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スマイル33・王様が女王のキモチを聞く

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 大興奮のキュウのステージが終わって、私たっての希望でキュウとXと一緒にみんなで記念撮影を行い、その後ライタ君の誕生日パーティーを行った。
 キュウもXも施設に残ってくれて、一緒にライタ君の誕生日を祝ってくれたから、最高のパーティーになった。もう凄い盛り上がりだったの!

 ヒーローと一緒に誕生日パーティーが出来るなんて、本当に最高ね。
 ライタ君にとって、忘れられない誕生日になった事でしょう。
 本当に王雅のお陰ね。後でまたお礼言っておこう。

 そんな王雅から、大事な話があるから二人きりで話がしたいって言われたのよね。
 一体何の話かしら。私に飽きたからもう施設に来るつもりは無いとか、そういう類の話かもしれないわね。


 記念に一発やらせろ、みたいな事言われちゃうかもしれないわね。


 それでもいいわよ。王雅だったら、別に。
 私も記念に一度くらい、好きな男に抱かれてみたいし。
 それでポイされても、覚悟決めているから。

 施設の土地だけは頂いて、ポイされてあげる。
 貴方を繋ぎ止めておくものは、私は何も持っていないから。
 こんなつまらない汚れた身体を出し惜しみするのも、もう限界だしね。
 

「お待たせ」


 何時ものハーブティーが飲みたいって言うから、待ってくれている応接室に用意して持って行き、お茶を出しながら切り出した。「話って?」

 嫌な話はさっさと聞いておきたい。記念にやらせろ的な事を言われたら、きちんと書類の手続きを進めてもらって、土地の権利を私に譲渡してもらうから。
 それに、留守番を雇わなきゃいけないしね。このままこの場所でという訳にはいかないから。
 ホテルへ出向するなら、留守番が必要だもの。

「あ、うん。あのさ。暫く施設に・・・・その・・・・仕事の都合で帰って来れねーんだ。だからその間、ガキ共の面倒見るの手伝ってやれない。ごめん」

 あら。違ったのね。拍子抜けだった。
 貴方まだ、マサキ施設を気にかけてくれるの?


 もう少し、貴方の帰りを期待してもいいの?


 待つことを赦されたのだと思うと、嬉しさでいっぱいになった。
 本当に重症ね、私。
 
「そう・・・・こっちこそ色々王雅に頼ってしまってごめんなさい。ここの事は気にしないで。それより、お仕事忙しいの?」

「うん。俺さ、今、櫻井グループの命運を懸けたプロジェクト任されてんだ。夏に入る前から、俺が中心になって計画してる。絶対成功させるつもりで、頑張ってるトコなんだ。だから最近スゲー忙しくて、平日も施設に帰って来てやるって言ったのに、帰宅が午前様でなかなか実現できなかったんだ。ただ・・・・プロジェクトの方はお陰様で順調だ」

 真剣な、ビジネスモードの王雅。素敵だわ。いい顔してる。

「良かったじゃない。順調なら、お仕事に専念して頑張ってよ。何時までもこんな貧乏施設の事を考えていたらいけないわ。だから、ここの事は気にしないで。王雅にはもっと相応しい帰る場所があるから」


 貴方が帰ってきてくれなくなってしまうのは、淋しいけれど、仕方ない。
 捨てられてお終いというより、ずっといい。


 このまま、綺麗なまま、お別れというのも悪くない。
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