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スマイル30・王様の事情聴取
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しおりを挟む「はい、終わり」
終わりって、何? どういうコト!?
私にのしかかっていた王雅が離れていった。もう、顔が真っ赤だ。
呆然と王雅を見つめた。
ほっとしたキモチ半分、がっかりしたキモチ半分で、またも胸中が複雑になった。
「心配すんな。これ以上は、もうしねーよ。それ、ただのキノコ除けだ」
この男は、私の気も知らずにあっさり言いのけた。
「しっ、信じらんないっ!!」
誤魔化すようにして怒った。
これ以上して欲しかったのに・・・・って、ちがぁ―――うっ!!
「お前、ニブいしぼんやりしてるから、俺のだって目印つけとかなきゃ、キノコが勝手に手を出すかもしんねーだろ? 万が一俺が居ない時に迫られたりしても、それ見せてちゃんと断れよ。俺がいるから、お前のモンにはなれねーって」
「アンタ、バカじゃないのっ!? こ・・・・こんな・・・・恥ずかしい印なんか、勝手につけたりしてっ!」
王雅のモノである印が熱を帯びて、ドクドクと波打って私の中で甘く疼く。
まるで奴隷の烙印を押されたかのようで――実際そうなんだけど――何処にも逃げられないのだという現実を突きつけられたような気がした。
もしかして一生大事にするっていうのは、奴隷として適当に飼いならしておこうという魂胆があるのかしら。
だったら、うなずける。
一回きりでポイされる方がいいのか、身体で繋ぎ止めておける奴隷としての関係の方がいいのか、どっちにしろ最低な関係に変わりは無い。
この私が、落ちぶれたたものね。
奴隷でもいいから、貴方と離れたくないって思うなんて。
「しょーがねーだろ。心配なんだ。だから、これでちょっとは安心だ。間違ってもキノコのとこなんか、行くなよ?」
「こんなコトしなくても、行くワケないでしょっっ!!」
いっそ嫌いになれたら、ラクなのにと思う。
ポイ捨てされても平気だった、王様スマイル最初のページ付近の私に戻りたい。
「なら、いい。あ、そろそろおやつの時間だぞ」王雅が施設の壁時計を見上げて言った。針は二時四十五分を指していた。「ガキ共起こさなきゃいけねーだろ。それより今日のおやつ、何だよ?」
王雅が話を反らせたから、私もそれに乗ることにした。
「あ、いっけない。すぐ起こしに行かなきゃ! 今日はおやつにゼリー作ってあるの。果物切って乗せるから、並べるの手伝って」
鈍感な女のフリしていれば、当面大丈夫そうね。
それに、何時までもこんな不毛なやり取りをしたくない。
これ以上、貴方に心を赦して乱されたくない。
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