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ラストスマイル・王様は世界一
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だからなんだ、と思った。
王雅のお父様が、お母様にスムーズに会えるよう、裏で手を回してくれたのだわ!
だからこんな簡単に会って頂けたんだ。
「ご名答」私のかんがえを読み取ったお母様は、王雅にそっくりの顔で微笑んだ。「あの人と賭けをしたのですって? 色々聞いたわ。面白い事をするわね、美羽さん」
「あ、はい。賭けの前は大赤字のお店でしたけれど、売り方次第で化けました。シェフの腕も良く、元が良かったのです。それに、大勢の人に助けて貰いました。私一人の力ではありません」
「櫻井家は結果が全てなの。確かに過程も大切だけれど、そこまで重要では無いのよ。貴女は善次(ぜんじ)さんとの約束を守った。それだけで十分よ。あの人、無理難題な約束しかしないから。並大抵な努力で守れるような約束では無かった筈でしょう?」
「ええ、まあ」思わず苦笑が漏れた。
「善次さん、貴女の事をとても気に入っていたわ。私に連絡を寄こすくらいですもの」
お母様は嬉しそうに笑っている。
お父様もそうだけれど、どうしてこんなに嬉しそうなのかしら。
「用事以外であの人から連絡を貰ったのなんて、本当に久しぶりだったの。なんだかトキめいちゃってね」
あら。
お母様って、冷たい方だと思っていたけれど、勘違いかしら。
もしかして凄く可愛らしい女性だったりして?
「お互い忙しいし、王雅も勝手にやっているから、正直家に帰ってもしょうがなかったのよね。だから誰もあの家に帰らなくなっちゃって。ずっと王雅にも善次さんにも会っていなかったのよ。でもね、あの人の声を聞いたら、どういう訳か無性に会いたくなっちゃったの。それで貴女の事を聞くという名目で、ついこの前、善次さんと一緒に食事をしたのよ。美羽さんの話で盛り上がっちゃって。楽しかったわ」
「それは光栄です」
「私の所へは、何時来てくれるのかしら、って思いながら、ずっと待っていたのよ」
「お待たせしてすみませんでした。海外に行かれていると聞いていたもので・・・・」
「ええ。だから、海外の仕事はキャンセルしたの。日本に居たら、きっと美羽さんの方から来てくれると思ったから」
お母様は嬉しそうに私を見つめた。
「私ね、ずっと娘が欲しかったのよ。今まで諦めていたんだけれど、こんな形で夢が叶っちゃうなんて! 素敵だわ」
王雅にそっくりの笑顔で、お母様が笑った。
「あの・・・・それは・・・・王雅さんと私の結婚を認めて下さるという事でしょうか?」
「まあっ。認めるも何も、善次さんがいいって言ったのでしょう? だったら問題無いわ。私が反対する理由も無いし」
ちょっと待っていて、とお母様は席を立たれ、部屋を出て行った。
お母様は手に綺麗なボレロを持って、再び部屋にすぐ戻ってきた。
傍にやって来て、そのチュールのボレロを私に掛けてくれた。
「今ね、新しいブランドの服を考えている所なの。うん、イメージピッタリ」
持っていたノートを開いて、ぶつぶつ言いながら何かを書き込んでいる。チラッと見えたけれど、様々な衣装のデザイン画に、細やかに書き込みがしてあった。こうやってデザイナーの方が努力して、素晴らしいお洋服になるのだと思うと、お母様のお仕事は凄いんだって思った。
「美羽さん・・・・本当に綺麗。あ、美羽さんて、いい名前ね。・・・・フェザー・・・・うん。いい! ねえ、美羽さん。今、このブランドの名前を決めたわ。ビューティーフェザー。いいと思わない?」
お母様が、王雅そっくりの顔で笑っている。
ビューティーフェザー(美羽)なんて、大切な新しいブランドに、私の名前を使って下さるなんて!
王雅のお父様が、お母様にスムーズに会えるよう、裏で手を回してくれたのだわ!
だからこんな簡単に会って頂けたんだ。
「ご名答」私のかんがえを読み取ったお母様は、王雅にそっくりの顔で微笑んだ。「あの人と賭けをしたのですって? 色々聞いたわ。面白い事をするわね、美羽さん」
「あ、はい。賭けの前は大赤字のお店でしたけれど、売り方次第で化けました。シェフの腕も良く、元が良かったのです。それに、大勢の人に助けて貰いました。私一人の力ではありません」
「櫻井家は結果が全てなの。確かに過程も大切だけれど、そこまで重要では無いのよ。貴女は善次(ぜんじ)さんとの約束を守った。それだけで十分よ。あの人、無理難題な約束しかしないから。並大抵な努力で守れるような約束では無かった筈でしょう?」
「ええ、まあ」思わず苦笑が漏れた。
「善次さん、貴女の事をとても気に入っていたわ。私に連絡を寄こすくらいですもの」
お母様は嬉しそうに笑っている。
お父様もそうだけれど、どうしてこんなに嬉しそうなのかしら。
「用事以外であの人から連絡を貰ったのなんて、本当に久しぶりだったの。なんだかトキめいちゃってね」
あら。
お母様って、冷たい方だと思っていたけれど、勘違いかしら。
もしかして凄く可愛らしい女性だったりして?
「お互い忙しいし、王雅も勝手にやっているから、正直家に帰ってもしょうがなかったのよね。だから誰もあの家に帰らなくなっちゃって。ずっと王雅にも善次さんにも会っていなかったのよ。でもね、あの人の声を聞いたら、どういう訳か無性に会いたくなっちゃったの。それで貴女の事を聞くという名目で、ついこの前、善次さんと一緒に食事をしたのよ。美羽さんの話で盛り上がっちゃって。楽しかったわ」
「それは光栄です」
「私の所へは、何時来てくれるのかしら、って思いながら、ずっと待っていたのよ」
「お待たせしてすみませんでした。海外に行かれていると聞いていたもので・・・・」
「ええ。だから、海外の仕事はキャンセルしたの。日本に居たら、きっと美羽さんの方から来てくれると思ったから」
お母様は嬉しそうに私を見つめた。
「私ね、ずっと娘が欲しかったのよ。今まで諦めていたんだけれど、こんな形で夢が叶っちゃうなんて! 素敵だわ」
王雅にそっくりの笑顔で、お母様が笑った。
「あの・・・・それは・・・・王雅さんと私の結婚を認めて下さるという事でしょうか?」
「まあっ。認めるも何も、善次さんがいいって言ったのでしょう? だったら問題無いわ。私が反対する理由も無いし」
ちょっと待っていて、とお母様は席を立たれ、部屋を出て行った。
お母様は手に綺麗なボレロを持って、再び部屋にすぐ戻ってきた。
傍にやって来て、そのチュールのボレロを私に掛けてくれた。
「今ね、新しいブランドの服を考えている所なの。うん、イメージピッタリ」
持っていたノートを開いて、ぶつぶつ言いながら何かを書き込んでいる。チラッと見えたけれど、様々な衣装のデザイン画に、細やかに書き込みがしてあった。こうやってデザイナーの方が努力して、素晴らしいお洋服になるのだと思うと、お母様のお仕事は凄いんだって思った。
「美羽さん・・・・本当に綺麗。あ、美羽さんて、いい名前ね。・・・・フェザー・・・・うん。いい! ねえ、美羽さん。今、このブランドの名前を決めたわ。ビューティーフェザー。いいと思わない?」
お母様が、王雅そっくりの顔で笑っている。
ビューティーフェザー(美羽)なんて、大切な新しいブランドに、私の名前を使って下さるなんて!
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