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ラストスマイル・王様は世界一

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 本当に、よく似た親子だわ。秀麗な顔は半分以上がお母様似、でも、お父様にも似ている。そしてビジネスの才能は、しっかりお父様の血を引いている。
 王様は完璧ね。美しさも、頭の良さも、全て持ち合わせているのだから。

 後は王雅を世界一の男にする為に、私が努力する番ね。
 貴方の手綱は、私が握ってサポートしてあげる。
 彼に認めて貰えたことは、私にとって自信に繫がったの。
 お父様は私が貧乏人だからと言って卑下するような事は一切言わなかったし、そんな事はどうでもいいような風だったわ。もう少し気にされると思ったのに。

 お金持ち過ぎて、その辺りは超越しているのかしら。
 それよりも、優秀であることに重きを置いていらっしゃる。


 だから王雅との結婚は、間違ってなんかいない。私の生い立ちを恥じる事も無いんだって。


 お父様に無事、結婚式の出席の約束を取り付けた。次はお母様ね。
 とりあえず海外に行っているらしいという事しか解らなかった。お母様は攻略が難しいかもしれないけど、諦めないわよ!

 


 ※




 幾日か経ったある日、日本国内にいる事を真秀君が突き止めてくれた。もう、探偵できるわ、って思わず褒めた位、彼は迅速に、かつ優秀に調査してくれる。
 まあこれも、真凛ちゃんとの仲を取り持ってくれた王雅の為に、そして幼い頃から仲良くしてきた私の為に、頑張ってくれているのでしょう。

 お母様は海外のお仕事がキャンセルになったとの事で、日本の都内にあるアトリエにいるらしいことを真秀君から聞いた。真凛ちゃんの協力の元、しっかりドレスアップしてきちんと身だしなみを整え、お母様のアトリエ事務所へ向かった。

 アポ無しだから門前払いで会って貰えないと思っていたのに、櫻井美羽です、と名乗ると、少しお待ちください、って受付の方に言われて、どうぞ、と中へ通された。


 絶対に断られると思っていたのに、驚く程あっさり会って頂ける事になったの!


 アトリエで忙しくお仕事をされていたのに、私が来たから中断してわざわざ出迎えてくれて、事務所内のミーティングルームに案内して貰っちゃった。
 そして、席に着くように促された。

「真崎美羽さん――・・・・ええと、今は櫻井美羽さんになるのかしら?」

「はい。結婚の御許しもいただいていないのに、勝手をした上に図々しくやって参りました。お忙しい中お時間を割いていただき、申し訳ありません」

 深々と頭を下げた。

「いいのよ。あの人がね、貴女は大物になるって言うから。一度きちんとお話をしてみたかったのよ」

「あの人って・・・・もしかして・・・・・・・・」
 
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