかったが、高所と言うこともあり、レリッシュ大陸に明かりがチラホラ見え、町が一望出来るうえに、町の北側に広がる大地が一望できた。
「うわぁ~、凄い見晴らしがいいね」
『この辺りでは一番の高所になりますからね』
町の北側を見ていて思う、城壁の麓から森のラインまでの間になにもない荒野になっていた。
「なんか、森まで何も無いね」
『リタとグレンが暴れた後ですね』
『禁呪の影響やで』
『ボーンってやって山を一つ吹き飛ばしたんだよ~』
何をやったんだろうか……。
「どういうこと?」
『リタがこの地に流れ着いた後、この辺りに住んでいたドラゴンにちょくちょく襲われていたんですよ』
『ほんで、リタがムカついて、グレンの力を借りてここら辺の森や丘をぶっ飛ばしちゃったんや』
「爆発したの?」
『爆発と言うよりは消し飛ばしたって感じでしたよね……』
『せやな……』
月明かりを頼りに見て見ても綺麗な平地のように見えるけれど?
「大地がえぐれたりしてないよね?」
『そりゃ、そのままだったら歩きにくいでしょ~だから町を作るのと同時に整地したんだよ~』
当時の状況が分らないけれど、えぐれたりしていたら歩きにくいのは確かだ。
「整地したと同時に植物が生えないようにしたの?」
『ちがうよ~、リタとグレンのせいで地面が熱を持っているんだ~』
『なので町からあの森までの間はまともな植物が生えないんです』
「なるほど……、というか、まん丸ならその辺りなんとか出来そうだと思ったけど……」
『整地する時にやろうと思ったんだけど、リタにとめられたんだ~』
「ぇ!?なんで!?」
『実際に地面を触れたら分ると思いますが、所々かなり熱いんです。その為一部の魔物はこの地に近寄らないんですよ』
「あ~魔物対策なんだ」
『そういうこと~』
町から溢れている人がいるし、町を拡張したりはしないのだろうか?
「町の拡張をしないのはもしかして、その地面のせい?」
『そうですね、それもありますが、城壁を一歩出れば魔物達の世界です。建築が出来ても守り続けることが出来ないんですよ』
「そうなんだ……」
精霊達がいるし、必要なら拡張を手助けするのもありなのかな?
「やっぱり、お前だったか」
町のことを考えていたら、背後から懐かしい声がして振り向くと、そこには懐かしい人がいた。
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