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第二章 ここは魔王城いいところ
12.正しい魔法の使い方
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フィリスがわざわざ依頼にやってきたのは、クライアが選んだだけで代理の魔王となった珠美を、対等な関係を保つ国の王として相応しいかどうか見定める目的もあったのだろう。
正直を言えば、珠美とて自信があるわけではない。
何がなんだかわからないまま異世界へと落とされてしまったのだから。
しかし、モンテーナの人々の命運は珠美が握っているのだ。
ここで信頼を失うようなことはできない。
口を開こうとしたとき、ぽん、と肩に優しく手が置かれた。
振り返れば、ラースがゆったりとした笑みを浮かべていた。
大丈夫だ。
そう言ってくれている気がして、珠美は余計な力が抜けていくのを感じていた。
気を抜いてはならないのは確かだが、空回りしてはならない。
珠美はラースに小さく頷いて、改めてフィリスに向き直った。
「橋がこの川に見合っていないように思うんです。これでは橋脚一本直したところで、またすぐに他の脚がダメになってしまうかもしれません。設計から見直した方がいいと思います」
町と町を結ぶ橋だと言っていた。
喧嘩したくらいで抜けてしまうような橋だ。荷馬車が同時に何台も通ったら、こんな木造りの橋は抜けてしまうのではないだろうか。
そうなったとき、これほど水位が高く流れも速いと、落ちた人が助かるのは難しいと思えた。
「そうだね。これまでは壊れたらまた直してもらえばいいという考えだったんだけど。珠美はそういうやり方を見直したいんだものね」
フィリスの目を見返して、珠美は頷いて見せた。
「はい。橋は人の命にも関わりますし。安全性は知識と技術がなければ担保できません。橋脚をどれくらい地中に埋め込む必要があるかとか、川の深さとか水の流れとかで変わりますよね? どんな材木がこの川にかける橋として向いているかも私にはわからない。釘の材質、長さもいろいろあります」
「では材料と詳細な設計書さえあれば、その通りに作れるのではないかな?」
その言葉にも珠美はたじろがなかった。
「書かれている通りの物は作れると思います。だけど、建築物ってそれだけじゃないですよね? 例えば、釘を打つ角度も力のかかる向きとか用途とか場所によって違ったように思います。そんな力加減とか細部に至るまで設計書に起こせます? 職人さんだったら、『だったら俺が作った方が早い!』ってなりません? 人に教えるのは時間と忍耐が必要になりますし、私がそこでその知識を新たに習得するより、既に知識と技術と経験をお持ちの方にお願いするのが最善だと思います」
黙って話を聞き終えると、フィリスはあっさりと頷いた。
「話はわかった。それなら、後日改めて職人に依頼しよう」
にこりと笑んだフィリスに、珠美はほっと肩を下ろした。
「ありがとうございます。その方が経済も回りますし。私が仕事を奪ってしまっては、職人さんもやる気なくしますから。そういう技術や知識を受け継ぐのが魔王だけになったら、どちらの国も発展はなくなってしまいます。ですから、この橋の設計が残っていればそれを参考にして改良したもの、それがなければ現状から新たに設計しなおして専門家にお願いすべきだと思います」
そう話していると、近くの人に話を聞きに行っていたらしいフィリスの従者が戻ってきた。
報告を受けたフィリスが軽く頷く。
「ふうん、なるほど。前に大雨で橋が流されてクライア殿に直してもらったみたいだよ。その時に全体的に作り直したらしい。だけど元の橋よりもすぐに壊れるようになったんだって」
やはり、と珠美は内心で頷く。
この川の状態を見ては、長くもつとは思えなかった。
クライアが来たときには川は増水しておらず、こんな状態になることがあるとはわからなかったのかもしれない。
たくさんの依頼を受けているし、すぐに何でもできてしまうからあまりじっくりと考えて対応するということもないのかもしれない。
「橋って、かなり設計が大事なんじゃないかなと思うんです。以前の橋は、この川の水量や水勢に合わせて橋をかけていたんだと思います。でも劣化はしますし、形あるものは壊れます。それで橋ごと流されてしまって、前の姿を知らないクライアが他の橋を参考にでもして新しい橋をかけた。けれどそれはこの川には合わない。だから今、こうして壊れやすくなってるんだと思います。ひとまずこの橋は応急処置として極力元の状態に戻しておきますが、早いうちにかけなおした方がいいと思います」
とはいえ、ゼロから作り出すのは難しい。
幼児のお絵かきのような橋では人が歩いた途端に踏み抜いてしまうかもしれない。
以前の魔王が作った橋はこれまで人も馬車も通ってきたのだから、同じくらいのことには耐えられるだろう。最適な橋ではないとしても、この場ではそれを元にして直すほかはない。
「この橋は町と町を繋ぐ商業の要だからね。応急処置でも直してもらえるのはありがたいよ」
「では、修繕に必要な材木や大きさを確認したいので、少し時間をください」
フィリスが頷くのを待ってから、珠美は橋に向かった。
損傷した箇所と、無事な箇所をじっと観察する。
橋脚がどれくらいの深さで埋まっているのかは、折れた橋脚を抜いて土に汚れている部分を見ればわかるだろう。
一通り確認を終えると、珠美は橋の修理に必要な手順と材料を紙に書き出した。
それから抜けがないか、漏れがないかを何度か確認した。
プログラムはバックアップをとっておけるから、テスト環境であればミスがあってもそれほど問題はない。
ミスの結果データが壊れても、バックアップから戻せば済む。
だが実体のあるものはそうはいかない。
失敗してこの橋がバラバラになって流されてしまったら、川に住む生き物たちを傷つけてしまいかねないし、川も汚れる。
だから慎重に頭の中で検証を重ね、細かな修正と条件や指示の追加をして、やっと納得のいくものが仕上がってから、珠美は振り返り手を上げた。
「今からやりますので、念のため少し離れていてください」
「わかった。街道の封鎖は済んでいる」
「ありがとうございます」
珠美は前に向き直り、意識を集中した。
そして紙に書き出した橋修理プログラムを実行――魔法を行使した。
まずは事前準備として、壊れた橋脚を引き抜き、地面に置く。
泥に汚れている部分は一メートル程か。
確認を終えたら、まずは必要な材料の定義。
新しい橋脚は先程の長さを加味して一本用意する。
木板、釘は壊れていない部分を参考に、同じ大きさ、材質のもの。
それが面前に現れ綺麗に地面に並べられたことを確認してから、実際の工程に入る。
まずは新しい橋脚をさしなおす。深さは一メートル。
次に壊れた木板の釘を抜いて、剥がして撤去。これを右端三枚、左端三枚繰り返す。
そうしたら新しい木板を渡し、右端二か所、左端二か所に釘を打つ。
釘を打つ位置は端から二センチのところ。
「おお……。やはり一瞬でしたな」
完成した橋を面前にして、静かな歓声があがった。
「このような魔法を目の前にすると、やはり驚きますね。素晴らしい」
見ていた者には突然橋が直ったように見えたかもしれない。
しかし珠美が魔法を発動するには細かな定義とプロセスが必要だったのだ。
面倒だが、たった一つのバグのせいで思ってもみない事態を引き起こすことがあるのを珠美はよく知っている。
珠美は直した箇所に屈みこむと、木板をじっと観察し、触れてみた。
木だ。
本物の、木にしか見えない。
どうやって生成しているのだろうと心底から疑問だった。
直した箇所の上で軽くトントンと飛んだがすぐに抜けてしまうようなことはなかった。
きちんと意図した通りに出来上がっている。
「大丈夫そうです。ではこれは応急処置ですので、できるだけ早く技術者に依頼をお願いします」
珠美が告げると、フィリスはにこりと笑んだ。
「ありがとう、とても助かったよ。珠美が理想とするやり方については私も協力するつもりだから。一年の間だけど、これからもよろしくね、珠美」
「こちらこそ、よろしくお願いします」
フィリスが差し出した手に手を重ねると、フィリスは折れた橋脚や剥がした古い木板の処理などの指示に向かっていった。
たぶんフィリスは、この橋はクライアがかけなおしたものだということは知っていたのだろう。
その上で、珠美がどうするのかを見たかったのだと思う。
フィリスにとって珠美は合格だったのかどうかわからない。
ただ、気を抜いてはいけないという最初の予感は正しかったように思えた。
正直を言えば、珠美とて自信があるわけではない。
何がなんだかわからないまま異世界へと落とされてしまったのだから。
しかし、モンテーナの人々の命運は珠美が握っているのだ。
ここで信頼を失うようなことはできない。
口を開こうとしたとき、ぽん、と肩に優しく手が置かれた。
振り返れば、ラースがゆったりとした笑みを浮かべていた。
大丈夫だ。
そう言ってくれている気がして、珠美は余計な力が抜けていくのを感じていた。
気を抜いてはならないのは確かだが、空回りしてはならない。
珠美はラースに小さく頷いて、改めてフィリスに向き直った。
「橋がこの川に見合っていないように思うんです。これでは橋脚一本直したところで、またすぐに他の脚がダメになってしまうかもしれません。設計から見直した方がいいと思います」
町と町を結ぶ橋だと言っていた。
喧嘩したくらいで抜けてしまうような橋だ。荷馬車が同時に何台も通ったら、こんな木造りの橋は抜けてしまうのではないだろうか。
そうなったとき、これほど水位が高く流れも速いと、落ちた人が助かるのは難しいと思えた。
「そうだね。これまでは壊れたらまた直してもらえばいいという考えだったんだけど。珠美はそういうやり方を見直したいんだものね」
フィリスの目を見返して、珠美は頷いて見せた。
「はい。橋は人の命にも関わりますし。安全性は知識と技術がなければ担保できません。橋脚をどれくらい地中に埋め込む必要があるかとか、川の深さとか水の流れとかで変わりますよね? どんな材木がこの川にかける橋として向いているかも私にはわからない。釘の材質、長さもいろいろあります」
「では材料と詳細な設計書さえあれば、その通りに作れるのではないかな?」
その言葉にも珠美はたじろがなかった。
「書かれている通りの物は作れると思います。だけど、建築物ってそれだけじゃないですよね? 例えば、釘を打つ角度も力のかかる向きとか用途とか場所によって違ったように思います。そんな力加減とか細部に至るまで設計書に起こせます? 職人さんだったら、『だったら俺が作った方が早い!』ってなりません? 人に教えるのは時間と忍耐が必要になりますし、私がそこでその知識を新たに習得するより、既に知識と技術と経験をお持ちの方にお願いするのが最善だと思います」
黙って話を聞き終えると、フィリスはあっさりと頷いた。
「話はわかった。それなら、後日改めて職人に依頼しよう」
にこりと笑んだフィリスに、珠美はほっと肩を下ろした。
「ありがとうございます。その方が経済も回りますし。私が仕事を奪ってしまっては、職人さんもやる気なくしますから。そういう技術や知識を受け継ぐのが魔王だけになったら、どちらの国も発展はなくなってしまいます。ですから、この橋の設計が残っていればそれを参考にして改良したもの、それがなければ現状から新たに設計しなおして専門家にお願いすべきだと思います」
そう話していると、近くの人に話を聞きに行っていたらしいフィリスの従者が戻ってきた。
報告を受けたフィリスが軽く頷く。
「ふうん、なるほど。前に大雨で橋が流されてクライア殿に直してもらったみたいだよ。その時に全体的に作り直したらしい。だけど元の橋よりもすぐに壊れるようになったんだって」
やはり、と珠美は内心で頷く。
この川の状態を見ては、長くもつとは思えなかった。
クライアが来たときには川は増水しておらず、こんな状態になることがあるとはわからなかったのかもしれない。
たくさんの依頼を受けているし、すぐに何でもできてしまうからあまりじっくりと考えて対応するということもないのかもしれない。
「橋って、かなり設計が大事なんじゃないかなと思うんです。以前の橋は、この川の水量や水勢に合わせて橋をかけていたんだと思います。でも劣化はしますし、形あるものは壊れます。それで橋ごと流されてしまって、前の姿を知らないクライアが他の橋を参考にでもして新しい橋をかけた。けれどそれはこの川には合わない。だから今、こうして壊れやすくなってるんだと思います。ひとまずこの橋は応急処置として極力元の状態に戻しておきますが、早いうちにかけなおした方がいいと思います」
とはいえ、ゼロから作り出すのは難しい。
幼児のお絵かきのような橋では人が歩いた途端に踏み抜いてしまうかもしれない。
以前の魔王が作った橋はこれまで人も馬車も通ってきたのだから、同じくらいのことには耐えられるだろう。最適な橋ではないとしても、この場ではそれを元にして直すほかはない。
「この橋は町と町を繋ぐ商業の要だからね。応急処置でも直してもらえるのはありがたいよ」
「では、修繕に必要な材木や大きさを確認したいので、少し時間をください」
フィリスが頷くのを待ってから、珠美は橋に向かった。
損傷した箇所と、無事な箇所をじっと観察する。
橋脚がどれくらいの深さで埋まっているのかは、折れた橋脚を抜いて土に汚れている部分を見ればわかるだろう。
一通り確認を終えると、珠美は橋の修理に必要な手順と材料を紙に書き出した。
それから抜けがないか、漏れがないかを何度か確認した。
プログラムはバックアップをとっておけるから、テスト環境であればミスがあってもそれほど問題はない。
ミスの結果データが壊れても、バックアップから戻せば済む。
だが実体のあるものはそうはいかない。
失敗してこの橋がバラバラになって流されてしまったら、川に住む生き物たちを傷つけてしまいかねないし、川も汚れる。
だから慎重に頭の中で検証を重ね、細かな修正と条件や指示の追加をして、やっと納得のいくものが仕上がってから、珠美は振り返り手を上げた。
「今からやりますので、念のため少し離れていてください」
「わかった。街道の封鎖は済んでいる」
「ありがとうございます」
珠美は前に向き直り、意識を集中した。
そして紙に書き出した橋修理プログラムを実行――魔法を行使した。
まずは事前準備として、壊れた橋脚を引き抜き、地面に置く。
泥に汚れている部分は一メートル程か。
確認を終えたら、まずは必要な材料の定義。
新しい橋脚は先程の長さを加味して一本用意する。
木板、釘は壊れていない部分を参考に、同じ大きさ、材質のもの。
それが面前に現れ綺麗に地面に並べられたことを確認してから、実際の工程に入る。
まずは新しい橋脚をさしなおす。深さは一メートル。
次に壊れた木板の釘を抜いて、剥がして撤去。これを右端三枚、左端三枚繰り返す。
そうしたら新しい木板を渡し、右端二か所、左端二か所に釘を打つ。
釘を打つ位置は端から二センチのところ。
「おお……。やはり一瞬でしたな」
完成した橋を面前にして、静かな歓声があがった。
「このような魔法を目の前にすると、やはり驚きますね。素晴らしい」
見ていた者には突然橋が直ったように見えたかもしれない。
しかし珠美が魔法を発動するには細かな定義とプロセスが必要だったのだ。
面倒だが、たった一つのバグのせいで思ってもみない事態を引き起こすことがあるのを珠美はよく知っている。
珠美は直した箇所に屈みこむと、木板をじっと観察し、触れてみた。
木だ。
本物の、木にしか見えない。
どうやって生成しているのだろうと心底から疑問だった。
直した箇所の上で軽くトントンと飛んだがすぐに抜けてしまうようなことはなかった。
きちんと意図した通りに出来上がっている。
「大丈夫そうです。ではこれは応急処置ですので、できるだけ早く技術者に依頼をお願いします」
珠美が告げると、フィリスはにこりと笑んだ。
「ありがとう、とても助かったよ。珠美が理想とするやり方については私も協力するつもりだから。一年の間だけど、これからもよろしくね、珠美」
「こちらこそ、よろしくお願いします」
フィリスが差し出した手に手を重ねると、フィリスは折れた橋脚や剥がした古い木板の処理などの指示に向かっていった。
たぶんフィリスは、この橋はクライアがかけなおしたものだということは知っていたのだろう。
その上で、珠美がどうするのかを見たかったのだと思う。
フィリスにとって珠美は合格だったのかどうかわからない。
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