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王都ヴェンダル
第88話 武術会幼年の部予選
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両親と久々に会い会話に花を咲かせた翌朝。
『起きて!そろそろ会場に向かわないと不戦敗になっちゃうよ?』
ん、布団からでて出かける準備をした。
『2人は?』
『2人とも起きているよ』
自分だけ寝坊か、1階に降りると、母親が朝食の準備をしていた。夕べ使い方を教えたばかりなのに様々な調理家電を使いこなしていた。
「冷蔵庫に入っているものを適当に使わせてもらったわよ」
「どうぞどうぞ、自分もう少ししたら大会始まるらしいからもう行くよ」
「ん~ご飯くらい食べていけばいいのに~」
「もうそんな時間なのか、そろそろ私らもいこうか」
「そうね」
母親は、ささと台所を片付けてすぐに出発準備を整えた。
「父さん達も一緒に出よう」
「了解」
両親が出たのを確認し、玄関に鍵をかけた。
「それじゃあ先に行くね」
「気を付けてね~」
行動速度上昇と縮地を使い、闘技場まで急いだ。
闘技場に着くと、既に予選の組み合わせが発表されていた。
内容を見ると、14~16人1組でのバトルロワイヤルそれが8組あり、各組の上位1人が翌日のトーナメント参加となっていた。
青年部門・騎士団部門ともに同じような内容だった。いくつか気になる事がある。青年部門に妖狐族の女性と同じ名前のリースの名前があった。
そして騎士団部門にはオスカーの名前があった。
幼年部門はともかく、青年部門と騎士団部門は楽して優勝できなさそうだ、それはそれで楽しめると思った。
係の人の案内に従い選手の控室と思しき所に通された。
控室の壁に貼られている物を見ていると、ルールと予選の組分けが記されていた。
ルールは単純で、リング外に落ちたり、リング上で死につながるダメージを受けた時点でリング外に飛ばされ失格らしい。
予選は、8組目のグループに割り当てられていることが分かった。
名前の横に所属が書いてあるが、自分以外が王都の学園生だという事が判明した。
辺りを見ると殆どの子ども達が学園の制服を着ていた。
自分は先日チェルシーが買ってきてくれた冒険者風の服に皮の胸当てという軽装備だった。
学生用のイベントな気がして乱入状態だけどいいのかなと少し不安になった。
すでに始まっているらしく係の人に呼ばれていなくなっていく、待てど待てど、自分の番がこない、本当に登録できているのかなと思った。
控室に居る人を見るとギリギリ幼年部門なのかなと思える中学生位と思える人だけだった。
ただこの部屋には自分を含めて3人しか居ない、複数に分かれているのかな?
「ナット君、出番ですよ案内するのでついてきてください、使う武器を出して大丈夫ですよ」
「はい~」
かつては母親が使っていた十文字槍を取り出した。
「長いね~武器に振り回されたりしない?」
「ん~大丈夫ですかね~」
後ろの方から“あんなの子どもが振り回せるわけねーじゃん”とか“ププ”とか笑い声が聞こえたが気にしない。ほかの2人も一緒に呼ばれていたのか、係の人についていくと、外が見えてきた。そしてリングと思える壁も見えてきた。
「案内はここまで、各自リング上に上がってくださいね」
「はい~」
返事したのは自分だけで、2人の学生は返事せずに“フン”とか生意気な事をやっていた。
可愛くないやつら……、まぁ中学生位って生意気盛りかこんなものかなと思った。
「おじさんは、君に掛けているからねがんばれ!」
係の人がこんなこと言って良いのか?とりあえず係のおじさんに手を振ってリング上に縮地で飛び乗った。
「さぁ~これで8組目全選手が出揃いました。今回この大会最年少のナット君に注目です!5歳でBランク冒険者!幼年の部優勝候補です!」
そう言うこと言うのやめません!?
リング上に居るのはみんな中学生位に見えるんだけど、みんなこっちを睨んでいるんだけど!小学1年生VS中学生ってどうなのこれ!
『ここってさ下手したら死ぬ?』
『死なないよ、致命傷のダメージ受けたらリング外にはじかれてリングに上がる直前の状態に戻る、だから容赦なくやって大丈夫だよ』
先の説明に会った通りか、そのシステムの構造が気になったWEB小説なんかに出てくるアーティファクトとかそういうのかな?
『そうなの?そんな闘技場なんてあるの?』
『うん、この闘技場自体が天神エルメダ様と地神ソラリス様が作った神具なんだよ』
どういう目的で作ったのか気になるが、兵士の鍛錬の為だと思いたい。
リング上の人が拡声魔法か何かで選手紹介をしているので、観客を見渡してみた。豪華な特等席と思しき所にリリィがいた。そして観客席に、両親とアヴェナラ侯爵一家、アマネとオスカーの姿を見つけそれぞれに手を振ってみた。皆気づいてくれて手を振り返してくれた。チェルシーが居ないけど、子ども達の対応中かな?
我ながら子どもっぽい演技完璧だな!と思った。
「さぁ~それで始めましょう!8組目バトルロワイヤル!レディーファィト!」
自分の紹介内容が悪かった。中学生くらいの兄ちゃんや姉ちゃんらが一斉にこちらに向け魔法詠唱をはじめ3人がこちらに襲い掛かってきた。
見た目的に弱い者いじめだと思うんだよね……、寄ってたかって5歳児に集中攻撃する中学生ってどうなのさ……、
こちらに近くにきた学生達相手に、母直伝の槍術を披露する、体格上、身体の左右前後で槍を振り回す事が出来ないので、頭上や自分の身体を軸に槍を振り回しながら相手をした。
厄介な事に、近寄ってきた3人は密集せずにばらけた。
槍の真ん中あたりを持つ事で間合いが狭くなるが、返しが早くなるのでばらけた3人に対応しやすくした。
問題は上への切り上げが大してできないという……、近くに来ている3人を相手にしながら頭上から降り注ぐ矢と魔法が非常に厄介だ、避けたりしていたが鬱陶しい!
矢や魔法の攻撃軌道上から逃れながら、3人の間の抜け背後から1人突き刺した。
そのまま魔法や弓等の中距離・遠距離攻撃をしてくる連中をめがけて走り、一番手前に居る弓を構えた子に槍を投げて突き刺し、投げた槍を拾いつつ残りの奴らに突きや薙ぎ払いで数を減らしていった。
弓でも魔法でも近接戦闘スキル無いと間合い詰められたら終わりだなぁと思った。
残り2人、最初に自分に近寄ってきた3人のうちの2人だけになった。
『子ども相手に容赦ないねぇ~槍投げて突き刺さった子とかトラウマになってないか心配!』
『他人に刃を向けるということはそう言う事でしょ、そんな覚悟無くしてここには立たないでしょ』
『そうだろうけど、実戦慣れしているナットと、素人同然の彼等じゃぁ格が違うよ?』
多分、騎士団部門でオスカーと対したときに、自分がそれを味わう気がしている。
向こうは元とはいえプロの軍人だ、一方自分は習い事で格闘技をやっていた医者だからな。
『まぁ、子どもだからと言って侮るとこうなるって事を、身をもって体験してもらったって事で……』
『虐め良くない!』
『ハイハイ』
もう一度槍投げで1人キルして槍を拾わずに、縮地からの顎下めがけて掌底をお見舞いしてあげた。
『縮地使うとか~』
『ハイハイ』
「勝者ナット~!最年少でB級になった実力を見せつけてくれました!」
会場は、“わぁ~~”とか歓声があって盛り上がっているが、個人的には、ん~面白くないな~もっと強い相手が欲しいと思った。
予選が終わり家に帰るとオスカーが待っていた。
「ありゃやり過ぎだろ」
「いや~なんか色々な相手のやり方とか見たくって」
「その考えは分かるがな……、せめて武器無でやったらどうだ?」
武器無ね、あまり変わらない気がする。
「そういやオスカーもエントリーしてるの?」
「あぁ、お前が参加するなら楽しめそうだと思ってな、ところで青年の部にフォックスマンとかふざけた奴がいたけどおまえか?」
「ナンノコトデショ?」
「はぁ、やっぱりか、そんなに戦いたいならこれからギルドの地下で久々にアマネとやるんだが、お前も来るか?」
面白そうなイベントが発生していた。
「是非!」
「だろうな、んじゃ行こうか」
「あ~親はどうしよう……」
明日は鍵預けておくかな?
「ん、サントなら地下オークションの警備依頼を受けていたからまだ帰ってこないだろ。カレンもオークションに出品するものがあるらしくてそれが終わるまで帰ってこないだろ。」
冒険者復帰したのか、槍返そうかな~自分じゃあまり使わないし、それよりも何を出品したんだろ……?
「そうなのか、んじゃ2人が帰ってくるまでお願いします~」
「んじゃ行くぞ」
その後、オスカーとアマネと3人で体術の訓練をした。オスカーの格闘ゲー模倣は反則だと思った。
攻撃が重い、戦いのプロだとこんなにも違うのかと思える重さだった。
翌日の決勝には参加せず、両親が村に戻ると言い出したので、露店巡りをして色々な物を買ってあげた。
もちろんミアンと2人の子ども達へのお土産も大量に持たせた。
「ナット、元気で暮らせよ、今はミアンの所に居るから何かあったらミアンの所に来てくれ」
「村は?」
「最近は、ミアンの所で作られた薬草やポーションを近くの街に売りに行っているんだよ。今回も貴重な薬草と薬をオークションに出品するために王都に来たんだ、また来年も来ると思うぞ」
ブルーローズとか高値で売れそうだしね……
「了解、母さんにはこれを」
グアーラから預かった十文字槍だ。
「ナットが使ってってもいいんだよ?」
「いや、必要になれば自分で作るよ。母さんたちが冒険者に戻ったなら必要でしょ」
「そうね、ならありがたく受け取ります」
十文字槍を母親に返した。
「んじゃ最後に、ミアンにもこれを渡してくれる?」
最後にミアンには子ども達の養育費とかを含めて白銀貨10枚を入れた包みを渡すように依頼した。
「こんなにか、」
「一応S級だしね、それなりに稼ぎはあるから子ども達の将来の為に使ってくれるとありがたい、もしかしたらまた子どもを送るかもしれないしさ。」
「わかったすべて子ども達の為に使うと誓おう」
「うん、お願いします」
「それじゃあ、カレンそろそろ行こうか」
「そうね、ナットも元気でね」
手を振って両親が見えなくなるまで見送った。
『起きて!そろそろ会場に向かわないと不戦敗になっちゃうよ?』
ん、布団からでて出かける準備をした。
『2人は?』
『2人とも起きているよ』
自分だけ寝坊か、1階に降りると、母親が朝食の準備をしていた。夕べ使い方を教えたばかりなのに様々な調理家電を使いこなしていた。
「冷蔵庫に入っているものを適当に使わせてもらったわよ」
「どうぞどうぞ、自分もう少ししたら大会始まるらしいからもう行くよ」
「ん~ご飯くらい食べていけばいいのに~」
「もうそんな時間なのか、そろそろ私らもいこうか」
「そうね」
母親は、ささと台所を片付けてすぐに出発準備を整えた。
「父さん達も一緒に出よう」
「了解」
両親が出たのを確認し、玄関に鍵をかけた。
「それじゃあ先に行くね」
「気を付けてね~」
行動速度上昇と縮地を使い、闘技場まで急いだ。
闘技場に着くと、既に予選の組み合わせが発表されていた。
内容を見ると、14~16人1組でのバトルロワイヤルそれが8組あり、各組の上位1人が翌日のトーナメント参加となっていた。
青年部門・騎士団部門ともに同じような内容だった。いくつか気になる事がある。青年部門に妖狐族の女性と同じ名前のリースの名前があった。
そして騎士団部門にはオスカーの名前があった。
幼年部門はともかく、青年部門と騎士団部門は楽して優勝できなさそうだ、それはそれで楽しめると思った。
係の人の案内に従い選手の控室と思しき所に通された。
控室の壁に貼られている物を見ていると、ルールと予選の組分けが記されていた。
ルールは単純で、リング外に落ちたり、リング上で死につながるダメージを受けた時点でリング外に飛ばされ失格らしい。
予選は、8組目のグループに割り当てられていることが分かった。
名前の横に所属が書いてあるが、自分以外が王都の学園生だという事が判明した。
辺りを見ると殆どの子ども達が学園の制服を着ていた。
自分は先日チェルシーが買ってきてくれた冒険者風の服に皮の胸当てという軽装備だった。
学生用のイベントな気がして乱入状態だけどいいのかなと少し不安になった。
すでに始まっているらしく係の人に呼ばれていなくなっていく、待てど待てど、自分の番がこない、本当に登録できているのかなと思った。
控室に居る人を見るとギリギリ幼年部門なのかなと思える中学生位と思える人だけだった。
ただこの部屋には自分を含めて3人しか居ない、複数に分かれているのかな?
「ナット君、出番ですよ案内するのでついてきてください、使う武器を出して大丈夫ですよ」
「はい~」
かつては母親が使っていた十文字槍を取り出した。
「長いね~武器に振り回されたりしない?」
「ん~大丈夫ですかね~」
後ろの方から“あんなの子どもが振り回せるわけねーじゃん”とか“ププ”とか笑い声が聞こえたが気にしない。ほかの2人も一緒に呼ばれていたのか、係の人についていくと、外が見えてきた。そしてリングと思える壁も見えてきた。
「案内はここまで、各自リング上に上がってくださいね」
「はい~」
返事したのは自分だけで、2人の学生は返事せずに“フン”とか生意気な事をやっていた。
可愛くないやつら……、まぁ中学生位って生意気盛りかこんなものかなと思った。
「おじさんは、君に掛けているからねがんばれ!」
係の人がこんなこと言って良いのか?とりあえず係のおじさんに手を振ってリング上に縮地で飛び乗った。
「さぁ~これで8組目全選手が出揃いました。今回この大会最年少のナット君に注目です!5歳でBランク冒険者!幼年の部優勝候補です!」
そう言うこと言うのやめません!?
リング上に居るのはみんな中学生位に見えるんだけど、みんなこっちを睨んでいるんだけど!小学1年生VS中学生ってどうなのこれ!
『ここってさ下手したら死ぬ?』
『死なないよ、致命傷のダメージ受けたらリング外にはじかれてリングに上がる直前の状態に戻る、だから容赦なくやって大丈夫だよ』
先の説明に会った通りか、そのシステムの構造が気になったWEB小説なんかに出てくるアーティファクトとかそういうのかな?
『そうなの?そんな闘技場なんてあるの?』
『うん、この闘技場自体が天神エルメダ様と地神ソラリス様が作った神具なんだよ』
どういう目的で作ったのか気になるが、兵士の鍛錬の為だと思いたい。
リング上の人が拡声魔法か何かで選手紹介をしているので、観客を見渡してみた。豪華な特等席と思しき所にリリィがいた。そして観客席に、両親とアヴェナラ侯爵一家、アマネとオスカーの姿を見つけそれぞれに手を振ってみた。皆気づいてくれて手を振り返してくれた。チェルシーが居ないけど、子ども達の対応中かな?
我ながら子どもっぽい演技完璧だな!と思った。
「さぁ~それで始めましょう!8組目バトルロワイヤル!レディーファィト!」
自分の紹介内容が悪かった。中学生くらいの兄ちゃんや姉ちゃんらが一斉にこちらに向け魔法詠唱をはじめ3人がこちらに襲い掛かってきた。
見た目的に弱い者いじめだと思うんだよね……、寄ってたかって5歳児に集中攻撃する中学生ってどうなのさ……、
こちらに近くにきた学生達相手に、母直伝の槍術を披露する、体格上、身体の左右前後で槍を振り回す事が出来ないので、頭上や自分の身体を軸に槍を振り回しながら相手をした。
厄介な事に、近寄ってきた3人は密集せずにばらけた。
槍の真ん中あたりを持つ事で間合いが狭くなるが、返しが早くなるのでばらけた3人に対応しやすくした。
問題は上への切り上げが大してできないという……、近くに来ている3人を相手にしながら頭上から降り注ぐ矢と魔法が非常に厄介だ、避けたりしていたが鬱陶しい!
矢や魔法の攻撃軌道上から逃れながら、3人の間の抜け背後から1人突き刺した。
そのまま魔法や弓等の中距離・遠距離攻撃をしてくる連中をめがけて走り、一番手前に居る弓を構えた子に槍を投げて突き刺し、投げた槍を拾いつつ残りの奴らに突きや薙ぎ払いで数を減らしていった。
弓でも魔法でも近接戦闘スキル無いと間合い詰められたら終わりだなぁと思った。
残り2人、最初に自分に近寄ってきた3人のうちの2人だけになった。
『子ども相手に容赦ないねぇ~槍投げて突き刺さった子とかトラウマになってないか心配!』
『他人に刃を向けるということはそう言う事でしょ、そんな覚悟無くしてここには立たないでしょ』
『そうだろうけど、実戦慣れしているナットと、素人同然の彼等じゃぁ格が違うよ?』
多分、騎士団部門でオスカーと対したときに、自分がそれを味わう気がしている。
向こうは元とはいえプロの軍人だ、一方自分は習い事で格闘技をやっていた医者だからな。
『まぁ、子どもだからと言って侮るとこうなるって事を、身をもって体験してもらったって事で……』
『虐め良くない!』
『ハイハイ』
もう一度槍投げで1人キルして槍を拾わずに、縮地からの顎下めがけて掌底をお見舞いしてあげた。
『縮地使うとか~』
『ハイハイ』
「勝者ナット~!最年少でB級になった実力を見せつけてくれました!」
会場は、“わぁ~~”とか歓声があって盛り上がっているが、個人的には、ん~面白くないな~もっと強い相手が欲しいと思った。
予選が終わり家に帰るとオスカーが待っていた。
「ありゃやり過ぎだろ」
「いや~なんか色々な相手のやり方とか見たくって」
「その考えは分かるがな……、せめて武器無でやったらどうだ?」
武器無ね、あまり変わらない気がする。
「そういやオスカーもエントリーしてるの?」
「あぁ、お前が参加するなら楽しめそうだと思ってな、ところで青年の部にフォックスマンとかふざけた奴がいたけどおまえか?」
「ナンノコトデショ?」
「はぁ、やっぱりか、そんなに戦いたいならこれからギルドの地下で久々にアマネとやるんだが、お前も来るか?」
面白そうなイベントが発生していた。
「是非!」
「だろうな、んじゃ行こうか」
「あ~親はどうしよう……」
明日は鍵預けておくかな?
「ん、サントなら地下オークションの警備依頼を受けていたからまだ帰ってこないだろ。カレンもオークションに出品するものがあるらしくてそれが終わるまで帰ってこないだろ。」
冒険者復帰したのか、槍返そうかな~自分じゃあまり使わないし、それよりも何を出品したんだろ……?
「そうなのか、んじゃ2人が帰ってくるまでお願いします~」
「んじゃ行くぞ」
その後、オスカーとアマネと3人で体術の訓練をした。オスカーの格闘ゲー模倣は反則だと思った。
攻撃が重い、戦いのプロだとこんなにも違うのかと思える重さだった。
翌日の決勝には参加せず、両親が村に戻ると言い出したので、露店巡りをして色々な物を買ってあげた。
もちろんミアンと2人の子ども達へのお土産も大量に持たせた。
「ナット、元気で暮らせよ、今はミアンの所に居るから何かあったらミアンの所に来てくれ」
「村は?」
「最近は、ミアンの所で作られた薬草やポーションを近くの街に売りに行っているんだよ。今回も貴重な薬草と薬をオークションに出品するために王都に来たんだ、また来年も来ると思うぞ」
ブルーローズとか高値で売れそうだしね……
「了解、母さんにはこれを」
グアーラから預かった十文字槍だ。
「ナットが使ってってもいいんだよ?」
「いや、必要になれば自分で作るよ。母さんたちが冒険者に戻ったなら必要でしょ」
「そうね、ならありがたく受け取ります」
十文字槍を母親に返した。
「んじゃ最後に、ミアンにもこれを渡してくれる?」
最後にミアンには子ども達の養育費とかを含めて白銀貨10枚を入れた包みを渡すように依頼した。
「こんなにか、」
「一応S級だしね、それなりに稼ぎはあるから子ども達の将来の為に使ってくれるとありがたい、もしかしたらまた子どもを送るかもしれないしさ。」
「わかったすべて子ども達の為に使うと誓おう」
「うん、お願いします」
「それじゃあ、カレンそろそろ行こうか」
「そうね、ナットも元気でね」
手を振って両親が見えなくなるまで見送った。
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