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王都ヴェンダル
第80話 第2王女リリィ
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翌朝、商業ギルドに向かうために外に出ると家の周りには人だかりができていた。
瓦礫の山から見慣れない1軒屋が出来ていたら誰もが気になるか、帰ってきたら何か対策するかな、そう思っているとオスカーの車が庭の横に止まった。
「直人、商業ギルドに行くぞ」
王女の治療にオスカーも来るの?と疑問が湧いたが、王都内を運転してくれる人居るならそれでもいいか、と深く考えずにいた。
王都初日同様のルートを通り商業ギルドへ向かった。
商業ギルドの前には既にチェルシーが待っていた。
「もう待っているんですね」
「そりゃなぁ出る前に連絡入れておいたからな」
オスカーがチェルシーの元に駆け寄った。
「待たせたな、直人を連れてきたぞ」
「あんまり待ってないから気にしないで、連れてきてくれてありがとうね」
「あぁ気にすんな」
なんて言うか、デートの待ち合わせかなとか思った。
「おはようございます~」
「直人おはよう~それじゃあ行こうか」
大通りは人があふれていたが貴族街に入ると静かになった。
「この先に裏門があるんだよ、そっちからならリリィが居る離宮まで近いんだよね」
「自分らが訪問する事とか事前に言わなくていいんですか?」
「大丈夫だよ、定期的に面会しているし、2人が増えたところで特に問題はないかな」
そう言うものなのか?
まぁいいか、と思いつつ2人の後について行った。
王都を囲む城壁が近くまで迫ってくると、小さな入口があった。そこには門番が1人立っていた。
「グリンさん、こんにちは~今日はこの2人もお願いします。」
「こんにちは、チェルシーさん今日はずいぶん若く見えますよ、後ろの2人は身分証明を見せてもらってもいいですか?」
「ふふ、ありがとう」
そりゃ若返っているからね、オスカーが先に冒険者カードを出していた。自分もオスカーに倣い普通の冒険者カードをだした。
「確認しました。どうぞお通りください」
「ありがとう」
チェルシーが応え王城の敷地内に入った。
敷地内に入ると西洋風の城が嫌でも目に入る下から上まで見上げていると、
「直人は、こういった城を見るのは初めてか?」
「そうですね、生前も西洋の城は見た事ありませんでしたから」
「凄いよな~」
「ですね~離れたところから城全体が見てみたいですね」
「南門の上から見るといいかもしれんな」
城を見上げオスカーと雑談していると、
「2人とも行くよ」
「へい」「はい」
少し歩くと上から見たら八角形?と思える2階建ての建物についた。チェルシーが扉をノックした。
「チェルシーです。今日は友達を連れてきました」
しばらくすると、メイド服の長身の髪の長い女性が出てきた。
「チェルシー様ですか?」
「そうですよ」
そう言いつつ、チェルシーがなにかカードをだしていた。
冒険者カードとは違うな、商業ギルドのか?
「本人のようですね、若返っているみたいですが……」
「まぁちょっと訳あってね、リリィは元気かな?」
「今日は、口数も多いですよ」
「そう、良かった。今日は2人の友人を紹介したくてね」
メイドが、自分とオスカーに目をやり会釈をした。
「かしこまりました。案内しますね」
メイドさんの案内の元一つの部屋に通された。そこにはベッド上で横になっている若い女性がいた。
その女性をみると痩せているというより凄く細く感じた。
「リリィ、元気?」
「チェ……ゲン……」
ん、構音障害か?はっきりと発音でききなくなっている?
「無理しないで、今日はね私が居た世界で神の手を持つ医師と言われた人を連れてきたの」
ん!?
「チェルこの子に転移者ということを話しているのか?」
オスカーがチェルシーに質問していた。
「まぁね、すこしでもリリィを明るい気持ちにさせたくてね、直人頼めるかな?」
「はい、自分は秋津直人と申します。よろしくお願いします。」
「ヨ……シク……」
自分はメイドさんの方に目をやりいくつか質問する事にした。この時点で大体の病名は判断ついていたが確信に変えるために。
「いくつか質問なのですが、食事は問題なく食べられますか?」
「いえ、細かく刻んだものをお出ししています。普通の食事ですと上手く呑み込めないようでしたので。」
嚥下障害ありと、
「今リリィ様はおいくつですか?またいつからそのような状態に?」
「リリィ様は現在16歳になります、約1年前からこのような状態になっています」
ごくまれに若くして発症する人が居ると聞いているが、大体は50代~60代とかだったと記憶している。
「最後ですが、自分のご家族に同じような症状で亡くなった人は居ましたか?」
「そこは私には……」
メイドは把握できていない事か、リリィの方を見ると何か言いたそうだった。
「ソ……ガ……」
祖父が?祖母が?
「お爺さんかお婆さんです?」
「ハ……」
リリィは弱々しくうなずいた。
これは筋萎縮性側索硬化症だ、難病指定されている病気だった。
瓦礫の山から見慣れない1軒屋が出来ていたら誰もが気になるか、帰ってきたら何か対策するかな、そう思っているとオスカーの車が庭の横に止まった。
「直人、商業ギルドに行くぞ」
王女の治療にオスカーも来るの?と疑問が湧いたが、王都内を運転してくれる人居るならそれでもいいか、と深く考えずにいた。
王都初日同様のルートを通り商業ギルドへ向かった。
商業ギルドの前には既にチェルシーが待っていた。
「もう待っているんですね」
「そりゃなぁ出る前に連絡入れておいたからな」
オスカーがチェルシーの元に駆け寄った。
「待たせたな、直人を連れてきたぞ」
「あんまり待ってないから気にしないで、連れてきてくれてありがとうね」
「あぁ気にすんな」
なんて言うか、デートの待ち合わせかなとか思った。
「おはようございます~」
「直人おはよう~それじゃあ行こうか」
大通りは人があふれていたが貴族街に入ると静かになった。
「この先に裏門があるんだよ、そっちからならリリィが居る離宮まで近いんだよね」
「自分らが訪問する事とか事前に言わなくていいんですか?」
「大丈夫だよ、定期的に面会しているし、2人が増えたところで特に問題はないかな」
そう言うものなのか?
まぁいいか、と思いつつ2人の後について行った。
王都を囲む城壁が近くまで迫ってくると、小さな入口があった。そこには門番が1人立っていた。
「グリンさん、こんにちは~今日はこの2人もお願いします。」
「こんにちは、チェルシーさん今日はずいぶん若く見えますよ、後ろの2人は身分証明を見せてもらってもいいですか?」
「ふふ、ありがとう」
そりゃ若返っているからね、オスカーが先に冒険者カードを出していた。自分もオスカーに倣い普通の冒険者カードをだした。
「確認しました。どうぞお通りください」
「ありがとう」
チェルシーが応え王城の敷地内に入った。
敷地内に入ると西洋風の城が嫌でも目に入る下から上まで見上げていると、
「直人は、こういった城を見るのは初めてか?」
「そうですね、生前も西洋の城は見た事ありませんでしたから」
「凄いよな~」
「ですね~離れたところから城全体が見てみたいですね」
「南門の上から見るといいかもしれんな」
城を見上げオスカーと雑談していると、
「2人とも行くよ」
「へい」「はい」
少し歩くと上から見たら八角形?と思える2階建ての建物についた。チェルシーが扉をノックした。
「チェルシーです。今日は友達を連れてきました」
しばらくすると、メイド服の長身の髪の長い女性が出てきた。
「チェルシー様ですか?」
「そうですよ」
そう言いつつ、チェルシーがなにかカードをだしていた。
冒険者カードとは違うな、商業ギルドのか?
「本人のようですね、若返っているみたいですが……」
「まぁちょっと訳あってね、リリィは元気かな?」
「今日は、口数も多いですよ」
「そう、良かった。今日は2人の友人を紹介したくてね」
メイドが、自分とオスカーに目をやり会釈をした。
「かしこまりました。案内しますね」
メイドさんの案内の元一つの部屋に通された。そこにはベッド上で横になっている若い女性がいた。
その女性をみると痩せているというより凄く細く感じた。
「リリィ、元気?」
「チェ……ゲン……」
ん、構音障害か?はっきりと発音でききなくなっている?
「無理しないで、今日はね私が居た世界で神の手を持つ医師と言われた人を連れてきたの」
ん!?
「チェルこの子に転移者ということを話しているのか?」
オスカーがチェルシーに質問していた。
「まぁね、すこしでもリリィを明るい気持ちにさせたくてね、直人頼めるかな?」
「はい、自分は秋津直人と申します。よろしくお願いします。」
「ヨ……シク……」
自分はメイドさんの方に目をやりいくつか質問する事にした。この時点で大体の病名は判断ついていたが確信に変えるために。
「いくつか質問なのですが、食事は問題なく食べられますか?」
「いえ、細かく刻んだものをお出ししています。普通の食事ですと上手く呑み込めないようでしたので。」
嚥下障害ありと、
「今リリィ様はおいくつですか?またいつからそのような状態に?」
「リリィ様は現在16歳になります、約1年前からこのような状態になっています」
ごくまれに若くして発症する人が居ると聞いているが、大体は50代~60代とかだったと記憶している。
「最後ですが、自分のご家族に同じような症状で亡くなった人は居ましたか?」
「そこは私には……」
メイドは把握できていない事か、リリィの方を見ると何か言いたそうだった。
「ソ……ガ……」
祖父が?祖母が?
「お爺さんかお婆さんです?」
「ハ……」
リリィは弱々しくうなずいた。
これは筋萎縮性側索硬化症だ、難病指定されている病気だった。
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