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スマイル16・王様とキス
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テーブルの方に向かって行くと、既にパラソルの設置は終わっていて、王雅が沢山並べられた簡易椅子のひとつに座って、ぼんやりと空を眺めていた。
ちょっとお疲れのようね。大丈夫かな。仕事、忙しかったのかしら。
「王雅」声を掛けて覗き込んだ。「コッチの方、もう用意終わったんだ。早いね。ありがとう。一人で大変だろうから、手伝おうと思って来たの」
王雅は無言で私をじっと見つめた。
あまり見つめないで欲しい。ドキドキしてしまうから。
「どうしたの、王雅、きゃっ」
突然抱き寄せられた。「充電させろ。暫くお前に逢えなかったから、パワーがねーんだよ」
「ちょ・・・・ちょっと、こんなところで・・・・」
まりなちゃんに見られたら、なんて言われるか!!
本当に止めて欲しい。
「うるせえ。俺が、どんなにお前に逢いたかったと思ってんだ――・・・・」
王様の、端正な顔が近づいた。
吸い込まれそう。
あ、ダメ。これ、絶対、キスされるっ!!
「ほ、ほらっ、もうこっちは準備できたし、バーベキュー始めるから、アンタも来なさい」
すんでのところで振りほどいた。ああ、危なかった。
ごまかすように、食材がてんこ盛りのところまで引っ張って連れて行った。
みんながいたら、キスなんかできないわよね。
ちょっかいでこんな貧乏女に、挨拶するみたいにキスするの止めて欲しい。
それよりも、自分の心が王様の一挙でドキドキするのが赦せない。
こんなセクハラ男、絶対好きじゃないし。
何でドキドキなんかするのよっ! わけわかんないっ!!
「さあ、今から焼くから、いっぱい食べましょう」
火の準備も終わっているから、何時でも焼ける状態よ。とりあえず食べましょう。腹ごなししなきゃ!
「もういい。食いたくねえ」
ブスっとふくれっ面を見せて、プイ、と王雅がそっぽを向いた。
あら。怒っているわ。
「王雅、何膨れてんのよ。準備一人でさせちゃって、ゴメンね? 皆で食べるととっても美味しいから、そんなコト言わずに機嫌直してよ」
もしかして、キス出来なかったコトを怒っているのかしら。
だったら貴方みたいな男、幾らでもキスしてくれる女性位いるでしょう。
私じゃなくても、別にいいじゃない。
「お前が食わせてくれんだったら、食ってやってもいーぜ」
桃園の時に食べさせたみたいに、奉仕しろと言い出した。
相変わらず上から目線ね。誰に向かって言っているのかしら。
「何言ってんのよ。セルフよ、セルフ。そんな事言ってたら、無くなっちゃうわよ」
「じゃあ、食わねー」
「あ、そ。じゃあ勝手になさい」
とりあえず忙しくなるから、王雅は放っておきましょう。
後から焼いたお肉とか野菜、持って行ってあげればいいわ。
「みんなー、バーベキュー始めるわよー」
声を掛けて、まりなちゃんと江里ちゃんとで手分けして野菜や肉を焼き始めた。
すると砂糖に群がるアリのように、子供たちがわらわらと集まってきた。
焼き野菜だけじゃなくて美味しいふかし芋も作ろうと思って、さっき作って用意しておいた簡易蒸し器に火をかけた。
「さあ、どんどん食べてね!」
焼いても焼いても、凄い勢いで無くなっていく。
その中でも、ガックンが必死にお肉や野菜を取っていた。何時も遠慮がちのガックンが、珍しいわね。
「ガックン、頑張ってるわね。沢山取れた?」つい声を掛けた。
「はい。お兄さんに食べてもらおうと思いまして!」
「王雅の為に?」
「そうです! 今日ちょっとお兄さんお疲れみたいなカンジなので、いっぱい食べて、元気になってもらおうと思っています!」
ガックンがカワイイ笑顔を見せてくれた。
最初のオムライスの時からそうだけど、ガックンは人一倍王雅のコト気にかけて、優しくしてくれるわね。
きっと王雅も、ガックンのコト大切にしてくれているからでしょうね。
男の子は、特に王雅に懐いている。まあ、男の子だけじゃないけどね。
王雅は、めいっぱい身体使って遊んでくれるものね。私とは違うやり方で、王雅は子供たちを楽しませてくれるから。全力で愛してくれるから、子供たちも王雅が大好きなのね。
ちょっとお疲れのようね。大丈夫かな。仕事、忙しかったのかしら。
「王雅」声を掛けて覗き込んだ。「コッチの方、もう用意終わったんだ。早いね。ありがとう。一人で大変だろうから、手伝おうと思って来たの」
王雅は無言で私をじっと見つめた。
あまり見つめないで欲しい。ドキドキしてしまうから。
「どうしたの、王雅、きゃっ」
突然抱き寄せられた。「充電させろ。暫くお前に逢えなかったから、パワーがねーんだよ」
「ちょ・・・・ちょっと、こんなところで・・・・」
まりなちゃんに見られたら、なんて言われるか!!
本当に止めて欲しい。
「うるせえ。俺が、どんなにお前に逢いたかったと思ってんだ――・・・・」
王様の、端正な顔が近づいた。
吸い込まれそう。
あ、ダメ。これ、絶対、キスされるっ!!
「ほ、ほらっ、もうこっちは準備できたし、バーベキュー始めるから、アンタも来なさい」
すんでのところで振りほどいた。ああ、危なかった。
ごまかすように、食材がてんこ盛りのところまで引っ張って連れて行った。
みんながいたら、キスなんかできないわよね。
ちょっかいでこんな貧乏女に、挨拶するみたいにキスするの止めて欲しい。
それよりも、自分の心が王様の一挙でドキドキするのが赦せない。
こんなセクハラ男、絶対好きじゃないし。
何でドキドキなんかするのよっ! わけわかんないっ!!
「さあ、今から焼くから、いっぱい食べましょう」
火の準備も終わっているから、何時でも焼ける状態よ。とりあえず食べましょう。腹ごなししなきゃ!
「もういい。食いたくねえ」
ブスっとふくれっ面を見せて、プイ、と王雅がそっぽを向いた。
あら。怒っているわ。
「王雅、何膨れてんのよ。準備一人でさせちゃって、ゴメンね? 皆で食べるととっても美味しいから、そんなコト言わずに機嫌直してよ」
もしかして、キス出来なかったコトを怒っているのかしら。
だったら貴方みたいな男、幾らでもキスしてくれる女性位いるでしょう。
私じゃなくても、別にいいじゃない。
「お前が食わせてくれんだったら、食ってやってもいーぜ」
桃園の時に食べさせたみたいに、奉仕しろと言い出した。
相変わらず上から目線ね。誰に向かって言っているのかしら。
「何言ってんのよ。セルフよ、セルフ。そんな事言ってたら、無くなっちゃうわよ」
「じゃあ、食わねー」
「あ、そ。じゃあ勝手になさい」
とりあえず忙しくなるから、王雅は放っておきましょう。
後から焼いたお肉とか野菜、持って行ってあげればいいわ。
「みんなー、バーベキュー始めるわよー」
声を掛けて、まりなちゃんと江里ちゃんとで手分けして野菜や肉を焼き始めた。
すると砂糖に群がるアリのように、子供たちがわらわらと集まってきた。
焼き野菜だけじゃなくて美味しいふかし芋も作ろうと思って、さっき作って用意しておいた簡易蒸し器に火をかけた。
「さあ、どんどん食べてね!」
焼いても焼いても、凄い勢いで無くなっていく。
その中でも、ガックンが必死にお肉や野菜を取っていた。何時も遠慮がちのガックンが、珍しいわね。
「ガックン、頑張ってるわね。沢山取れた?」つい声を掛けた。
「はい。お兄さんに食べてもらおうと思いまして!」
「王雅の為に?」
「そうです! 今日ちょっとお兄さんお疲れみたいなカンジなので、いっぱい食べて、元気になってもらおうと思っています!」
ガックンがカワイイ笑顔を見せてくれた。
最初のオムライスの時からそうだけど、ガックンは人一倍王雅のコト気にかけて、優しくしてくれるわね。
きっと王雅も、ガックンのコト大切にしてくれているからでしょうね。
男の子は、特に王雅に懐いている。まあ、男の子だけじゃないけどね。
王雅は、めいっぱい身体使って遊んでくれるものね。私とは違うやり方で、王雅は子供たちを楽しませてくれるから。全力で愛してくれるから、子供たちも王雅が大好きなのね。
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