154 / 195
VSヴォーネス共和国(クラリス教団)
第154話 敵陣奇襲の策
しおりを挟む
月の位置が大分高くなってきた頃、魔物狩で森の中に入った狼衆がみんな戻ってきた。
休憩中に自分はある作戦の準備を済ませた。この準備が不要になるかどうかは分からないが……、敵陣に近づいたおかげで得た情報もある川の方に小さな船着き場が2つあり、どちらも100人位は乗れそうな船が停まっていた。
リンクル族の子達も休憩は済んだだろう、作戦実行するか。
通ってきた道にいったん戻りガイアコントロールを使って全員が集まれるような広場を作った。
「全員集合!」
街道の端等で休憩していたリンクル族や狼衆が周囲に集まってきた。
全員が集合したのを確認して、今回の作戦を伝えることにした。
「全員居るね、これから敵陣を襲います。1つめ作戦は火魔法を得意とする10人以外は先ほどの街道の左右にある木々の影に隠れてください、自分を含めた10人は敵陣をに火魔法を使って襲います。相手を討つことは考えずテントや兵糧に火が付けばいいです。そのうち自分たちに気づいた兵達が出てくるからうまい具合に逃げて仲間が隠れている所まで誘導、十分に誘導し終えたら反転して出てきた兵達を皆で叩く!これが今回のメイン策かな」
少数で多勢に勝つには取れる手段が限られてくる、幸いここは街道の両脇が森という大軍を運用するには不向きな地形だ、まずは敵陣を襲い混乱を誘い、誘い出てきた兵達を伏兵で討伐する、自分が憧れ、出身地である鹿児島の大名が得意とした釣り野伏せ作戦だ。
「御使い様質問です!敵陣に居る兵が皆追ってくるとは限らないのではないでしょうか?」
「3000の兵全部が誘いに乗ってくることはないでしょうね、良くて100とか200でしょうね」
「それだけで勝てるのでしょうか?」
もちろんそれだけで勝てると思っていない、そこで休憩中に準備したやつだ、リンクル騎兵の中にいるシャドーウルフの毛を使ってダミーのシャドーウルフ死体を作り奴らの陣の目立つところに放置してきたのだ。
シャドーウルフが厄災と言われる理由、“シャドーウルフは仲間が殺されると報復に来る“この説に乗っかる為だ、今頃敵陣の中ではシャドーウルフに襲われるかもしれないとか、誰がシャドーウルフを殺したのか等の戦以外の事に気を取られてもらう為だ、冷静な判断が出来なくなるには十分な策だろう。
そしてその策は上手くいっているらしく、ヒスイから敵陣内で責任のなすりつけや、シャドーウルフの襲撃に神経を使っているものが多数いると聞いた。
「もちろんそれだけで勝てないでしょう、そして次の手です。誘いだした兵達が陣を離れた後、合図を送った後新しく仲間になったブラックウルフ達に影渡りを使い敵陣を襲ってもらいます」
「ブラックウルフですか?」
「えぇ、子どもや母狼を除いて21匹で襲ってもらいます。もちろんこれも敵全員を討つことを考えなくていいです。敵陣のさらなる混乱を誘う為の策です」
「敵陣の中は混乱するでしょうが……」
「まぁまだ次があります。最初の誘導してみんなで襲う際に、逃げる者達が居ると思います。直ぐに追わず戦っている敵兵を片付けてから全員で敵陣に向かいます。その際敵陣の周りの森に火を放ってください、陣に逃げ込む兵と、狼に襲われ対応中の人、そして森の火事合わさったらどうなるかな?」
「敵陣横の森で火災が起き、逃げ込む兵に、狼襲撃に対応している兵……、ひどい事になりそうですね」
統率の取れていない大混乱中の兵達を後は各個撃破すればいいだけだ。
「そう、そして今は夜、彼等の陣の横には大きな川が流れているとくれば……」
「川の方に逃げ落ちる者達が……」
ここで彼らが背水の陣という状態が活きてくる。
「そうですね、ここまでくれば、だいぶ敵兵は削れると思いますよ。」
「なんだか勝てそうな気がしてきました!」
「ちなみにですが、全員で敵陣を襲う際合図をするのでブラックウルフ達はモリソン側の街道までいったん引いて逃げてきた者達の対応をしてくださいね」
「「「「「ウォン」」」」」
いくつもの手を考えるのは本当に救命医時代から変わらないな、最悪の状態にならないように願いつつ、策が上手くはまってくれるといいな。
休憩中に自分はある作戦の準備を済ませた。この準備が不要になるかどうかは分からないが……、敵陣に近づいたおかげで得た情報もある川の方に小さな船着き場が2つあり、どちらも100人位は乗れそうな船が停まっていた。
リンクル族の子達も休憩は済んだだろう、作戦実行するか。
通ってきた道にいったん戻りガイアコントロールを使って全員が集まれるような広場を作った。
「全員集合!」
街道の端等で休憩していたリンクル族や狼衆が周囲に集まってきた。
全員が集合したのを確認して、今回の作戦を伝えることにした。
「全員居るね、これから敵陣を襲います。1つめ作戦は火魔法を得意とする10人以外は先ほどの街道の左右にある木々の影に隠れてください、自分を含めた10人は敵陣をに火魔法を使って襲います。相手を討つことは考えずテントや兵糧に火が付けばいいです。そのうち自分たちに気づいた兵達が出てくるからうまい具合に逃げて仲間が隠れている所まで誘導、十分に誘導し終えたら反転して出てきた兵達を皆で叩く!これが今回のメイン策かな」
少数で多勢に勝つには取れる手段が限られてくる、幸いここは街道の両脇が森という大軍を運用するには不向きな地形だ、まずは敵陣を襲い混乱を誘い、誘い出てきた兵達を伏兵で討伐する、自分が憧れ、出身地である鹿児島の大名が得意とした釣り野伏せ作戦だ。
「御使い様質問です!敵陣に居る兵が皆追ってくるとは限らないのではないでしょうか?」
「3000の兵全部が誘いに乗ってくることはないでしょうね、良くて100とか200でしょうね」
「それだけで勝てるのでしょうか?」
もちろんそれだけで勝てると思っていない、そこで休憩中に準備したやつだ、リンクル騎兵の中にいるシャドーウルフの毛を使ってダミーのシャドーウルフ死体を作り奴らの陣の目立つところに放置してきたのだ。
シャドーウルフが厄災と言われる理由、“シャドーウルフは仲間が殺されると報復に来る“この説に乗っかる為だ、今頃敵陣の中ではシャドーウルフに襲われるかもしれないとか、誰がシャドーウルフを殺したのか等の戦以外の事に気を取られてもらう為だ、冷静な判断が出来なくなるには十分な策だろう。
そしてその策は上手くいっているらしく、ヒスイから敵陣内で責任のなすりつけや、シャドーウルフの襲撃に神経を使っているものが多数いると聞いた。
「もちろんそれだけで勝てないでしょう、そして次の手です。誘いだした兵達が陣を離れた後、合図を送った後新しく仲間になったブラックウルフ達に影渡りを使い敵陣を襲ってもらいます」
「ブラックウルフですか?」
「えぇ、子どもや母狼を除いて21匹で襲ってもらいます。もちろんこれも敵全員を討つことを考えなくていいです。敵陣のさらなる混乱を誘う為の策です」
「敵陣の中は混乱するでしょうが……」
「まぁまだ次があります。最初の誘導してみんなで襲う際に、逃げる者達が居ると思います。直ぐに追わず戦っている敵兵を片付けてから全員で敵陣に向かいます。その際敵陣の周りの森に火を放ってください、陣に逃げ込む兵と、狼に襲われ対応中の人、そして森の火事合わさったらどうなるかな?」
「敵陣横の森で火災が起き、逃げ込む兵に、狼襲撃に対応している兵……、ひどい事になりそうですね」
統率の取れていない大混乱中の兵達を後は各個撃破すればいいだけだ。
「そう、そして今は夜、彼等の陣の横には大きな川が流れているとくれば……」
「川の方に逃げ落ちる者達が……」
ここで彼らが背水の陣という状態が活きてくる。
「そうですね、ここまでくれば、だいぶ敵兵は削れると思いますよ。」
「なんだか勝てそうな気がしてきました!」
「ちなみにですが、全員で敵陣を襲う際合図をするのでブラックウルフ達はモリソン側の街道までいったん引いて逃げてきた者達の対応をしてくださいね」
「「「「「ウォン」」」」」
いくつもの手を考えるのは本当に救命医時代から変わらないな、最悪の状態にならないように願いつつ、策が上手くはまってくれるといいな。
17
お気に入りに追加
2,898
あなたにおすすめの小説
【R18】清掃員加藤望、社長の弱みを握りに来ました!
Bu-cha
恋愛
ずっと好きだった初恋の相手、社長の弱みを握る為に頑張ります!!にゃんっ♥
財閥の分家の家に代々遣える“秘書”という立場の“家”に生まれた加藤望。
”秘書“としての適正がない”ダメ秘書“の望が12月25日の朝、愛している人から連れてこられた場所は初恋の男の人の家だった。
財閥の本家の長男からの指示、”星野青(じょう)の弱みを握ってくる“という仕事。
財閥が青さんの会社を吸収する為に私を任命した・・・!!
青さんの弱みを握る為、“ダメ秘書”は今日から頑張ります!!
関連物語
『お嬢様は“いけないコト”がしたい』
『“純”の純愛ではない“愛”の鍵』連載中
『雪の上に犬と猿。たまに男と女。』
エブリスタさんにて恋愛トレンドランキング最高11位
『好き好き大好きの嘘』
エブリスタさんにて恋愛トレンドランキング最高36位
『約束したでしょ?忘れちゃった?』
エブリスタさんにて恋愛トレンドランキング最高30位
※表紙イラスト Bu-cha作
【R18】溺愛される公爵令嬢は鈍すぎて王子の腹黒に気づかない
かぐや
恋愛
公爵令嬢シャルロットは、まだデビューしていないにも関わらず社交界で噂になる程美しいと評判の娘であった。それは子供の頃からで、本人にはその自覚は全く無いうえ、純真過ぎて幾度も簡単に拐われかけていた。幼少期からの婚約者である幼なじみのマリウス王子を始め、周りの者が
シャルロットを護る為いろいろと奮闘する。そんなお話になる予定です。溺愛系えろラブコメです。
女性が少なく子を増やす為、性に寛容で一妻多夫など婚姻の形は多様。女性大事の世界で、体も中身もかなり早熟の為13歳でも16.7歳くらいの感じで、主人公以外の女子がイケイケです。全くもってえっちでけしからん世界です。
設定ゆるいです。
出来るだけ深く考えず気軽〜に読んで頂けたら助かります。コメディなんです。
ちょいR18には※を付けます。
本番R18には☆つけます。
※直接的な表現や、ちょこっとお下品な時もあります。あとガッツリ近親相姦や、複数プレイがあります。この世界では家族でも親以外は結婚も何でもありなのです。ツッコミ禁止でお願いします。
苦手な方はお戻りください。
基本、溺愛えろコメディなので主人公が辛い事はしません。
忍を食らわば骨までも
にじいろ♪
BL
BL&R18です。
ポンコツ天然忍 ✕ お殿様
どっちもどっちな二人が繰り広げる、時代劇風純愛コメディ?
三人目も登場します。
いわゆる3Pあり。
短めになります。
これがエロかどうか+ツッコミ役は、もはや読者様に委ねたいと思います。
小説家になろう様でも同設定で投稿しておりますが、設定以外は大幅に変更しておりますので、ほぼ別物です。
寝る直前の寝ぼけた半目でご覧下さい。
にじいろ♪
【R-18】踊り狂えその身朽ちるまで
あっきコタロウ
恋愛
投稿小説&漫画「そしてふたりでワルツを(http://www.alphapolis.co.jp/content/cover/630048599/)」のR-18外伝集。
連作のつもりだけどエロだから好きな所だけおつまみしてってください。
ニッチなものが含まれるのでまえがきにてシチュ明記。苦手な回は避けてどうぞ。
IF(7話)は本編からの派生。
ストーカーはいけません。いいえ、仕事ですから
もずく酢
ファンタジー
かつての英雄達の物語を書いた世界的にも有名な両親の子供である青年レターは、両親の死から数年後に突然国王に呼び出され数日中に召喚する勇者の物語を書けと言われた。
そして勇者との恋に憧れていた王女の思いとは裏腹に召喚された勇者は女性だった。
そして実は勇者以上にチートに強い青年レターは自分の作る話にいらない敵をバッタバッタと倒していく。
最初は険悪だった青年レターと女勇者はいつの間に仲良くなっていき、そしてそこに青年レターが強いことを知った王女が思いを寄せていく。
メインで書いている話では無いので更新は不定期です。
月一くらいで更新が出来たらいいな~と考えています。
小説家になろうにも重複で載せています。
ほらやっぱり、結局貴方は彼女を好きになるんでしょう?
望月 或
恋愛
ベラトリクス侯爵家のセイフィーラと、ライオロック王国の第一王子であるユークリットは婚約者同士だ。二人は周りが羨むほどの相思相愛な仲で、通っている学園で日々仲睦まじく過ごしていた。
ある日、セイフィーラは落馬をし、その衝撃で《前世》の記憶を取り戻す。ここはゲームの中の世界で、自分は“悪役令嬢”だということを。
転入生のヒロインにユークリットが一目惚れをしてしまい、セイフィーラは二人の仲に嫉妬してヒロインを虐め、最後は『婚約破棄』をされ修道院に送られる運命であることを――
そのことをユークリットに告げると、「絶対にその彼女に目移りなんてしない。俺がこの世で愛しているのは君だけなんだ」と真剣に言ってくれたのだが……。
その日の朝礼後、ゲームの展開通り、ヒロインのリルカが転入してくる。
――そして、セイフィーラは見てしまった。
目を見開き、頬を紅潮させながらリルカを見つめているユークリットの顔を――
※作者独自の世界設定です。ゆるめなので、突っ込みは心の中でお手柔らかに願います……。
※たまに第三者視点が入ります。(タイトルに記載)
微妙なバフなどもういらないと追放された補助魔法使い、バフ3000倍で敵の肉体を内部から破壊して無双する
こげ丸
ファンタジー
「微妙なバフなどもういらないんだよ!」
そう言われて冒険者パーティーを追放されたフォーレスト。
だが、仲間だと思っていたパーティーメンバーからの仕打ちは、それだけに留まらなかった。
「もうちょっと抵抗頑張んないと……妹を酷い目にあわせちゃうわよ?」
窮地に追い込まれたフォーレスト。
だが、バフの新たな可能性に気付いたその時、復讐はなされた。
こいつら……壊しちゃえば良いだけじゃないか。
これは、絶望の淵からバフの新たな可能性を見いだし、高みを目指すに至った補助魔法使いフォーレストが最強に至るまでの物語。
【R18】両想いでいつもいちゃいちゃしてる幼馴染の勇者と魔王が性魔法の自習をする話
みやび
恋愛
タイトル通りのエロ小説です。
「両想いでいつもいちゃいちゃしてる幼馴染の勇者と魔王が初めてのエッチをする話」
https://www.alphapolis.co.jp/novel/902071521/575414884/episode/3378453
の続きです。
ほかのエロ小説は「タイトル通りのエロ小説シリーズ」まで
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる