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スマイル40・王様の王様VS女王とお供
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しおりを挟む「うええー、そんないっぺんに・・・・」
「甘えない!」半べそをかこうとしている一輝君を一喝した。「大赤字のオレンジキッチンを、一週間で黒字にするんでしょ! 休んでるヒマなんか無いわよっ。死ぬ気でやりなさい! 何でもやるんでしょっ!!」
「は、はいっ」
私の本気モードはかなり厳しいと思うけど、頑張ってね。ていうか、一輝君に頑張って貰わなきゃ困るの。
王雅との結婚がかかっているから、ここでしくじるワケにはいかない。
とりあえず出来る準備に取り掛かっていると、真凛ちゃんと佳奈美さんに加え、まりなちゃんまで来てくれた。来る途中に商店街で会い、まりなちゃんも一緒に手伝ってくれるという話になった。
私はもう一度、集まってくれたみんなに事情を説明した。
そしたらみんなが、私の為に頑張ってくれるって言ってくれたの! 本当に嬉しいわ。
とりあえず集まってくれたみんなと、ミーティングを行った。
コストカットについては、食材の品質は落とさず、商店街で仕入れをすることで輸送費が浮くから実質今の仕入れの半分くらいにはなりそうな計算になった。
出来上がりも値段が高い分、通常のメニューより少しボリュームを持たせていたものをやめ、今時の若い子に支持されるように可愛い・インスタ映えというよく解らない――写真映えするような可愛い器に盛り付けを行い、量を減らして値段を下げる事にした。これは真凛ちゃんのアイディアだった。
これについては一輝君はかなりのセンスがあるし、佳奈美さんも良い意見を出してくれて、人気のリゾットは小さな器で三種類の味を楽しめるものをメニューに追加した。
シェア用のメニューも作った。ピザはシェアできるようにして、二種類の味が楽しめるようにお得感を打ち出し、明日からはランチもすることにした。
デリバリーのアイディアを固めている最中に、真秀君がやって来た。
とりあえず決まったのは、持ち帰り易いメニューを中心に、プラ容器で沢山余分なごみを出したく無いから、ポイントカードを作ることにした。エコ感は大切にしたいから、容器持参、もしくは容器を返却してくれたお客様には、十円引きとシールを付ける事にしたの。これは私のアイディア。エコは大事よ。
ポイントシールを五十個集めたら、ランチ一回分無料に決めて、みんなでとにかくアイディアを出して、お店の工夫を凝らした。
出来上がった試作メニューを食べたけど、本当に美味しくて、沢山のお客様に来て欲しいって思ったわ。
試作メニューは真秀君が写真を撮ってくれて、綺麗なチラシをあっという間に作ってくれた。
色々なバイトをやったから、大抵の事は何でもできるよ、ってありあわせの材料とパソコンを使って、驚く程お洒落なチラシを作ってくれた。
「オレ、チラシでいっぱいお客さんを呼んでくるのだ。ちょっと電話貸してくれる? メンバーにも協力してもらうから」
まりなちゃんがバンドのメンバーと一緒にチラシを撒くと言ってくれたので、そっちは任せる事にした。
彼女がお手伝いをしているバンドは、何でも凄く人気があるらしく、真凛ちゃんがキャーキャー言っていた。
私は全然知らないから、真秀君がパソコンでHPを調べてくれた。メンバーを見たけど、驚く程のイケメン揃いで、こんな人たちが手伝ってチラシ撒いてくれたら、かなり集客は見込めそうだと思った。
まりなちゃんのバンドのメンバーを詳しく知りたかったら、作者別作品の『プレゼント』読んでみてね。そのうちアルファポリスでも、連載する予定だから。
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