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スマイル21・王様とお寿司パーティー
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次のご飯を炊いているけど、間に合うかしら。そんな風に思っていると、王雅が外にやって来た。
「おい美羽、さっきの要領で合わせ酢作っておいたから。後で見てくれ」
「ホント? 助かるわ。あ、そうそう。これお釣りだって平岡のおじさんに預かったの。王雅に返すね」
封筒を差し出した。
「は? 釣りは要らねーって言っただろが」
王雅が不愉快そうに顔をしかめた。
「でも、そういうワケにはいかないわ。お金は大切よ?」
「解ってるよ。でも、みみっちく釣りをイチイチ受け取って財布に入れるのは、俺の主義じゃねーんだ。小銭入れなんて俺の財布に付いてねーし、大体俺は何時もカード払いなんだ。面倒な金銭のやり取りしなくていーだろ。釣りも出ねーし」
「そうだけど」
でも、だからといって私がこのお金を受け取るワケにはいかないわ。
困っていたら、おじさんが最後のクーラーボックスを持って私達の所へやって来た。
「はいよー、これで全部。あ、お兄ちゃん、今日は沢山魚買ってくれてありがとねー」
「おい、オヤジ。釣りは要らねーっつっただろが。何でわざわざ持ってくるんだよ」
「そういうワケにはいかないよ。お金は大切にしないと。お兄ちゃんが頑張って稼いだお金なんだ。お釣りだって二十万円近くあるんだから。おじさん、こんなに貰えないよ」
「俺がいいっつってんだよ! 受け取れよ、オヤジ」
王雅とおじさんの押し問答になった。
「必要以上のお金は受け取れないよ。だったらそのお釣りで、またおじさんの所に魚を買いに来ておくれ。その方が嬉しいから」
「ったく、どいつもこいつも! わかった、もういいっ。おい美羽、この金預かっといてくれ」
「えっ!?」
「この釣り、またオヤジの所に魚買いに行く時に使え。いいな?」
「あ、う、うん・・・・」
王雅の勢いに押されて、結局私がお釣りを預かるという形で落ち着いた。
もう・・・・こんな大金、私に預けないで欲しい。
「じゃあ、お兄ちゃんありがとう! また美羽ちゃんと魚買いに来ておくれ。待っているよ」
「俺は王雅だ。櫻井王雅。ヨロシクな。そのうち美羽の彼氏に昇格すっから、またオヤジの店に、魚買いに行ってやるよ」
「ありがとう、王雅君。是非、待っているよ」
おじさんは手を振って帰って行った。
勝手な事言わないで欲しい。誰が王様を彼氏になんかするもんですかっ。
「さ、俺達も寿司食おうぜ。何かもう、勝手にパーティー始まってるし」
王雅が親指で後ろの広場を指した。確かにもう、子供たちが待ちきれなくて勝手に食べ始めている。
いけない! 飲み物全然出てないっ。早く用意しなきゃ!
慌てて冷蔵庫に走って、お茶やジュースを持って広場に戻って用意をしていると、ご近所のみんなに、しきりにお礼を言われた。丁寧に返事をしている暇が無かったので適当に挨拶を済ませ、施設内を往復した。
さっき仕掛けておいた御飯が炊けたので、空になった寿司桶を回収して、寿司飯を作って持って行った。見るともう、御飯が全然足りなかった。急いで次のご飯炊かなきゃ!
寿司桶をそのまま広場に置いて、キッチンまで慌てて走って戻った。お米を洗って仕掛けて広場に戻ると、さっき持って出た寿司飯がもう無くなっていた。
「ごめんなさい、御飯が足りなくて! 次のご飯が炊けるまで二十分くらいかかります。お腹が空いている方は、申し訳ないのですがお刺身で召し上がって下さい」
勝手にパーティー始めちゃうから、なんだかメチャクチャになってしまった。
次のご飯が炊けるまで少し時間があったから、子供たちが私の為に作ってくれた具沢山の手巻き寿司を食べた。そして御飯が炊きあがる頃には、既に刺身は完売御礼状態だった。
もう寿司飯は不要みたいね。余ったご飯は夜に回しましょう。
誰か、私の分はあるのか心配してくれていたわね。ありがとう。まあ、こんな状態だからあまりちゃんと食べれないけど、構わないのよ。
「おい美羽、さっきの要領で合わせ酢作っておいたから。後で見てくれ」
「ホント? 助かるわ。あ、そうそう。これお釣りだって平岡のおじさんに預かったの。王雅に返すね」
封筒を差し出した。
「は? 釣りは要らねーって言っただろが」
王雅が不愉快そうに顔をしかめた。
「でも、そういうワケにはいかないわ。お金は大切よ?」
「解ってるよ。でも、みみっちく釣りをイチイチ受け取って財布に入れるのは、俺の主義じゃねーんだ。小銭入れなんて俺の財布に付いてねーし、大体俺は何時もカード払いなんだ。面倒な金銭のやり取りしなくていーだろ。釣りも出ねーし」
「そうだけど」
でも、だからといって私がこのお金を受け取るワケにはいかないわ。
困っていたら、おじさんが最後のクーラーボックスを持って私達の所へやって来た。
「はいよー、これで全部。あ、お兄ちゃん、今日は沢山魚買ってくれてありがとねー」
「おい、オヤジ。釣りは要らねーっつっただろが。何でわざわざ持ってくるんだよ」
「そういうワケにはいかないよ。お金は大切にしないと。お兄ちゃんが頑張って稼いだお金なんだ。お釣りだって二十万円近くあるんだから。おじさん、こんなに貰えないよ」
「俺がいいっつってんだよ! 受け取れよ、オヤジ」
王雅とおじさんの押し問答になった。
「必要以上のお金は受け取れないよ。だったらそのお釣りで、またおじさんの所に魚を買いに来ておくれ。その方が嬉しいから」
「ったく、どいつもこいつも! わかった、もういいっ。おい美羽、この金預かっといてくれ」
「えっ!?」
「この釣り、またオヤジの所に魚買いに行く時に使え。いいな?」
「あ、う、うん・・・・」
王雅の勢いに押されて、結局私がお釣りを預かるという形で落ち着いた。
もう・・・・こんな大金、私に預けないで欲しい。
「じゃあ、お兄ちゃんありがとう! また美羽ちゃんと魚買いに来ておくれ。待っているよ」
「俺は王雅だ。櫻井王雅。ヨロシクな。そのうち美羽の彼氏に昇格すっから、またオヤジの店に、魚買いに行ってやるよ」
「ありがとう、王雅君。是非、待っているよ」
おじさんは手を振って帰って行った。
勝手な事言わないで欲しい。誰が王様を彼氏になんかするもんですかっ。
「さ、俺達も寿司食おうぜ。何かもう、勝手にパーティー始まってるし」
王雅が親指で後ろの広場を指した。確かにもう、子供たちが待ちきれなくて勝手に食べ始めている。
いけない! 飲み物全然出てないっ。早く用意しなきゃ!
慌てて冷蔵庫に走って、お茶やジュースを持って広場に戻って用意をしていると、ご近所のみんなに、しきりにお礼を言われた。丁寧に返事をしている暇が無かったので適当に挨拶を済ませ、施設内を往復した。
さっき仕掛けておいた御飯が炊けたので、空になった寿司桶を回収して、寿司飯を作って持って行った。見るともう、御飯が全然足りなかった。急いで次のご飯炊かなきゃ!
寿司桶をそのまま広場に置いて、キッチンまで慌てて走って戻った。お米を洗って仕掛けて広場に戻ると、さっき持って出た寿司飯がもう無くなっていた。
「ごめんなさい、御飯が足りなくて! 次のご飯が炊けるまで二十分くらいかかります。お腹が空いている方は、申し訳ないのですがお刺身で召し上がって下さい」
勝手にパーティー始めちゃうから、なんだかメチャクチャになってしまった。
次のご飯が炊けるまで少し時間があったから、子供たちが私の為に作ってくれた具沢山の手巻き寿司を食べた。そして御飯が炊きあがる頃には、既に刺身は完売御礼状態だった。
もう寿司飯は不要みたいね。余ったご飯は夜に回しましょう。
誰か、私の分はあるのか心配してくれていたわね。ありがとう。まあ、こんな状態だからあまりちゃんと食べれないけど、構わないのよ。
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