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スマイル40・王様の王様VS女王とお供

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 それから一輝君と一緒に彼の城――オレンジキッチンへ向かった。
 ウェスティンホテルから、私達の住む地域までタクシーで帰ってきた。真秀君がタクシーチケットを持たせてくれたの。
 このチケットの料金は櫻井グループの経費で落ちるから、美羽ねーちゃんは払わなくていいよ、って言われた。近いからそんなに料金は取られなかったでしょうけど、払わせてしまっていいのかしら。

 最初、使うの勿体ないから電車で帰るって言ったんだけど、変な男に絡まれて王雅に外出がバレた方が大変だよって諭されて、仕方なく使ったのよ。
 タクシーなんて、生まれてこの方使った事が無いの。庶民からすれば、タクシーなんて超ぜいたく品よ。

 それにしても便利だったわ。あっという間にオレンジキッチンへ着いた。

 鍵を開けてもらって店内に入ると、こだわりの木製テーブルに木製椅子、テラスもお洒落でこじんまりとしたお店だけれど、オープンキッチンで厨房の様子がよく見える内装だ。
 逆さL字型のようになっているカウンターが、オープンキッチンを囲うように六席と四席で合計十席、四人掛けのテーブルが四つと十人掛けの大人数用のテーブルが一つ、テラス席は四人掛けが三席――ざっと計算すると、満員になると四十八人、入ることができるのね。
 限界に詰め込んだらの話だとは思うけど。

 客単価が千円と仮定すると、四十八×千円で四万八千円。オープン時間は午後五時から午後十一時時まで。最低でも二回転はしたい。となると、四万八千円×二で九万六千円。十万円の売り上げを目標にするなら、大変だわ。

 満席じゃない場合、客単価を上げる事が出来れば目標には達成できそうね。

 メニューを見た。ピザはこだわりの釜焼プレーンピザ、千八百円――高いわね。具沢山海鮮ピザ、二千三百円・・・・外食を殆どした事が無い私にしたら、驚きの値段設定だった。
 まあ、流行りのイタリアンならこんなものかもしれない。

 パスタも大抵高かった。メニュー設定は全て千円以上。それも千五百円以上のものが非常に多い。
 二千円を超えてくるものもある。そうすると客単価は上がるけど、この価格帯はどうだろう――私達が住むのは確かに都内だけれど、ちょっと外れで家賃も比較的安い地域よ。幾らこのお店が駅前とはいえ、銀座じゃあるまいし、値段設定に問題は無いかしら?

 因みに、このオレンジキッチンはマサキ施設からまあまあ近い。セントラル駅という最寄りの駅前の北側の飲食店がそれなりに連なっている場所にお店はある。

「あの、一輝君。ちょっと聞いていい? メニュー見たけど、値段設定はどうしてこんなに高いの? イタリアンのお店ってこれがフツー?」

 疑問に思ったので聞いてみた。
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