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第10話 ~海里くんと美乃梨ちゃん~
Side・新庄海里/その1
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アホ政海は、結局美乃梨を余計惚れさせたらしい。デートの様子を本人から聞いたのだ。
土曜日、結局美乃梨に何をしたのか頑なに政海は話さない。だから、月曜日。一限が終わってから、美乃梨にアタックする事にした。
「よお、美乃梨。ちょっと話があるんだけどいいか?」
「いいけど」
「ここじゃなんだから、ちょっと顔貸してくれ」
校舎の隅に連れ出し、早速切り出した。「なあ、土曜日政人とデートしただろ? そっからアイツ、様子がおかしいんだ。美乃梨、何か知ってるか?」
「それ、私に聞かないでよ」
「いや、だってさ・・・・何か様子がおかしいから心配で・・・・」
そう言うと、ジロリと半分睨むように美乃梨に見られた。
「な、なんだよ・・・・」
ふうー、と思いきりため息をつかれた。
「た、ため息つく事ないだろ」
「だって・・・・ねえ。あ、海里ってさ、政海の事どう思っているの?」
「ま、政海!?」
何故ここで政海の話?
「私は今、政人の話を聞いていたんだけどな・・・・」
「うーん。海里の質問には、私の質問に答えてくれたら教えてあげる」
なんだなんだ?
美乃梨の考えはよく解らんぞ。
「で、ズバリ、海里は政海の事、どう思っているの?」
「あ、いや。その・・・・」
政海は好きな女・・・・いや、男か?
「つまりだな・・・・」
政人の政海も好きだし、政海の政海も好きだし・・・・考えれば考えるほど、何だかよく解んなくなっちゃうぞ。
「よく過保護だと言われるが、それはだな、つまり、政海の母親に頼まれているからだ。政海はドジっ子だし、可愛いから目を離すとすぐに狼が群がるだろう。私はお目付け役なんだ」
「でも、付き合ってもいない男と女が一緒の部屋に住むなんておかしいよ」
美乃梨は、私と政海が同じアパートの同じ部屋で暮らしている事は既に知っている。
政海のアホが最初から何の考えも無く、美乃梨に言いやがったんだ。梅香に言うとややこしくなるから、美乃梨には私と政海が同じ部屋で暮らしている事は言うなよ、って頼んであるけど、美乃梨もドジっ子だからうっかり口を滑らせ、そのうち梅香にも知られるだろうと思っている。
まあ、文句言われたら文句言われた時で、対処すればいい。
「私は政海からも、彼女の母親からも信用されているんだ。政海に手を出したりはしない」
出したいけど、な。
しかし政海に嫌われてしまっては、私のこの先の大学生活はお先真っ暗だ。
土曜日、結局美乃梨に何をしたのか頑なに政海は話さない。だから、月曜日。一限が終わってから、美乃梨にアタックする事にした。
「よお、美乃梨。ちょっと話があるんだけどいいか?」
「いいけど」
「ここじゃなんだから、ちょっと顔貸してくれ」
校舎の隅に連れ出し、早速切り出した。「なあ、土曜日政人とデートしただろ? そっからアイツ、様子がおかしいんだ。美乃梨、何か知ってるか?」
「それ、私に聞かないでよ」
「いや、だってさ・・・・何か様子がおかしいから心配で・・・・」
そう言うと、ジロリと半分睨むように美乃梨に見られた。
「な、なんだよ・・・・」
ふうー、と思いきりため息をつかれた。
「た、ため息つく事ないだろ」
「だって・・・・ねえ。あ、海里ってさ、政海の事どう思っているの?」
「ま、政海!?」
何故ここで政海の話?
「私は今、政人の話を聞いていたんだけどな・・・・」
「うーん。海里の質問には、私の質問に答えてくれたら教えてあげる」
なんだなんだ?
美乃梨の考えはよく解らんぞ。
「で、ズバリ、海里は政海の事、どう思っているの?」
「あ、いや。その・・・・」
政海は好きな女・・・・いや、男か?
「つまりだな・・・・」
政人の政海も好きだし、政海の政海も好きだし・・・・考えれば考えるほど、何だかよく解んなくなっちゃうぞ。
「よく過保護だと言われるが、それはだな、つまり、政海の母親に頼まれているからだ。政海はドジっ子だし、可愛いから目を離すとすぐに狼が群がるだろう。私はお目付け役なんだ」
「でも、付き合ってもいない男と女が一緒の部屋に住むなんておかしいよ」
美乃梨は、私と政海が同じアパートの同じ部屋で暮らしている事は既に知っている。
政海のアホが最初から何の考えも無く、美乃梨に言いやがったんだ。梅香に言うとややこしくなるから、美乃梨には私と政海が同じ部屋で暮らしている事は言うなよ、って頼んであるけど、美乃梨もドジっ子だからうっかり口を滑らせ、そのうち梅香にも知られるだろうと思っている。
まあ、文句言われたら文句言われた時で、対処すればいい。
「私は政海からも、彼女の母親からも信用されているんだ。政海に手を出したりはしない」
出したいけど、な。
しかし政海に嫌われてしまっては、私のこの先の大学生活はお先真っ暗だ。
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