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スマイル18・王様子供を守る
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あれから紙飛行機飛ばし大会を行って、たっぷり遊んで、観光バスで帰ってきた。
相変わらずの揺れ心地に安心する。身体が庶民体質だから、セレブはやっぱり私の肌に合わないと思い知らされる。
とりあえず王雅と過ごす時間はこれで終わりだから、平常に戻るの。
もう心を乱されたりしないし、いつも通りの私でいられるわ。
大通りで観光バスを降り、みんなで仲良く歩いて路地を曲がった。何時もの景色。変わらない。
私が幼い頃から、何も変わらない大切な場所。
命を懸けて守っていくと決めた、私の宝物。
変わらない佇まいのマサキ施設が目に入った。あら、門の所に誰かいるわ。
「サトル!」
真っ赤なミニのワンピースから大きな胸を露出させ、サトル君の名を呼び、女性が私達の方に近寄ってきた。巻き髪に安物のブランドのバッグを持って、真っ赤な口紅を唇に引いている。彼女は、サトル君のお母さんだ。確か今年で三十五歳になるハズ。
・・・・また来たの。あれだけ約束したのに。
「お母さん・・・・」
サトル君はお母さんを見た途端、怯えて王雅の後ろに隠れた。
「サトル、迎えに来たんだよ。さあ、おいで」
何が迎えに来た、よ! いけしゃあしゃあと!!
補助金目当てで、サトル君を一時的に連れ帰ろうとしているだけのクセに!
サトル君は私が守るんだから!
酷いご両親の元には、絶対に帰さないからねっ!!
「お母さん、お久しぶりです。サトル君の面会はまだ先の筈ですが」
王雅とサトル君の前に、さっと立ちはだかった。「今日はお約束、していませんよね?」
「約束はしてないけどさぁ。母親が子供に会いに来ちゃダメなワケぇ?」
「ダメです。規則ですから。こちらはきちんと責任をもって、サトル君をお預かりしておりますので。勝手に会いに来られては困ると、もう何度もご説明をしています」
「真崎先生、いいじゃないですか、固い事言わないでちょっとくらいさ。あら、ステキな先生が入られたの?」
私の後ろに立つ王雅の姿をジロジロ値踏みするように見て、サトル君のお母さんは言った。「あらまぁ、イイ男ねー。ね、真崎先生、これはマズいんじゃないですかぁー?」
わざと腹の立つ言い方で、お母さんが私にいやらしい目を向けた。
「何がマズいのでしょうか?」
機械的に感情を表に出さず、冷たく聞いた。
私が感情を出したら、暴力沙汰になってしまうわ。
腹が立つ親を、片っ端からビンタしていってしまうから。心を見せないように、怒りを出さないように、何時も堪えるのに苦労する。
暴力を振るっているのはそっちの方なのに、傷つくのはいつもこっちなのに、それに力で対抗すれば、こちらが悪者になる。
こんな腐った世の中、全部リセットできればいいのに。
どんな子供だって、両親や大人に愛されて平等に育つ権利があるのに!!
どうして大人が、それを奪って踏みにじってしまうの。
「えーだってぇ・・・・ねぇ。男と女が同じ施設にいるんですよぉ? すること、なさるでしょ? 子供たちにとっては良くないんじゃないですかー?」
ホント、どうしてそんな下衆なコトしか考えられないのかしら。
アンタと一緒にしないで欲しい。
「彼は私の知人です。職員ではありませんし、施設内で間違いもございませんので、ご安心下さい。ですが、同じ施設に男性職員と女性職員が居ることに、何か問題でも? そういう施設、沢山あると思いますが」
「それは問題でしょー。まあ、子供の前でいう事じゃありませんけどぉ」
本当に、腹が立つ。
相変わらずの揺れ心地に安心する。身体が庶民体質だから、セレブはやっぱり私の肌に合わないと思い知らされる。
とりあえず王雅と過ごす時間はこれで終わりだから、平常に戻るの。
もう心を乱されたりしないし、いつも通りの私でいられるわ。
大通りで観光バスを降り、みんなで仲良く歩いて路地を曲がった。何時もの景色。変わらない。
私が幼い頃から、何も変わらない大切な場所。
命を懸けて守っていくと決めた、私の宝物。
変わらない佇まいのマサキ施設が目に入った。あら、門の所に誰かいるわ。
「サトル!」
真っ赤なミニのワンピースから大きな胸を露出させ、サトル君の名を呼び、女性が私達の方に近寄ってきた。巻き髪に安物のブランドのバッグを持って、真っ赤な口紅を唇に引いている。彼女は、サトル君のお母さんだ。確か今年で三十五歳になるハズ。
・・・・また来たの。あれだけ約束したのに。
「お母さん・・・・」
サトル君はお母さんを見た途端、怯えて王雅の後ろに隠れた。
「サトル、迎えに来たんだよ。さあ、おいで」
何が迎えに来た、よ! いけしゃあしゃあと!!
補助金目当てで、サトル君を一時的に連れ帰ろうとしているだけのクセに!
サトル君は私が守るんだから!
酷いご両親の元には、絶対に帰さないからねっ!!
「お母さん、お久しぶりです。サトル君の面会はまだ先の筈ですが」
王雅とサトル君の前に、さっと立ちはだかった。「今日はお約束、していませんよね?」
「約束はしてないけどさぁ。母親が子供に会いに来ちゃダメなワケぇ?」
「ダメです。規則ですから。こちらはきちんと責任をもって、サトル君をお預かりしておりますので。勝手に会いに来られては困ると、もう何度もご説明をしています」
「真崎先生、いいじゃないですか、固い事言わないでちょっとくらいさ。あら、ステキな先生が入られたの?」
私の後ろに立つ王雅の姿をジロジロ値踏みするように見て、サトル君のお母さんは言った。「あらまぁ、イイ男ねー。ね、真崎先生、これはマズいんじゃないですかぁー?」
わざと腹の立つ言い方で、お母さんが私にいやらしい目を向けた。
「何がマズいのでしょうか?」
機械的に感情を表に出さず、冷たく聞いた。
私が感情を出したら、暴力沙汰になってしまうわ。
腹が立つ親を、片っ端からビンタしていってしまうから。心を見せないように、怒りを出さないように、何時も堪えるのに苦労する。
暴力を振るっているのはそっちの方なのに、傷つくのはいつもこっちなのに、それに力で対抗すれば、こちらが悪者になる。
こんな腐った世の中、全部リセットできればいいのに。
どんな子供だって、両親や大人に愛されて平等に育つ権利があるのに!!
どうして大人が、それを奪って踏みにじってしまうの。
「えーだってぇ・・・・ねぇ。男と女が同じ施設にいるんですよぉ? すること、なさるでしょ? 子供たちにとっては良くないんじゃないですかー?」
ホント、どうしてそんな下衆なコトしか考えられないのかしら。
アンタと一緒にしないで欲しい。
「彼は私の知人です。職員ではありませんし、施設内で間違いもございませんので、ご安心下さい。ですが、同じ施設に男性職員と女性職員が居ることに、何か問題でも? そういう施設、沢山あると思いますが」
「それは問題でしょー。まあ、子供の前でいう事じゃありませんけどぉ」
本当に、腹が立つ。
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