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第五章 ねじ曲がった擬似愛
俺の悶絶
しおりを挟むある種のやり遂げた感に浸ったのは、相手が彩香だったからの例外で、二度とは御免だ。 あの工程は、ありがたみもへったくれも無い、ただただ面倒なだけ。 次があるかは置いても、別の女が『自分は処女』と言えば即刻逃げる。 だがあれ以来、彼女がより従順になったことは実に喜ばしく思う。
(あれだけの大業を果たし、約束も守ってやったんだからな、フッ)
あの日の約束通り、結婚前提の交際相手として両親に紹介したし、向こうの家へも軽くだが挨拶に出向いたので、次には仲人を伴い正式に挨拶に行くつもりで頼めそうな人物を物色している。
部長が適任なんだが『再婚者はゲンが悪い』と母が言うので、その上をとも考えたが派閥なども絡んでくるので社内は諦めた。 母校の恩師も多忙らしい。 今は父の知り合いにお伺いを立てて貰っている。
こちらの進捗は淡々と進んでいるのだが、あっちの方が頓挫していて弱っている。
関係を持った後も初々しさを失わないのは愛おしい反面、生真面目さが抜けず色んな意味で面白味に欠ける。
デートにしてもそうだ。 彩香はデレることをしない。 俺はヤル気満々でいるが食事だけに終わることが多い。 コトに至っても、恥ずかしがって理性を突破らわずにいるからマグロの儘だ。
以前『付き合っている』と周囲に漏らした時もそうだったが、この後に及んでも彼女が態度を崩さない。 こっちも付き合う前のイメージを壊すのが憚られ、いつまで経っても“ 上司と部下の関係 ”から抜け出せないでいる。
(それじゃあ駄目だ!今じゃ足りない。もっとヤリたい。獣みたく求め合いたい!どうすれば……)
『昼は淑女で、夜は娼婦に』と云うが、俺も同感だ。 結婚した後は毎晩抱いて変えていくし、結婚はその為の制度だ。 がそれまで悶々とするのか? 結婚話が拗れては、とセフレ達と早目に手を切ったのは早急過ぎたか?
俺がこんなに誠意を表すのに、彼女が浮ついた言動をするのも問題がある。 あのメールが如実に表している、何が不満なんだ? 嫉妬させたいだけかも知れないが、もしもの事を考えると怒りで血が泡立つ程だ。
(酒の席で酔えば……無防備な彼女のことだから流れで襲われかねない……自責の念で結婚を取り止めたら、待てよ、それで靡いたりするなら……その男を殺してやる。彩香も只じゃ於かない。俺以外の男に犯されるのも惹かれるのも許さない!)
今の俺なら実行してしまいそうだ。 彼女に心底惚れているからな、絶縁して直ぐに別の女に乗り換える等出来ないだろう。 別れを考えると仕事に集中出来なく為る。 あのメールを見てからは、イライラして夜眠れない。 モテ男の俺が一人の女にこんなにもヤキモキさせられるとはな……。 女のマリッジブルーはよく聞くが、男の俺がなりそうだ。
然しだ、不安分子を消し去る、他所に目を向けさせない方法がない訳では無い。 俺も色々と体得しているからな、画は頭の中で描きあげてある。
『俺好みに仕立てる方法』がそれだ。 明日から展開しよう。 彩香には拒否権は与えない。
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