【完結】婚活に疲れた救急医まだ見ぬ未来の嫁ちゃんを求めて異世界へ行く

川原源明

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診療所開設!

第41話 幕間 ユキとの休日

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 今日は1日オフの日だ、朝食を済ませて何をしようかなと思いソファーで寛いでいると、ユキが後ろ足だけで立ち、万歳ポーズを取っていた。

「抱っこしてほしいの?」
「キュィ~♪」

 ユキは、首を縦に2度ふった。

 正直子狐のこのポーズは反則的なまで可愛い、アイテムボックスからスマホを取り出し、何枚か写真を撮った。

「キュ~?」

 抱っこは?
 とでも言いたそうなユキを見ていて。

「ごめんもうちょっと写真撮らせて」
「キュ?」

 頭に“?”が浮いているのが良く分かるがお構いなしに色々な角度からスマホを構えて写真撮影を続けた。

 子猫や子犬の時は何故か大人になると失われる魅力がある。

 ユキもいつかはこの魅力がなくなると思うとちょっと惜しい気がした。

 ユキから少し離れて。

「ユキそのままの状態でこっち来れる?」
「キュッ~♪」

 歩いてくるのかと思ったら、違った。ピョンピョンと両足飛びでこっちに寄って来た。シャッターチャンス!ピョンピョン飛んでくるユキの姿を写真に収め、足元に来たユキを当初の要望通り抱っこしてあげた。

「ん~お前可愛いな~」
「キィ~♪」

 ん?これはなんて言ってるんだろ?喜んでいる感じはわかるんだが、顔の近くに持ってくると、ユキが自分の唇をペロペロと舐め始めた。

 これが可愛い女の子だったらうれしいんだけどな~ユキだとなぁ、まぁそれでもユキの愛情表現だと思っているからうれしいんだけど、もう少し魅力的なものが欲しい。

 思えば、会った頃のよちよち感はなくなってきてるな、王都の外で遊ぶか。

「ユキ、今日は仕事ないから、王都の外に遊びに行こうか」
「キュィ~キュィ~♪」

 すごい勢いで首を上下に振っている。

「うれしいのか~」
「キュィ~♪」
「よっし行くか、魔物狩する?」
「キュッキュ!」

 魔物狩するのか、武器になりそうなものはあるが、大丈夫かな? 

「ユキ頑張って仕留めてね?」
「キュィ~♪」

 その言葉を信じて外で遊ぶか、ユキを抱っこしてマバダザの門を越えてまちのそとに出た。膝丈の草が生い茂る草原地帯だ。

 門を出て直ぐに道からそれた。ここら辺なら何かあったら町中に逃げ込める。

「ユキ、しばらく自由に走り回っておいで、自分はここに居るから適当に戻っておいで」
「キュィ~♪」

 ユキは、それだけ鳴くと、草むらの中に姿を消した。

 その後1時間、2時間待てど待てどユキが帰ってこない、何かあったかと心配になってきた頃ようやく、全身が真っ黒になり、ホーンラビットを咥えたユキと思しき生き物が戻ってきた。

「ユキだよね……?」

 ユキは咥えているホーンラビットを自分の前に置いた。

「キュッキュ!」
「何でそんなに真っ黒なの……?」
「キュィィッキュ!」
「何言ってるのか分からない……」
「キュ~~キュ~」

 それだけ鳴くとまた草むらに姿を消した。

 このホーンラビットを解体しておいてッてことか……?

 多分そうだろうと思い、ホーンラビットを解体していると、ユキが咥えていた場所だけ傷があったがそれ以外に傷がなかった。

 一撃必殺の噛みつき攻撃なのか?

 解体が終わる頃に、またユキがホーンラビットを咥えて持ってきた。

「まだいんの?」
「キュッキュ!」

 まだいるらしい、魔物の死骸を自分の所に置くと、ユキは再び草むらに姿を消した。

 結局ホーンラビット2匹、見たことのない鳥の魔物?3羽を自分の所に持ってきた。

 持ってくるたびに解体しアイテムボックスに放り込んだ。

「キュィ~キュー」
「ん?」

 と思っていると、ユキが後ろ足で立、万歳ポーズをとった。

「抱っこか」
「キュッキュ!」

 ん~そのまま抱くと服が汚れそう……。

「浄化」

 ユキを真っ黒にしている汚れを浄化で落としてから抱っこした。

「キィ~~!」

 唇舐めてくるかと思ったら違い、自分の肩の上に乗って自分の顔に顔を擦り付けてきた。

「ん?どうしたの?」
「キュ~」

 額をグリグリしてくると撫でてアピールだけどこれは何だろう?

「ユキ、もうちょっと時間あるけど何か遊ばなくていい?」
「キュ~」

 なんだろう。まだ顔に顔を擦り付けている。

「このまま家に戻ってもいい?」
「キュィ~♪」

 これはいいらしい、何があったんだろうと思いながら、帰宅した。

 帰宅後はユキの狩った獲物を調理して夕食にすることにしたが、調理中は足元ですりすりと身体を擦り付けていた。

 甘えモードなのかな?

 と思いつつも、ユキを蹴飛ばしたり踏んだりしないように夕食の準備をした。

 机に夕食を置いて、床に座り、ユキの皿を床に置くと、置いた皿を鼻で押して自分の方に持ってきた。

「ん?」

 と思った瞬間、ユキが膝の上に乗ってきた。

「あ~食べさせてほしいの?」
「キュィ~♪」

 まぁいいか、本当に自分と一緒の時は甘えん坊モードに入りやすい、今日はいっぱい狩して疲れてるだろうし、仕方ないと思いつつ、ユキの甘え要望に応えるように、夕飯を食べさせてあげた。

 その後は酒販売会に参加しいつもの日常に戻った。
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