277 / 287
ラストスマイル・王様は世界一
2
しおりを挟む
本当に、よく似た親子だわ。秀麗な顔は半分以上がお母様似、でも、お父様にも似ている。そしてビジネスの才能は、しっかりお父様の血を引いている。
王様は完璧ね。美しさも、頭の良さも、全て持ち合わせているのだから。
後は王雅を世界一の男にする為に、私が努力する番ね。
貴方の手綱は、私が握ってサポートしてあげる。
彼に認めて貰えたことは、私にとって自信に繫がったの。
お父様は私が貧乏人だからと言って卑下するような事は一切言わなかったし、そんな事はどうでもいいような風だったわ。もう少し気にされると思ったのに。
お金持ち過ぎて、その辺りは超越しているのかしら。
それよりも、優秀であることに重きを置いていらっしゃる。
だから王雅との結婚は、間違ってなんかいない。私の生い立ちを恥じる事も無いんだって。
お父様に無事、結婚式の出席の約束を取り付けた。次はお母様ね。
とりあえず海外に行っているらしいという事しか解らなかった。お母様は攻略が難しいかもしれないけど、諦めないわよ!
※
幾日か経ったある日、日本国内にいる事を真秀君が突き止めてくれた。もう、探偵できるわ、って思わず褒めた位、彼は迅速に、かつ優秀に調査してくれる。
まあこれも、真凛ちゃんとの仲を取り持ってくれた王雅の為に、そして幼い頃から仲良くしてきた私の為に、頑張ってくれているのでしょう。
お母様は海外のお仕事がキャンセルになったとの事で、日本の都内にあるアトリエにいるらしいことを真秀君から聞いた。真凛ちゃんの協力の元、しっかりドレスアップしてきちんと身だしなみを整え、お母様のアトリエ事務所へ向かった。
アポ無しだから門前払いで会って貰えないと思っていたのに、櫻井美羽です、と名乗ると、少しお待ちください、って受付の方に言われて、どうぞ、と中へ通された。
絶対に断られると思っていたのに、驚く程あっさり会って頂ける事になったの!
アトリエで忙しくお仕事をされていたのに、私が来たから中断してわざわざ出迎えてくれて、事務所内のミーティングルームに案内して貰っちゃった。
そして、席に着くように促された。
「真崎美羽さん――・・・・ええと、今は櫻井美羽さんになるのかしら?」
「はい。結婚の御許しもいただいていないのに、勝手をした上に図々しくやって参りました。お忙しい中お時間を割いていただき、申し訳ありません」
深々と頭を下げた。
「いいのよ。あの人がね、貴女は大物になるって言うから。一度きちんとお話をしてみたかったのよ」
「あの人って・・・・もしかして・・・・・・・・」
王様は完璧ね。美しさも、頭の良さも、全て持ち合わせているのだから。
後は王雅を世界一の男にする為に、私が努力する番ね。
貴方の手綱は、私が握ってサポートしてあげる。
彼に認めて貰えたことは、私にとって自信に繫がったの。
お父様は私が貧乏人だからと言って卑下するような事は一切言わなかったし、そんな事はどうでもいいような風だったわ。もう少し気にされると思ったのに。
お金持ち過ぎて、その辺りは超越しているのかしら。
それよりも、優秀であることに重きを置いていらっしゃる。
だから王雅との結婚は、間違ってなんかいない。私の生い立ちを恥じる事も無いんだって。
お父様に無事、結婚式の出席の約束を取り付けた。次はお母様ね。
とりあえず海外に行っているらしいという事しか解らなかった。お母様は攻略が難しいかもしれないけど、諦めないわよ!
※
幾日か経ったある日、日本国内にいる事を真秀君が突き止めてくれた。もう、探偵できるわ、って思わず褒めた位、彼は迅速に、かつ優秀に調査してくれる。
まあこれも、真凛ちゃんとの仲を取り持ってくれた王雅の為に、そして幼い頃から仲良くしてきた私の為に、頑張ってくれているのでしょう。
お母様は海外のお仕事がキャンセルになったとの事で、日本の都内にあるアトリエにいるらしいことを真秀君から聞いた。真凛ちゃんの協力の元、しっかりドレスアップしてきちんと身だしなみを整え、お母様のアトリエ事務所へ向かった。
アポ無しだから門前払いで会って貰えないと思っていたのに、櫻井美羽です、と名乗ると、少しお待ちください、って受付の方に言われて、どうぞ、と中へ通された。
絶対に断られると思っていたのに、驚く程あっさり会って頂ける事になったの!
アトリエで忙しくお仕事をされていたのに、私が来たから中断してわざわざ出迎えてくれて、事務所内のミーティングルームに案内して貰っちゃった。
そして、席に着くように促された。
「真崎美羽さん――・・・・ええと、今は櫻井美羽さんになるのかしら?」
「はい。結婚の御許しもいただいていないのに、勝手をした上に図々しくやって参りました。お忙しい中お時間を割いていただき、申し訳ありません」
深々と頭を下げた。
「いいのよ。あの人がね、貴女は大物になるって言うから。一度きちんとお話をしてみたかったのよ」
「あの人って・・・・もしかして・・・・・・・・」
0
お気に入りに追加
113
あなたにおすすめの小説
心の声が聞こえる私は、婚約者から嫌われていることを知っている。
木山楽斗
恋愛
人の心の声が聞こえるカルミアは、婚約者が自分のことを嫌っていることを知っていた。
そんな婚約者といつまでも一緒にいるつもりはない。そう思っていたカルミアは、彼といつか婚約破棄すると決めていた。
ある時、カルミアは婚約者が浮気していることを心の声によって知った。
そこで、カルミアは、友人のロウィードに協力してもらい、浮気の証拠を集めて、婚約者に突きつけたのである。
こうして、カルミアは婚約破棄して、自分を嫌っている婚約者から解放されるのだった。
別れてくれない夫は、私を愛していない
abang
恋愛
「私と別れて下さい」
「嫌だ、君と別れる気はない」
誕生パーティー、結婚記念日、大切な約束の日まで……
彼の大切な幼馴染の「セレン」はいつも彼を連れ去ってしまう。
「ごめん、セレンが怪我をしたらしい」
「セレンが熱が出たと……」
そんなに大切ならば、彼女を妻にすれば良かったのでは?
ふと過ぎったその考えに私の妻としての限界に気付いた。
その日から始まる、私を愛さない夫と愛してるからこそ限界な妻の離婚攻防戦。
「あなた、お願いだから別れて頂戴」
「絶対に、別れない」
セレナの居場所 ~下賜された側妃~
緑谷めい
恋愛
後宮が廃され、国王エドガルドの側妃だったセレナは、ルーベン・アルファーロ侯爵に下賜された。自らの新たな居場所を作ろうと努力するセレナだったが、夫ルーベンの幼馴染だという伯爵家令嬢クラーラが頻繁に屋敷を訪れることに違和感を覚える。
【完結】王太子妃の初恋
ゴールデンフィッシュメダル
恋愛
カテリーナは王太子妃。しかし、政略のための結婚でアレクサンドル王太子からは嫌われている。
王太子が側妃を娶ったため、カテリーナはお役御免とばかりに王宮の外れにある森の中の宮殿に追いやられてしまう。
しかし、カテリーナはちょうど良かったと思っていた。婚約者時代からの激務で目が悪くなっていて、これ以上は公務も社交も難しいと考えていたからだ。
そんなカテリーナが湖畔で一人の男に出会い、恋をするまでとその後。
★ざまぁはありません。
全話予約投稿済。
携帯投稿のため誤字脱字多くて申し訳ありません。
報告ありがとうございます。
あなたの嫉妬なんて知らない
abang
恋愛
「あなたが尻軽だとは知らなかったな」
「あ、そう。誰を信じるかは自由よ。じゃあ、終わりって事でいいのね」
「は……終わりだなんて、」
「こんな所にいらしたのね!お二人とも……皆探していましたよ……
"今日の主役が二人も抜けては"」
婚約パーティーの夜だった。
愛おしい恋人に「尻軽」だと身に覚えのない事で罵られたのは。
長年の恋人の言葉よりもあざとい秘書官の言葉を信頼する近頃の彼にどれほど傷ついただろう。
「はー、もういいわ」
皇帝という立場の恋人は、仕事仲間である優秀な秘書官を信頼していた。
彼女の言葉を信じて私に婚約パーティーの日に「尻軽」だと言った彼。
「公女様は、退屈な方ですね」そういって耳元で嘲笑った秘書官。
だから私は悪女になった。
「しつこいわね、見て分かんないの?貴方とは終わったの」
洗練された公女の所作に、恵まれた女性の魅力に、高貴な家門の名に、男女問わず皆が魅了される。
「貴女は、俺の婚約者だろう!」
「これを見ても?貴方の言ったとおり"尻軽"に振る舞ったのだけど、思いの他皆にモテているの。感謝するわ」
「ダリア!いい加減に……」
嫉妬に燃える皇帝はダリアの新しい恋を次々と邪魔して……?
私は既にフラれましたので。
椎茸
恋愛
子爵令嬢ルフェルニア・シラーは、国一番の美貌を持つ幼馴染の公爵令息ユリウス・ミネルウァへの想いを断ち切るため、告白をする。ルフェルニアは、予想どおりフラれると、元来の深く悩まない性格ゆえか、気持ちを切り替えて、仕事と婚活に邁進しようとする。一方、仕事一筋で自身の感情にも恋愛事情にも疎かったユリウスは、ずっと一緒に居てくれたルフェルニアに距離を置かれたことで、感情の蓋が外れてルフェルニアの言動に一喜一憂するように…?
※小説家になろう様、カクヨム様にも掲載しております。
【完結】生贄になった婚約者と間に合わなかった王子
ゴールデンフィッシュメダル
恋愛
フィーは第二王子レイフの婚約者である。
しかし、仲が良かったのも今は昔。
レイフはフィーとのお茶会をすっぽかすようになり、夜会にエスコートしてくれたのはデビューの時だけだった。
いつしか、レイフはフィーに嫌われていると噂がながれるようになった。
それでも、フィーは信じていた。
レイフは魔法の研究に熱心なだけだと。
しかし、ある夜会で研究室の同僚をエスコートしている姿を見てこころが折れてしまう。
そして、フィーは国守樹の乙女になることを決意する。
国守樹の乙女、それは樹に喰らわれる生贄だった。
私のドレスを奪った異母妹に、もう大事なものは奪わせない
文野多咲
恋愛
優月(ゆづき)が自宅屋敷に帰ると、異母妹が優月のウェディングドレスを試着していた。その日縫い上がったばかりで、優月もまだ袖を通していなかった。
使用人たちが「まるで、異母妹のためにあつらえたドレスのよう」と褒め称えており、優月の婚約者まで「異母妹の方が似合う」と褒めている。
優月が異母妹に「どうして勝手に着たの?」と訊けば「ちょっと着てみただけよ」と言う。
婚約者は「異母妹なんだから、ちょっとくらいいじゃないか」と言う。
「ちょっとじゃないわ。私はドレスを盗られたも同じよ!」と言えば、父の後妻は「悪気があったわけじゃないのに、心が狭い」と優月の頬をぶった。
優月は父親に婚約解消を願い出た。婚約者は父親が決めた相手で、優月にはもう彼を信頼できない。
父親に事情を説明すると、「大げさだなあ」と取り合わず、「優月は異母妹に嫉妬しているだけだ、婚約者には異母妹を褒めないように言っておく」と言われる。
嫉妬じゃないのに、どうしてわかってくれないの?
優月は父親をも信頼できなくなる。
婚約者は優月を手に入れるために、優月を襲おうとした。絶体絶命の優月の前に現れたのは、叔父だった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる