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スマイル14・王様と遠足
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次の日、待ち合わせの時間が早いから、昨夜の内に支度をしておいたから、朝三十分早くみんなを起こしてご飯を食べさせて、着替えたり出かける準備をしていたら、時間前なのに施設に王雅がやって来た。
「あっ、お兄さんだ! おはようございます!!」
「おはようございまーす!!」
彼にいち早く気づいたガックンやリョウ君を筆頭に、大きな声でみんなが王雅に挨拶した。
「あら、王雅。おはよう。わざわざここまで来てくれたの?」
「早く着いたし、ガキ共一人で連れてくんの、大変かと思ったから手伝いに来た」
「気が利くのね。助かるわ。さあ、みんな。今日は王雅お兄さんが、すっごく面白いところに連れて行ってくれるって! ご挨拶できる?」
「はーい! 王雅お兄さん、今日はよろしくお願いしまーす!!」
みんなの大きな声に、彼は満足そうに笑った。
「よーし、いい返事だ。準備できたやつから並べ。俺様が準備地点まで案内してやるから、美羽先生の言う事聞いて、ちゃんとはぐれないように、ついてくるんだぞ。それから、自分の荷物は自分で持て。他のヤツに甘えるな。誰も持っちゃくんねーぞ」
はーい、と大きな声で返事が上がった。
「あら。みんなは王雅の言う事、良く聞くのね」
結構上手に子供たちを扱うのね。
王雅のヤツ、なかなかやるじゃない。
「あたりめーだろ。誰に向かって言ってんだ」
「私の場合、時々聞いてくれない時があるのはどうしてかなー?」子供たちに笑顔を向けた。
「これからちゃんと聞きまーす!」
私の笑顔が怖かったのか、子供たちは大慌てで返事を寄こしてくれた。
「さあ、出発ね。忘れ物は無い?」
「無いでーす!!」
というわけで施設を出発し、王雅の会社所有の超高級大型バスまで案内してもらった。
施設のある路地から出て、少し歩いた先の大通りにそのバスは止められていた。
「えーっ、カッコイイ!! これに乗るのぉ!?」
「すっげー!!」
子供たちは口々に叫んで、我先にとバスの車内に入っていった。
「こんな高そうなバス・・・・」
もう本当に高そうなバスだわ・・・・。貸し切り料金とか、一体幾らくらいするのかしら・・・・。王雅はやっぱりお金持ち加減が半端じゃないわ。
眩暈がしそうになった。
子供たちは、車内できゃあきゃあ言って騒いでいる。
ああ、やめて。汚したり壊したりしないでね。施設の財力じゃ、弁済できないから。多分請求はされないと思うけど。でも、それでもやめて。
「いいんだ、気にすんなって。俺様の会社のバスだから、タダだよ。お前から金なんてとらねーよ。心配すんな」
タダっていうのはありがたいけど、こんなバス乗ったことが無いから、気が気じゃないわ。
不安気に思っていると、バスに押し込められた。
車中に入ると、かなり広々としていた。
ゆったりとした空間で、座席は豪華に革張りのシートだった。こんなの見た事ない。座り心地、かなり良さそう。
お手洗いまで完備な事に驚いた。バスにお手洗いがあるなんて。
更に、各席に遊べる玩具とお菓子も用意してくれている。
何なの、このセレブなバスはっ!?
格安観光バスしか乗った事ないから、落ち着かないわっ。
「ミュー先生、こっちこっちー」
「みーちゃん、座って、座ってぇ」
ミイちゃんとアイリちゃんが、一番後ろの席を確保してくれて、私を呼んでくれた。
その前には、キューマ君とチイちゃんとマーサ君が座っている。
もう早速勝手にお菓子食べてるし。食いしん坊ね。マーサ君、ポロポロお菓子零してるし。後で掃除しておこう。
思わず笑った。
「あっ、お兄さんだ! おはようございます!!」
「おはようございまーす!!」
彼にいち早く気づいたガックンやリョウ君を筆頭に、大きな声でみんなが王雅に挨拶した。
「あら、王雅。おはよう。わざわざここまで来てくれたの?」
「早く着いたし、ガキ共一人で連れてくんの、大変かと思ったから手伝いに来た」
「気が利くのね。助かるわ。さあ、みんな。今日は王雅お兄さんが、すっごく面白いところに連れて行ってくれるって! ご挨拶できる?」
「はーい! 王雅お兄さん、今日はよろしくお願いしまーす!!」
みんなの大きな声に、彼は満足そうに笑った。
「よーし、いい返事だ。準備できたやつから並べ。俺様が準備地点まで案内してやるから、美羽先生の言う事聞いて、ちゃんとはぐれないように、ついてくるんだぞ。それから、自分の荷物は自分で持て。他のヤツに甘えるな。誰も持っちゃくんねーぞ」
はーい、と大きな声で返事が上がった。
「あら。みんなは王雅の言う事、良く聞くのね」
結構上手に子供たちを扱うのね。
王雅のヤツ、なかなかやるじゃない。
「あたりめーだろ。誰に向かって言ってんだ」
「私の場合、時々聞いてくれない時があるのはどうしてかなー?」子供たちに笑顔を向けた。
「これからちゃんと聞きまーす!」
私の笑顔が怖かったのか、子供たちは大慌てで返事を寄こしてくれた。
「さあ、出発ね。忘れ物は無い?」
「無いでーす!!」
というわけで施設を出発し、王雅の会社所有の超高級大型バスまで案内してもらった。
施設のある路地から出て、少し歩いた先の大通りにそのバスは止められていた。
「えーっ、カッコイイ!! これに乗るのぉ!?」
「すっげー!!」
子供たちは口々に叫んで、我先にとバスの車内に入っていった。
「こんな高そうなバス・・・・」
もう本当に高そうなバスだわ・・・・。貸し切り料金とか、一体幾らくらいするのかしら・・・・。王雅はやっぱりお金持ち加減が半端じゃないわ。
眩暈がしそうになった。
子供たちは、車内できゃあきゃあ言って騒いでいる。
ああ、やめて。汚したり壊したりしないでね。施設の財力じゃ、弁済できないから。多分請求はされないと思うけど。でも、それでもやめて。
「いいんだ、気にすんなって。俺様の会社のバスだから、タダだよ。お前から金なんてとらねーよ。心配すんな」
タダっていうのはありがたいけど、こんなバス乗ったことが無いから、気が気じゃないわ。
不安気に思っていると、バスに押し込められた。
車中に入ると、かなり広々としていた。
ゆったりとした空間で、座席は豪華に革張りのシートだった。こんなの見た事ない。座り心地、かなり良さそう。
お手洗いまで完備な事に驚いた。バスにお手洗いがあるなんて。
更に、各席に遊べる玩具とお菓子も用意してくれている。
何なの、このセレブなバスはっ!?
格安観光バスしか乗った事ないから、落ち着かないわっ。
「ミュー先生、こっちこっちー」
「みーちゃん、座って、座ってぇ」
ミイちゃんとアイリちゃんが、一番後ろの席を確保してくれて、私を呼んでくれた。
その前には、キューマ君とチイちゃんとマーサ君が座っている。
もう早速勝手にお菓子食べてるし。食いしん坊ね。マーサ君、ポロポロお菓子零してるし。後で掃除しておこう。
思わず笑った。
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