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願いを叶える薬
第58話 役に立ってない知識
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ライさんが取り出したものは大量の本だった。
タイトルを見ると心理学や社会学、環境学等から、専門科目の代謝栄養学、病理学、疾病論、微生物学、薬理学等、そして極めつけは基礎看護学等の看護師になる為に専門学校や大学で使う教科書だった。
「これって読めたんです?」
一番最初に思ったのはそこだった。たしか書かれたものとかそう言うものは、言語理解を持っていない限り、この世界の人は読めなかったはずだ。
「そこは問題なかったかな、精霊達が訳してくれたからね」
精霊って便利すぎじゃない?
ユキの言葉を訳して伝えたりとか……。
「精霊って何者なんですか……?ユキの言葉も伝わるんですよね?」
「そうだね、この世界の真実を知る者というべきなのかね?だからこの本が伝えたいことも分かるようだよ」
そういうものなのかな?
「そうでしたか、もしかしてこの教科書全部目を通して頭に入ってます?」
「もちろんだよ」
たぶん後は実技なんだろうな。
病院実習とか経て国家試験だったはずだし。
「そうですか、もし病気やけがの人がいたら、本人の同意がとれるなら診察や手術に立ち会ってみますか?」
「ほぉそれは是非立ち会わせてほしい」
「この本ってライさんだけが読んでるんです?」
「いや、リオスも孫のロアナもモアナも読んでいるよ。それだけじゃなくハイエルフの里の者の大半は読んでいるんじゃないかな?この本を貰えなかった者達は持っている者達から借りて自分たちで書き写して本を作ったからね」
まさかの、看護師としての知識を蓄えた集団がいたとは……。
「ハイエルフの方々はこの本を元になにかやったりは?」
「日々の生活に役に立ててる位かね?」
もったいない……、これだけ勉強すれば色々な病に対する最低限の知識はえられるだろうし、この本で得た知識を活かせばいいのに。
というかどんな生活をしているのかが気になった。
というか、彼等は知識を持っていても実際に見たりしていないからなのかな?
創造神ユスチナ様がこの世界に来るとき、医療については、殆ど所で各臓器がどのような働きをしているのかがまだ不明と言っていたが。彼等にとっては本の中の出来事であって現実でないとでも思っているのか……?
それとも、殆ど所といってたから一部の地域ではって意味合いもあるのか……?
「1つ聞いていいです?亡くなった人とかを解剖したりして本の中身を確認したりはしなかったんですか?」
「そんなことは死者への冒涜だからせんよ、我々は死んだら森に返すだけだからね」
彼等にとってはどうでもいい知識扱いなのか!?
精霊は本の中身が真実だとは言わなかったのかな?ただ訳しただけ……?
まぁそれでも応急手当とか衛生学とかは役立てていると信じたい。
「えっと、一応その本の中身は真実だと思いますよ、自分が居た時代より少し前なので古い知識もあるかもしれませんが……、これからこんなところに患者が来るかわかりませんが実践を交えて医学を教えていきますよ」
「ほぉ助かる。それでは私は怪我人や病人がここに来るようにすればいいかな?」
「どうやって……?」
「君たちをここに導いたようにするのさ」
「なるほど……とりあえず、診療所に案内しますね」
「あぁ」
ドライアドの木を後にし自宅のあるところまで戻ってきた。
「こりゃ~ジルがからんでるだろう」
「そうですね、ジルさんの拘り設計ですね、知り合いなんです?」
「そりゃな、昔聖女様とドワイライフ王国病院で会い、そこでジルとも出会ったからな」
まぁ2人とも聖女様とつながりがあるしそこまで不自然な事じゃないか。
「なるほど、一応1階が診察室や手術室、病室なんかがありますね、2階はマバダザに居た頃はドワーフ達のたまり場になってましたね、3階は自宅ですが……、ライさんはどこかに住むんです?」
「そうだな、大木の幹に穴があるのはしっているかい?」
「えぇ大人2~3人暮らせるようなスペースがあるところがありましたが」
「そこに住もうかと思ってるよ」
「なるほど……」
「それじゃあ私は住めるようにしてこよう。また明日ドライアドの木でまってるよ」
「はぁ……」
その後ライさんは大木のある方へ歩いて行った。
しばらくは、来た患者さんの対応をしつつ暇なときにドライアドの木に魔素を与え続ける生活をすればいい感じかな?
ドライアドの実を手に入れたら帝国かな……。
タイトルを見ると心理学や社会学、環境学等から、専門科目の代謝栄養学、病理学、疾病論、微生物学、薬理学等、そして極めつけは基礎看護学等の看護師になる為に専門学校や大学で使う教科書だった。
「これって読めたんです?」
一番最初に思ったのはそこだった。たしか書かれたものとかそう言うものは、言語理解を持っていない限り、この世界の人は読めなかったはずだ。
「そこは問題なかったかな、精霊達が訳してくれたからね」
精霊って便利すぎじゃない?
ユキの言葉を訳して伝えたりとか……。
「精霊って何者なんですか……?ユキの言葉も伝わるんですよね?」
「そうだね、この世界の真実を知る者というべきなのかね?だからこの本が伝えたいことも分かるようだよ」
そういうものなのかな?
「そうでしたか、もしかしてこの教科書全部目を通して頭に入ってます?」
「もちろんだよ」
たぶん後は実技なんだろうな。
病院実習とか経て国家試験だったはずだし。
「そうですか、もし病気やけがの人がいたら、本人の同意がとれるなら診察や手術に立ち会ってみますか?」
「ほぉそれは是非立ち会わせてほしい」
「この本ってライさんだけが読んでるんです?」
「いや、リオスも孫のロアナもモアナも読んでいるよ。それだけじゃなくハイエルフの里の者の大半は読んでいるんじゃないかな?この本を貰えなかった者達は持っている者達から借りて自分たちで書き写して本を作ったからね」
まさかの、看護師としての知識を蓄えた集団がいたとは……。
「ハイエルフの方々はこの本を元になにかやったりは?」
「日々の生活に役に立ててる位かね?」
もったいない……、これだけ勉強すれば色々な病に対する最低限の知識はえられるだろうし、この本で得た知識を活かせばいいのに。
というかどんな生活をしているのかが気になった。
というか、彼等は知識を持っていても実際に見たりしていないからなのかな?
創造神ユスチナ様がこの世界に来るとき、医療については、殆ど所で各臓器がどのような働きをしているのかがまだ不明と言っていたが。彼等にとっては本の中の出来事であって現実でないとでも思っているのか……?
それとも、殆ど所といってたから一部の地域ではって意味合いもあるのか……?
「1つ聞いていいです?亡くなった人とかを解剖したりして本の中身を確認したりはしなかったんですか?」
「そんなことは死者への冒涜だからせんよ、我々は死んだら森に返すだけだからね」
彼等にとってはどうでもいい知識扱いなのか!?
精霊は本の中身が真実だとは言わなかったのかな?ただ訳しただけ……?
まぁそれでも応急手当とか衛生学とかは役立てていると信じたい。
「えっと、一応その本の中身は真実だと思いますよ、自分が居た時代より少し前なので古い知識もあるかもしれませんが……、これからこんなところに患者が来るかわかりませんが実践を交えて医学を教えていきますよ」
「ほぉ助かる。それでは私は怪我人や病人がここに来るようにすればいいかな?」
「どうやって……?」
「君たちをここに導いたようにするのさ」
「なるほど……とりあえず、診療所に案内しますね」
「あぁ」
ドライアドの木を後にし自宅のあるところまで戻ってきた。
「こりゃ~ジルがからんでるだろう」
「そうですね、ジルさんの拘り設計ですね、知り合いなんです?」
「そりゃな、昔聖女様とドワイライフ王国病院で会い、そこでジルとも出会ったからな」
まぁ2人とも聖女様とつながりがあるしそこまで不自然な事じゃないか。
「なるほど、一応1階が診察室や手術室、病室なんかがありますね、2階はマバダザに居た頃はドワーフ達のたまり場になってましたね、3階は自宅ですが……、ライさんはどこかに住むんです?」
「そうだな、大木の幹に穴があるのはしっているかい?」
「えぇ大人2~3人暮らせるようなスペースがあるところがありましたが」
「そこに住もうかと思ってるよ」
「なるほど……」
「それじゃあ私は住めるようにしてこよう。また明日ドライアドの木でまってるよ」
「はぁ……」
その後ライさんは大木のある方へ歩いて行った。
しばらくは、来た患者さんの対応をしつつ暇なときにドライアドの木に魔素を与え続ける生活をすればいい感じかな?
ドライアドの実を手に入れたら帝国かな……。
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