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第7章 学園生活 不穏な夏休み編
第149話 お肉納品
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バルラック侯爵の屋敷から抜けだすと、緊張が抜けたからなのか、お腹が鳴った。
「おなかすいた……」
『町の外で食べるしかないんじゃね?』
「町の外?」
『飲食店はどこもやってないからね~』
それもそうか、食糧不足だから飢饉が発生しているわけで、自分たちの食事も満足に行かないのに人様に販売する物は無いよね。
「冒険者ギルドにいって食料を納品してからかな」
『そうですね、せっかくだし海で何か魔物を捕まえます?』
「何か食べられる魔物いる?」
『居ますよ、近くの海域にクラーケンがいますからね、それならこの町の数日分の食料にはなりますよ』
クラーケンって、魔物生物学で習ったことがあるけど、とても大きな魔物で3度殺さないと蘇ってくるとか……。アクアの解説だと心臓が3つあるからそう言われているだけだとか。
「明日の朝でいいんじゃないかな……、とりあえず鞄の中の食材の大半を納品して、どこかで野営しようか」
『ええんちゃう?』
『さんせ~』
冒険者ギルドに向かい中に入ると、職員の人は町の人達に比べると比較的健康そうにみえた。
とりあえずフードを外さないと報告も出来ないので、フードを外した。
痕跡のこっちゃうけどいいかな……。
掲示板を見ながら、魔物の肉の納品クエストを探した。
クエスト票を見つけてカウンターに持って行くと。
「魔物の肉の納品ですか?」
「はい、持ってきています」
「かしこまりました。それでは冒険者カードを見せて貰っても良いですか?」
「あっ、はい」
カバンから冒険者カードを取り出し、職員に手渡した。
「Dランクのラミナさんですね、確認しました。それでは納品する肉を出して貰ってもよろしいですか?」
「いっぱいありますけど大丈夫ですかね?」
「そんなに沢山あるんですか?」
「はい、なんたら峠でワイバーン2匹狩ったので、それの胴体部分の肉が丸々残ってます」
『皮膜は出したらダメだよ~!?』
分かってますよ、まん丸くん、私もあれは美味しいと思ったから自分用に確保しておきたいし。
「ワイバーンですか……、Dランクで狩れる相手ではないのですが……」
私一人で倒せるような相手じゃないのは分かる。そもそも空に居る相手だし。
ウォータージェットとか使えばいけるかも?
「解体も済んでるので、それぞれ出せますけど……」
「いえ、大丈夫です。出せるだけ出して貰っても良いですか?」
「はい」
まずはワイバーンの尻尾やもも肉などを出していく。
1匹の半分ほど出したところでカウンターがいっぱいになった。
「ガレル、ギルマス呼んできて貰ってもいいですか!?」
「あぁ……」
近くに居た男性職員が奥に走って行った。他のカウンターで受付をしている職員達が、私が出したお肉を奥に運んでいく。
「あの……、ワイバーン以外にもあるんですけど、持って行く場所があるんだったら、そっちで出しますけど……」
「そうしていただけると、裏の解体所にある冷凍室まで一緒に来て貰っても良いですか?」
「はい」
解体所まで来て思ったことがある。
イスコの町と作りが同じな気がする。
「あの、イスコのギルドと同じ作りなんですか?」
「いえ、イスコの町に限らず、冒険者ギルドは世界共通で同じ作りになっています。ちがうとしたら大きい町だとカウンター前のロビー部分や、掲示板周りが広くなるくらいですね」
「へぇ~」
「同じ作りなら、どこのギルドに行っても迷いませんよね」
「そうですね、考えられているんですね。グリーサの冒険者ギルドの裏にも解体所があるのは知らなかった」
「ラミナさんはグリーサから来られたんですか?」
「はい、アカデミーに居るので」
「なるほど、私も国立アカデミーの卒業生なんですよ」
まさかの先輩だった。
「へぇ~」
「ちょうど夏休みに入ったばかりといったところですかね」
「そうですね、夏休みでお友達の家に招待されたんですけど、訳あってこっちの方に来ました」
「なるほどそうでしたか、クロエ先生は知っている?」
「担任ですよ」
「へぇ~そしたらあなたもSクラスなのね」
“も”って部分が気になった。
「も?」
「あれ?知らない?ここの領主の息子さんも確かSクラスって言っていたと思うんだけど」
「あぁ、クロードのことか」
「そうそう、お友達じゃないの?」
「違いますよ、ミッシェルって言って隣国の姫様」
「なるほどね、ちょっと寒いけどこの中まで来てくれる?」
寒い!
村の冬より寒い!
「この台に並べてくれる?何の肉か教えてくれると助かるかな」
この台って言うけど、ほとんどの台が空っぽだった。
「はいぃ……」
寒い寒い!
そんなことを思いながら、何の肉かは精霊達に教えて貰いながら出していく。
「食べられるものはそれで全部です!」
そう伝えて急ぎ冷凍室からでた。
冷凍室から出ると今度は汗が滝のように流れてきた。
『大丈夫か?』
「なんとか……」
極寒の場所からすこし暑い外に出たせいか体がおかしくなりそう。
「納品ありがとうございます。Aランクの魔物の肉とかありましたが良かったのですか?」
「はい、私そこまで食べないので……」
ワイバーンの皮膜だけあれば別に……。
「そうですか、カウンターの方に戻りましょうか、報酬の方をお渡ししますね」
「はい」
職員と一緒にカウンターの方に戻ると、細い眼鏡をかけたエルフの男性がいた。
「おなかすいた……」
『町の外で食べるしかないんじゃね?』
「町の外?」
『飲食店はどこもやってないからね~』
それもそうか、食糧不足だから飢饉が発生しているわけで、自分たちの食事も満足に行かないのに人様に販売する物は無いよね。
「冒険者ギルドにいって食料を納品してからかな」
『そうですね、せっかくだし海で何か魔物を捕まえます?』
「何か食べられる魔物いる?」
『居ますよ、近くの海域にクラーケンがいますからね、それならこの町の数日分の食料にはなりますよ』
クラーケンって、魔物生物学で習ったことがあるけど、とても大きな魔物で3度殺さないと蘇ってくるとか……。アクアの解説だと心臓が3つあるからそう言われているだけだとか。
「明日の朝でいいんじゃないかな……、とりあえず鞄の中の食材の大半を納品して、どこかで野営しようか」
『ええんちゃう?』
『さんせ~』
冒険者ギルドに向かい中に入ると、職員の人は町の人達に比べると比較的健康そうにみえた。
とりあえずフードを外さないと報告も出来ないので、フードを外した。
痕跡のこっちゃうけどいいかな……。
掲示板を見ながら、魔物の肉の納品クエストを探した。
クエスト票を見つけてカウンターに持って行くと。
「魔物の肉の納品ですか?」
「はい、持ってきています」
「かしこまりました。それでは冒険者カードを見せて貰っても良いですか?」
「あっ、はい」
カバンから冒険者カードを取り出し、職員に手渡した。
「Dランクのラミナさんですね、確認しました。それでは納品する肉を出して貰ってもよろしいですか?」
「いっぱいありますけど大丈夫ですかね?」
「そんなに沢山あるんですか?」
「はい、なんたら峠でワイバーン2匹狩ったので、それの胴体部分の肉が丸々残ってます」
『皮膜は出したらダメだよ~!?』
分かってますよ、まん丸くん、私もあれは美味しいと思ったから自分用に確保しておきたいし。
「ワイバーンですか……、Dランクで狩れる相手ではないのですが……」
私一人で倒せるような相手じゃないのは分かる。そもそも空に居る相手だし。
ウォータージェットとか使えばいけるかも?
「解体も済んでるので、それぞれ出せますけど……」
「いえ、大丈夫です。出せるだけ出して貰っても良いですか?」
「はい」
まずはワイバーンの尻尾やもも肉などを出していく。
1匹の半分ほど出したところでカウンターがいっぱいになった。
「ガレル、ギルマス呼んできて貰ってもいいですか!?」
「あぁ……」
近くに居た男性職員が奥に走って行った。他のカウンターで受付をしている職員達が、私が出したお肉を奥に運んでいく。
「あの……、ワイバーン以外にもあるんですけど、持って行く場所があるんだったら、そっちで出しますけど……」
「そうしていただけると、裏の解体所にある冷凍室まで一緒に来て貰っても良いですか?」
「はい」
解体所まで来て思ったことがある。
イスコの町と作りが同じな気がする。
「あの、イスコのギルドと同じ作りなんですか?」
「いえ、イスコの町に限らず、冒険者ギルドは世界共通で同じ作りになっています。ちがうとしたら大きい町だとカウンター前のロビー部分や、掲示板周りが広くなるくらいですね」
「へぇ~」
「同じ作りなら、どこのギルドに行っても迷いませんよね」
「そうですね、考えられているんですね。グリーサの冒険者ギルドの裏にも解体所があるのは知らなかった」
「ラミナさんはグリーサから来られたんですか?」
「はい、アカデミーに居るので」
「なるほど、私も国立アカデミーの卒業生なんですよ」
まさかの先輩だった。
「へぇ~」
「ちょうど夏休みに入ったばかりといったところですかね」
「そうですね、夏休みでお友達の家に招待されたんですけど、訳あってこっちの方に来ました」
「なるほどそうでしたか、クロエ先生は知っている?」
「担任ですよ」
「へぇ~そしたらあなたもSクラスなのね」
“も”って部分が気になった。
「も?」
「あれ?知らない?ここの領主の息子さんも確かSクラスって言っていたと思うんだけど」
「あぁ、クロードのことか」
「そうそう、お友達じゃないの?」
「違いますよ、ミッシェルって言って隣国の姫様」
「なるほどね、ちょっと寒いけどこの中まで来てくれる?」
寒い!
村の冬より寒い!
「この台に並べてくれる?何の肉か教えてくれると助かるかな」
この台って言うけど、ほとんどの台が空っぽだった。
「はいぃ……」
寒い寒い!
そんなことを思いながら、何の肉かは精霊達に教えて貰いながら出していく。
「食べられるものはそれで全部です!」
そう伝えて急ぎ冷凍室からでた。
冷凍室から出ると今度は汗が滝のように流れてきた。
『大丈夫か?』
「なんとか……」
極寒の場所からすこし暑い外に出たせいか体がおかしくなりそう。
「納品ありがとうございます。Aランクの魔物の肉とかありましたが良かったのですか?」
「はい、私そこまで食べないので……」
ワイバーンの皮膜だけあれば別に……。
「そうですか、カウンターの方に戻りましょうか、報酬の方をお渡ししますね」
「はい」
職員と一緒にカウンターの方に戻ると、細い眼鏡をかけたエルフの男性がいた。
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