33 / 61
第三章 魔王と人々
8.置いてきた過去
しおりを挟む
二日ほど族長の家で過ごさせてもらい、珠美とラースはギルドの本部へと向かうことになった。
薬を売りに行くための荷車に乗せてもらったのだが、がたごとと揺れる森の道では舌を噛んでしまいそうで、喋れなかった。
やっと森から抜けて舗装された街道に出ると、揺れは落ち着き、二人はほっと息を吐いた。
「大きな森だったねー」
「ああ。あの中から薬草を採集して里に帰るんだから、ケアルン族ってのはすごいな」
珠美には森の中にいても「森っぽい匂いだな」としか感じられなかった。
あの中からどの薬草がどこら辺にあると匂いで感じ取れるのもすごい。
そうして採集した薬草を煎じ、ある程度数が溜まったところでギルドに売りに行く。
一年に一度、クルーエスクのギルドにも売りに行くのだそうで、セレシアは先日その旅から帰ったところだったのだそうだ。
もしかしたらクライアはセレシアの不在時を狙って日本に行ったのかもしれない。
なんとなくだが、珠美はそう思った。
「あっ」
唐突にあげた声に、ラースが「どうした?」と振り向く。
珠美の掌には解けた紐。
「セレシアが髪を結ってくれたんだけど、馬車の揺れで取れちゃった」
「髪か。別にそのままだっていいと思うがな」
「撥ねて邪魔だからまとめたかっただけ。だけどそれ、女の子に言うと反感買うから気を付けてね。ラースって色気ダダ洩れでモテそうだけど、長続きはしなそうだよね。すぐ怒らせそう」
「ははは! よくわかったな」
さっきのは、セレシアがクライアに言われたらそれはもう頬を膨れさせて拗ねる案件だ。
別に珠美はかわいらしく結いたいという乙女心で残念がっていたのではないから気にはならないが。
珠美の髪はふわふわとした癖っ毛で、邪魔だからといつも三つ編みにしていたのだが、子供の姿になるのと同時に髪も短くなってしまい、それができなくなってしまった。
八歳ほどに体が大きくなった時に肩を越えるくらいまで伸びたのだが、自分ではゴムがないとうまく結えない。
城ではユラとソラがきれいにまとめてくれていたし、ケアルン族の里ではセレシアがうきうきとあれこれヘアアレンジをしてくれたが、不器用な珠美は紐で結うことがうまくできなかった。
そういえばゴムはこの国では見かけない。
クライアの記憶を探ったが出てこなかった。
この世界にはゴムの木とか、それに代わるものはないのだろうか。
「ねえラース。便利な道具でさ、紐みたいなんだけど、こう、ひっぱるとびよーんって伸びるやつない? 髪の毛を結うのに使ったり、書類を束ねるのに使ったり、あとは車輪にぐるりと巻いて衝撃を和らげたりとか」
「ああ、あるぞ。俺のいた国にもあったが、作ってるのはダーナシアって南国だ。なければないで生きてはいけるが、あると便利なんだよな」
「そうなんだよねー。ゴム欲しいなあ」
この世界に落ちてきたとき、ジーパンと鞄は探したが、三つ編みを留めていたゴムまでは思い至らなかった。
きっと今頃はあのあたりで干からびているかもしれない。
実は鞄の中に入れていたポーチに予備のゴムが入っていて、今も持って来てはいるのだが、どうしても使う気になれない。
ゴムはなくしやすいし、切れたりして使えなくなってしまったら、何か一つよすがを失ってしまうようで使えなかったのだ。
しかし、やはり文明というのは、生活に必要だったり便利だと思うものはどこかで生み出されていくものなのだろう。
「ねえ、ラースがいた国には名産とか、これはおいしい、オススメ! みたいな食べ物とかある?」
「ああ。サンジェストにあってこの国にはないものか。あそこは砂漠の国だからな。あまりこれといったものはないんだが。そうだな、ガナンという木の実から採れる油があったな」
「ガナン?」
「ああ。栄養価も高いし、化粧品にも使える」
「そういう、今の生活にプラスアルファみたいなものは、この国の人たちにはすごくいいかも」
「そうだな。大抵のものは食べられるから、よほど珍しいものとか今より生活が楽しくなるようなものとか。そういうものなら喜ぶかもしれんな。サンジェストにとっても、モンテーナとの交易が開ければ願ったり叶ったりだろう。気候が全く違うからな。うまいもんにありつけるようになる」
「砂漠の国、ってことはそうだよね。食べ物はどんなものがあるの?」
「特にうまいものはないぞ。国の真ん中を流れる大きな河があって、農作はそこだけが頼りだからな」
モンテーナとは正反対だ。だからサンジェストは戦をして肥沃な土地を求めているのだろう。
「何もないところだが、花は見事だぞ。食べられるものを育てろと思ったものだが、離れてみればあの光景は目に焼き付いている。まあ果物がなる花もあったから一石二鳥でもあったんだがな」
「花、かあ。ラースがそんな風に言うなんて、どんなだろう。いつか行ってみたいな」
何の気なく珠美はそう呟いていた。
外国も観光地も、行ってみたいと思ったことなどなかったのに。
砂漠なんてなおさら、これまでは大変そうとしか思わなかった。
けれどラースが語る口調は、遠く思いを馳せるようで、懐かしむようで。それらを珠美もいつか見てみたいと、そう思ったのだ。
「はは! 行っても何もないぞ」
そう言って笑った後、何故かラースは少しだけ苦そうな顔をした。
ミッドガルドが言っていた過去を思い出したのかもしれない。
ギルドの本部があるのは港町で、近づくほどに潮風の匂いがした。
・・・◆・・・◇・・・◆・・・
「ギルド本部って……でかっ!」
魔王城の方が大きいのは確かだが、三階建ての建物など他では見たことがない。
それほど多くの人が集まる施設というのが他にないからかもしれない。
族長でありギルド員であるラリアントは前日のうちにギルドに来ているはずだ。
大きな木の扉をあけると、受付のようなものがあり、人でごった返していた。
活気あふれるその光景に気後れしていると、ラースがひょいっと珠美を肩に担ぎ上げた。
「こんなに人がいたんじゃタマは踏まれかねないからな」
「猫じゃないんだから踏まれないよ!」
そうは言ったものの、確かに踏まれたり蹴られたりしてもおかしくないほど、屈強な男たちばかりであふれかえっていた。
こちらは商人ギルドの方で、職人ギルドは隣接する建物にある。
話し合いの場はこの建物の三階と聞いていた。
「まだ時間にはちょっと早いし、一旦外に出るか」
そう言いながらラースは珠美の返事を待たずに外に出た。
大丈夫、と言いたかったが正直助かった。
久しぶりにこんなに大勢の人がいるところに来たので、圧が半端なかったのだ。子供の体では大人の足元に埋もれるようで息苦しい。
珠美は気づけばラースにしがみついていて、慌てて体を離した。
「ん? なんだ、別に重くはない、かまわんぞ」
そんなことを気にしたわけではない。
だがいちいち口にするのもはばかられ、珠美はただ「もう大丈夫、下ろして」とラースの肩をとんとんと叩いた。
「わかった。だがこれだけ人がいたら迷子になりかねんからな。離れるなよ」
そう言ってラースが肩から下ろしてくれたときだった。
今出て来たばかりの扉が開き、一人の女性が勢いよく飛び出してきた。
「隊長! ラース隊長!!」
振り返ったラースが、驚愕に目を見開いた。
「シルビア……」
「ラース隊長、探していたんです!」
シルビアと呼ばれた女性は目を潤ませ、ラースに抱きついた。
「ラース隊長……。お会いしたかったです。ずっと……」
薬を売りに行くための荷車に乗せてもらったのだが、がたごとと揺れる森の道では舌を噛んでしまいそうで、喋れなかった。
やっと森から抜けて舗装された街道に出ると、揺れは落ち着き、二人はほっと息を吐いた。
「大きな森だったねー」
「ああ。あの中から薬草を採集して里に帰るんだから、ケアルン族ってのはすごいな」
珠美には森の中にいても「森っぽい匂いだな」としか感じられなかった。
あの中からどの薬草がどこら辺にあると匂いで感じ取れるのもすごい。
そうして採集した薬草を煎じ、ある程度数が溜まったところでギルドに売りに行く。
一年に一度、クルーエスクのギルドにも売りに行くのだそうで、セレシアは先日その旅から帰ったところだったのだそうだ。
もしかしたらクライアはセレシアの不在時を狙って日本に行ったのかもしれない。
なんとなくだが、珠美はそう思った。
「あっ」
唐突にあげた声に、ラースが「どうした?」と振り向く。
珠美の掌には解けた紐。
「セレシアが髪を結ってくれたんだけど、馬車の揺れで取れちゃった」
「髪か。別にそのままだっていいと思うがな」
「撥ねて邪魔だからまとめたかっただけ。だけどそれ、女の子に言うと反感買うから気を付けてね。ラースって色気ダダ洩れでモテそうだけど、長続きはしなそうだよね。すぐ怒らせそう」
「ははは! よくわかったな」
さっきのは、セレシアがクライアに言われたらそれはもう頬を膨れさせて拗ねる案件だ。
別に珠美はかわいらしく結いたいという乙女心で残念がっていたのではないから気にはならないが。
珠美の髪はふわふわとした癖っ毛で、邪魔だからといつも三つ編みにしていたのだが、子供の姿になるのと同時に髪も短くなってしまい、それができなくなってしまった。
八歳ほどに体が大きくなった時に肩を越えるくらいまで伸びたのだが、自分ではゴムがないとうまく結えない。
城ではユラとソラがきれいにまとめてくれていたし、ケアルン族の里ではセレシアがうきうきとあれこれヘアアレンジをしてくれたが、不器用な珠美は紐で結うことがうまくできなかった。
そういえばゴムはこの国では見かけない。
クライアの記憶を探ったが出てこなかった。
この世界にはゴムの木とか、それに代わるものはないのだろうか。
「ねえラース。便利な道具でさ、紐みたいなんだけど、こう、ひっぱるとびよーんって伸びるやつない? 髪の毛を結うのに使ったり、書類を束ねるのに使ったり、あとは車輪にぐるりと巻いて衝撃を和らげたりとか」
「ああ、あるぞ。俺のいた国にもあったが、作ってるのはダーナシアって南国だ。なければないで生きてはいけるが、あると便利なんだよな」
「そうなんだよねー。ゴム欲しいなあ」
この世界に落ちてきたとき、ジーパンと鞄は探したが、三つ編みを留めていたゴムまでは思い至らなかった。
きっと今頃はあのあたりで干からびているかもしれない。
実は鞄の中に入れていたポーチに予備のゴムが入っていて、今も持って来てはいるのだが、どうしても使う気になれない。
ゴムはなくしやすいし、切れたりして使えなくなってしまったら、何か一つよすがを失ってしまうようで使えなかったのだ。
しかし、やはり文明というのは、生活に必要だったり便利だと思うものはどこかで生み出されていくものなのだろう。
「ねえ、ラースがいた国には名産とか、これはおいしい、オススメ! みたいな食べ物とかある?」
「ああ。サンジェストにあってこの国にはないものか。あそこは砂漠の国だからな。あまりこれといったものはないんだが。そうだな、ガナンという木の実から採れる油があったな」
「ガナン?」
「ああ。栄養価も高いし、化粧品にも使える」
「そういう、今の生活にプラスアルファみたいなものは、この国の人たちにはすごくいいかも」
「そうだな。大抵のものは食べられるから、よほど珍しいものとか今より生活が楽しくなるようなものとか。そういうものなら喜ぶかもしれんな。サンジェストにとっても、モンテーナとの交易が開ければ願ったり叶ったりだろう。気候が全く違うからな。うまいもんにありつけるようになる」
「砂漠の国、ってことはそうだよね。食べ物はどんなものがあるの?」
「特にうまいものはないぞ。国の真ん中を流れる大きな河があって、農作はそこだけが頼りだからな」
モンテーナとは正反対だ。だからサンジェストは戦をして肥沃な土地を求めているのだろう。
「何もないところだが、花は見事だぞ。食べられるものを育てろと思ったものだが、離れてみればあの光景は目に焼き付いている。まあ果物がなる花もあったから一石二鳥でもあったんだがな」
「花、かあ。ラースがそんな風に言うなんて、どんなだろう。いつか行ってみたいな」
何の気なく珠美はそう呟いていた。
外国も観光地も、行ってみたいと思ったことなどなかったのに。
砂漠なんてなおさら、これまでは大変そうとしか思わなかった。
けれどラースが語る口調は、遠く思いを馳せるようで、懐かしむようで。それらを珠美もいつか見てみたいと、そう思ったのだ。
「はは! 行っても何もないぞ」
そう言って笑った後、何故かラースは少しだけ苦そうな顔をした。
ミッドガルドが言っていた過去を思い出したのかもしれない。
ギルドの本部があるのは港町で、近づくほどに潮風の匂いがした。
・・・◆・・・◇・・・◆・・・
「ギルド本部って……でかっ!」
魔王城の方が大きいのは確かだが、三階建ての建物など他では見たことがない。
それほど多くの人が集まる施設というのが他にないからかもしれない。
族長でありギルド員であるラリアントは前日のうちにギルドに来ているはずだ。
大きな木の扉をあけると、受付のようなものがあり、人でごった返していた。
活気あふれるその光景に気後れしていると、ラースがひょいっと珠美を肩に担ぎ上げた。
「こんなに人がいたんじゃタマは踏まれかねないからな」
「猫じゃないんだから踏まれないよ!」
そうは言ったものの、確かに踏まれたり蹴られたりしてもおかしくないほど、屈強な男たちばかりであふれかえっていた。
こちらは商人ギルドの方で、職人ギルドは隣接する建物にある。
話し合いの場はこの建物の三階と聞いていた。
「まだ時間にはちょっと早いし、一旦外に出るか」
そう言いながらラースは珠美の返事を待たずに外に出た。
大丈夫、と言いたかったが正直助かった。
久しぶりにこんなに大勢の人がいるところに来たので、圧が半端なかったのだ。子供の体では大人の足元に埋もれるようで息苦しい。
珠美は気づけばラースにしがみついていて、慌てて体を離した。
「ん? なんだ、別に重くはない、かまわんぞ」
そんなことを気にしたわけではない。
だがいちいち口にするのもはばかられ、珠美はただ「もう大丈夫、下ろして」とラースの肩をとんとんと叩いた。
「わかった。だがこれだけ人がいたら迷子になりかねんからな。離れるなよ」
そう言ってラースが肩から下ろしてくれたときだった。
今出て来たばかりの扉が開き、一人の女性が勢いよく飛び出してきた。
「隊長! ラース隊長!!」
振り返ったラースが、驚愕に目を見開いた。
「シルビア……」
「ラース隊長、探していたんです!」
シルビアと呼ばれた女性は目を潤ませ、ラースに抱きついた。
「ラース隊長……。お会いしたかったです。ずっと……」
0
お気に入りに追加
163
あなたにおすすめの小説
空からトラブルが落ちてきた
ゆめ
ファンタジー
森の奥深くにある小さな村の領主は自分の人生に満足していた。
だが穏やかな日々は突然終わりを告げる。
静かな朝に空から落ちてきた『それ』によって。
どう扱ってよいか分からないので甘やかしたら懐かれた挙句、助けたお礼に国をくれるとか言い出した。
いやいらないんだが……言ってみたけど無視された挙句嫁も用意された吸血鬼の苦労話。
※他サイトでも掲載中。
異世界の片隅で引き篭りたい少女。
月芝
ファンタジー
玄関開けたら一分で異世界!
見知らぬオッサンに雑に扱われただけでも腹立たしいのに
初っ端から詰んでいる状況下に放り出されて、
さすがにこれは無理じゃないかな? という出オチ感漂う能力で過ごす新生活。
生態系の最下層から成り上がらずに、こっそりと世界の片隅で心穏やかに過ごしたい。
世界が私を見捨てるのならば、私も世界を見捨ててやろうと森の奥に引き篭った少女。
なのに世界が私を放っておいてくれない。
自分にかまうな、近寄るな、勝手に幻想を押しつけるな。
それから私を聖女と呼ぶんじゃねぇ!
己の平穏のために、ふざけた能力でわりと真面目に頑張る少女の物語。
※本作主人公は極端に他者との関わりを避けます。あとトキメキLOVEもハーレムもありません。
ですので濃厚なヒューマンドラマとか、心の葛藤とか、胸の成長なんかは期待しないで下さい。
冷徹宰相様の嫁探し
菱沼あゆ
ファンタジー
あまり裕福でない公爵家の次女、マレーヌは、ある日突然、第一王子エヴァンの正妃となるよう、申し渡される。
その知らせを持って来たのは、若き宰相アルベルトだったが。
マレーヌは思う。
いやいやいやっ。
私が好きなのは、王子様じゃなくてあなたの方なんですけど~っ!?
実家が無害そう、という理由で王子の妃に選ばれたマレーヌと、冷徹宰相の恋物語。
(「小説家になろう」でも公開しています)
老女召喚〜聖女はまさかの80歳?!〜城を追い出されちゃったけど、何か若返ってるし、元気に異世界で生き抜きます!〜
二階堂吉乃
ファンタジー
瘴気に脅かされる王国があった。それを祓うことが出来るのは異世界人の乙女だけ。王国の幹部は伝説の『聖女召喚』の儀を行う。だが現れたのは1人の老婆だった。「召喚は失敗だ!」聖女を娶るつもりだった王子は激怒した。そこら辺の平民だと思われた老女は金貨1枚を与えられると、城から追い出されてしまう。実はこの老婆こそが召喚された女性だった。
白石きよ子・80歳。寝ていた布団の中から異世界に連れてこられてしまった。始めは「ドッキリじゃないかしら」と疑っていた。頼れる知り合いも家族もいない。持病の関節痛と高血圧の薬もない。しかし生来の逞しさで異世界で生き抜いていく。
後日、召喚が成功していたと分かる。王や重臣たちは慌てて老女の行方を探し始めるが、一向に見つからない。それもそのはず、きよ子はどんどん若返っていた。行方不明の老聖女を探す副団長は、黒髪黒目の不思議な美女と出会うが…。
人の名前が何故か映画スターの名になっちゃう天然系若返り聖女の冒険。全14話。
追放されて老女になった男爵令嬢は、呪われて子どもになったイケメン魔術師と暮らしはじめました~ちょっと噛み合わないふたりが、家族になるまで~
石河 翠
ファンタジー
婚約者のいる男性に手を出したとして、娼館送りにされた男爵令嬢リリス。実際のところそれは冤罪で、結婚相手を探していたリリスは不誠実な男性の火遊びに利用されていただけだった。
馬車が襲撃を受けた際に逃げ出したリリスだが、気がつけば老婆の姿に変化していた。リリスは逃げ出した先で出会った同じく訳ありの美少年ダミアンの世話役として雇われることになり……。
人生を諦めていて早くおばあさんになって静かに暮らしたいと思っていた少女と、ひとの気持ちがわからないがゆえに勉強のために子どもの姿にされていた天才魔術師とが家族になるまで。ハッピーエンドです。
この作品は、エブリスタ及び小説家になろうにも投稿しております。
扉絵は、写真ACよりアディさんの作品をお借りしております。
【書籍化決定】俗世から離れてのんびり暮らしていたおっさんなのに、俺が書の守護者って何かの間違いじゃないですか?
歩く魚
ファンタジー
幼い頃に迫害され、一人孤独に山で暮らすようになったジオ・プライム。
それから数十年が経ち、気づけば38歳。
のんびりとした生活はこの上ない幸せで満たされていた。
しかしーー
「も、もう一度聞いて良いですか? ジオ・プライムさん、あなたはこの死の山に二十五年間も住んでいるんですか?」
突然の来訪者によると、この山は人間が住める山ではなく、彼は世間では「書の守護者」と呼ばれ都市伝説のような存在になっていた。
これは、自分のことを弱いと勘違いしているダジャレ好きのおっさんが、人々を導き、温かさを思い出す物語。
※書籍化のため更新をストップします。
美味しい料理で村を再建!アリシャ宿屋はじめます
今野綾
ファンタジー
住んでいた村が襲われ家族も住む場所も失ったアリシャ。助けてくれた村に住むことに決めた。
アリシャはいつの間にか宿っていた力に次第に気づいて……
表紙 チルヲさん
出てくる料理は架空のものです
造語もあります11/9
参考にしている本
中世ヨーロッパの農村の生活
中世ヨーロッパを生きる
中世ヨーロッパの都市の生活
中世ヨーロッパの暮らし
中世ヨーロッパのレシピ
wikipediaなど
異世界もふもふ食堂〜僕と爺ちゃんと魔法使い仔カピバラの味噌スローライフ〜
山いい奈
ファンタジー
味噌蔵の跡継ぎで修行中の相葉壱。
息抜きに動物園に行った時、仔カピバラに噛まれ、気付けば見知らぬ場所にいた。
壱を連れて来た仔カピバラに付いて行くと、着いた先は食堂で、そこには10年前に行方不明になった祖父、茂造がいた。
茂造は言う。「ここはいわゆる異世界なのじゃ」と。
そして、「この食堂を継いで欲しいんじゃ」と。
明かされる村の成り立ち。そして村人たちの公然の秘め事。
しかし壱は徐々にそれに慣れ親しんで行く。
仔カピバラのサユリのチート魔法に助けられながら、味噌などの和食などを作る壱。
そして一癖も二癖もある食堂の従業員やコンシャリド村の人たちが繰り広げる、騒がしくもスローな日々のお話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる