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一章 / チャラ神様、人間界にやって来て早速職質受けました!
其の三
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馬鹿にされ、メラッと怒りのオーラが私を包んだ。なんか・・・・青色の光が、私の全身から発せられている。それに共鳴するかのように、天人の首からぶら下がっていた、大地を象徴するかのような美しい亜麻色(あまいろ)の勾玉が、突然光り出した!
「わっ、つめてえっっ! 冷たいって――――っ!! おい、お前! かんなっ! その怒り、止めろ! つめたい、冷たいつ・め・た・い――っ!」
途端に、天人が悲鳴を上げた。
「えっ、なにっ? どうしちゃったの?」
「冷たいって! 凍え死ぬっ! 神奈っ! お前のオーラがこの勾玉に共鳴してんだよ! 止めろ! 今すぐ!!」
「止めろったって・・・・そんな、どうすればいいの!?」
「とにかく怒りを鎮めてくれ!」
そんな事急に言われても――と思っていたら、私を取り巻いていた水色のオーラは徐々に薄れてしまった。あれ、と思っていると跡形もなく消えてしまったのだ。
「あ“――っ、クッソ酷い目に遭った! 凍傷になるだろーっ!!」
大声で文句を言われた挙句、ジロリと睨まれた。
それって私が悪いのだろうか。そもそも初対面で人の容姿にケチつける方が悪いと思う。
「それより神奈・・・・お前、神通力が使えるのか? 俺をこんな目に遭わせやがって」
「霊感はあるけど、神通力なんて使え無いよ」
「でも今、俺に冷気を浴びせた! こんな事出来るのは、オヤジかオフクロか、ねーちゃんしかいねーもん」
オヤジにオフクロにねーちゃん・・・・。この言葉遣い、チャラい上にガサツねぇ・・・・。
呆れたため息が出た。
「何かの間違いでしょ。私はとにかく、何の力も無いもの」
「ふーん・・・・。ま、いいや。それより――」ふんふんと鼻を鳴らして、彼は言った。「美味そーな匂いするけど、何だ? 甘い・・・・香り・・・・」
彼の泳いでいた視線が、ピタリと私がぶら下げていたお饅頭の入ったビニール袋に注がれた。「それだ! なんか、いー匂いがする」
「あ、これ。お饅頭よ。今からお客様が来るから、三つ豆堂にお茶菓子を買いに来た帰りなの」
「食わせてっ。腹減った」
「ええーっ。アンタの分なんか無いわよぉ」
「そこを何とか!」
神様と名乗る男に拝まれた。神様なのに、人間を拝むの? 普通、逆なんじゃ・・・・?
「買って来ればいいじゃない。さっきおじさんが向かった方に――」そこまで言って、はっと気が付いた。この男をみつ子おばあちゃんの所に一人でやって、店で暴れたりしたら大変だ!
お金も持っていなさそうだし!!
実家の天海神社に連れて帰れば神聖な結界もある事だし、悪霊なら悪戯はできないでしょう。この男は、とりあえず普通の人間じゃなさそうだ。見た目は人間っぽいけれど、どうも胡散臭いオーラぷんぷんしているし、容赦なく人を斬り捨てそうだし、危険!
私が見張っておかなきゃ!!
「わかった。家に戻ったらお下がりのお供えものがあるから、それを分けてあげる。ついて来て」
「話が分かる女で助かるよ」
「エラソーね」
「だって俺、神様だもーん」
「・・・・」
思わず冷ややかな目線を送ってしまった。この男、何なんだろう、一体。
「神奈。とにかく俺は腹が減った。腹が減ってどうしようもなくなったら、俺は容赦なく暴れるぞ。暴れたらこの辺り一面、火の海になるぞーっ」
それを聞いた途端、ごごっ、と私を再び水色の怒りオーラが包んだ。すると、凍えるっ、冷てえっ、痛い、と天人が悲鳴を上げた。
「わっ、つめてえっっ! 冷たいって――――っ!! おい、お前! かんなっ! その怒り、止めろ! つめたい、冷たいつ・め・た・い――っ!」
途端に、天人が悲鳴を上げた。
「えっ、なにっ? どうしちゃったの?」
「冷たいって! 凍え死ぬっ! 神奈っ! お前のオーラがこの勾玉に共鳴してんだよ! 止めろ! 今すぐ!!」
「止めろったって・・・・そんな、どうすればいいの!?」
「とにかく怒りを鎮めてくれ!」
そんな事急に言われても――と思っていたら、私を取り巻いていた水色のオーラは徐々に薄れてしまった。あれ、と思っていると跡形もなく消えてしまったのだ。
「あ“――っ、クッソ酷い目に遭った! 凍傷になるだろーっ!!」
大声で文句を言われた挙句、ジロリと睨まれた。
それって私が悪いのだろうか。そもそも初対面で人の容姿にケチつける方が悪いと思う。
「それより神奈・・・・お前、神通力が使えるのか? 俺をこんな目に遭わせやがって」
「霊感はあるけど、神通力なんて使え無いよ」
「でも今、俺に冷気を浴びせた! こんな事出来るのは、オヤジかオフクロか、ねーちゃんしかいねーもん」
オヤジにオフクロにねーちゃん・・・・。この言葉遣い、チャラい上にガサツねぇ・・・・。
呆れたため息が出た。
「何かの間違いでしょ。私はとにかく、何の力も無いもの」
「ふーん・・・・。ま、いいや。それより――」ふんふんと鼻を鳴らして、彼は言った。「美味そーな匂いするけど、何だ? 甘い・・・・香り・・・・」
彼の泳いでいた視線が、ピタリと私がぶら下げていたお饅頭の入ったビニール袋に注がれた。「それだ! なんか、いー匂いがする」
「あ、これ。お饅頭よ。今からお客様が来るから、三つ豆堂にお茶菓子を買いに来た帰りなの」
「食わせてっ。腹減った」
「ええーっ。アンタの分なんか無いわよぉ」
「そこを何とか!」
神様と名乗る男に拝まれた。神様なのに、人間を拝むの? 普通、逆なんじゃ・・・・?
「買って来ればいいじゃない。さっきおじさんが向かった方に――」そこまで言って、はっと気が付いた。この男をみつ子おばあちゃんの所に一人でやって、店で暴れたりしたら大変だ!
お金も持っていなさそうだし!!
実家の天海神社に連れて帰れば神聖な結界もある事だし、悪霊なら悪戯はできないでしょう。この男は、とりあえず普通の人間じゃなさそうだ。見た目は人間っぽいけれど、どうも胡散臭いオーラぷんぷんしているし、容赦なく人を斬り捨てそうだし、危険!
私が見張っておかなきゃ!!
「わかった。家に戻ったらお下がりのお供えものがあるから、それを分けてあげる。ついて来て」
「話が分かる女で助かるよ」
「エラソーね」
「だって俺、神様だもーん」
「・・・・」
思わず冷ややかな目線を送ってしまった。この男、何なんだろう、一体。
「神奈。とにかく俺は腹が減った。腹が減ってどうしようもなくなったら、俺は容赦なく暴れるぞ。暴れたらこの辺り一面、火の海になるぞーっ」
それを聞いた途端、ごごっ、と私を再び水色の怒りオーラが包んだ。すると、凍えるっ、冷てえっ、痛い、と天人が悲鳴を上げた。
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