3 / 61
第一章 まだ時給を聞いてない
2.そこにはケモ耳イケオジがいた
しおりを挟む
「――ぅぅぁぁあああああ」
そうして気づいたら空にいた。
「あああああああ」
漫画みたいに手足を動かしたら多少なりと前に進むのかな? というかねてからの疑問を実験することも思いつかず、ただただひたすらに落ちていく。
落ち続ける体をどうすることもできず、頭を下に直立不動で。
「あああ、ああ、あああああっ、ああ! あああああああ」
唐突に頭にガサガサガツンと何かが当たり、森の木に突っ込んだのだと理解した。
咄嗟に腕で庇うも、木の葉と枝がバサバサと体を傷つけていく。
「あああああああああっ!!」
ごすっ、と衝撃がやってきて、落下は止まった。
頭が文字通り地面に突き刺さり、体はぱたりと折り畳まれるように倒れ込んだ。
さながら、イモムシのように。
地面への衝突により、全身が圧縮された気がする。
全身がじんじんと痺れていて、まだ痛みはやってこない。きっと遅れてくるのだろう。
叫び続けた喉はカラカラで、張り付いていた。
しばらく呆然としたまま動けないでいると、近くに人の気配があることに気が付いた。
「こりゃまた派手に突っ込んだなあ。生きてるか、おチビちゃん」
呆れているのか、戸惑っているのか。
低くて渋い声だった。
生きている。
何故なのかは珠美も心底疑問だが。
叫び続けていたせいで、ぜいぜいと荒い息をしていた珠美が答えられないままでいると、じゃりじゃりと地面を踏みしめる音が近づいてくる。
それからおもむろに腰を掴まれ、「よっ」と力を込めて引っ張り上げられた。
ずぼっと音がして、頭が地面から引き抜かれたのがわかる。
「ぶあっっ! 助かった! ありがとうございます」
珠美はそのままそっと地面に座らされて、やっと頭が空を向く。
血が上っていたせいでくらくらする頭を、痛む首でなんとか支え顔を前に向けた。
そこには精悍な体つきの男がいた。
毛皮のベストの胸元ははだけていて、襟元にはファーがついている。
褐色の肌と相まってより野性味を感じさせた。
「いやなんの。何事かと駆け付けてみれば、まさか人が地面に突き刺さってるとは思わんかったな。なかなかに衝撃的な光景だった」
無事とわかり安心したのだろう。それから『衝撃の光景』を思い出したのか、男はくっくと喉を鳴らして笑った。
その笑いに嫌味なものはなく、ただただ堪え切れないというように笑っていた。
蜂蜜のような金茶の瞳は年齢を重ねたが故の柔和さがあり、見ているとどこか安心できた。
三十代か四十代といったところだろうか。
そしてその安心感とは裏腹に、はだけた胸のせいか、身にまとった筋肉のせいか、口元に浮かんだ余裕の感じられる笑みのせいか、大人の男の色気のようなものがあった。
安心感と色気の同居。
イケオジがもてはやされるのが何となくわかった気がした。
だがしかし、本題はそこではない。
珠美は現実逃避をしていたのだと思う。
綺麗な白髪の間から突き出た黄褐色の二つの三角もふもふが、男が笑うたびにぴくぴくと動いていた。
――イケオジがケモ耳。
ダメ押しのように、胡坐をかいた男の後ろには黄褐色に黒の縞模様の、太い尻尾が垂れている。
それが意思を持ったように、たすん、たすん、と地面を撫でている。
狼男は聞いたことがあるが、虎男とでも言うべきだろうか。
コスプレか。
さっきの黒づくめの男の同僚か。
そう思うのに、頭のどこかでこれは現実だとわかっていた。
筋肉を纏った腕は太く逞しく、腰に佩いたダガー同様、使い込まれているように見えたから。
野性味溢れるその姿は、あまりに自然で。
この何もない、木ばかりがそびえたつこの場所では男のその姿の方が自然に見えた。
土は赤茶けていた。
目に映った葉はスペードのような形をしていた。朝顔の葉にも似ているが、これは草ではなく木だ。こんな木は見たことがない。
目の端には白い煙が見えて、それを辿れば木々の向こうに煙突があるのが見えた。小屋の屋根らしきものも見える。
辺りを見渡せば、遠くの山の上に古城のようなものが見える。
――千葉?
いや、色味が違う。有名なあれよりもっと廃れた感じで、暗い。
大人専用の宿泊施設かとも思ったが、あんな本格的過ぎて夢も持てないようなリアルな城にその客層が近づくとは思えなかった。
他に目印になるようなものはなく、ひたすら木々だけが広がっている。
ここは珠美の知っているところではない。
この風景にそぐわないのは珠美の方だ。
直感的に珠美はそう思っていた。
だって、同じように珠美を観察していた男の目が、戸惑っている。
「まさか、クライアが言っていたのはおまえさんのことなのか」
「クライアを知ってるの?」
男の呟きに突然出てきたその名前に、思わず反応した。
さっき黒づくめの男は確かに最後にそう名乗った。
「ってことはやっぱり、おまえが魔王を引き受けたんだな」
男は深いため息を吐くとがりがりと頭をかいた。
厄介なことに巻き込まれた。そう言わんばかりに。
確かクライアは、入り口近くにいる人が助けてくれると言っていた。
それがこの男なのだろう。
珠美には聞きたいことがたくさんあった。
思わず前のめりになると、何かが重くてぐらりと体ごと傾ぎそうになった。
何故だか頭が重いしバランスがとりにくい。
ぶつけたせいで眩暈を起こしているのかと頭に手をやると、そこには触り慣れない、堅いものがあった。
「ん?」
さわさわと触ってみると、頭の両脇から巻いたような形の固い何かが突き出している。
「ははは、魔王か」
自分でツッコんで、目を剥いた。
「魔王?! 角?! なんで私!??」
言いながら気づく。
そうだ。
あの男は最後に名乗ったのだ。五代目魔王、クライアだと。そして珠美に、代わりに仕事をしてほしいと言ったのだ。
だから。
今、珠美は。
――魔王(仮)?
「いやいやいやいや求人にちゃんと『職種:魔王』って書いとけや! いやそうじゃない、魔王なんかできるか!」
思わず握り締めた両手を地面に叩きつける。
が、痛みよりも何よりも、目に入ったその光景に、さあっと血の気が引いた。
「手ぇちっさ!!」
――なんじゃこりゃ!
ばっと手を開いて見れば、珠美の手はもみじのような、かわいらしい子供の手になっていた。
慌てて己の体を見下ろせば、水色のシャツはワンピース状態で、ジーパンは履いていない。おそらく落下中に脱げたのだろう。だって、どう考えてもこの体ではぶかぶかだから。
「五歳児か!」
思わず叫びながら、いや、うん、確かにそのくらいだな、と冷静に頷く。
ゆるく編みこんでいたはずのふわふわとした癖毛も、顎のラインまでのボブになっていた。
髪を結べない長さは癖毛がはねて面倒なのに。
そんな小さな絶望に髪をもしゃっと掴みながら、頭がくらりとするのを感じた。
角の重さでバランスを失ったのではない。
体からそれを支える力が失われたのだ。
「おい。――おい! 大丈夫か?」
男の声が間近に迫る中、今度こそ珠美は、その場でぶっ倒れた。
・・・◆・・・◇・・・◆・・・
再び訪れた真っ暗な世界で珠美は、自分の体がゆらゆらと揺れているのを感じていた。
揺れているのに何故か安定していて。
何かに守られているようで。
久しぶりに温もりを感じた気がした。
ずっと一人で生きてきたから。
珠美はそのたくましい腕から自ら降りることも、下ろしてと叫ぶこともできず、ただどこかへと運ばれていった。
そうして気づいたら空にいた。
「あああああああ」
漫画みたいに手足を動かしたら多少なりと前に進むのかな? というかねてからの疑問を実験することも思いつかず、ただただひたすらに落ちていく。
落ち続ける体をどうすることもできず、頭を下に直立不動で。
「あああ、ああ、あああああっ、ああ! あああああああ」
唐突に頭にガサガサガツンと何かが当たり、森の木に突っ込んだのだと理解した。
咄嗟に腕で庇うも、木の葉と枝がバサバサと体を傷つけていく。
「あああああああああっ!!」
ごすっ、と衝撃がやってきて、落下は止まった。
頭が文字通り地面に突き刺さり、体はぱたりと折り畳まれるように倒れ込んだ。
さながら、イモムシのように。
地面への衝突により、全身が圧縮された気がする。
全身がじんじんと痺れていて、まだ痛みはやってこない。きっと遅れてくるのだろう。
叫び続けた喉はカラカラで、張り付いていた。
しばらく呆然としたまま動けないでいると、近くに人の気配があることに気が付いた。
「こりゃまた派手に突っ込んだなあ。生きてるか、おチビちゃん」
呆れているのか、戸惑っているのか。
低くて渋い声だった。
生きている。
何故なのかは珠美も心底疑問だが。
叫び続けていたせいで、ぜいぜいと荒い息をしていた珠美が答えられないままでいると、じゃりじゃりと地面を踏みしめる音が近づいてくる。
それからおもむろに腰を掴まれ、「よっ」と力を込めて引っ張り上げられた。
ずぼっと音がして、頭が地面から引き抜かれたのがわかる。
「ぶあっっ! 助かった! ありがとうございます」
珠美はそのままそっと地面に座らされて、やっと頭が空を向く。
血が上っていたせいでくらくらする頭を、痛む首でなんとか支え顔を前に向けた。
そこには精悍な体つきの男がいた。
毛皮のベストの胸元ははだけていて、襟元にはファーがついている。
褐色の肌と相まってより野性味を感じさせた。
「いやなんの。何事かと駆け付けてみれば、まさか人が地面に突き刺さってるとは思わんかったな。なかなかに衝撃的な光景だった」
無事とわかり安心したのだろう。それから『衝撃の光景』を思い出したのか、男はくっくと喉を鳴らして笑った。
その笑いに嫌味なものはなく、ただただ堪え切れないというように笑っていた。
蜂蜜のような金茶の瞳は年齢を重ねたが故の柔和さがあり、見ているとどこか安心できた。
三十代か四十代といったところだろうか。
そしてその安心感とは裏腹に、はだけた胸のせいか、身にまとった筋肉のせいか、口元に浮かんだ余裕の感じられる笑みのせいか、大人の男の色気のようなものがあった。
安心感と色気の同居。
イケオジがもてはやされるのが何となくわかった気がした。
だがしかし、本題はそこではない。
珠美は現実逃避をしていたのだと思う。
綺麗な白髪の間から突き出た黄褐色の二つの三角もふもふが、男が笑うたびにぴくぴくと動いていた。
――イケオジがケモ耳。
ダメ押しのように、胡坐をかいた男の後ろには黄褐色に黒の縞模様の、太い尻尾が垂れている。
それが意思を持ったように、たすん、たすん、と地面を撫でている。
狼男は聞いたことがあるが、虎男とでも言うべきだろうか。
コスプレか。
さっきの黒づくめの男の同僚か。
そう思うのに、頭のどこかでこれは現実だとわかっていた。
筋肉を纏った腕は太く逞しく、腰に佩いたダガー同様、使い込まれているように見えたから。
野性味溢れるその姿は、あまりに自然で。
この何もない、木ばかりがそびえたつこの場所では男のその姿の方が自然に見えた。
土は赤茶けていた。
目に映った葉はスペードのような形をしていた。朝顔の葉にも似ているが、これは草ではなく木だ。こんな木は見たことがない。
目の端には白い煙が見えて、それを辿れば木々の向こうに煙突があるのが見えた。小屋の屋根らしきものも見える。
辺りを見渡せば、遠くの山の上に古城のようなものが見える。
――千葉?
いや、色味が違う。有名なあれよりもっと廃れた感じで、暗い。
大人専用の宿泊施設かとも思ったが、あんな本格的過ぎて夢も持てないようなリアルな城にその客層が近づくとは思えなかった。
他に目印になるようなものはなく、ひたすら木々だけが広がっている。
ここは珠美の知っているところではない。
この風景にそぐわないのは珠美の方だ。
直感的に珠美はそう思っていた。
だって、同じように珠美を観察していた男の目が、戸惑っている。
「まさか、クライアが言っていたのはおまえさんのことなのか」
「クライアを知ってるの?」
男の呟きに突然出てきたその名前に、思わず反応した。
さっき黒づくめの男は確かに最後にそう名乗った。
「ってことはやっぱり、おまえが魔王を引き受けたんだな」
男は深いため息を吐くとがりがりと頭をかいた。
厄介なことに巻き込まれた。そう言わんばかりに。
確かクライアは、入り口近くにいる人が助けてくれると言っていた。
それがこの男なのだろう。
珠美には聞きたいことがたくさんあった。
思わず前のめりになると、何かが重くてぐらりと体ごと傾ぎそうになった。
何故だか頭が重いしバランスがとりにくい。
ぶつけたせいで眩暈を起こしているのかと頭に手をやると、そこには触り慣れない、堅いものがあった。
「ん?」
さわさわと触ってみると、頭の両脇から巻いたような形の固い何かが突き出している。
「ははは、魔王か」
自分でツッコんで、目を剥いた。
「魔王?! 角?! なんで私!??」
言いながら気づく。
そうだ。
あの男は最後に名乗ったのだ。五代目魔王、クライアだと。そして珠美に、代わりに仕事をしてほしいと言ったのだ。
だから。
今、珠美は。
――魔王(仮)?
「いやいやいやいや求人にちゃんと『職種:魔王』って書いとけや! いやそうじゃない、魔王なんかできるか!」
思わず握り締めた両手を地面に叩きつける。
が、痛みよりも何よりも、目に入ったその光景に、さあっと血の気が引いた。
「手ぇちっさ!!」
――なんじゃこりゃ!
ばっと手を開いて見れば、珠美の手はもみじのような、かわいらしい子供の手になっていた。
慌てて己の体を見下ろせば、水色のシャツはワンピース状態で、ジーパンは履いていない。おそらく落下中に脱げたのだろう。だって、どう考えてもこの体ではぶかぶかだから。
「五歳児か!」
思わず叫びながら、いや、うん、確かにそのくらいだな、と冷静に頷く。
ゆるく編みこんでいたはずのふわふわとした癖毛も、顎のラインまでのボブになっていた。
髪を結べない長さは癖毛がはねて面倒なのに。
そんな小さな絶望に髪をもしゃっと掴みながら、頭がくらりとするのを感じた。
角の重さでバランスを失ったのではない。
体からそれを支える力が失われたのだ。
「おい。――おい! 大丈夫か?」
男の声が間近に迫る中、今度こそ珠美は、その場でぶっ倒れた。
・・・◆・・・◇・・・◆・・・
再び訪れた真っ暗な世界で珠美は、自分の体がゆらゆらと揺れているのを感じていた。
揺れているのに何故か安定していて。
何かに守られているようで。
久しぶりに温もりを感じた気がした。
ずっと一人で生きてきたから。
珠美はそのたくましい腕から自ら降りることも、下ろしてと叫ぶこともできず、ただどこかへと運ばれていった。
0
お気に入りに追加
163
あなたにおすすめの小説
空からトラブルが落ちてきた
ゆめ
ファンタジー
森の奥深くにある小さな村の領主は自分の人生に満足していた。
だが穏やかな日々は突然終わりを告げる。
静かな朝に空から落ちてきた『それ』によって。
どう扱ってよいか分からないので甘やかしたら懐かれた挙句、助けたお礼に国をくれるとか言い出した。
いやいらないんだが……言ってみたけど無視された挙句嫁も用意された吸血鬼の苦労話。
※他サイトでも掲載中。
異世界の片隅で引き篭りたい少女。
月芝
ファンタジー
玄関開けたら一分で異世界!
見知らぬオッサンに雑に扱われただけでも腹立たしいのに
初っ端から詰んでいる状況下に放り出されて、
さすがにこれは無理じゃないかな? という出オチ感漂う能力で過ごす新生活。
生態系の最下層から成り上がらずに、こっそりと世界の片隅で心穏やかに過ごしたい。
世界が私を見捨てるのならば、私も世界を見捨ててやろうと森の奥に引き篭った少女。
なのに世界が私を放っておいてくれない。
自分にかまうな、近寄るな、勝手に幻想を押しつけるな。
それから私を聖女と呼ぶんじゃねぇ!
己の平穏のために、ふざけた能力でわりと真面目に頑張る少女の物語。
※本作主人公は極端に他者との関わりを避けます。あとトキメキLOVEもハーレムもありません。
ですので濃厚なヒューマンドラマとか、心の葛藤とか、胸の成長なんかは期待しないで下さい。
冷徹宰相様の嫁探し
菱沼あゆ
ファンタジー
あまり裕福でない公爵家の次女、マレーヌは、ある日突然、第一王子エヴァンの正妃となるよう、申し渡される。
その知らせを持って来たのは、若き宰相アルベルトだったが。
マレーヌは思う。
いやいやいやっ。
私が好きなのは、王子様じゃなくてあなたの方なんですけど~っ!?
実家が無害そう、という理由で王子の妃に選ばれたマレーヌと、冷徹宰相の恋物語。
(「小説家になろう」でも公開しています)
老女召喚〜聖女はまさかの80歳?!〜城を追い出されちゃったけど、何か若返ってるし、元気に異世界で生き抜きます!〜
二階堂吉乃
ファンタジー
瘴気に脅かされる王国があった。それを祓うことが出来るのは異世界人の乙女だけ。王国の幹部は伝説の『聖女召喚』の儀を行う。だが現れたのは1人の老婆だった。「召喚は失敗だ!」聖女を娶るつもりだった王子は激怒した。そこら辺の平民だと思われた老女は金貨1枚を与えられると、城から追い出されてしまう。実はこの老婆こそが召喚された女性だった。
白石きよ子・80歳。寝ていた布団の中から異世界に連れてこられてしまった。始めは「ドッキリじゃないかしら」と疑っていた。頼れる知り合いも家族もいない。持病の関節痛と高血圧の薬もない。しかし生来の逞しさで異世界で生き抜いていく。
後日、召喚が成功していたと分かる。王や重臣たちは慌てて老女の行方を探し始めるが、一向に見つからない。それもそのはず、きよ子はどんどん若返っていた。行方不明の老聖女を探す副団長は、黒髪黒目の不思議な美女と出会うが…。
人の名前が何故か映画スターの名になっちゃう天然系若返り聖女の冒険。全14話。
追放されて老女になった男爵令嬢は、呪われて子どもになったイケメン魔術師と暮らしはじめました~ちょっと噛み合わないふたりが、家族になるまで~
石河 翠
ファンタジー
婚約者のいる男性に手を出したとして、娼館送りにされた男爵令嬢リリス。実際のところそれは冤罪で、結婚相手を探していたリリスは不誠実な男性の火遊びに利用されていただけだった。
馬車が襲撃を受けた際に逃げ出したリリスだが、気がつけば老婆の姿に変化していた。リリスは逃げ出した先で出会った同じく訳ありの美少年ダミアンの世話役として雇われることになり……。
人生を諦めていて早くおばあさんになって静かに暮らしたいと思っていた少女と、ひとの気持ちがわからないがゆえに勉強のために子どもの姿にされていた天才魔術師とが家族になるまで。ハッピーエンドです。
この作品は、エブリスタ及び小説家になろうにも投稿しております。
扉絵は、写真ACよりアディさんの作品をお借りしております。
【書籍化決定】俗世から離れてのんびり暮らしていたおっさんなのに、俺が書の守護者って何かの間違いじゃないですか?
歩く魚
ファンタジー
幼い頃に迫害され、一人孤独に山で暮らすようになったジオ・プライム。
それから数十年が経ち、気づけば38歳。
のんびりとした生活はこの上ない幸せで満たされていた。
しかしーー
「も、もう一度聞いて良いですか? ジオ・プライムさん、あなたはこの死の山に二十五年間も住んでいるんですか?」
突然の来訪者によると、この山は人間が住める山ではなく、彼は世間では「書の守護者」と呼ばれ都市伝説のような存在になっていた。
これは、自分のことを弱いと勘違いしているダジャレ好きのおっさんが、人々を導き、温かさを思い出す物語。
※書籍化のため更新をストップします。
美味しい料理で村を再建!アリシャ宿屋はじめます
今野綾
ファンタジー
住んでいた村が襲われ家族も住む場所も失ったアリシャ。助けてくれた村に住むことに決めた。
アリシャはいつの間にか宿っていた力に次第に気づいて……
表紙 チルヲさん
出てくる料理は架空のものです
造語もあります11/9
参考にしている本
中世ヨーロッパの農村の生活
中世ヨーロッパを生きる
中世ヨーロッパの都市の生活
中世ヨーロッパの暮らし
中世ヨーロッパのレシピ
wikipediaなど
異世界もふもふ食堂〜僕と爺ちゃんと魔法使い仔カピバラの味噌スローライフ〜
山いい奈
ファンタジー
味噌蔵の跡継ぎで修行中の相葉壱。
息抜きに動物園に行った時、仔カピバラに噛まれ、気付けば見知らぬ場所にいた。
壱を連れて来た仔カピバラに付いて行くと、着いた先は食堂で、そこには10年前に行方不明になった祖父、茂造がいた。
茂造は言う。「ここはいわゆる異世界なのじゃ」と。
そして、「この食堂を継いで欲しいんじゃ」と。
明かされる村の成り立ち。そして村人たちの公然の秘め事。
しかし壱は徐々にそれに慣れ親しんで行く。
仔カピバラのサユリのチート魔法に助けられながら、味噌などの和食などを作る壱。
そして一癖も二癖もある食堂の従業員やコンシャリド村の人たちが繰り広げる、騒がしくもスローな日々のお話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる