【R18】リバース!? ～美少女ヒーローに迫るのは、実はイケメンヒロインです～

第４話 ～琴里ちゃんと政海ちゃん～

Side・新庄海里/その３

　
「あの････政人さんって、彼女とか、いるのかな」

「さあ････本人に聞けよ」

　多分彼女はいないだろう。ヤツは男好きだし、女の影は無い。なにせ本人が女みたいなものだからな。私はもうこれ以上、政人について語る事は出来なかった。

「おっ、そろそろ講義が始まるぞ。美乃梨、今日メイドカフェにバイトへ行くんだろ？」

　私も行くけどな。････働く方で。ああ、笑えない冗談にもならねーぞ。

「うん！　そうだよっ。帰り、執事カフェに寄ってみようかな。政人さんにお礼を言いたいし」

「いい事教えてやる。政人は今日、休みだ」

　これくらいは良いだろう。

「えーっ、ありがとう！　そしたら海里、政人さんのシフトだけでいいから教えて？　それくらい、いいでしょ！」

「解った。見ておく」

「ありがとう――っ！　恩に着るよぉっ！　私、頑張っちゃうから！　じゃ、またねーっ。二限空きあるでしょ？　今日こそ軽音サークル一緒に行こうねー」

「解った」

　私は美乃梨に手を振った。講義が終わったら、政海のヤツをとっちめてやるっ!!




　※



　

「一体、ど・う・い・う・こ・と・な・ん・だ！」


　一限を終え、早速政海の受けていた講義室に向かってドジっ子を捕獲した。

「か、海里ちゃん、どうしたの？」

「海里ちゃん言うなって言ってるだろーが！　誰かに聞かれたらどーすんだ、このドジ！」

「そんな事いう海里ちゃんの声だって大きい――モガッ」

　慌てて政海の口を掌で覆って塞いだ。これ以上大きな声を出されたら、他の奴らに注目される！

　ここからは小声で話した。「お前の声も大きいだろーがっ！　バカ政海!!」

「なんで突然バカって言うのさ」

「お前、昨日美乃梨に何したんだっ！　アイツ、お前に････政人に惚れたって言ってるんだ！　どうすんだよバカ!!」

「ええっ!?　僕に!?　なんでっ」

　言っておくが、小さい声で話している。
　
「美乃梨は、最初から政人の接客や容姿に好感を持っていたみたいだ。それより聞いたけど、最後にナンパ男を投げ飛ばしたんだって？　美乃梨を助けたって言うから、てっきり絡まれている所に入って上手く連れ出したんだと思ってたけど････美乃梨のヤツ、政人の連絡先教えろって私に言ってきたんだぞ！　とにかく政人の連絡先は知らない、あと、従業員規定でお客との恋愛や個人的なやり取りは店のルールで禁止だって誤魔化しておいたけどさ、本気でどーすんだよ」

「うわあ････どうしよう････美乃梨ちゃんが僕を好きになってくれるなんて、そんなことになるとは思わなかった････」

　政海が青ざめて困った顔をしている。私の方が困っているんだよ！
　男にもモテるし女にまでモテられたら、困るんだ！