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願いを叶える薬
第80話 旅の終わり
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久々のドワイライフ王国王都クロット、5年前に来たが、あまり変わってないな、あの時は夕方から翌朝までの短い滞在時間だったから宿と屋台くらいしか見れなかったが、今回はのんびりみてまわるかな、その前に城にいって派遣の話をしてからかな?
とりあえず城に向かい門に立っている兵士に話しかけた。
「すいません、プロズ王国から技術派遣で来たんですけども」
「ほぉ、推薦状をもっているのか?」
「はい、これを」
アイテムボックスから3年前にもらった推薦状を兵士に見せた。
「ふむ、問題ないな、少し待っててもらってもいいか?担当の者を呼んでくる」
「はい、わかりました」
兵士が城の中に入っていき、入れ替わるように1人のドワーフが出てきた。
「お?誠明じゃねぇか、今まで何してたんだ……」
中から出てきたのはマバダザで鍛冶ギルドのギルドマスターをやっているはずのザックだった。
「あれ?ザックさんなんでここに?」
「なんでっておめぇ、ここは俺の故郷だぞ」
「そうでした。マバダザは?」
「あぁ俺の任期が終わったから昨年戻ってきたんだよ、ちなみにジルも戻ってきてるぞ」
「そうなんですね」
「ってかおめぇ、5年以上何処ほっつき歩いてんだ、お前とユキ会えるのを楽しみに帰ってきたら居ねぇじゃねぇか」
「あ~色々深いわけがありまして、今日到着した感じなんですよ……」
「はぁ、んで何でここにいんだ?」
「推薦状を持ってきたんですよ」
「はぁ、まぁいいついてこい」
「え?いまここにいた門番の人が担当を呼んでくるって……」
「かまわん、ついでだ王も紹介してやる」
「いやいやいや、それは良いです……」
「今会わなくてもどのみち後で会うことになると思うぞ、まぁ作法とか気にする奴じゃないから気にするな」
後で会うって、もしかして販売会に来るのか?
「はぁ……」
ザックの後について城の中に入ろうとすると、さっきの兵士が戻ってきた。
「あれ?ザックさんそちらの方は、これから……」
「宰相の所だろ?」
「はい」
「なら俺が連れてくよ」
「はぁ、ザックさんが良いのであればお願いします」
「あぁ」
城の中を案内してもらっていると。
「訳は後で聞くとして、今日来たって事は泊るところは決まってんのか?」
「いやこれからですかね」
「そうか、なら話がまとまらなかったらワシの家に来い」
話がまとまらなかったらって、1回会って話が纏まるもんなのかな?今日何処まで決めるつもりなんだか……。
「いいんですか?」
「あぁ構わん、マバダザの家よりはだいぶ狭いがお前さんとユキを泊めるのは問題ないからな」
「そうなんですね、そういえばあの時のメンバー皆戻ってきてるんですか?」
「あの時ってのは販売会に参加してたやつらか?」
「はい」
「半分位戻ってきてるな、残ってる奴はまだ任期の途中なんだよ」
「あぁなるほど、何年か置きに交代してるんですね」
「そうだ、若い奴らにも経験させないといかんからな」
「なるほど」
そんな話をしていると、ザックが1つの扉の前で立ち止まった。
「ここだ、おーい入るぞ~」
宰相相手にこんなんで良いのか?と思っていると相手の返事も待たずにザックが扉を開けた。
「なんだザック、お前さんさっき帰るゆうてたろうに……、おぉ誠明!」
ぇ?
そこに居たのはジルさんだった。
「あれ?ジルさん?なんで……?」
「こいつはな一応先代王の兄なんだよ、今回先代の宰相が亡くなった際に交代したんだ」
まさかの王族、それにしてはマバダザに居るときは誰も敬ったりしてなかった気がしたが……。
「お久しぶりです」
「お~ぉ~久しぶりじゃのぉ、お主5年も何処ほっつき歩いとったんじゃ、帰ってきたらお主が来てないってことで散々探したんだぞ、なぁザックよ」
「あぁ、何度か聖教国に行ったりしたな」
聖教国ってどこにあるんだろ?
「教会に捕まってたのか?」
「いや……」
「そうか捕まってなかったならよかった、んで、お主が来たって事はあれか、技術派遣の件だな?」
「はい」
「よいよい、ワシが建てた家は持ってるか?」
「えぇまだありますよ」
「そうかそうか、なら病院の近くの土地が空いてたなぁ」
「あぁ、あったな聖女が住んでいた跡地だがいいのか?」
「構わん構わん、土地は使ってなんぼじゃ、お主も態々家で仕事せんとも、病院で仕事すればよかろう、となると手術室なんかを増やさねばならんのぉ」
「横の小屋を壊せばいいんじゃないのか?」
「そうするか、さっそく手配でもしておこうかのぉ」
「はぁ……」
なんか自分が知らない間にどんどん話が進んで行く。
「ところでザックよ、クロンの所には連れてったのか?」
「いやこれからだ」
「そうか、なら連れてかなくてよい、今夜は久々に異界の酒が飲めるな!」
「良いのか?そんなことしたら王が機嫌損ねるだろう?」
王の名はクロンというのかな?
「よいよい、酒の場に連れて行くからな、ザックは家を建てる場所に案内してやってくれ」
「あぁなるほど、分かった。誠明よ聞いたな?家を出す場所に案内するからついてこい」
「はぁ……」
自分の意見とかそういうのは……、全部ジルとザックで話が進んでるんだが……。
その後ザックの後について行くと、城の入口が見える場所に病院があり、その斜め向かいに家か。城前の広場に面しているんだけど。
「ここ貴族街とかじゃないんですか……?」
「この国に貴族はおらんからな、いたとしても各町の代表が時々あっちに泊る位だな」
ザックが指さした先には城壁沿いに建てられた4階建ての大きな庭付きの高級ホテル風の建物だった。
「自分もう少し庶民っぽいエリアが良いんですけど……」
「贅沢言いなさんな、ここも元は庶民の場所だ」
城前の広場に面した庶民の家って、どう考えても高給取りの人たちが住む場所でしょう。
「ちなみにわしの家は、そこだ」
そう言って指さしたのは自宅設置予定の2軒隣の家だった。
「凄い近所ですね、もしかしてこの家は?」
「ジルの家だな」
ん~知り合いが近所なのは良いけど……。
「もしかしてこの広場に面している家って基本城勤めの人たちの家だったり?」
「全部がそうじゃないがな」
ん~……、住めば都と言うし、用意してもらったしとりあえずはここでいいか、何かあれば相談しよう。
「そうなんですね、んじゃ土を吸い出しちゃいますね」
「あぁ、使い方は大丈夫か?」
「それ位ならまだ覚えています」
吸土の魔石を取り出し地面の土を吸い出し、自宅を出した。
凄い久々の我が家、ミグニーに居た時以来だ。
「久々に見るな」
「自分もですよ」
「そんなに使ってなかったのか?」
「転々としてましたからね……」
瞬間移動で次の町とか本当に文字通り転々とした生活だった。
「そうか、夕方になったらまた来る。時間まで少し休んでろよ」
「はい」
ザックは2軒隣の自分の家へ戻っていった。
自分も久々の自宅に入った。
とりあえず城に向かい門に立っている兵士に話しかけた。
「すいません、プロズ王国から技術派遣で来たんですけども」
「ほぉ、推薦状をもっているのか?」
「はい、これを」
アイテムボックスから3年前にもらった推薦状を兵士に見せた。
「ふむ、問題ないな、少し待っててもらってもいいか?担当の者を呼んでくる」
「はい、わかりました」
兵士が城の中に入っていき、入れ替わるように1人のドワーフが出てきた。
「お?誠明じゃねぇか、今まで何してたんだ……」
中から出てきたのはマバダザで鍛冶ギルドのギルドマスターをやっているはずのザックだった。
「あれ?ザックさんなんでここに?」
「なんでっておめぇ、ここは俺の故郷だぞ」
「そうでした。マバダザは?」
「あぁ俺の任期が終わったから昨年戻ってきたんだよ、ちなみにジルも戻ってきてるぞ」
「そうなんですね」
「ってかおめぇ、5年以上何処ほっつき歩いてんだ、お前とユキ会えるのを楽しみに帰ってきたら居ねぇじゃねぇか」
「あ~色々深いわけがありまして、今日到着した感じなんですよ……」
「はぁ、んで何でここにいんだ?」
「推薦状を持ってきたんですよ」
「はぁ、まぁいいついてこい」
「え?いまここにいた門番の人が担当を呼んでくるって……」
「かまわん、ついでだ王も紹介してやる」
「いやいやいや、それは良いです……」
「今会わなくてもどのみち後で会うことになると思うぞ、まぁ作法とか気にする奴じゃないから気にするな」
後で会うって、もしかして販売会に来るのか?
「はぁ……」
ザックの後について城の中に入ろうとすると、さっきの兵士が戻ってきた。
「あれ?ザックさんそちらの方は、これから……」
「宰相の所だろ?」
「はい」
「なら俺が連れてくよ」
「はぁ、ザックさんが良いのであればお願いします」
「あぁ」
城の中を案内してもらっていると。
「訳は後で聞くとして、今日来たって事は泊るところは決まってんのか?」
「いやこれからですかね」
「そうか、なら話がまとまらなかったらワシの家に来い」
話がまとまらなかったらって、1回会って話が纏まるもんなのかな?今日何処まで決めるつもりなんだか……。
「いいんですか?」
「あぁ構わん、マバダザの家よりはだいぶ狭いがお前さんとユキを泊めるのは問題ないからな」
「そうなんですね、そういえばあの時のメンバー皆戻ってきてるんですか?」
「あの時ってのは販売会に参加してたやつらか?」
「はい」
「半分位戻ってきてるな、残ってる奴はまだ任期の途中なんだよ」
「あぁなるほど、何年か置きに交代してるんですね」
「そうだ、若い奴らにも経験させないといかんからな」
「なるほど」
そんな話をしていると、ザックが1つの扉の前で立ち止まった。
「ここだ、おーい入るぞ~」
宰相相手にこんなんで良いのか?と思っていると相手の返事も待たずにザックが扉を開けた。
「なんだザック、お前さんさっき帰るゆうてたろうに……、おぉ誠明!」
ぇ?
そこに居たのはジルさんだった。
「あれ?ジルさん?なんで……?」
「こいつはな一応先代王の兄なんだよ、今回先代の宰相が亡くなった際に交代したんだ」
まさかの王族、それにしてはマバダザに居るときは誰も敬ったりしてなかった気がしたが……。
「お久しぶりです」
「お~ぉ~久しぶりじゃのぉ、お主5年も何処ほっつき歩いとったんじゃ、帰ってきたらお主が来てないってことで散々探したんだぞ、なぁザックよ」
「あぁ、何度か聖教国に行ったりしたな」
聖教国ってどこにあるんだろ?
「教会に捕まってたのか?」
「いや……」
「そうか捕まってなかったならよかった、んで、お主が来たって事はあれか、技術派遣の件だな?」
「はい」
「よいよい、ワシが建てた家は持ってるか?」
「えぇまだありますよ」
「そうかそうか、なら病院の近くの土地が空いてたなぁ」
「あぁ、あったな聖女が住んでいた跡地だがいいのか?」
「構わん構わん、土地は使ってなんぼじゃ、お主も態々家で仕事せんとも、病院で仕事すればよかろう、となると手術室なんかを増やさねばならんのぉ」
「横の小屋を壊せばいいんじゃないのか?」
「そうするか、さっそく手配でもしておこうかのぉ」
「はぁ……」
なんか自分が知らない間にどんどん話が進んで行く。
「ところでザックよ、クロンの所には連れてったのか?」
「いやこれからだ」
「そうか、なら連れてかなくてよい、今夜は久々に異界の酒が飲めるな!」
「良いのか?そんなことしたら王が機嫌損ねるだろう?」
王の名はクロンというのかな?
「よいよい、酒の場に連れて行くからな、ザックは家を建てる場所に案内してやってくれ」
「あぁなるほど、分かった。誠明よ聞いたな?家を出す場所に案内するからついてこい」
「はぁ……」
自分の意見とかそういうのは……、全部ジルとザックで話が進んでるんだが……。
その後ザックの後について行くと、城の入口が見える場所に病院があり、その斜め向かいに家か。城前の広場に面しているんだけど。
「ここ貴族街とかじゃないんですか……?」
「この国に貴族はおらんからな、いたとしても各町の代表が時々あっちに泊る位だな」
ザックが指さした先には城壁沿いに建てられた4階建ての大きな庭付きの高級ホテル風の建物だった。
「自分もう少し庶民っぽいエリアが良いんですけど……」
「贅沢言いなさんな、ここも元は庶民の場所だ」
城前の広場に面した庶民の家って、どう考えても高給取りの人たちが住む場所でしょう。
「ちなみにわしの家は、そこだ」
そう言って指さしたのは自宅設置予定の2軒隣の家だった。
「凄い近所ですね、もしかしてこの家は?」
「ジルの家だな」
ん~知り合いが近所なのは良いけど……。
「もしかしてこの広場に面している家って基本城勤めの人たちの家だったり?」
「全部がそうじゃないがな」
ん~……、住めば都と言うし、用意してもらったしとりあえずはここでいいか、何かあれば相談しよう。
「そうなんですね、んじゃ土を吸い出しちゃいますね」
「あぁ、使い方は大丈夫か?」
「それ位ならまだ覚えています」
吸土の魔石を取り出し地面の土を吸い出し、自宅を出した。
凄い久々の我が家、ミグニーに居た時以来だ。
「久々に見るな」
「自分もですよ」
「そんなに使ってなかったのか?」
「転々としてましたからね……」
瞬間移動で次の町とか本当に文字通り転々とした生活だった。
「そうか、夕方になったらまた来る。時間まで少し休んでろよ」
「はい」
ザックは2軒隣の自分の家へ戻っていった。
自分も久々の自宅に入った。
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