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スマイル31・王様に惚れた女
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誰かが、私のキモチが溢れ出てるってメッセージくれていたわね。いけないわ。気を付けなきゃ。
王様に私の本当のキモチがバレたりでもしたら、速攻手籠めにされて、ポイ捨てされちゃうわ。
ダメダメ。ダメー。
あなたたちだって、私が可哀そうな結末は望んでいないでしょ?
御願いだから、王雅に余計なコト言うのは止めてね。
「ごはんだー」
王雅との再会を終えた子供たちが、我先に食堂へと走って行こうとするのと入れ違いに、真凛ちゃんがキッチンからやって来た。
「お帰りなさーい」
「なっ・・・・どーして・・・・・・・・?」
王雅は真凛ちゃんを見て面食らっている。
「何その顔。私がいちゃ悪いワケ?」
王雅ったら、真凛ちゃんにものすごーく不愉快そうな顔を向けているわ。あからさまに迷惑そうな顔しないでよね。私の大切な知り合いなんだから。
「どうして私が居るのか、知りたそうだね」真凛ちゃんがしかめっ面をしている王雅に微笑みかけた。「昨日ミューちゃんのお手伝いにきて、そのまま施設に泊めてもらいました。更に仕事の休み取れたから、今回の土日は私達も施設のお手伝いしまーす」
王雅は不愉快指数を更に上げたようで、ますます機嫌の悪い顔を見せている。
「オニイサン、櫻井王雅って名前なんでしょ? ミューちゃんから聞いた。私、佐伯真凛。よろしくね、王雅」
「ああ、どーも」
不愉快そうな顔を訂正しようともせず、王雅は真凛ちゃんに尋ねた。「アニキは?」
「今、布団片づけてる。王雅の出迎えはイヤなんだって」
真凛ちゃんの一言で、更に王雅の機嫌が悪くなった。
仕方ないでしょ。折角の好意を断るには忍びなかった事情もあるのよ。
人手が多いと子供たちに目がきちんと行き届くし、用事も雑務も内職も色々はかどるし、助かるのは事実なんだもの。
「あの・・・・王雅、真秀君と仲良くしてね?」
一応お願いしてみた。無理だと思うけど。
「美羽、お前バカだろ?」
「なっ・・・・何よ、突然」
「ライバル同士が手を取り合って、仲良く出来るワケねーだろが! 何で俺が今日泊りで来るって解ってんのに、コイツ等を帰さずに置いとくんだよ。ちょっと考えたらわかるだろ? 今日明日で、どーなっても知らねーぞ」
怒りを含んだ恐ろしい声で、王雅が言った。
そんな事言ったって、しょうがないでしょーが!
もう。何で私が怒られなきゃいけないのよ!
王様に私の本当のキモチがバレたりでもしたら、速攻手籠めにされて、ポイ捨てされちゃうわ。
ダメダメ。ダメー。
あなたたちだって、私が可哀そうな結末は望んでいないでしょ?
御願いだから、王雅に余計なコト言うのは止めてね。
「ごはんだー」
王雅との再会を終えた子供たちが、我先に食堂へと走って行こうとするのと入れ違いに、真凛ちゃんがキッチンからやって来た。
「お帰りなさーい」
「なっ・・・・どーして・・・・・・・・?」
王雅は真凛ちゃんを見て面食らっている。
「何その顔。私がいちゃ悪いワケ?」
王雅ったら、真凛ちゃんにものすごーく不愉快そうな顔を向けているわ。あからさまに迷惑そうな顔しないでよね。私の大切な知り合いなんだから。
「どうして私が居るのか、知りたそうだね」真凛ちゃんがしかめっ面をしている王雅に微笑みかけた。「昨日ミューちゃんのお手伝いにきて、そのまま施設に泊めてもらいました。更に仕事の休み取れたから、今回の土日は私達も施設のお手伝いしまーす」
王雅は不愉快指数を更に上げたようで、ますます機嫌の悪い顔を見せている。
「オニイサン、櫻井王雅って名前なんでしょ? ミューちゃんから聞いた。私、佐伯真凛。よろしくね、王雅」
「ああ、どーも」
不愉快そうな顔を訂正しようともせず、王雅は真凛ちゃんに尋ねた。「アニキは?」
「今、布団片づけてる。王雅の出迎えはイヤなんだって」
真凛ちゃんの一言で、更に王雅の機嫌が悪くなった。
仕方ないでしょ。折角の好意を断るには忍びなかった事情もあるのよ。
人手が多いと子供たちに目がきちんと行き届くし、用事も雑務も内職も色々はかどるし、助かるのは事実なんだもの。
「あの・・・・王雅、真秀君と仲良くしてね?」
一応お願いしてみた。無理だと思うけど。
「美羽、お前バカだろ?」
「なっ・・・・何よ、突然」
「ライバル同士が手を取り合って、仲良く出来るワケねーだろが! 何で俺が今日泊りで来るって解ってんのに、コイツ等を帰さずに置いとくんだよ。ちょっと考えたらわかるだろ? 今日明日で、どーなっても知らねーぞ」
怒りを含んだ恐ろしい声で、王雅が言った。
そんな事言ったって、しょうがないでしょーが!
もう。何で私が怒られなきゃいけないのよ!
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