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授業が終わりそのまま昼休みへ突入したため、俺はやっくんと一緒に屋上へ向かった。もちろん道中で謝罪のジュース付きだ。やっくんと自分の分のコーヒー牛乳2本を買い、購買会で購入したパンを食べた。

やっくんは確かに行いが悪いときもあるが、なんだかんだ面倒見が良くて優しさがある子だ。人間関係には敏感なところがあって、態度がキツかったり、物言いが強いことがあるが、あれは全部不安の裏返しである。

「泰宿、タバコ吸っていい?」
「やだ。肺炎になりたくない。受動喫煙反対」
「ちっ…」

やっくんは取り出していたタバコ箱をポケットに仕舞い込むと、ほぼ空になりかけのコーヒー牛乳をズズッと音を立てながら吸った。
そう、やっくんは人の嫌がることはしない。頑固だから反発しちゃうところもあるが、ハッキリとNOと言えば素直に意見を聞いてくれるのだ。…それはやっくんと信頼を築き上げた人限定なところはあるかもしれないけど。

「はぁ…やっぱり木陰で吸うしかねえなぁ」
「校内禁煙だよ、やっくん」
「森の中に入れば校内じゃないから大丈夫。先生たちも吸ってるしさ。俺20歳だから法律も侵してないし」

そう言ってピースしてくるやっくん。
高3になった俺らだけど、やっくんは家庭の事情で3年遅れて高校へ通い出した。よって中学の時は別々だった年上のやっくんと入学式を一緒に行うことになった。やっくんはみんなよりも年が3つ上だからまたそれが馴染み辛い原因なのかもしれないけど、本人は別にそのことについては気にしてないようだし、授業もなんだかんだ真面目に受けてるからいいのではないだろうか。

「泰宿、進路どうすんの?」
「うーん、俺は大学進学かなぁ…。やっくんはやっぱり就職?」
「ん。俺は高卒が欲しかったから高校行ってただけだし、勉強やっぱり好きじゃないしなぁ。早くバイク触りてえ」
「そっか」
「泰宿頑張れよ。俺の方が進路早く決まると思うからさ、就職決まったらお前のこと全然手伝うし、なんならお前が浪人したら俺の部屋に一緒に住もうぜ」
「やっくん、家そもそも隣じゃん。てか浪人する前提やめて!」
「家が隣なだけと一緒に住むのは全然違えだろ。泰宿意外とボサっとしてるからなぁ~、俺が見とかないと」
「はあ~?もうなんなんだよー」
「まあ合格しても一緒に住もうぜ、シェアハウス」
「まあ、いいけどさ」

俺もやっくんと一緒にいるのが1番楽しいし気が楽だ。だから、昼休みもこうして毎日やっくんと一緒にいる。

やっくんがよく俺らって親友だよな?って言うけど、俺もそう思うよ。






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