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第3章 旅立ち
第19話 入学試験1
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入学試験当日
先日ガーネットさんに貰った服に身を包んだ。
村で着ていた服とは違い、肌触りがとてもよかった。
今日の持ち物は実技で使う武器だけでいいらしいが、そもそも武器らしい武器なんて使った事がないので手ぶらで行こうとしていた。
『なぁなぁ、ラミナ、この前買ぉたエリシュの種いくつか持っていこ』
「ぇ?あれって屋上で植えるためかったんじゃないの?」
『ちゃうよ、今日の実技で使う為やで』
「そうなの?」
そもそも私は、エリシュと言う植物を知らない、ミントが買おうと言い出した時は何かの薬の素材だと思っていた。
『せやで~』
私は棚から薬を包装する紙を取り出し、エリシュの種を入れて包んでポーチに入れた。
ふと、実技試験があるなら、ヒールポーションとかマジックポーション必要かな?
3本ずつ用意しポーチに詰めた。
「これでいいかな?」
『ええで~、ほないこか』
家を出てちゃんと鍵を閉めてからアカデミーに向かった。
アカデミーの入口まで来ると多くの受験生でごった返していた。
その中で目立っていたのが、綺麗な金髪のウェブがかかった可愛い女の子と、背中に羽を生やした銀髪の男の子だった。
『羽が生えた人がいる……』
『せやなぁ、鷹の獣人って、珍しいな』
『そうですね、彼等は高山地域で生活して、人と関わりを持ちませんからね』
「飛べるの?」
『当たり前やで』
空飛べるとかうらやましいなぁ、なんて思いながら見ていた。
「へぇ」
『そんなんよりも、はよ受付すましたれや』
「そうでした」
受付に並び自分の番が来るのを待っていた。
自分の番が来ると、受付の人が。
「出身地とお名前を」
「ルヴァ村のラミナです」
「ルヴァ村のラミナさんね」
受付の人はそう言うと、手元の用紙を見て私の名前を探しているようだった。
「保護者は、ボッシュさんでよろしいですか?」
おばあちゃんじゃなく、ボッシュが保護者なんだと思いつつ。
「はい、大丈夫です」
「あなたの受験番号は、252番です。この後は、後ろの道を左に向かって闘技場を目指してください、実技試験からはじめます」
「わかりました。ありがとうございます」
受付を後にし、言われた通りに闘技場を目指していると、実技試験こちらと書かれた張り紙があった。
張り紙の案内に従い歩いていると、既に実技試験が始まっており、すでに4組の受験生と試験官役の上級生が戦っていた。
『懐かしいなぁ』
『そうですね』
「実技も魔法も任せていい?」
誰の試験なんだ、と問われればあれだが、村に居るときからずっと争いごとは2人に任せていた。
『ええで~』
『いいですよ』
2人からも快諾が得られてほっとした。
ほっとしていると、近くに居た男子学生に声を掛けられた。
「君、受験生?」
「あっ、はい」
「受験番号と名前を教えてもらっていいかな?」
「252番のラミナです」
「252番ね、それなら“D”と書かれている所で並んでもらっていい?」
「はい、ありがとうございます」
「うん、試験頑張ってね」
そう言うと、男子学生はまた近くにいた受験生に声をかけていた。
『Dのとこ行こ!』
「うん」
Dの所で並んでいる人達の後ろに立って辺りを見回していると、横のCでは鷹獣人の男の子が実技試験をしていた。
その戦いを見て驚いた。
審判の“はじめ”の合図が出ると、即座に弓に2本の矢番えて放ったのだ、そして2本とも、試験官の両腿に突き刺さり、試験終了一瞬で片付けていた。
『あの子いい腕してますね』
『せやな、鷹獣人の特性を活かした戦い方やんな』
『えぇ』
「特性?」
『鷹獣人はな、全人種の中でも器用でな、凄い細かい調整が得意なんよ』
『そうですね、なので、彼のように弓、投げやり、投擲系の武器を持たせると右に出る者はいないと言われているくらいなんですよ』
「へぇ……、これって間違って死んだりしないよね?」
『せえへんよ』
『このリング自体が魔道具で大けがや、即死ダメージを受けるとリング外にはじかれるようになっているんですよ』
『リタが作ったんやで~』
「そうなの!?」
まさかここで、先祖の名が出てくると思わなかった。
ミント達とやり取りしながら、ボーっと彼の方を見ていると。
「君、大丈夫?」
「ぇ?」
急に声を掛けられてビックリした。
「さっきから独り言を言っていたみたいだから……」
「あぁ、大丈夫です……」
「そっか、君の番なんだけど、直ぐに戦えるかい?」
「はい」
「そう、んじゃリングに上がって」
「わかりました」
言われた通りリングに上がると、私の試験官はどうやら、徒手で戦う女子学生のようだった。
リングに上がると。
「受験生、大きな声で受験番号と名前を!」
「252番、ラミナです!」
「よろしい!それでは双方準備を!」
「私は大丈夫です」
試験官役の女性との方はいつでもいいようだった。
『アクア、うちからでええ?』
『いいですよ』
『ほなら、ラミナ、両手に種を1つづつ持って』
ミントに言われた通り、ポーチの中から種を包んだ物を取り出し、紙を広げ種2つとってポーチにしまった。
『これでいい?』
『ええで』
ミントはそう言うと、私の手首付近に腰掛けた。
「準備OKです!」
「それでは双方位置に!」
位置ってどこだろう?と思っていると、数歩先に線が引かれていたので、そこに移動した。
「それでは始め!」
合図とともに、女子学生がこちらに駆けてくる。
『ほな、もらうで~』
ミントの声と同時に、体の中から、両手に何かが流れるような感覚があった後、先程手にした種が勢いよく蔓状に成長し、太さ2センチほどの鞭状に変化した。
そして、成長した蔓が、独自の意識を持っているようにウネウネと動き始めた。
女子学生は、一旦回避行動を見せたが、再びこちらに向かって来た。
だが、右手から伸びている蔓届く範囲まで来ると、女子学生を追尾するように追い回し始めた。
「ねえ、ミント……、これなんなの……?」
『食人植物の蔓や、捕らえた人を壺状の葉に押し込めて人を溶かして栄養にするんよ』
なんて危ないものを買わせるんだ!?
「なんで、こんなもの買ったの……」
『人を食べられるほどおっきく成長せんかったら、ただの食虫植物やねん、それにこの蔦、痛み止めの薬になんねんで』
「あっ、そうなんだ……」
一応薬の素材と聞いて、購入を勧めた理由が納得出来た。
手首に居るミントとのんびりやり取りしている最中にも、女子学生は2本の蔦から逃げ回っていた。
『よう逃げるなぁ、もう1本!』
そう言うと、今度は右手から伸びていた蔦が途中から枝別れし、女性とは3本の蔦に追われるようになった。
「っち!」
舌打ちが聞こえた瞬間、1本の蔦に叩かれ女子学生がダウン、ダウンしたところを3本の蔦が女子学生をグルグル巻きにしていた。
『いっちょあがり!』
「それまで!」
審判の合図と共に蔦が女子学生を解放した。そして、蔦は役目を果たしたからなのか、しおれて枯れたようになり、最後は粉々になり風に舞った。
「ラミナ君は、Eへ!」
『あら、場所が変わるようですね』
『せやな、リタの時はこのままやったのに』
「はい、ありがとうございました!」
試験官と審判に対して、私の試験に付き合ってくれたことを感謝し頭を下げた。
『リタと違って行儀ええなぁ』
『そうですね、リタは終始煽っていましたからね』
『せやなぁ、Eのとこいこか~』
リングを降り、“E”と書かれた場所へ移動した。
“E”と書かれている所まで来ると、先程の鷹獣人の子が試験中で、すでに戦っていた。
既に試験官を1人戦闘不能状態にしていたが、剣を持った生徒と接近戦をしていた。
『弓使いが、接近戦とか終いやね』
「飛べばいいんじゃないの?」
『プライドが許さないんでしょうね』
プライドね、試験結果よりも重要なことなのかな?
『せやろうなぁ』
私なら、上空に逃げて弓を使うんだけどな。
結果的に、リングの隅に追い詰められ、鷹獣人の子はリングの外に落ちた。
「それまで!」
「ジョーイ君は魔法試験へ向かってください!」
「はい」
ズボンに着いた土埃をはたきながら返事をしていた。
彼の名はジョーイなのか。
「次の方!」
『ラミナ、順番来たで』
私はリング上に上がった。
先日ガーネットさんに貰った服に身を包んだ。
村で着ていた服とは違い、肌触りがとてもよかった。
今日の持ち物は実技で使う武器だけでいいらしいが、そもそも武器らしい武器なんて使った事がないので手ぶらで行こうとしていた。
『なぁなぁ、ラミナ、この前買ぉたエリシュの種いくつか持っていこ』
「ぇ?あれって屋上で植えるためかったんじゃないの?」
『ちゃうよ、今日の実技で使う為やで』
「そうなの?」
そもそも私は、エリシュと言う植物を知らない、ミントが買おうと言い出した時は何かの薬の素材だと思っていた。
『せやで~』
私は棚から薬を包装する紙を取り出し、エリシュの種を入れて包んでポーチに入れた。
ふと、実技試験があるなら、ヒールポーションとかマジックポーション必要かな?
3本ずつ用意しポーチに詰めた。
「これでいいかな?」
『ええで~、ほないこか』
家を出てちゃんと鍵を閉めてからアカデミーに向かった。
アカデミーの入口まで来ると多くの受験生でごった返していた。
その中で目立っていたのが、綺麗な金髪のウェブがかかった可愛い女の子と、背中に羽を生やした銀髪の男の子だった。
『羽が生えた人がいる……』
『せやなぁ、鷹の獣人って、珍しいな』
『そうですね、彼等は高山地域で生活して、人と関わりを持ちませんからね』
「飛べるの?」
『当たり前やで』
空飛べるとかうらやましいなぁ、なんて思いながら見ていた。
「へぇ」
『そんなんよりも、はよ受付すましたれや』
「そうでした」
受付に並び自分の番が来るのを待っていた。
自分の番が来ると、受付の人が。
「出身地とお名前を」
「ルヴァ村のラミナです」
「ルヴァ村のラミナさんね」
受付の人はそう言うと、手元の用紙を見て私の名前を探しているようだった。
「保護者は、ボッシュさんでよろしいですか?」
おばあちゃんじゃなく、ボッシュが保護者なんだと思いつつ。
「はい、大丈夫です」
「あなたの受験番号は、252番です。この後は、後ろの道を左に向かって闘技場を目指してください、実技試験からはじめます」
「わかりました。ありがとうございます」
受付を後にし、言われた通りに闘技場を目指していると、実技試験こちらと書かれた張り紙があった。
張り紙の案内に従い歩いていると、既に実技試験が始まっており、すでに4組の受験生と試験官役の上級生が戦っていた。
『懐かしいなぁ』
『そうですね』
「実技も魔法も任せていい?」
誰の試験なんだ、と問われればあれだが、村に居るときからずっと争いごとは2人に任せていた。
『ええで~』
『いいですよ』
2人からも快諾が得られてほっとした。
ほっとしていると、近くに居た男子学生に声を掛けられた。
「君、受験生?」
「あっ、はい」
「受験番号と名前を教えてもらっていいかな?」
「252番のラミナです」
「252番ね、それなら“D”と書かれている所で並んでもらっていい?」
「はい、ありがとうございます」
「うん、試験頑張ってね」
そう言うと、男子学生はまた近くにいた受験生に声をかけていた。
『Dのとこ行こ!』
「うん」
Dの所で並んでいる人達の後ろに立って辺りを見回していると、横のCでは鷹獣人の男の子が実技試験をしていた。
その戦いを見て驚いた。
審判の“はじめ”の合図が出ると、即座に弓に2本の矢番えて放ったのだ、そして2本とも、試験官の両腿に突き刺さり、試験終了一瞬で片付けていた。
『あの子いい腕してますね』
『せやな、鷹獣人の特性を活かした戦い方やんな』
『えぇ』
「特性?」
『鷹獣人はな、全人種の中でも器用でな、凄い細かい調整が得意なんよ』
『そうですね、なので、彼のように弓、投げやり、投擲系の武器を持たせると右に出る者はいないと言われているくらいなんですよ』
「へぇ……、これって間違って死んだりしないよね?」
『せえへんよ』
『このリング自体が魔道具で大けがや、即死ダメージを受けるとリング外にはじかれるようになっているんですよ』
『リタが作ったんやで~』
「そうなの!?」
まさかここで、先祖の名が出てくると思わなかった。
ミント達とやり取りしながら、ボーっと彼の方を見ていると。
「君、大丈夫?」
「ぇ?」
急に声を掛けられてビックリした。
「さっきから独り言を言っていたみたいだから……」
「あぁ、大丈夫です……」
「そっか、君の番なんだけど、直ぐに戦えるかい?」
「はい」
「そう、んじゃリングに上がって」
「わかりました」
言われた通りリングに上がると、私の試験官はどうやら、徒手で戦う女子学生のようだった。
リングに上がると。
「受験生、大きな声で受験番号と名前を!」
「252番、ラミナです!」
「よろしい!それでは双方準備を!」
「私は大丈夫です」
試験官役の女性との方はいつでもいいようだった。
『アクア、うちからでええ?』
『いいですよ』
『ほなら、ラミナ、両手に種を1つづつ持って』
ミントに言われた通り、ポーチの中から種を包んだ物を取り出し、紙を広げ種2つとってポーチにしまった。
『これでいい?』
『ええで』
ミントはそう言うと、私の手首付近に腰掛けた。
「準備OKです!」
「それでは双方位置に!」
位置ってどこだろう?と思っていると、数歩先に線が引かれていたので、そこに移動した。
「それでは始め!」
合図とともに、女子学生がこちらに駆けてくる。
『ほな、もらうで~』
ミントの声と同時に、体の中から、両手に何かが流れるような感覚があった後、先程手にした種が勢いよく蔓状に成長し、太さ2センチほどの鞭状に変化した。
そして、成長した蔓が、独自の意識を持っているようにウネウネと動き始めた。
女子学生は、一旦回避行動を見せたが、再びこちらに向かって来た。
だが、右手から伸びている蔓届く範囲まで来ると、女子学生を追尾するように追い回し始めた。
「ねえ、ミント……、これなんなの……?」
『食人植物の蔓や、捕らえた人を壺状の葉に押し込めて人を溶かして栄養にするんよ』
なんて危ないものを買わせるんだ!?
「なんで、こんなもの買ったの……」
『人を食べられるほどおっきく成長せんかったら、ただの食虫植物やねん、それにこの蔦、痛み止めの薬になんねんで』
「あっ、そうなんだ……」
一応薬の素材と聞いて、購入を勧めた理由が納得出来た。
手首に居るミントとのんびりやり取りしている最中にも、女子学生は2本の蔦から逃げ回っていた。
『よう逃げるなぁ、もう1本!』
そう言うと、今度は右手から伸びていた蔦が途中から枝別れし、女性とは3本の蔦に追われるようになった。
「っち!」
舌打ちが聞こえた瞬間、1本の蔦に叩かれ女子学生がダウン、ダウンしたところを3本の蔦が女子学生をグルグル巻きにしていた。
『いっちょあがり!』
「それまで!」
審判の合図と共に蔦が女子学生を解放した。そして、蔦は役目を果たしたからなのか、しおれて枯れたようになり、最後は粉々になり風に舞った。
「ラミナ君は、Eへ!」
『あら、場所が変わるようですね』
『せやな、リタの時はこのままやったのに』
「はい、ありがとうございました!」
試験官と審判に対して、私の試験に付き合ってくれたことを感謝し頭を下げた。
『リタと違って行儀ええなぁ』
『そうですね、リタは終始煽っていましたからね』
『せやなぁ、Eのとこいこか~』
リングを降り、“E”と書かれた場所へ移動した。
“E”と書かれている所まで来ると、先程の鷹獣人の子が試験中で、すでに戦っていた。
既に試験官を1人戦闘不能状態にしていたが、剣を持った生徒と接近戦をしていた。
『弓使いが、接近戦とか終いやね』
「飛べばいいんじゃないの?」
『プライドが許さないんでしょうね』
プライドね、試験結果よりも重要なことなのかな?
『せやろうなぁ』
私なら、上空に逃げて弓を使うんだけどな。
結果的に、リングの隅に追い詰められ、鷹獣人の子はリングの外に落ちた。
「それまで!」
「ジョーイ君は魔法試験へ向かってください!」
「はい」
ズボンに着いた土埃をはたきながら返事をしていた。
彼の名はジョーイなのか。
「次の方!」
『ラミナ、順番来たで』
私はリング上に上がった。
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