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スマイル23・王様お菓子の家を作る
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しおりを挟む「あ、ああ」
王様はにっこり笑うどころか、不敵な王様スマイルを浮かべている。
もう。全然ダメね。貴方の笑顔は、そんなものじゃないでしょう。
デジカメのタイマーがチカチカ点灯している。そろそろシャッターが切れる合図だわ。フラッシュが光ったらデジカメのシャッターが下りて、一枚写真が撮れた。
「何枚か連続で撮るから、みんなもっとカワイイ笑顔ね! ニッコリスマイル」
「にこーっ」
全員がにこーっとポーズを決めている。再びデジカメのタイマーがチカチカ点灯しだした。
見ると、王雅はまた不敵に笑っている。
もう。何でそんなカッコつけるワケ!?
よーし。見てらっしゃい。
とびっきりの笑顔にさせてやるわ!
こちょこちょ、と王雅の脇をくすぐってやった。
「ちょっ、美羽っ、くすぐってーだろっ、やめろって」
王雅が堪えきれずに笑った瞬間、シャッターが切れた。
「あははっ、大成功! 楽しい写真なんだから、何時もの王様みたいにエラソーに恰好つけるより、こっちの方がずっといいわよ」
「お前な・・・・」
まあ、まずまずの笑顔が撮れたんじゃないかしら。
これでよしとしましょう。
次で最後だわ。
再びデジカメのタイマーがチカチカし出したと思ったら、王雅に脇をくすぐられた。
「きゃあっ、もうっ! 王雅、やめてよっ、あははっ」
思わず笑ってしまった。
「さっきのお返しだ、美羽」
「くすぐったぁい、もうっ」
私が笑うのを見て、王雅も満面の笑顔を見せた。
その瞬間、デジカメのシャッターが切れた。
とても楽しい瞬間が、写真に収められた。
貴方が与えてくれた、魔法のような楽しい時間。
私に満足してこの施設に貴方が飽きたら、捨てられて傷つくでしょうね。
それは、避けられないと思う。
そしてこの写真を見るたびに、きっと思い出すわ。
貴方の笑顔を見ると、ドキンと心が跳ねて、苦しくなってしまう事。
私が恋に堕ちた
私の心を捕らえて離さない
最高の輝く王様スマイルが、好きだって事を――
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