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スマイル3・王様がコロッケに興奮
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食事を終えた後は片付けを一人でこなし、子供達を全員寝かしつけ、応接間で大王と向き合っていた。
なんだかんだで子供達と遊んでくれたし、片付けも手伝ってくれたし、お礼に紅茶を淹れてあげた。
「今日は有難う。貴方が一緒にいてくれたお陰で、トイレットペーパー二つ買えたわ」
感謝の意は伝えたわ。これで借りはナシよ。
貴方が私の為に今日は色々と役に立ってくれた事は、一応感謝しているから。
まあ、セクハラ代よ。昼食もタダでご馳走したんだし、これでチャラにしてあげるわ。
「トイレットペーパーなんか、どーして二つも買うんだよ」
大王は心底不思議そうな顔で尋ねてきた。
トイレットペーパーなんて、貴方きっと今まで自分で買った事も無いんでしょうね。
「ああ。それはね、施設には沢山子供たちが居るから、すぐなくなっちゃうのよ。だから、安く買える時に沢山買っておきたいの」
二つゲットは、本当に嬉しいわ。
「それより、貴方って本当に変な男性(ひと)ね。高慢でどうしようもない変態の割に、子供たちに好かれるんですもの。施設の話付けに来た人が、私たちと一緒にお昼ご飯食べちゃうなんて、ホント、信じられない」
「しょっ・・・・しょーがねーだろっ! お前が俺の話を聞かねーから、成り行きでこうなったんだ!! それより施設の立ち退き話――」
「貴方にだから言うけど、マサキ施設は私たちにとって、本当に大切な場所なの」
真剣な顔で訴えた。
「路地裏だけど立地も良くて商店街も近いし、私たちの楽しみのコロッケ特売もあるし、何かと便利なのよ。近所の人とも仲良くさせて貰って困った時は助けてくれるし、何より私の両親が遺してくれた、本当に大切な施設だから。他人にとったらボロで古くて汚い施設かもしれないけど、それでも大切なの。だから絶対にどんな嫌がらせされても、立ち退きしないから。私が、命懸けて守っていく」
「・・・・」
「そういう訳だからもう来ないでね。何度来ても、答えは一緒だから」
キッパリ言い切った。
これでもう施設には来ないでしょ。
「・・・・今日の所は、昼飯に免じて帰ってやる。けどな、俺に水かけた上に頬まで叩いてくれた礼、きっちりお前の身体で返してもらうぜ。忘れんな」
大王はそう言い残して帰って行った。
まだ来るつもりなの。本当にしつこい男。
でも、お金持ちのお坊ちゃまの割には根性あるわね。
ちょっと見直した。ただのセクハラ男じゃないのかもしれない。
まあ、何度来ても同じだけどね。私が立ち退きするなんて、天地がひっくり返ってもあり得ないから。
あんな男に、絶対負けないわ!!
なんだかんだで子供達と遊んでくれたし、片付けも手伝ってくれたし、お礼に紅茶を淹れてあげた。
「今日は有難う。貴方が一緒にいてくれたお陰で、トイレットペーパー二つ買えたわ」
感謝の意は伝えたわ。これで借りはナシよ。
貴方が私の為に今日は色々と役に立ってくれた事は、一応感謝しているから。
まあ、セクハラ代よ。昼食もタダでご馳走したんだし、これでチャラにしてあげるわ。
「トイレットペーパーなんか、どーして二つも買うんだよ」
大王は心底不思議そうな顔で尋ねてきた。
トイレットペーパーなんて、貴方きっと今まで自分で買った事も無いんでしょうね。
「ああ。それはね、施設には沢山子供たちが居るから、すぐなくなっちゃうのよ。だから、安く買える時に沢山買っておきたいの」
二つゲットは、本当に嬉しいわ。
「それより、貴方って本当に変な男性(ひと)ね。高慢でどうしようもない変態の割に、子供たちに好かれるんですもの。施設の話付けに来た人が、私たちと一緒にお昼ご飯食べちゃうなんて、ホント、信じられない」
「しょっ・・・・しょーがねーだろっ! お前が俺の話を聞かねーから、成り行きでこうなったんだ!! それより施設の立ち退き話――」
「貴方にだから言うけど、マサキ施設は私たちにとって、本当に大切な場所なの」
真剣な顔で訴えた。
「路地裏だけど立地も良くて商店街も近いし、私たちの楽しみのコロッケ特売もあるし、何かと便利なのよ。近所の人とも仲良くさせて貰って困った時は助けてくれるし、何より私の両親が遺してくれた、本当に大切な施設だから。他人にとったらボロで古くて汚い施設かもしれないけど、それでも大切なの。だから絶対にどんな嫌がらせされても、立ち退きしないから。私が、命懸けて守っていく」
「・・・・」
「そういう訳だからもう来ないでね。何度来ても、答えは一緒だから」
キッパリ言い切った。
これでもう施設には来ないでしょ。
「・・・・今日の所は、昼飯に免じて帰ってやる。けどな、俺に水かけた上に頬まで叩いてくれた礼、きっちりお前の身体で返してもらうぜ。忘れんな」
大王はそう言い残して帰って行った。
まだ来るつもりなの。本当にしつこい男。
でも、お金持ちのお坊ちゃまの割には根性あるわね。
ちょっと見直した。ただのセクハラ男じゃないのかもしれない。
まあ、何度来ても同じだけどね。私が立ち退きするなんて、天地がひっくり返ってもあり得ないから。
あんな男に、絶対負けないわ!!
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