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スマイル17・王様の裸
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しおりを挟む――美羽・・・・
王雅の声が、聞こえた。
辺りを見回すと、王様スマイルを浮かべた王雅がいた。
どういうワケか、目が反らせられないでいた。彼を求める様に、私は腕を広げた。
そのまま王雅の大きな腕に包み込まれて、好きだ、と囁かれると、何故か頷いてしまった。
どうしてなの。どうして、拒否できないの。
桃園の時みたいに安心して背中に手を回して、王雅を抱き返した。
そのまま王雅に見つめられて、身体に触れられた。
恥ずかしくて俯くと、顎に長い指が伸ばされて、クイッと引上げられた。王雅の方を向かせられ、引き寄せられる。
心が高鳴る。
――大丈夫、優しくする。
――不愉快なんて、絶対に思わせない。
――安心して、俺に全てを任せてくれ。
――二人で愛し合おう。
甘く囁かれて、緊張でどうにかなってしまいそうだった。
知らない間に裸になっていて、王雅と抱き合っていた。
美羽、好きだ、と呟かれて、王雅が私に覆いかぶさって来た。
そのまま私と王雅は――・・・・
パチッ
目が開いた。
見渡すと、お泊り保育でいつも使っているホールだった。
端の方に、少しだけ茶色くなった日焼けの跡みたいなシミが出来ているのが見えた。ここは、見知った場所だ。
右隣には、王雅が眠っているのが見えた。
今のは――夢?
何なの、一体!
どうして私が、王雅と××する夢なんか見なきゃいけないのよっ!
信じられないっ!!
アレだけ嫌だって言ったのに、昨日王雅が、私の隣に絶対寝るんだって、このポジションは絶対譲らない、と子供みたいに拗ねて暴れようとするから、リョウ君とかサトル君を私の左横に眠らせて、王雅に手を出されないように、ボディーガードを頼んだんだったことを思い出した。
朝からサイテーな夢を見てしまった。
肌の感触がリアルだったのは、すぐ傍に本物が眠っていたから。
起き上がろうと思ったら、抱き寄せられた。
胸に手が伸びてきて、触られた。
ちょっとちょっと――っ!!
「美羽、好きだ・・・・」
寝言で、さっきの夢で見たように囁かれた。
もうっ、止めてよ――っ!!
ワザとじゃないし、寝ている所をビンタするワケにもいかないから、体制をあれこれ変えて、何とか王雅の腕から抜け出した。
王雅は、丁度傍にあったというより転がって来たサトル君を、ガッチリ抱きしめているわ。寝ぼけて私と間違えているのね。
ああ、サトル君のお陰で助かった。さっさと着替えてご飯の支度しましょう。
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