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診療所開設!
第36話 幕間 ユキのとある一日
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※ユキ視点
窓の外が真っ暗な時間、何者かが自分の縄張りに侵入してきた気配を感じて目を覚ました。
なんだろう、なにものかが誠明の家に侵入してきた。
千里眼のスキルを使い気配のある地下に降りる階段を見るとネズミが2匹居た。
誠明からネズミは病気になる菌をもってるから食べるなと言われいてる。
仕留めて死体を適当な所に捨ててこようと思い、寝床から床に飛び降りると、飛び降りた音で目覚めたのかフワ姉さんがこっちを見た。
「グワ~ッグワ?(ユキちゃんおはよう~こんな早くにどうしたの?)」
「キュィ~ッキュ~~(姉さんおはよ~侵入者が居るみたいなの)」
「グワ?(侵入者?)」
「キュッキュキュ~(うん、ネズミが2匹)」
「グワッグワ~(そう、狩に行くなら怪我しないようにね)」
「キュッキュ!(うん気を付ける!)」
フワ姉さんに見送られ自分専用の入口を使いながら2階のフロアを経由して地下に階段の踊り場に2匹のネズミが居た。上ることも出来ず地下室に入ることも出来ずに途方に暮れている様子だった。
うちは地下階段入口から2匹のネズミを見下ろしながらどう対処しようか考えた。
せっかくだし誠明から教わった事を試してみよう。
2匹のネズミに対して視覚・触覚・嗅覚に対して幻影魔法を使った。
視覚には自分自身が炎に焼かれている錯覚を。触覚には皮膚が燃える感触を、嗅覚は焼肉を食べるときの匂いが自分自身の身体から発せられる錯覚を、そうイメージし幻影魔法を発動させた。
「ヂュ?(え?)」「ヂュ!?(体が燃えてる!?)」
自分の身体が燃えている事に気づき踊り場を走り回る2匹のネズミを見ながら、どれくらいしたら力尽きるだろうか?とか思っていた。
どれだけの時間が流れただろうか?真っ暗だった空に赤みが差してきた頃ようやく2匹の動きが止まり横たわっていた。
幻影じゃ殺せないのかなぁ~?
もうちょっと効率のいい殺し方のアドバイスを貰わないとかな?
そんなことを思いながら階段を降りて力尽きている2匹のネズミに爪を振り下ろしとどめを刺した。
ネズミを咥えて適当な所に2匹を捨てて誠明の寝ている部屋に戻った。
部屋に戻ると自分の寝床ではなく誠明の寝ている布団の上に飛び乗り丸くなりもうひと眠りした。
「おまえなんでこんなところで寝てんの……、寝相悪すぎだろ」
そんな声と共に頭を撫でられたので目を開けると夜が明け窓の外が明るくなっていた。
「キュッ!キュ~ッキュ~ッキュ!(ちがう!侵入者退治して戻ってきたからここにいるの!)」
「何か訴えてるのはわかるけど、なに言ってるのか分からん」
「キュ~……(そうでした誠明には通じないんだった……)」
誠明がベッドから降りると軽く体を動かした後、うちの身体を抱き上げた。
リビングに移動しソファーの上に下ろされ誠明が台所に移動しご飯の用意を始めた。
うちはソファーから降りて誠明の足元に移動し体を擦り付けた。
撫でてほしいなぁ~
「ユキそんなところに居ると踏んじゃうからソファーに居なよ」
誠明がうちを見下ろしながら言ってきた。
「キュ!(大丈夫)」
「わかってんのかな……?」
「キュッキュ!(わかってる!)」
「わかってると言いつつ移動しない辺り分かってないじゃん……、まぁいつもの事だけど邪魔するなよ……」
「キュッキュ!(わかってる!)」
誠明の移動先に行かないように気を付けながら甘え続ける。
朝食の準備が終わり、うちの分と姉さんの分は床に、誠明の分は机の上に並んだ頃姉さんがリビングに顔を出した。
「グワァ~(おはよ~)」
「キュィ~!(おはよ!)」
「フワおはよ、ご飯できてるよ」
「グ~ワ(は~い)」
皆自分の場所に着くのを確認すると。
「はい、いただきます」
「キュイィ(いただきます)」「グワ~(いただきます)」
今日は生肉と誠明とおそろいのブロッコリーの温野菜だ。1品でも同じものを食べると思うと嬉しい。
朝食を終えるとフワ姉さんが窓を嘴でコンコンとっ突っついていた。
「ん、フワ今日も外行くのか?」
「グワッ(外へ行かせて~)」
誠明が荒いものしている手を止めて窓を開けるとフワ姉さんは外に飛び立っていった。
うちは知っている。
姉さんには好きな男が出来たことを、北にある沼で出会い、秋には居なくなるかもと言っていた。
そんな事を知らない誠明は、姉さんが窓を開けてと言ったら素直に開けて姉さんを見送っているけどいいのかな?言った方がいいのかな?と毎回思ってしまう。
朝食の片付けが終わると誠明は着替えて一緒に1階の職場に降りていく。
誠明が待合室や受付等の掃除や昨日使ったカルテファイルを片付けを始めると、うちは誠明の邪魔にならないように定位置である受付の椅子の上で仕事が始まるまでのんびりして待つ。
誠明が診療所の入口を開ける準備をしだしたのを確認したら、人型の幻影を受付カウンターの横に出現させ患者さんが来るのをまつ。
「ユキちゃんおはよう~」
『アンさんおはようございます。調子はどうですか?』
アンさんはご近所に住むお婆さんだ、関節リウマチで定期的に受診に来る。
幻影を使い診療所に来た患者とやり取りをする。
ここに1度でも来た患者たちは、うちの幻影だと理解してくれているのでスムーズにやり取りができる。
「おかげさまでねぇ」
『順番が来たら呼びします」
「はいよ」
うちは椅子から飛び降り、アンさんのカルテファイルを棚から引っ張り出し誠明がいる診察室まで引っ張っていく、各ファイルに紐が着いている為それを噛んで引っ張って持っていくだけのお仕事。
誠明が診察中の時は所定の場所に置いておけ対応してくれる。
診察に来た患者の対応を繰り返し続け、お昼近くで患者さんが途切れると今日のお仕事はおしまい。
幻影で出している人型を消して誠明の居る診察室へ移動してファイル置き場でお座りして待っていると。
「ん?ユキか、んじゃおしまいかな?」
「キュッキュ!(そうだよ!)」
「んじゃ軽く片付けてお昼にしようか」
「キュィ~(は~い)」
1階にある厨房で簡単に調理を済ませて診察室でご飯を食べる。
ご飯を食べ終わると片付けてから、その日予定している事をする。
これまでは孤児院や城への往診と仕事の延長の事をやったり、食材や誠明の衣類の買い物等をする事が多いが何も予定がないと誠明の趣味の釣りに付き合いで船着き場に行くこともある。
今日は何か予定有るのかな?と思いながらご飯を食べている誠明の膝の上に飛び乗った。
「あ、こらまだご飯食べてるからちょっと待ってって」
「キュィ~(は~い)」
そう答えると、誠明の左手にビーフジャーキーが出現した。
「これあげるから降りて待ってて」
口元にビーフジャーキーを持ってきたので咥えて膝から降りて食べ始めた。
誠明が時々出すビーフジャーキーはしょっぱくておいしいけどすごく硬い食べるのに時間がかかる。
ビーフジャーキと格闘していると、誠明の方はご飯を終えて片付けも済ませていた。
「今日は午後何もないしゆっくり買い物でもするか」
という事で、午後は誠明の肩にしがみつきながら、食材等の買い物を済ませて自宅に戻ると誠明が部屋の掃除を始めたので邪魔にならないようにソファーでお昼寝タイム。
再び自分の縄張りに侵入者の気配を感じ目を覚ますと窓の外は夕暮れになっていた。
侵入場所も2階からだったので恐らくはドワーフ達だろう、千里眼を使い確認するとドワーフの女性と女の子がたくさんの荷物を抱えて来ていた。
今日の夕食は何だろうと思いながら、誠明の姿を探すと、うちと同じようにソファーの上でお昼寝していた。
近くにより尻尾で誠明の顔を撫でたりしていると。
「ん……」
誠明が目を覚ました。ソファーに腰掛ける体勢に移行したのを確認すると誠明の膝の上に移動した。
「ん~ずいぶん寝ちまったな……」
そう言いつつ頭や背中を撫でてくれる。
「もう少ししたら下に降りようか」
「キュィ~(は~い)」
その後下に降り、ドワーフ達の集まりにいって夕食と、ザック達とお話して過ごした。
ドワーフ達との交流が終わると自宅に戻り誠明と医療勉強タイム、体の仕組みや各臓器の役割等を教わっていく。
それが終わると誠明とお風呂に入って戻ってくると、フワ姉さんが帰ってきた。
「ずいぶん遅い帰りだな、フワおかえり」
「キュッキュィ~(姉さんお帰り)」
「グッグワ(ただいま)」
「ご飯と風呂終わってるけどどうする?」
「ッグッグァ(大丈夫)」
と言って姉さんは首を横に振っていた。
「そっか」
誠明がソファーで本を読み始めた。
「キューッキュー(もうご飯もお風呂も終わっちゃったよ)」
「ッグッグァ(ご飯は済んでるから大丈夫)」
「キュィッキュキュー(そっか、ねぇうちも誠明と一緒になれるかな?)」
「グァッグ~(どういう意味で?私と彼みたいに?」
「キュィ~(うん)」
「グワァ~グワ……(それは難しいんじゃない?ユキちゃんが人にならないと……)」
人にならないと無理なのか~でも以前、魔物や動物から人になったって話があるって聞いたことがある。
もしかしたら……。
「キュィ~ッキュー(そっか~)」
「ッグッグア(うん、それじゃ私は寝るよ)」
「キュィ~(は~い)」
フワ姉さんが寝床に向かっていった。
うちは誠明の横に行き、誠明におでこを当ててグリグリした。
「ん、撫でてほしいのか」
「キュィ~♪(うん)」
誠明が優しく撫でてくれる、この瞬間が一番好きだ、癒される眠くなる~眼を閉じて撫でてもらう感触を楽しんでいるといつの間にか寝てしまった。
うちもいつか人になれるかな?
この日から人になりたいと願い始めた。
窓の外が真っ暗な時間、何者かが自分の縄張りに侵入してきた気配を感じて目を覚ました。
なんだろう、なにものかが誠明の家に侵入してきた。
千里眼のスキルを使い気配のある地下に降りる階段を見るとネズミが2匹居た。
誠明からネズミは病気になる菌をもってるから食べるなと言われいてる。
仕留めて死体を適当な所に捨ててこようと思い、寝床から床に飛び降りると、飛び降りた音で目覚めたのかフワ姉さんがこっちを見た。
「グワ~ッグワ?(ユキちゃんおはよう~こんな早くにどうしたの?)」
「キュィ~ッキュ~~(姉さんおはよ~侵入者が居るみたいなの)」
「グワ?(侵入者?)」
「キュッキュキュ~(うん、ネズミが2匹)」
「グワッグワ~(そう、狩に行くなら怪我しないようにね)」
「キュッキュ!(うん気を付ける!)」
フワ姉さんに見送られ自分専用の入口を使いながら2階のフロアを経由して地下に階段の踊り場に2匹のネズミが居た。上ることも出来ず地下室に入ることも出来ずに途方に暮れている様子だった。
うちは地下階段入口から2匹のネズミを見下ろしながらどう対処しようか考えた。
せっかくだし誠明から教わった事を試してみよう。
2匹のネズミに対して視覚・触覚・嗅覚に対して幻影魔法を使った。
視覚には自分自身が炎に焼かれている錯覚を。触覚には皮膚が燃える感触を、嗅覚は焼肉を食べるときの匂いが自分自身の身体から発せられる錯覚を、そうイメージし幻影魔法を発動させた。
「ヂュ?(え?)」「ヂュ!?(体が燃えてる!?)」
自分の身体が燃えている事に気づき踊り場を走り回る2匹のネズミを見ながら、どれくらいしたら力尽きるだろうか?とか思っていた。
どれだけの時間が流れただろうか?真っ暗だった空に赤みが差してきた頃ようやく2匹の動きが止まり横たわっていた。
幻影じゃ殺せないのかなぁ~?
もうちょっと効率のいい殺し方のアドバイスを貰わないとかな?
そんなことを思いながら階段を降りて力尽きている2匹のネズミに爪を振り下ろしとどめを刺した。
ネズミを咥えて適当な所に2匹を捨てて誠明の寝ている部屋に戻った。
部屋に戻ると自分の寝床ではなく誠明の寝ている布団の上に飛び乗り丸くなりもうひと眠りした。
「おまえなんでこんなところで寝てんの……、寝相悪すぎだろ」
そんな声と共に頭を撫でられたので目を開けると夜が明け窓の外が明るくなっていた。
「キュッ!キュ~ッキュ~ッキュ!(ちがう!侵入者退治して戻ってきたからここにいるの!)」
「何か訴えてるのはわかるけど、なに言ってるのか分からん」
「キュ~……(そうでした誠明には通じないんだった……)」
誠明がベッドから降りると軽く体を動かした後、うちの身体を抱き上げた。
リビングに移動しソファーの上に下ろされ誠明が台所に移動しご飯の用意を始めた。
うちはソファーから降りて誠明の足元に移動し体を擦り付けた。
撫でてほしいなぁ~
「ユキそんなところに居ると踏んじゃうからソファーに居なよ」
誠明がうちを見下ろしながら言ってきた。
「キュ!(大丈夫)」
「わかってんのかな……?」
「キュッキュ!(わかってる!)」
「わかってると言いつつ移動しない辺り分かってないじゃん……、まぁいつもの事だけど邪魔するなよ……」
「キュッキュ!(わかってる!)」
誠明の移動先に行かないように気を付けながら甘え続ける。
朝食の準備が終わり、うちの分と姉さんの分は床に、誠明の分は机の上に並んだ頃姉さんがリビングに顔を出した。
「グワァ~(おはよ~)」
「キュィ~!(おはよ!)」
「フワおはよ、ご飯できてるよ」
「グ~ワ(は~い)」
皆自分の場所に着くのを確認すると。
「はい、いただきます」
「キュイィ(いただきます)」「グワ~(いただきます)」
今日は生肉と誠明とおそろいのブロッコリーの温野菜だ。1品でも同じものを食べると思うと嬉しい。
朝食を終えるとフワ姉さんが窓を嘴でコンコンとっ突っついていた。
「ん、フワ今日も外行くのか?」
「グワッ(外へ行かせて~)」
誠明が荒いものしている手を止めて窓を開けるとフワ姉さんは外に飛び立っていった。
うちは知っている。
姉さんには好きな男が出来たことを、北にある沼で出会い、秋には居なくなるかもと言っていた。
そんな事を知らない誠明は、姉さんが窓を開けてと言ったら素直に開けて姉さんを見送っているけどいいのかな?言った方がいいのかな?と毎回思ってしまう。
朝食の片付けが終わると誠明は着替えて一緒に1階の職場に降りていく。
誠明が待合室や受付等の掃除や昨日使ったカルテファイルを片付けを始めると、うちは誠明の邪魔にならないように定位置である受付の椅子の上で仕事が始まるまでのんびりして待つ。
誠明が診療所の入口を開ける準備をしだしたのを確認したら、人型の幻影を受付カウンターの横に出現させ患者さんが来るのをまつ。
「ユキちゃんおはよう~」
『アンさんおはようございます。調子はどうですか?』
アンさんはご近所に住むお婆さんだ、関節リウマチで定期的に受診に来る。
幻影を使い診療所に来た患者とやり取りをする。
ここに1度でも来た患者たちは、うちの幻影だと理解してくれているのでスムーズにやり取りができる。
「おかげさまでねぇ」
『順番が来たら呼びします」
「はいよ」
うちは椅子から飛び降り、アンさんのカルテファイルを棚から引っ張り出し誠明がいる診察室まで引っ張っていく、各ファイルに紐が着いている為それを噛んで引っ張って持っていくだけのお仕事。
誠明が診察中の時は所定の場所に置いておけ対応してくれる。
診察に来た患者の対応を繰り返し続け、お昼近くで患者さんが途切れると今日のお仕事はおしまい。
幻影で出している人型を消して誠明の居る診察室へ移動してファイル置き場でお座りして待っていると。
「ん?ユキか、んじゃおしまいかな?」
「キュッキュ!(そうだよ!)」
「んじゃ軽く片付けてお昼にしようか」
「キュィ~(は~い)」
1階にある厨房で簡単に調理を済ませて診察室でご飯を食べる。
ご飯を食べ終わると片付けてから、その日予定している事をする。
これまでは孤児院や城への往診と仕事の延長の事をやったり、食材や誠明の衣類の買い物等をする事が多いが何も予定がないと誠明の趣味の釣りに付き合いで船着き場に行くこともある。
今日は何か予定有るのかな?と思いながらご飯を食べている誠明の膝の上に飛び乗った。
「あ、こらまだご飯食べてるからちょっと待ってって」
「キュィ~(は~い)」
そう答えると、誠明の左手にビーフジャーキーが出現した。
「これあげるから降りて待ってて」
口元にビーフジャーキーを持ってきたので咥えて膝から降りて食べ始めた。
誠明が時々出すビーフジャーキーはしょっぱくておいしいけどすごく硬い食べるのに時間がかかる。
ビーフジャーキと格闘していると、誠明の方はご飯を終えて片付けも済ませていた。
「今日は午後何もないしゆっくり買い物でもするか」
という事で、午後は誠明の肩にしがみつきながら、食材等の買い物を済ませて自宅に戻ると誠明が部屋の掃除を始めたので邪魔にならないようにソファーでお昼寝タイム。
再び自分の縄張りに侵入者の気配を感じ目を覚ますと窓の外は夕暮れになっていた。
侵入場所も2階からだったので恐らくはドワーフ達だろう、千里眼を使い確認するとドワーフの女性と女の子がたくさんの荷物を抱えて来ていた。
今日の夕食は何だろうと思いながら、誠明の姿を探すと、うちと同じようにソファーの上でお昼寝していた。
近くにより尻尾で誠明の顔を撫でたりしていると。
「ん……」
誠明が目を覚ました。ソファーに腰掛ける体勢に移行したのを確認すると誠明の膝の上に移動した。
「ん~ずいぶん寝ちまったな……」
そう言いつつ頭や背中を撫でてくれる。
「もう少ししたら下に降りようか」
「キュィ~(は~い)」
その後下に降り、ドワーフ達の集まりにいって夕食と、ザック達とお話して過ごした。
ドワーフ達との交流が終わると自宅に戻り誠明と医療勉強タイム、体の仕組みや各臓器の役割等を教わっていく。
それが終わると誠明とお風呂に入って戻ってくると、フワ姉さんが帰ってきた。
「ずいぶん遅い帰りだな、フワおかえり」
「キュッキュィ~(姉さんお帰り)」
「グッグワ(ただいま)」
「ご飯と風呂終わってるけどどうする?」
「ッグッグァ(大丈夫)」
と言って姉さんは首を横に振っていた。
「そっか」
誠明がソファーで本を読み始めた。
「キューッキュー(もうご飯もお風呂も終わっちゃったよ)」
「ッグッグァ(ご飯は済んでるから大丈夫)」
「キュィッキュキュー(そっか、ねぇうちも誠明と一緒になれるかな?)」
「グァッグ~(どういう意味で?私と彼みたいに?」
「キュィ~(うん)」
「グワァ~グワ……(それは難しいんじゃない?ユキちゃんが人にならないと……)」
人にならないと無理なのか~でも以前、魔物や動物から人になったって話があるって聞いたことがある。
もしかしたら……。
「キュィ~ッキュー(そっか~)」
「ッグッグア(うん、それじゃ私は寝るよ)」
「キュィ~(は~い)」
フワ姉さんが寝床に向かっていった。
うちは誠明の横に行き、誠明におでこを当ててグリグリした。
「ん、撫でてほしいのか」
「キュィ~♪(うん)」
誠明が優しく撫でてくれる、この瞬間が一番好きだ、癒される眠くなる~眼を閉じて撫でてもらう感触を楽しんでいるといつの間にか寝てしまった。
うちもいつか人になれるかな?
この日から人になりたいと願い始めた。
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